🐼14」─4・A─新疆ウイグル人権問題。ジェノサイド関与が疑われる「日本企業14社」の苦慮。〜No.29 

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   ・   ・   {東山道美濃国・百姓の次男・栗山正博}・     
 2021年4月16日 MicrosoftNews NEWSポストセブン「新疆ウイグル人権問題 関与が疑われる「日本企業14社」の苦慮
 © NEWSポストセブン 提供 新疆産の綿を使っているかどうかについて「ノーコメント」と発言したファーストリテイリング柳井正会長(時事通信フォト)
 中国政府が新疆ウイグル自治区で100万人以上のウイグル人強制収容所に送り、強制労働などの弾圧を続けている人権問題について、日本政府は中国に「NO」と言えない状況が続いている。だが、これは政府に限ったことではない。日本企業も中国に対して「NO」と言えず窮地に立たされているのだ。
 世界の首脳に先駆けてバイデン大統領との会談に臨んだ菅義偉首相は、大統領から出された“宿題”への回答に苦慮していることだろう。
 今回の訪米では「安全保障」「気候変動」「経済協力」の3分野で共同文書を発表することが事前に明らかにされていたが、どの課題もすぐに回答の出せるものではない。が、それ以上に菅首相が頭を抱える難題が「対中政策」だ。
 中国政府が新疆ウイグル自治区で100万人以上のウイグル人強制収容所に送り、強制労働などの弾圧を続けている問題について、日本政府は煮え切らない態度を取り続けている。
 各閣僚も「人権状況については深刻に懸念」(加藤勝信官房長官)、「(欧米と)考え方は完全に共有できている」(茂木敏充・外相)と表明するのみで、ウイグル人弾圧を「ジェノサイド(民族大量虐殺)」と認定した米国とは温度差がある。G7の中で対中制裁に加わっていないのは日本だけだ。
 いくらバイデン大統領から「制裁に参加せよ」と要求されても、親中派二階俊博幹事長や公明党への顔向けもあり、軽々と「反中」へ舵を切ることはできない。
 疑われた日本企業「14社」
 こうした政府の姿勢は、日本を代表する企業トップの判断にも影響を及ぼした。
 ファーストリテイリングユニクロ)の柳井正会長は、4月8日の記者会見でウイグル問題について問われると、「人権問題というより政治問題であり、われわれは常に政治的に中立だ」と表明。新疆産の綿を使っているかどうかについても「ノーコメント」とし、曖昧な態度に終始した。
 3月末にはスポーツ用品大手・アシックスが中国のSNS「微博」上で、「(台湾を中国の一部分とみなす)一つの中国原則を堅持」し、「中国の主権と領土を断固として守る」という声明を発表。その後、過剰な中国擁護が批判されると声明を取り下げ、釈明する事態となった。
 こうした日本企業とは対照的に、世界の大企業は続々と“反中”を明確に示している。
 H&M、イケア(以上スウェーデン)、ナイキ、パタゴニア(以上米国)、アディダス(ドイツ)といったグローバル企業が次々と強制労働への懸念を表明したほか、英国政府は「人権侵害の産物が英国のスーパーの棚に並ぶことがないようにする」として、強制労働に関係した製品を英国内から排除すると発表している。
 2020年9月には豪シンクタンク「豪戦略政策研究所」がウイグル人の強制労働に関する報告書を公開した。強制労働との関与が疑われる企業としてアップル、BMWサムスンフォルクスワーゲンなどの世界的企業のほか、日本からは前述のユニクロ無印良品しまむらパナソニックソニー日立製作所TDK、京セラ、三菱電機、シャープ、任天堂など、14社が名を連ねていた。
 日本ウイグル協会らがこの14社に対して質問書を送ったところ、多くの企業が「強制労働の問題は確認できなかった」と回答。パナソニックは14社のなかで唯一、質問に一切回答せず、同協会は「絶望的な思いがする」とコメントした。
 ※週刊ポスト2021年4月30日号」
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 4月20日07:05 MicrosoftNews NEWSポストセブン「媚中ビジネス続ける日本企業 二等国の烙印を押されかねない現状
 ユニクロは中華圏の売り上げがすでに日本国内を上回っているという(時事通信フォト) © NEWSポストセブン 提供 ユニクロは中華圏の売り上げがすでに日本国内を上回っているという(時事通信フォト)
 中国政府が新疆ウイグル自治区で100万人以上のウイグル人強制収容所に送り、強制労働などの弾圧を続けている人権問題は、日本を代表する企業にも影響を及ぼしている。
 昨年9月、豪シンクタンク「豪戦略政策研究所」がウイグル人の強制労働に関する報告書を公開したが、強制労働との関与が疑われる企業としてアップル、BMWサムスンフォルクスワーゲンなどの世界的企業のほか、日本からは前述のユニクロ無印良品しまむらパナソニックソニー日立製作所TDK、京セラ、三菱電機、シャープ、任天堂など、14社が名を連ねていた。
 日本ウイグル協会らがこの14社に対して質問書を送ったところ、多くの企業が「強制労働の問題は確認できなかった」と回答した。
 このように日本企業が中国に対して及び腰になる背景には、中国市場での売り上げを失いたくないという思惑や、中国批判をすることで中国内での不買運動や現地企業への認証取り消し、関税の引き上げなどの“報復”を恐れているとの見方もある。
 もっとも日本企業のなかには、中国政府と歴史的に距離が近い企業も少なくない。
 パナソニックは創業者の松下幸之助が1978年、日中平和友好条約批准のため来日したトウ小平と面会し、「中国近代化に協力してほしい」と直々に要請を受けた。いち早く共産国への経済協力を行なった同社は、中国では“井戸を掘った人”として讃えられてきた。松下幸之助は2018年に「中国に貢献した10人の外国人」として中国共産党から表彰されている。
 日本製鉄(旧・新日鉄)は1978年、中国の製鉄事業に全面協力し、上海宝山製鉄所の建設に尽力。この国家的プロジェクトは小説『大地の子』(山崎豊子著)でも描かれた。
 日本は中国と物理的に距離が近いため、欧米のように明確な対立構造は取りにくい。
 だが、このまま媚中ビジネスを続けることのリスクもある。雑誌『経済界』編集局長の関慎夫氏が指摘する。
 「日本企業の欧米でのブランドイメージが毀損され、グローバルスタンダードと乖離した“二等国”の烙印を世界から押されかねません。米国などは強制労働に関わった生産物や商品の輸入を禁止する動きを本格的に強めています。
 ユニクロは現在、テニスの錦織圭選手をアンバサダーとして起用しているほか、スイスのロジャー・フェデラーをはじめ世界のトップアスリートのスポンサードも積極的に行なっている。彼らに“NO”と言われた場合、今度はグローバル企業としての信用を失いかねない」
 踏み絵の前で立ち止まれる時間は、そう長くはなさそうだ。
 ※週刊ポスト2021年4月30日号」
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