🗽10」─9─世界の国歌に込められた意外な事情。好戦的な「敵の血で田畑を染めよう」。~No.42 

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 フランス国旗
 意味、青は自由を、白は平等を、赤は博愛を表わす。
 由来、フランス革命軍が帽子に付けた帽章の色に由来する。
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 日本国歌「君が代」が嫌いな日本人は、フランス国歌「ラ・マルセイエーズ」を愛唱する。
 日本人の中には、人民の勝利と「自由と平等と博愛」の精神であるフランス革命に憧れる。
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 2026年10月31日 YAHOO!JAPANニュース PHPオンライン「国歌なのに「敵の血で田畑を染めよう」!? 世界の国歌に込められた意外な事情
 「人間国歌ジュークボックス」KENTさん
 「敵の血で田畑を染めよう」…そんな歌詞が登場する、フランスの国歌。
 国歌といえば、国への愛や平和への願いを歌うものかと思いきや、その成り立ちや歌詞をひもとくと、国ごとの歴史や価値観が見えてきます。中央揃えに歌詞を並べるとワイングラスの形になっている国歌もあれば、時代に合わせて言葉が変わった国歌も。
200カ国以上の国歌を歌う「人間国歌ジュークボックス」KENTさんに、知れば誰かに話したくなる、世界の国歌にまつわる意外なエピソードを聞きました。
 【画像】ワイングラスの形になるスロベニアの国歌
 (取材・文/PHPオンライン編集部)
 歌詞が「ワイン」?スロベニアの平和な国歌
―KENTさんが特に好きな国歌はありますか?
 色々ありますが、スロベニアの国歌は好きですね。自分たちの国だけじゃなく、世界中の人たちの平和を願う歌なんですよ。詩は文字そのものがワイングラスの形を描くように書かれているんです。しかも、タイトルは「祝杯」。最高じゃないですか。ハッピーで大好きなんです。
―平和な国歌ですね!
 平和で言えば、君が代も素敵な国歌だと思います。
 君が代は『古今和歌集』から取った歌で、「私の大好きなあなたが長く生きられますように」という意味なんです。国歌では、「君」を天皇と捉える人もいれば、自分のお父さんやお母さんと捉える人もいる。自分にとって大切な人が長く生きられますように、という歌なんです。
 一方で、フランスの国歌「ラ・マルセイエーズ」は、かなり激しい歌なんですよ。敵の血で田畑を染めよう、みたいな歌詞が出てくるんです。
 革命を経験した国は、こういった激しい歌詞が多いんです。圧政者をやっつけろ! みたいな。
 フランスの国歌は戦いに向かう歌なので、サッカーの試合前なんかに流れるとかっこいいですよね。それに比べると、君が代はゆったりとした低音で、なんだか脅しているようにも聞こえる…というのは冗談ですか(笑)とても平和な歌だなと思います。
 国の事情で国歌は変わる
 「人間国歌ジュークボックス」KENTさん
―国歌には、いろいろな背景があるんですね。
 背景といえば、面白いのがマレーシアの国歌です。
 マレーシアには、もともと国歌がなかったんですよ。1957年の独立にあたって国歌を作ろうとなったときにペラ州の州歌が採用されたのですが、この歌はもともと19世紀フランスのシャンソン『La Rosalie』であるという説があるんです。いわば、替え歌ですね。
 国歌って、フランス革命後からいろんな国で歌われるようになったので、実はそれほど歴史の古いものではないんですよ。なので、国の状況によって変わることもありますし、歌詞が変わることもあるんです。
―歌詞は、どういう事情で変わるんでしょうか?
 わかりやすい例でいうと、イギリスの国歌です。以前は「God Save Our Gracious Queen(神よ、慈悲深き女王を守りたまえ)」と歌っていたのが、今は国王に合わせて「God Save Our Gracious King(神よ、慈悲深き国王を守りたまえ)」になっています。君主が女王から国王に変わったことで、歌詞も変わったんですね。
 それから、カナダの国歌も変わっています。以前は「All thy sons command(汝の息子たちすべてが命ずる)」という歌詞だったのですが、2018年に「All of us command(我々すべてが命ずる)」に変更されました。「息子たち」だけでなく、性別を問わず誰もが自分たちの国の歌として歌えるように、ということですね。
―ジェンダーの観点から配慮がされていて、時代を感じますね。
 国歌って、一度決まったらずっと変わらないものというイメージがあるかもしれませんが、社会や政治の変化を反映して、少しずつ変わっていくこともあるんですよ。
国歌が歌えない国も
 変わるだけでなく、以前の国歌が使われなくなった国もあります。
 僕はアフガニスタンの国歌も大好きなんです。2006年に採用された国歌には、国内のさまざまな民族の名前が入っているんですよ。
 ただ、2021年にタリバンが復権してからは、以前の国歌は使われなくなりました。また、現在のアフガニスタンでは、タリバン政権のもとで音楽活動が厳しく制限されています。歌ったり、踊ったり、楽器を演奏したりすることも難しい状況なんです。
―なぜそのような制限がされるのでしょうか。
 タリバンの宗教的な解釈では、音楽などの活動はアッラーの意に沿わないとされているんです。
 僕はInstagramで、いろんな国の国旗を描きながら国歌を歌う動画も投稿しているんですが、もともとのアフガニスタンの国旗って、すごいんですよ。とても細かくて、芸術的なデザインなんです。描くのに2時間くらいかかりました。
 ただ、タリバンが復権してからは、以前とは異なるデザインの、文字が書かれた旗が使われています。国歌も国旗も、政治的な状況によって変わっていくんですよね。
 以前、アフガニスタン出身の方と知り合う機会があったんですが、その方が言っていたんです。「みんな普通に音楽もできるし、踊れるし、絵も描ける。でも、そういうことができない国もあるんだから、本当にありがたいことなんだよ」って。
 本当に世界にはいろんな国があって、文化も考え方も違うんですよね。そういうことを、僕は国歌を通じて学びました。
 KENT /本間健太郎(パフォーマー)
 【関連リンク】
 さかなクンに「全部の国歌を覚えます!」と誓い…政治家志望だった青年が200カ国以上歌える「人間国歌ジュークボックス」になるまで(KENT /本間健太郎)
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🗿6:─1─「出て行け!」外国人排斥が南アで暴走 移民を襲う暴徒、略奪、追放の恐怖。~No.13No.14 

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 世界に広がる外国人排除。
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 2026年10月28日 MicrosoftStartニュース ニューズウィーク日本版「「出て行け!」外国人排斥が南アで暴走 移民を襲う暴徒、略奪、追放の恐怖【写真特集】
 トミー・トレンチャード
 6月30日、南ア東部の港湾都市ダーバン中心部で行われた大規模な移民排斥デモ。反移民団体は不法滞在者に対し、この日までに国外退去するよう要求していたが、実際には合法的な移民も排斥の標的となった
 © ニューズウィーク日本版
 ※“A picture is worth a thousand words.”――1枚の写真には千の言葉の価値がある。世界の今を鋭く捉えるドキュメンタリーから、感性を刺激する芸術的なアプローチまで。連載からお届けします。
 南アフリカでは今年に入って、反移民団体マーチ・アンド・マーチが主導する外国人排斥運動が活発化。「アバハンベ(出て行け)」をスローガンに、犯罪や失業から住宅危機まであらゆる問題の責任を移民に押し付け、外国人排斥の緊張が一気に高まった。
 同団体は不法移民に対して、6月30日までに国外退去するよう要求していたが、実際は合法的なアフリカ系移民を含む多くの外国人が暴力や脅迫にさらされている。「期限」を前に何万人もの人々が国外に脱出した一方で、帰国のバス代を払えない人々は、主要都市に急ごしらえで設置された劣悪な避難民キャンプに身を寄せた。
 6月30日に各地で行われた大規模デモでは、参加者の一部が暴徒化。移民排斥を叫んで街を練り歩き、外国人とみられる人々を自宅から引きずり出し、移民が経営する商店で略奪を働いた。
 期限を過ぎると国際社会の関心は薄れたが、迫害の日々が終わったわけではない。自らの意思で、または安全に帰れる故郷がなく南アにとどまった数百万人の外国人は、今も差別と暴力の恐怖に怯えながら暮らしている。
 撮影:トミー・トレンチャード
 ウガンダの首都カンパラと南アフリカのケープタウンを拠点とするイギリス人ドキュメンタリー写真家兼ライター。アフリカの政治、経済、文化、環境問題のほか、イラクの紛争などを幅広く取材し、英ガーディアン、米ニューヨーク・タイムズなどの主要紙に写真と記事を発表している。 本作は、仏ペルピニャン国際報道写真祭の一環として2025年に創設された報道写真賞「Visa d’or Online」を受賞
 【第1045回】
 「出て行け!」外国人排斥が南アで暴走 移民を襲う暴徒、略奪、追放の恐怖【写真特集】
 © ニューズウィーク日本版
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👠45:─6─高齢化社会のフランスで支配的でない若者の声、欧州で極右が躍進する理由。~No.110 

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 2026年10月29日 YAHOO!JAPANニュース SPA!「「もはや景気に関係なく分断は続く」フランスで暴動が激化、欧州で極右が躍進する理由/倉山満
 10月17日、フランス・リヨンで物価高や経済状況への不満を訴えるデモが行われ、数千人が参加した。デモ隊と機動隊が衝突し、催涙ガスの使用や放火が相次いだほか、市中心部では逮捕者も出た。写真は炎が上がる現場の様子 写真/Hans Lucas via AFP(日刊SPA!)
 フランスで大規模デモが激化し、24日には内務省発表で40万人以上が参加した。欧州の周辺国にも不満が広がるなか、憲政史研究家の倉山満氏は「もはや経済状況がどうであろうと、分断は続く」と指摘する。「革命」を美化しがちな日本人は、この光景をどう見るべきか(以下、倉山満氏による寄稿)。
 日本人は「革命」を良いことだと勘違いしている
 日本人は「革命」を良いことだと勘違いしている。「革命的」と言えば、それまで誰も思いもつかなかった、根本的に変える良いこと、のように使われる。たとえば「産業革命」のように。
 では、社会を根本的に変えたらどうだろう。法も秩序もなくなる。暴力を制御する政府が無くなり、弱い者の財産は力がある者に奪われ放題だ。革命とは、社会をリセットすること。それまでの価値観を、すべてを否定することである。
 17世紀の政治学者であるトマス・ホッブズは、人はほっておくと「万人の万人に対する闘争を始める」と喝破した。つまり、強力に止める力が無いと、すべての人間がすべての人間に暴力を振るう、とても安心できない世の中になると。これの厄介なのは、物理的に最強の人間も、不意を突けば物理的に最弱の人間に殺されうる。だから、誰もが安心できない世の中になると。この無政府状態をホッブズは「ビヒモス」と名付けた。旧約聖書に出て来る怪物の名前である。
 ホッブズは説く。ビヒモスを制御するには、リバァイアサンを飼いならさなければならない、と。これまたリバァイアサンも旧約聖書に出て来る怪物の名前である。政府のことである。
 日本風に言えば、「キングギドラを追い払うためには、ゴジラを飼いならさねばならない」であろうか。
 ホッブズの想定した政府は絶対王権のことだったが、やがて世界史的な流れの中で、政府の運営には国民自身が関わるべきだとなった。今や世界中で、選挙が行われていない国が少数だ。その実態が、どの程度かはさておき。
 もはや経済状況がどうであろうと分断は続く
 さて、民主化の先進国を気取るフランスで、大暴動が起きている。もともとは教育環境に不満な高校生たちのデモに過激派が便乗、暴徒と化している。欧州の周辺諸国にも広がる気配だ。世界の先進国を気取るヨーロッパが、移民と不況に苦しんでいる。
 多くのヨーロッパ諸国で、リベラル政党が移民受け入れを推進し、保守政党は生ぬるい。そこに、ウクライナと中東の紛争が続き、世界的なインフレが襲う。
 物価高で苦しんでいるのはどこも同じだ。紛争で物不足なのだからモノの値段が上がるインフレになるのは当然で、中央銀行が金利を上げたくらいで収まるはずがない。という理屈がわかる人とわからない人の間に越えられない壁があり、日本でも分断となっている。
 それが外国になるともっと深刻で、景気が良かろうが悪かろうが、分断している。
 景気が良ければ自分の支持政党のおかげ、悪ければ反対党の責任と、結論が最初から決まっているのだから、もはや経済状況がどうであろうと、分断は続く。
 ただ、経済は生活に直結する。政治信条と関係なく、物価高は苦しい。だから、どこかで不満が爆発する。フランスの場合は、それが暴動だ。
 暴動に限らず、既成政党のやりかた、特に移民政策に不満な勢力が、明確な反移民政策を掲げる政党への支持を集中させる傾向がある。
 極右政党が躍進するヨーロッパ
 たとえば、ドイツだ。ドイツの二大政党は保守のキリスト教民主同盟とリベラルの社民党で、両者のどちらかを中心とする連立政権を形成してきた。この両党が組むと大連立。
 ところが、一般に極右政党と目されるAfD(ドイツのための選択肢)が急伸、国政第二党に躍進している。
 AfDはホロコーストを否定するネオナチ的な連中まで抱えている。だから極右と言われる。しかし大半は移民による社会不安と経済問題に対する不満層が集まっている。
 AfDが、似たような政治進出から長期政権を築いているイタリアのメローニ首相のようになる可能性だって、ある。またフランスでも同じように極右と蔑まれた国民連合のルペン氏が次期大統領選挙で支持を伸ばしている。
 同様の現象はイギリスでも起きている。
 労働・保守の二大政党が強い地盤で、リフォームUKが勢力を伸ばしている。党首のファラージ氏、金と女に汚く、マトモな定見も持たないが、やたらと行動力があると評判。その人物像、どこかで聞いたようだが、ともかく、衆議院の全選挙区に候補者を用意したとのこと。イギリスは完全小選挙区制なので、その時に支持率が高い政党が総取りできる可能性がある。移民と不況に無策な既成政党を押しのけかねない。
 自民党の強さであり弱さである「ソコソコの政治」
 さて、日本でも一時期は参政党がその立ち位置に行くかと思われたが、世界史最強の民主主義政党である自由民主党を舐めてはいけない。
 昨年の参議院選挙で敗北、参政党が躍進するや、高市早苗を総裁(総理大臣でもある)に据えた。今の一強人気で忘れているが、就任前の高市首相は、「あいつだけは首相になれない、したくない」と思われていた人物だ(だから石破茂が首相になれた)。しかし、権力を失うとなれば、いかなる改革でも行うのが、自民党。そして全員が従う。
 現に高市首相になるや支持率は瞬く間に回復、石破内閣時代の「この党、このまま潰れるのでは?」の空気など、日本人のほとんどが覚えていない。すっかり参政党のお株を奪った。しかし、高市首相は“それっぽい”が極端なことはしない。
 自民党の強さであり弱さが、「ソコソコの政治」をできることだ。右にも左にも極端なことをやらない。大多数の日本国民の願う政治を行う。利益の配分を間違えなければ、選挙では常に勝てる。行政の回し方は、官僚のシナリオに則ればよい。「ソコソコの政治」とは根本解決をしないが、極端な破滅もしない政治である。
 この官僚丸のっかりの自民党政治の弱点は、「緩やかに停滞する」を良しとしてしまうことだ。その典型が30年もデフレ不況にしたこと。また、根本解決しなければならない問題には何の対処もできない。
 外国と比較すれば、革命を起こす気にならない。実は日本人、自民党の官僚丸のっかり政治に意外と不満は無い。今後もそれで良いのかどうかは、知らないが。
 【倉山 満】
 憲政史研究家。1973年、香川県生まれ。救国シンクタンク理事長兼所長。中央大学文学部史学科を卒業後、同大学院博士前期課程修了。在学中から’15年まで、国士舘大学日本政教研究所非常勤職員を務める。現在は、「倉山塾」塾長、ネット放送局「チャンネルくらら」などを主宰。著書に『13歳からの「くにまもり」』など多数。トランプ再来で揺れる世界を見通すための新章を追加したベストセラー『増補版 嘘だらけの日米近現代史』(扶桑社新書)が発売中
 日刊SPA!
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 10月29日 YAHOO!JAPANニュース AP通信「高齢化社会の仏で若者は少数派 かつてほど支配的でない若者の声
 2026年10月28日:パリでリソースの不足する学校に反対する抗議活動中にフランス国旗を掲げる抗議者。(AP Photo/Aurelien Morissard)
 パリ、フランス、10月29日 (AP) ー 学校の資金不足や将来の不安についてフランスで何週間も抗議活動を行ってきた高校生は、自分たちの声を届けることがフラストレーションのたまる闘いであると不満を漏らしている。
 人口統計学的に見ると、フランスだけでなく米国なども含む高齢化社会において、若者たちは、かつて自分たちの親や祖父母が若い頃に存在感を示す原動力となった、数的な優位をもはや持っていないというのは事実である。
 フランスでは、抗議する生徒は学校の資金援助についての国民的議論を引き起こし、それが生活費の高騰をめぐる広範な不安や過剰な警備へと変貌を遂げた。
 セルビアでは、2年間にわたる学生主導の抗議活動により、同国のポピュリストの強権指導者であるアレクサンダル・ヴチッチ大統領が今週末に失脚した。アルバニアでは、高校生や大学生が、エディ・ラマ首相に辞任を何カ月も迫ってきた反政府運動の輪を広げている。Z世代はインド、ネパール、その他の地域でも動員をかけている。
 しかし、フランスやセルビアをはじめとする各国で、若者は、より長く生き、現在では自分たちを数で上回る上の世代に、人口統計学的に地歩を譲りつつある。
 彼らがデモ行進をし、プラカードを掲げ、スローガンを叫ぶとき、若者の声は――少なくとも数理的には――かつてほど支配的ではない。
 ロックンロールのセンセーションであり、フランスのエルヴィスであるジョニー・アリディが1960年に初めてのヒット曲「スーヴニール、スーヴニール」を発表したとき、第二次世界大戦の荒廃の後に生まれた最初の子どもらがティーンエイジャーになりつつあった。それは、国を、そして世界規模で世界を作り変えていく、戦後ベビーブーム世代の最初の波であった。
 彼らはビートルズを手に入れた。ビートルズは1964年にフランスで最初のコンサートを行い、1965年には夫の同意なしに女性が銀行口座を開設する権利を獲得し、1967年には避妊ピルが合法化された。若者は政治的、文化的、社会的、性的勢力となり、1968年5月にバリケードに立ったとき、「現実主義であれ、不可能なことを要求せよ」というキャッチーなスローガンや石を投げて既存の秩序に挑んだ。
 当時の人口動態は彼らに有利に働いていた。1968年の940万人のティーンエイジャーや若い成人はフランス本土の人口の19%を占め、高齢者を快適に上回っていた。65歳以上は人口のわずか13%にあたる630万人であった。
 現在はその逆である。1946年から1964年の間に生まれた人々として定義される富裕なベビーブーマーにとって、世界は思いのままであった。
 現在、65歳以上の1500万人は人口の22%を占め、人口のわずか14%にすぎない13歳から24歳までの960万人を上回っている。
 ヨーロッパでは、彼らはフランスで「栄光の30年」として今でも懐かしく記憶されている戦後の経済成長期に育ち、最初の仕事を得た。彼らは格安航空旅行の誕生、冷戦の終結、パーソナルコンピューターの台頭を享受した。フランスだけでも、ブーマーは彼らが亡くなった際に残す莫大な個人資産として9兆ユーロ(約10兆ドル)を蓄え、専門家が「大いなる富の移転」と呼ぶ現象を引き起こしている。
 しかし彼らはまた、破壊的な気候変動や、大気中における人為的な温室効果ガスの過去最高レベルの汚染、そしてブーマーが始めたウクライナやイランでの未解決の戦争(トランプは1946年、ネタニヤフは1949年、プーチンは1952年生まれ)によって揺らぐ世界秩序をも残している。
 フランスにおいて、Z世代はまた、記録的なレベルの貧困や、記録的な公的債務を含む深刻な経済問題を引き継いでいる。これらは、より多くの教師がいてラットの発生や雨漏りなどの問題のないより良い学校や、卒業後のより多くの機会といった、抗議する学生が求めるすべてを政府が提供する能力を制限している。
 若者により大きな発言権を投票用紙の上で与えるため、フランスでは投票年齢を18歳から16歳に引き下げるべきだという声があがっている。
 このアイデアの支持者には、極左の大統領候補であるジャン=リュック・メランションが含まれている。75歳の彼は、高校生の抗議活動の最も著名な支持者である。彼は、自分たちの運動が、2022年の前回大統領選で他のどの年齢層よりも投票率の低い若い有権者の投票率向上につながることを期待している。
 パリの政治学院シエンス・ポの政治学者であり、自身もベビーブーマーであるリュック・ルバンは、16歳の人々の多くが投票権を行使するかどうか疑問視している。なぜなら「彼らは政治的知識を欠いており、政治に関心がないからだ」という。
 「なぜ若者は政党に入党しないのか? なぜ活動家がますます減っているのか? なぜ労働組合員のリクルートがますます難しくなっているのか? そこに問題がある。代議制民主主義のシステムに対する一種の拒絶が存在するのだ」と68歳のルバンは語った。
 しかし、ここ数週間の抗議活動を行う生徒らは、バリケードの築き方や、警察の催涙ガスを眼から洗い流す方法などを学び、それらはブーマーにとっても通過儀礼であった政治的教訓となった。そして彼らは譲歩を勝ち取った。
 パリ・シテ大学の学生であるマティス・アベルサンクは、学生の要求は労働者のそれと共鳴していると述べた。「なぜなら、賃金があまりにも低く、人々が解雇されているからだ。働いて生活することがますます難しくなっている」。
 数々の抗議活動を目撃してきたセーヌ=サン=ドニの高校教師は、生徒がどれほど政治的に洗練されたかについて「圧倒された」と語った。
 同じ学校の別の教師は、生徒が「将来に対する恐ろしいほどの切迫した苦悩を表現しており、中には彼の涙を誘う者もいた」と語った。
 (日本語翻訳・編集 アフロ)
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 炎上する19世紀建造の市庁舎 仏リモージュで抗議デモの最中
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 10月29日 MicrosoftStartニュース テレビ朝日系(ANN)「欧州で抗議デモ激化 破壊・略奪も 存在感強める右派勢力 各国で『右傾化』進むワケ
 仏で約55万人が参加 さらに拡大?暴徒化へ対策強化も
 フランス・ベルギー・アルバニアのデモ
 長引く物価高などから、ヨーロッパ各国で大規模な抗議デモが相次いでいます。
デモは今後拡大するおそれもあります。
市民の不満が高まる中、ヨーロッパで右派の政党が勢力を伸ばしている理由についても、見ていきます。
 【画像】デモ拡大の背景 各国の共通点は…
 ヨーロッパでは、どのようなデモが起きているのでしょうか。
 フランスです。10月17日のデモには、約55万人が参加。破壊や略奪行為などが発生し、2500の商店が被害に。被害額は最大1936億円(11億ユーロ)にのぼるといいます。
中部の都市リモージュでは、19世紀に建てられた市庁舎がほぼ全焼しました。
10月24日にも、再び約41万人が参加するデモがあり、17日のデモを受けて、警察官など約7万人が動員されました。
 こうしたデモにより、ルーブル美術館が2度休館しました。
 ベルギーです。10月17日、車を横転させるなどの暴動が起きました。10月24日には、警察官がデモ参加者を暴行する場面もありました。
 アルバニアです。10月14日、数千人が参加するデモがあり、教育省を放火するなど、複数の政府庁舎を襲撃しました。
 ポルトガル・スペイン・イタリアのデモ
 ポルトガルです。10月17日、数千人が参加するデモがあり、行進後、首都リスボン中心地の広場で、数十のテントを設置し、抗議しました。
 スペインです。10月24日、バルセロナ中心部の広場周辺で、店舗被害14件、放火が30件以上ありました。
 イタリアです。10月17日、覆面姿の参加者が警官隊に投石、24日には、数千人が参加するデモがあり、コロッセオの門を強引に通り抜け、侵入する騒ぎもありました。
 欧州デモ さらに拡大のおそれ
 デモは、今後さらに拡大する恐れがあります。フランスでは、10月31日、労働組合が追加デモを呼びかけていて、フランス全土で数百の活動が予定されています。
 スペインでは、11月29日の総選挙を前に、主要都市などで政府への抗議活動が断続的に行われる可能性があります。
 ドイツでも、10月31日、若者世代の市民団体『立ち上がるZ世代』の呼びかけで、20都市以上で大規模な抗議デモが予定されています。
 フランスでは、暴徒化したデモの参加者によって略奪された商品が、フリマサイトで売られているのが確認されました。運営側は略奪品の出品を削除し、不審な広告のチェックを強化しました。
 10月24日のデモ前日には、パリで、暴動・略奪に備え、飲食店やブランド店などが、外壁にバリケードを設置しました。
 店員は「ドアに板を取り付けるなんて完全に異例です。一度もやったことがない」と話しています。
 デモで生じた損害 参加者に負わせる法案可決
 こうしたことを受け、10月28日、フランス上院は、街頭デモで生じた損害について、参加者に損害を負わせる法案を可決しました。損害賠償は、最大約176万円(1万ユーロ)の可能性があり、今後、下院で審議・採決される見通しです。
 法案の処罰対象は、
(1) 破壊行為を行う集団に『承知の上』で加入した人
(2)警察が2回、解散警告をしても『自発的に』秩序を乱す恐れの集会に参加し続けた人です。
 フランスの内相は「少数の破壊者のために、大多数の国民が代償を払うことを、これ以上許しておけない」と話しています。
 高まる政府への不満 背景に『物価高』『失業率』『経済低迷』
 欧州各地 デモ拡大の背景
 デモが拡大した背景です。フランスのデモの背景です。パリの高校生らが教育環境の改善を求め抗議。その後、野党の急進左派が若者を後押しし、物価高に苦しむ市民も参加。過激派集団も乱入して、混乱したことで、デモが拡大・激化しました。
 イタリアのデモの背景です。若者らが生活費高騰や教育費、医療費の削減に抗議。一部が警察と衝突しました。
 デモ参加者の声
 デモ参加者の声です。
 フランスの大学院生「ガソリンが高すぎる。先週は1リットル381円(2.17ユーロ)もした」
 スペインの60代の男性「家賃が給料のほとんどを占めるような状況はあってはいけない」
 ベルギーの中等高校の教師「学校は空調機を整備するお金もなく、教員も燃え尽き辞めていく」
 デモが拡大の国の共通点
 デモが拡大している国の共通点です。1つ目は、物価高です。9月の、ユーロ圏の消費者物価上昇率は、前の年の同じ月と比べて、フランス 3.4%。イタリア 4.2%。ベルギー 4.5%。スペイン 5.0%。
 共通点2つ目、若者の失業です。8月のユーロ圏の25歳未満の失業率は、フランス 20.6%。イタリア 20.3%。スペイン 22.7%。
 共通点3つ目、経済成長の低迷です。2026年の経済成長率の予測は、世界全体では3.1%ですが、ユーロ圏は、国によってばらつきはありますが、1.1%です。
 国際関係が専門で、フランス政治に詳しい、慶應義塾大学准教授の大嶋えり子さんです。
 「欧州各国では、長引く物価高や経済の低迷などを背景に、政府に対する国民の不満が蓄積。既存政党への不信感から、右派勢力が支持を伸ばす『右傾化』も進んでいる状況」
 欧州で進む“右傾化” 反移民を掲げる右派政党を支持
 欧州各国の右派政党
 ヨーロッパの各地では右傾化が広がっています。各国の右派政党です。
 イギリスでは、『リフォームUK』が、反移民を訴えています。
 5月の統一選では、最多の議席を獲得し、勢力を拡大しました。
 フランスです。『国民連合』は、反移民を訴えています。
 来春の大統領選で、ルペン氏の勝利が現実味を帯びてきました。
 ドイツです。『ドイツのための選択肢(AfD)』は、反移民を訴えています。
 9月、東部の州議会選で大勝しました。
 イタリアです。『イタリアの同胞』は、反移民を訴えています。
 メローニ首相は、異例の長期政権となっています。
 右傾化が広がる状況について
 こうした状況について、大嶋さんです。「自分たちの生活で直面するさまざまな困難の責任が、移民にあると思っている。または、そう思いたい人たちが反移民を掲げる右派政党を支持している」
 (「羽鳥慎一モーニングショー」2026年10月29日放送分より)
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 10月30日 YAHOO!JAPANニュース プレジデントオンライン「日本人には出せない不満が大爆発する…豊かな国で暴動を起こすフランス国民の「激しい怒り」の正体
 デモ行進のルート上で、一部の参加者によって火が放たれ、消防隊が出動する事態となった=2026年10月24日、フランス・マルセイユ - 写真=©Denis Thaust/SOPA Images via ZUMA Press Wire/共同通信イメージズ(株式会社プレジデント社)
 10月24日、フランスで41万人が街頭に出た。一部が警察と衝突し、約1000人が逮捕された。運動の中心は大人ではなく、「教員が足りない」と叫ぶ高校生たちだ。世界有数の富裕国でありながら、貧困率は1996年以降で最も高い。日本工業大学大学院技術経営研究科の田中道昭教授は「なぜ最も貧しい国ではなく、豊かなフランスでデモが起きるのか。日本もまた、同じ構造の上で暮らしている」と指摘する――。
■発端は、高校生の訴えだった
 まず、何が起きたのかを順に見ておきたい。
 2026年10月24日の土曜日、フランス各地で、教育への支出拡大と生活費高騰への対策を求めるデモが行われた。フランス内務省の集計で全国41万人、うちパリが11万人。労働総同盟(CGT)はこの倍近い数字を主張しており、主催者と政府の集計には大きな開きがある。
 パリの行進はおおむね平穏だった。ただし当局によれば、終了地点の付近で約500人が警察と衝突している。警察は催涙ガスと放水車で対応した。マルセイユでも衝突が起き、リヨンでは市街地から排除するために催涙ガスが使われた。逮捕者は全国で約1000人に上った。動員された警官と憲兵は7万人を超え、前の週末より約2割多い。
■41万人が暴動を起こしたわけではない
 正確に述べるなら、41万人以上が参加した社会抗議の末尾で、一部集団による暴力と略奪が発生した、ということになる。41万人が暴動を起こしたわけではない。
 そして、この運動がどこから始まったかである。
 発端は9月半ば、高校生たちが学校を封鎖したことだった。校舎の老朽化、教員の不足、そして大学入学者を選別する制度パルクールシュップへの不満である。そこに大学生、教員、労働組合、労働者、農業従事者、年金生活者、そして「黄色いベスト」運動が加わり、物価と格差を問う全国運動へ広がった。
 マクロン大統領は10月23日の金曜日に学生の代表と面会し、教員の増員とパルクールシュップの刷新を約束した。それでも翌日、彼らは街頭に出た。
 私は新著『古典で読み解く! 10年後の未来 何が世界を動かしているのか』(朝日新聞出版)の第3章で、民主主義を揺さぶる構造をプラトンとトクヴィルから読み解いた。今回の事態を考えるうえで手がかりになるのは、トクヴィルが晩年に書いた『旧体制と大革命』である。彼がこの本で立てた問いは、豊かな国でなぜ怒りが噴き出すのか、というものだった。
■「移民の暴動」という説明に、根拠はない
 本題に入る前に、整理しておかなければならないことがある。
 トランプ米大統領は、マクロン大統領に向けて国境を閉じて事態を掌握せよと呼びかけ、国境を閉じなければ欧州は終わりだと述べた。さらに、フランスで燃える尖塔と荒れ狂う炎は、急進的な民主党員が米国にしようとしていることだ、とも語っている。10月に出席した集会では、共和党のロジャー・マーシャル上院議員が、急進的なイスラムこそ米国の民主主義にとって最大の脅威だと、フランスを引き合いに訴えた。
 AP通信は10月20日のファクトチェックで、この説明を検証している。
 結論は明快だった。フランスの当局と警察は、暴力を移民と結びつけていない。特定の集団が責任を負うとも名指ししていない。
 宗教施設への攻撃という主張についても、暴力と宗教の直接の結びつきは確認されていない。礼拝所が直接襲われた事実もない。パリのシナゴーグが被害を受けたが、窃盗の未遂とみられている。そして「燃える尖塔」については、火災に遭ったリモージュ市庁舎の鐘楼が、尖塔と見まちがえられた可能性があるという。
 映像が何を映し、何を映していないかが、ここに表れている。
■急進左派だけでは説明できない
 急進左派が原因だという説明も、そのままは成り立たない。当局は一部の暴力の背後に急進左派の活動家がいることを認めているが、暴力の規模全体を彼らで説明することはできない。警察活動の専門家は、急進左派はその規模を担うには小さすぎるとし、略奪の多くは混乱に乗じた犯罪者の仕業だと述べている。AP通信によれば、主要都市で少なくとも3000の店舗が被害を受けるか略奪された。
 ここは慎重に書いておきたい。フランスは人種・民族別の公的統計を収集しない。逮捕され訴追された人々の身元も公表されない。したがって暴力に加わった人々の構成は正確には分からず、移民の背景を持つ人が一人もいなかったと断定することもできない。確かなのは、移民が暴力の大半を担ったという主張を裏づける証拠が示されていない、ということである。
 移民をめぐる問題がフランス政治に存在しないという話ではない。しかし、運動の発端と要求と、確認されている事実を飛ばして、移民だけを原因に据えることはできない。
 そして、この置き換えには選挙上の働きがある。米国の有権者に向けて、民主党が勝てば米国もフランスのようになる、という恐れを形づくることができるからだ。原因を外部の集団に求めれば、物語は簡単になる。その代わり、教育予算も、エネルギー価格も、貧困も、分裂した議会も、視野から消える。
■軽油44.1%、電気1.4%
 では、怒りの正体はどこにあるのか。数字が答えている。
 フランス国立統計経済研究所(INSEE)が10月15日に公表した9月の消費者物価統計で、総合は前年同月比3.1%の上昇だった。8月の2.4%から加速し、3年近くで最も高い水準である。
 注目すべきは内訳のほうだ。エネルギーが21.3%上がっている。さらに細かく見ると、石油製品が36.2%、ガソリンが25.7%、そして軽油は44.1%の上昇である。灯油などの液体燃料にいたっては64.6%上がった。
 一方で、電気は1.4%にとどまっている。食品は1.4%、工業製品にいたっては0.3%の下落である。
 この対比が、負担の形を示している。総合3.1%という数字だけを見れば、制御できている範囲に見える。しかし平均の裏側で、避けられない支出だけが跳ね上がっている。とりわけ強い打撃を受けるのは、車に燃料を入れなければ通勤も買い物もできない人たちである。公共交通が乏しい地域ほど、この差は重くのしかかる。2018年に「黄色いベスト」運動が燃料税をきっかけに始まったのも、同じ地理の上でのことだった。
■貧困率は1996年以降で最も高い
 もう一つ、長期の数字がある。INSEEが今年7月9日に公表した調査では、2024年の貧困率は15.4%、人数にして980万人だった。基準は月1337ユーロである。この水準は1996年以降で最も高く、2023年も同じ水準だった。世界有数の富裕国で、巨大な社会保障制度を持つ国の数字である。
 そして政府には、大規模な給付で抗議を鎮める余地が乏しい。2026年の財政赤字はGDP比5.4%の見込みで、政府は2027年に5.0%へ縮小する方針を掲げ、10月1日に約540億ユーロの歳出削減を含む予算案を示した。公的債務はGDP比で約119%、来年には120%を超える見通しである。そして少数与党は、その予算案を通せずにいる。
■トクヴィルの逆説――なぜ豊かな国で起きるのか
 ここでトクヴィルである。
 アレクシ・ド・トクヴィルは1805年に生まれた政治家であり、歴史家である。『アメリカのデモクラシー』で知られ、第二共和政では議員を務め、1849年には外相の職にも就いた。ルイ=ナポレオンが1851年のクーデターを経て第二帝政を樹立すると、彼は政治の第一線を退く。自由を掲げた革命が、なぜ再び強い中央権力と帝政に帰着するのか。その問題意識から1856年に刊行したのが『旧体制と大革命』である。構想された大著のうち第1部だけが完成し、彼は1859年に没した。
 彼の問いは、なぜ貧しい民衆が革命を起こしたのか、ではなかった。なぜ革命は、ヨーロッパで最も困窮した国ではなく、豊かになり、改革も始まっていたフランスで起きたのか。これが『旧体制と大革命』の中心にある逆説である。
 トクヴィルの論理は、貧困が革命を起こす、ではない。生活が改善し、政府が改革を約束すると、残された不平等が以前より耐え難く見えることがある、というものだ。改善できるはずの社会で、改善から取り残されたと感じること。それが怒りを強める。
■期待と現実の隔たりが、怒りを生む
 今回のフランスを考えるうえでも、重要なのは困窮の程度だけではない。豊かな国で、子どもたちが十分な教育を受けられるはずだという期待と、教員さえ足りない現実との隔たりである。
 そこへ燃料価格の急騰が重なった。消費者物価全体の上昇率は3.1%でも、軽油は44.1%に達する。車が生活に欠かせない人にとって、平均値では自分の負担を捉えきれない。教育への不満と生活への不安が、政府への不信として重なっていく。
 トクヴィルはもう一つ、重い指摘を残している。上からの改革は、参加の制度を伴わなければ、国家への期待を高めるだけに終わる。期待に応えられなければ、善意の改革さえ反抗を促す。
 教員の増員と選抜制度の刷新は、それ自体は前進である。しかし運動がすでに物価、住宅、格差、政権への不信へ広がったあとでは、これだけで収まりにくい。譲歩が遅れるほど、抗議すれば政府は動く、という学習も生まれる。譲歩すべきでないという話ではない。早い段階での協議と、実行できる合意が要るということである。
■強い国家は、失敗の責任も引き受ける
 『旧体制と大革命』は、行政的な中央集権についても分析している。
 トクヴィルの診断は、通説とは逆だった。革命は過去との完全な断絶ではない。革命政府は王政が整えた中央集権と官僚制を受け継ぎ、むしろ強化した。壊したのは王政であって、集権の仕組みではなかったのである。
 この診断が、現代のフランスに効いている。
 第五共和政は、大統領と中央官僚機構に権限を集中させる。だからこそ危機の際に7万人を超える警官を迅速に配置できる。同時に、学校の教員不足からガソリンの価格まで、すべてが大統領の責任として受け止められる。
 権力を集中させれば、実行力だけでなく、非難も集中する。
 学校に教員がいない。燃料が高い。住宅が足りない。このとき要求が向かう先は、自治体でも、大学でも、企業でも、地域社会でもない。最終的に大統領になる。
 これは中央政府の能力に対する信頼の裏返しでもある。国家が日常生活の多くを引き受けるほど、市民はあらゆる欠乏を国家の失敗として経験することになる。
 トクヴィルはさらに、人々が法的にも文化的にも似てくるほど自動的に連帯するわけではない、と書いている。地方自治や共同の活動を失えば、似た人々が互いに孤立した小集団へ分かれていく。政治的な自由とは、中央政府へ要求する権利のことだけではない。自治体や団体や議会を通じて、市民が共同で問題を解決する経験そのものである、というのが彼の結論だった。
■暴力は、要求を上書きする
 ここに、もう一つの構造がある。
 41万人の要求を、パリの約500人で代表させてしまえば、教育も住宅も物価も、治安の問題に置き換わる。逆に、暴力を正当な怒りとして軽く扱えば、店舗や住民や警察官の安全が犠牲になり、運動そのものが支持を失う。民主政には、抗議する権利と、第三者を暴力から守る義務の両方がある。
 そして、映像として広がるのは燃える車と略奪のほうである。ここから一つの循環が生じる。
 左派が社会的な要求を支持する。一部が暴力化する。右派が秩序の回復を訴える。政府が警備と規制を強める。左派がそれを弾圧だと批判する。
■怒りの票は、どこへ流れるのか
 社会的な要求から始まった運動の、選挙における最大の受益者が、強硬な右派になることがある。生活苦への抗議が、秩序を回復できる強い国家を求める票に変わるからだ。国民連合のルペン氏が、社会政策よりも国家が秩序を失ったという物語を前面に出しているのは、この回路を見据えてのことだろう。
 ただし、古典をそのまま現在に重ねることには限界がある。現在のフランスは旧体制の王政ではない。普通選挙があり、労働組合、政党、司法、地方自治体、EU、人権の制度がある。今回の抗議を1789年の再来と見るべきではない。41万人は巨大な数だが、人口全体から見れば少数でもある。参加者数だけで、国民全体が政権を拒絶したとは言えない。
 治安を重視する側にも、聞くべき反論がある。平和的な要求が正当であっても、略奪や放火を許せば市民の自由は失われる。7万人を超える配置によって、24日の被害が前の週末より小さくなったという政府の説明には、根拠がある。
 一方で、逮捕は有罪判決ではない。抗議の禁止や広範な予防拘束、過剰な武器の使用が常態化すれば、治安の確保が政治的な異論の抑制に変わる危険もある。
■本社がすべてを決める会社と同じである
 ここから、日本の経営に持ち帰れるものがある。人事も、投資も、価格も、採用も、すべて本社が決める企業を考えてみたい。中央で決めるほど、方針は速く通る。全社の方向はそろう。これは強みである。
 同時に、問題が起きるたびに、現場は本社へ解決を要求するようになる。現場で判断できる範囲がなければ、現場で吸収することもできないからだ。そして本社が応えられなければ、それは本社の失敗として記録される。実行力と引き換えに、非難もまた一点に集まる。
 トクヴィルが中央集権について書いたのは、この構造である。強い中枢は、多くを実行できる。だからこそ、実行されないことの責任も、すべて引き受けることになる。
■外国の混乱を、急いで持ち込まない
 日本の社会にも通じる論点がある。物価高、地方の学校や病院、若者の住宅、公共交通。別々の問題に見えていても、生活基盤の劣化が積み重なり、政府は自分たちを見ていない、という共通の認識に変わると、単一の争点を超えた動きになる。フランスで、高校生の訴えから始まった運動が全国へ広がったのは、その過程である。
 そしてもう一つ。外国の混乱を、自国の議論へ急いで転用しないことである。
 暴動の映像は、原因を映さない。誰が、何を要求し、どの集団が、どの時点で暴力へ移ったのか。それを分けて見なければ、見えるのは炎だけになる。尖塔と見えたものが市庁舎の鐘楼だったように、映像は原因どころか、対象さえ取り違えさせる。平和的な抗議者と、暴力的な活動家と、便乗した犯罪者は別である。抗議者はすべて暴徒だという見方も、暴力は社会的な怒りだから仕方がないという見方も、同じように事実から遠い。
 トクヴィルが残したのは、豊かさと安定は同じではない、という視点である。改善できるはずだという期待と、改善されない現実との距離が、怒りを生む。
 国家でも企業でも、中枢は何を引き受け、現場には何を決める力を残すのか。期待と現実の隔たりを縮めるには、その関係を問い直す必要がある。
 『古典で読み解く! 10年後の未来』でお伝えしたかったのも、出来事の背後にある構造を捉え、自分の仕事や暮らしを考えるための視点である。
 構造を知る者は、構造に飲み込まれない。

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 田中 道昭(たなか・みちあき)
 日本工業大学大学院技術経営研究科教授、マージングポイント代表取締役社長、戦略コンサルタント
 上智大学文学部卒業。在学中に、哲学・歴史・文学・宗教などを学び、人間・社会・文明を読み解く視座を培う。シカゴ大学経営大学院MBA(ストラテジー、ファイナンス、計量経済を専攻)。専門は、企業・産業・技術・金融・経済・国際関係を横断し、企業・社会・国家の構造と未来を読み解く戦略分析と戦略策定・実行。三菱東京UFJ銀行投資銀行部門調査役、シティバンク資産証券部トランザクター(バイスプレジデント)、バンク・オブ・アメリカ証券会社ストラクチャード・ファイナンス部長(プリンシパル)、ABNアムロ証券会社オリジネーション本部長(マネージングディレクター)などを歴任。テレビ東京「WBS」コメンテーター。日本経済新聞電子版「Think!エキスパート」。テレビ朝日「大下容子ワイド!スクランブル」月曜レギュラーコメンテーター。ニッセイ基礎研究所客員研究員、Ridgelinez戦略アドバイザー、公正取引委員会独占禁止懇話会メンバーなども兼務。著書に『古典で読み解く!10年後の未来 何が世界を動かしているのか』(朝日新聞出版、近著)、『フィジカルAIの衝撃』(朝日新聞出版)、『GAFA×BATH 米中メガテックの競争戦略』(日本経済新聞出版社)、『世界最先端8社の大戦略』(日経BP)などがある。

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 10月30日 YAHOO!JAPANニュース ニューズウィーク日本版「政府は「歩み寄り」もデモは終わらず…フランスの高校生たちが政府への不信を拭えない理由
 <クラスの人数制限、進学先の受け入れ枠の拡大、オンライン出願・選考システムの見直し──フランス政府は高校生の抗議を受け、各問題への改善策を発表した。しかし、高校生たちはデモの継続を訴える。双方の溝が埋まらない背景とは>
 教育環境の改善を求め、街頭で訴えるデモ参加者たち(10月24日、パリ) Polyvios Anemoyannis / Hans Lucas via Reuters Connect
 フランス政府は10月26日、高校生たちが学校の現場や大学入学システムの改善を求めてきたことに対し、大幅な改善を示す回答を提示した。【今井佐緒里(パリ在住コラムニスト)】
 【動画】観光都市バルセロナが一夜にして大混乱…店舗破壊、略奪、警察との激しい衝突を捉えた衝撃映像
 10月17日に行われた彼らの平和的なデモは、すっかり「壊し屋」の大人たちに乗っ取られてしまった。そのような中でも、政府は高校生との対話や検討を積み重ね、この日の発表に至った。しかし、高校生側は成果を認めたものの、まだ実現していない要求や政府への不信感から、デモの継続を訴えている。
 26日に首相官邸のマティニョン宮で行われた話し合いでは、エドゥアール・ジェフレイ教育大臣らが以下の内容を発表した。
 まず、高校のクラス規模の制限である。スゴンドクラス(日本の高校1年生に相当)の1クラスあたりの生徒数を28人に制限する。まずは2027年から、最も恵まれない学校の半数を対象とし、2028年までに全面導入を目指す方針だ。高校生たちは、35人近くの生徒が詰め込まれているクラスもあり、限界だと訴えていた。1クラスあたりの生徒数は、増加の一途をたどっていた。
 ちなみに、日本の高校では文部科学省が1クラスあたりの生徒数を40人と定めているが、少子化により実際のクラス規模は小さくなる傾向にある。
 次に、進学先確保を目的とした高等教育機関の受け入れ枠の拡大である。新しいコースやクラスなどを創設し、合計1万5000人分の受け入れ枠を確保する。対象となるのは、職が得やすいと人気の高い職業訓練が中心の2年コースや、専門コースだ。
 さらに、インフレ率に応じた学生奨学金の支給額引き上げも約束した。
 そして、最大の問題であるパルクールシュップ(Parcoursup)の改革だ。
 <2028年には抜本的改革?>
 パルクールシュップは、高校卒業後に進学を希望する生徒たちにとって必須のオンライン出願・選考システムである。
 高校2・3年次の成績が掲載され、このシステムを通じて最大10校まで志望順位をつけることなく願書を提出する。合否が通知されるが、多くの場合、待機(補欠)リストに登録される。自分がリストの何番目にいるのかが表示され、その順位は毎日変動する。このストレスは大きく、大変評判が悪い。
 今回政府側は、各教育機関のアルゴリズムの透明性や、選考基準を説明していくことを約束した。2028年には、代替システムへの移行も含め、このシステムの抜本的な改革を検討しているという。制度の変更には法律の改正が必要な部分もあるためだ。ただし、それでは現在の高校生には間に合わないため、2027年には透明性の向上を目的とした初期的な調整を行うという。
 そしてこれらを実現するために、政府は2030年までに高校を管轄する地域評議会や中学校を管轄する県評議会に対し、総額40億ユーロの低金利融資を行う方針を打ち出した。特に海外領土に配慮することも約束している。夏は暑すぎ、冬は寒すぎる教室、使用不能なトイレ……。学校や大学の校舎・施設は、大規模な改修を必要としている。ただし、これは補助金ではない。このやり方は議論を呼ぶに違いない。
 <積み重ねてきた話し合い>
 暴動の場面ばかりがメディアで報じられ、高校生たちの要求が隠れてしまった感がある。「黄色いベスト運動」のときと同じようなパターンだ。
 フランス2(NHKに相当)のテレビニュース番組『13時』および『20時』の報道をメディア監視団体ACRIMEDが分析したところ、9月28日から10月1日までの期間に、放送時間の75%が暴力や物的損害に関する報道に割かれ、要求そのものを伝える報道に割かれたのはわずか8%だったという。高校生たちは声を上げ、街頭に出て要求を掲げているにもかかわらず、メディアの報道は依然として、暴力や燃やされたゴミ箱、そして治安部隊の活動に焦点を当て続けていたわけだ。
 <どこで対話が行き詰まったのか>
 政府と高校生代表たちの話し合いは、ここまでどのような段階を踏んできたのだろうか。
 10月2日には教育省で、ジェフレイ教育大臣と学生団体の代表らによる初めての話し合いが行われた。
 しかし、ここでは目立った進展はなかった。大臣からは、徹底的な検討を行い、全国的な協議を開始するとの回答があったものの、具体的な約束は得られなかった。出席した高校生組合の代表者たちは不満を抱えていた。こうして、10月6日の大規模なデモが行われたのだ。
 このデモでは、一部で暴徒による暴力行為が見られたものの、全体としては「高校生のデモ」と言えた。
 さらに10月8日には再び面会が行われ、翌9日には政府がプラットフォーム「アゴラ」を立ち上げ、すべての高校生を対象とした匿名の意見募集を開始した。結果は10月末に公表される予定とした。
 しかし、15日には対話が行き詰まり、決裂する事態となった。意見交換が不十分だとして最大の高校生団体L'USLが猛反発。会議を途中退席し、次回会合をボイコットし、首相官邸に直接訴えかける方針を表明した。
 続く17日に行われたデモは「壊し屋」に乗っ取られてしまった。翌18日夜、エマニュエル・マクロン大統領はテレビを通じて演説し、暴力行為を強く非難するとともに冷静になるよう呼びかけた。そして23日には、高校生の団体代表者らを大統領府エリゼ宮に招いて対話を行った。
 ジェフレイ教育大臣は26日、会合後に開かれた記者会見で「我々が下す決定はどれも空約束ではない。我々が述べたことはすべて実行され、明確な期限と具体的な数値に基づいて遵守される」と述べた。
 また、政府が設置したプラットフォームには約10万1000件の意見が寄せられたとし、その成果を強調した。
 <高校生が不信感を抱く理由>
 高校生たちが不信感を抱くようになった原因の1つは、26日の自分たちとの会合に先立ち、政府側が8人のインフルエンサーたちを招いたことだ。
 セバスチャン・ルコルニュ首相を含む政府側は、彼らの意見を聞き、質問にも答えたという。彼らは政府から聞いた内容をSNSで発信していった。ただ、満足だったか否か、これを広報戦略と感じたのか否かはインフルエンサーによって異なる。
 例えばその1人であるアンナ・バルディは、政治分析アカウント「Grande Bavardeuse」を運営し、約29万5000人のフォロワーを抱えている。彼女は意見交換のための会合だと説明されていたものの、実際にはすでに決定済みの事項を政府側が発表するところから始まったと明かしている。バルディはそれほど熱心ではない様子だったと「ル・モンド」は伝えている。
 この方法は効果を上げたようだが、交渉に臨んだ高校生代表たちに不快感を抱かせる要因にもなった。
 これは1つの事例にすぎないが、高校生たちの運動には、大人の影響やつながり、思惑が見え隠れしている。極左と極右の分裂というフランス政治の状況は高校生団体にも影響を与えている。今後、運動がどのように展開していくのかを理解するには、高校生たちが大人の団体とどのように関わり、互いに影響を及ぼし合っているのかを解説する必要があるだろう。
 今井佐緒里(パリ在住コラムニスト)
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🗿7:─1─「出て行け!」外国人排斥が南アで暴走 移民を襲う暴徒、略奪、追放の恐怖。~No.13No.14 

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 関連ブログを6つ立ち上げる。プロフィールに情報。
   ・   ・   {東山道・美濃国・百姓の次男・栗山正博}・   
 2026年10月28日 MicrosoftStartニュース ニューズウィーク日本版「「出て行け!」外国人排斥が南アで暴走 移民を襲う暴徒、略奪、追放の恐怖【写真特集】
 トミー・トレンチャード
 6月30日、南ア東部の港湾都市ダーバン中心部で行われた大規模な移民排斥デモ。反移民団体は不法滞在者に対し、この日までに国外退去するよう要求していたが、実際には合法的な移民も排斥の標的となった
 © ニューズウィーク日本版
 ※“A picture is worth a thousand words.”――1枚の写真には千の言葉の価値がある。世界の今を鋭く捉えるドキュメンタリーから、感性を刺激する芸術的なアプローチまで。連載からお届けします。
 南アフリカでは今年に入って、反移民団体マーチ・アンド・マーチが主導する外国人排斥運動が活発化。「アバハンベ(出て行け)」をスローガンに、犯罪や失業から住宅危機まであらゆる問題の責任を移民に押し付け、外国人排斥の緊張が一気に高まった。
 同団体は不法移民に対して、6月30日までに国外退去するよう要求していたが、実際は合法的なアフリカ系移民を含む多くの外国人が暴力や脅迫にさらされている。「期限」を前に何万人もの人々が国外に脱出した一方で、帰国のバス代を払えない人々は、主要都市に急ごしらえで設置された劣悪な避難民キャンプに身を寄せた。
 6月30日に各地で行われた大規模デモでは、参加者の一部が暴徒化。移民排斥を叫んで街を練り歩き、外国人とみられる人々を自宅から引きずり出し、移民が経営する商店で略奪を働いた。
 期限を過ぎると国際社会の関心は薄れたが、迫害の日々が終わったわけではない。自らの意思で、または安全に帰れる故郷がなく南アにとどまった数百万人の外国人は、今も差別と暴力の恐怖に怯えながら暮らしている。
 撮影:トミー・トレンチャード
 ウガンダの首都カンパラと南アフリカのケープタウンを拠点とするイギリス人ドキュメンタリー写真家兼ライター。アフリカの政治、経済、文化、環境問題のほか、イラクの紛争などを幅広く取材し、英ガーディアン、米ニューヨーク・タイムズなどの主要紙に写真と記事を発表している。 本作は、仏ペルピニャン国際報道写真祭の一環として2025年に創設された報道写真賞「Visa d’or Online」を受賞
 【第1045回】
 「出て行け!」外国人排斥が南アで暴走 移民を襲う暴徒、略奪、追放の恐怖【写真特集】
 © ニューズウィーク日本版
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🗿6:─1─キリスト教との平和的共存訴えてきたイスラム教指導者が射殺された。ナイジェリア。~No.10No.11No.12 

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   ・   ・   {東山道・美濃国・百姓の次男・栗山正博}・   
 2026年10月28日 MicrosoftStartニュース AFP=時事「キリスト教との平和的共存訴えてきたイスラム教指導者、射殺される ナイジェリア
 携帯電話の光でイスラム教の聖典コーランを読むイスラム教徒(2026年2月18日撮影)。【翻訳編集】 AFPBB News(AFP=時事)
 【AFP=時事】ナイジェリアでイスラム教徒とキリスト教徒の平和的共存を訴えてきた高名なイスラム教指導者が26日夜、自宅前で射殺された。警察が明らかにした。
 【写真】イスラム過激派とみられる武装集団が小学生や幼稚園児数十人拉致 ナイジェリア
 ヤハヤ・イブラヒム・マサスーカ師と、その関係者アダム・アブバカル氏は、ナイジェリア北部カツィナ州の町ドゥツィンマで殺害された。
 警察は26日深夜、2人は同日午後6時30分ごろ、「バイクに乗った武装した男2人に銃撃され、致命傷を負った」と説明した。
 イスラム教徒が多数を占めるナイジェリア北部では、宗教的不寛容が強まっているほか、イスラム過激派や武装犯罪集団「バンディット(盗賊団)」による襲撃や、農耕民と牧畜民の対立が激化している。
 ナイジェリアはアフリカ最多の人口約2億4000万人を擁する。南部ではキリスト教徒が、北部ではイスラム教徒が多数を占める。
 フェイスブックで43万6000人のフォロワーを抱えるマサスーカ師は、イスラム教の聖典コーランと矛盾するイスラム教文献について、捏造(ねつぞう)されたものだとして認めず、サウジアラビアの資金援助を受けたイスラム教スンニ派の一派で、戒律が最も厳しいワッハーブ派の指導者らと対立していた。
 また、ナイジェリア北部の社会問題や政情不安についても積極的に発言していた。
 国際人権団体アムネスティ・インターナショナルは、マサスーカ師の殺害を「残忍だ」と非難した。
 アムネスティは「マサスーカ師は、生涯を通じて殺害予告や脅迫にさらされていた」と述べた。【翻訳編集】 AFPBB News
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🔯45」─4─中世に現れたキリスト教の中の新しい息吹。福音を説いた托鉢修道会。~No.163 

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 2026年10月27日 YAHOO!JAPANニュース NHK出版デジタルマガジン「中世に現れた、キリスト教の中の新しい息吹【学びのきほん 物語でたどるキリスト教】
 中世に現れた、キリスト教の中の新しい息吹【学びのきほん 物語でたどるキリスト教】
キリスト教とは、どのような宗教なのでしょうか。人々の歩みをたどると、その教えが歴史の中でどのように受け継がれ、育まれてきたのかが見えてきます。
 『NHK出版 学びのきほん 物語でたどるキリスト教』では、モーセ、パウロ、アッシジのフランシスコ、マルティン・ルター、フランシスコ・ザビエル、イエス・キリストという六人の物語を通して、キリスト教の歴史と本質をやさしくひもときます。
 本書から、中世キリスト教に現れた新しい息吹と、その中心である「アッシジのフランシスコ」にまつわる解説を公開します。
 托鉢修道会の創設者
 さて、中世はよく「暗黒の中世」といった暗いイメージを持たれがちです。しかしこうして見てきたように、キリスト教的な観点からすればその表情は複合的で、良くも悪くも活気に満ちた、興味深い時期であったことはたしかです。そんな中世にあって、キリスト教の中には新しい息吹(いぶき)が生まれ始めていました。それが「托鉢(たくはつ)修道会」です。
 托鉢修道会は、先に紹介した修道院制度ののちに誕生したものです。広大な土地を持つ大修道院に対し、托鉢修道会は自分たちで土地を持たず、托鉢(信者からの施し)で食べ物などを得て、日々の糧を誰かに委ねて生活するグループです。こうした活動が大きな力を持って広まっていったのが中世でした。この托鉢修道会を始めたのが、アッシジのフランシスコ(一一八一?~一二二六)です。
 イタリア中部の丘陵地にウンブリア州という小さな州があります。そこにアッシジと呼ばれる、丘の上に広がる城壁の町があります。その町で生まれ育った裕福な織物商の父と、フランス人の母のもとに生まれたジョバンニという名の青年がいました。子どもの頃からの呼び名は「小さいフランス人」を意味するフランチェスコでした(本書では日本で呼び慣らわされている「フランシスコ」で話を進めます)。
 裕福な家に育ったフランシスコは、お金も自由も十分に享受できる身分でした。仲間たちも裕福でしたが、フランシスコには時折物思いに沈むような横顔があったと、のちにある人が語っています。
 幻のような体験
 当時は町同士での争いが絶えませんでした。争いの遠征に参加したフランシスコは、その途中で神の声を聞いたのか、幻を見たのか、とにかく何か独特な体験をしたようです。引き返してきたフランシスコは別人のようになっていました。みんなで楽しく遊ぶというよりは、一人で教会に行ってお祈りを捧げたり、町外れにいるハンセン病を患った人たちに施しをしたりと、それまでとはずいぶん違う行動をとるようになります。
 アッシジから少し離れた丘の途中に、サン・ダミアーノ教会という荒れ果てた教会がありました。ある時フランシスコがそこで祈っていると、十字架のキリストから「フランシスコよ、行って私の教会を建て直しなさい」という声がしました。この幻のような体験が、彼のすべてを変えていきます。
 その日以来、フランシスコは何かに取り憑かれたようにサン・ダミアーノ教会に通い、廃墟となった教会を一人で修復していきました。「教会を建て直す」という彼の行為は、サン・ダミアーノ教会一つを建て直すことから、のちにカトリック教会全体を刷新していくほどの大きな運動へと発展していきます。しかしその時は、そんなことは知るよしもありません。
 ある日、フランシスコは父親の大切な商品である織物を無断で持ち出し、売り払って得たお金で貧しい人たちに施しをしてしまいます。父親は当然、怒り狂いました。息子は正気を失ったのか。こんなことをされたらたまらない。この際、司教の裁きで立ち直ってもらおうと、父親はフランシスコを司教のもとへ連れていきます。するとフランシスコは、着ていた服をすべて脱いで裸になり、「あなたからいただいたものをすべてお返しします。私の父は、天の父一人です」と言って父に服を返し、決別しました。
 そしてフランシスコはサン・ダミアーノ教会へ行き、再び教会を建て直し始めました。
■『NHK出版 学びのきほん 物語でたどるキリスト教』「第3章 アッシジのフランシスコ」の解説を再構成
■脚注、図版、写真、ルビなどは、記事から割愛している場合があります。
 酒井陽介(さかい・ようすけ)
 1971年神奈川県生まれ。上智大学神学部教授、グリーフケア研究所所員、イエズス会司祭。上智大学神学部を卒業後、教皇庁立グレゴリアン大学心理学研究科修士課程および博士課程を修了(心理学)。同大学講師を経て現職。専門は現代におけるスピリチュアリティ研究と宗教的人間論。著書に『ヘンリ・ナウエン 傷ついても愛を信じた人』(日本キリスト教団出版局)、『ヒューマニズムということ 街角のキリスト教人間学』(共著、教文館)など。
 ※プロフィールは刊行時のものです。
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 世界史の窓
 托鉢修道会
 13世紀に修道院の改革を始めた修道士団体。イエスとその使徒に倣った厳しい清貧生活を送り、福音を説いた。ドミニコ会、フランチェスコ会があり、異端審問で活躍した。
 キリスト教の修道院は、世俗から離れた山中に建設されて信仰を深めるための場であったが、土地の寄進などを受けて次第に封建領主として世俗化し、修道士の堕落が問題になるようになった。そのため、本来の修道院に戻すための改革運動である修道院運動が、たびたびくりかえされた。13世紀に盛んになった托鉢修道会の活動も、そのような運動の第三の波として始まったもので、ドミニコ会とフランチェスコ会修道会がその代表的な団体である。
 「托鉢の清貧」
 托鉢修道士は、土地や富を蓄えることを否定して、都市や農村を歩き回り、信者からの寄付のみで生活しながらキリストの教えに忠実に生きようとする修道士たちの組織であった。托鉢(たくはつ)の托は「托する=のせる」、鉢とはお布施を受ける鉢のことで、「修行僧が、経文を誦えながら各戸の前に立ち、施与する米銭を鉄鉢で受けてまわること(広辞苑)」という仏教用語を流用している。要は、イエスとその使徒たちと同じように、財産をもたず、定住せず、清貧を貫き、ひたすら教えを説くことを実践した。
Episode 「帯の中に金貨も銅貨も入れてはならない」
 托鉢修道会の修道士が目指した生活実践は「よき指導者の模範に従って務めをはたし、福音を説くこと、謙遜に振る舞うこと、金貨も銀貨も身につけずに徒歩で行くこと、要するに、あらゆる点にいて使徒の生活を模倣しようとする態度」であり、それが「使徒的修道院すなわち托鉢修道会」であった。ドミニコ会で守らなければならないのは簡単で厳しい生活の実践、つまり完全な清貧である。
 (引用)それは私的財産の放棄だけでなく、共同体のものであれ財産はいっさい所有しない。「あなたの帯のなかに金貨も銅貨も入れていってはならない」。パンでさえ、そして旅のために袋や財布ももってはならない、日常の暮らしは、日々の善意と施しに任せなければならない。食物は出会う人びと、正確には説教する相手の気持ちしだいである。また衣服も簡素でなければならず、チュニック(簡素な上着)に限る。さらに履物を履いてはならない。これが使徒的な生活つまり「托鉢の清貧」というものである。<朝倉文市『修道院にみるヨーロッパの心』世界史リブレット21 1996 山川出版社 p.66
 ドミニコ会とフランチェスコ会
 托鉢修道会は、13世紀のドミニコ会とフランチェスコ会修道会がその代表的な組織である。ともに教会・修道院の腐敗を批判し、修道院運動の先頭に立って活動した。しかし、ローマ教皇を中心としたカトリック教会を攻撃したわけではないので、ローマ教皇は托鉢修道会を民衆教化の団体として公認し、その活動は西ヨーロッパ各地の農村に及ぶこととなった。
 また15世紀の宗教改革の時期になってカトリック教会の絶対的権威が動揺し、教会批判が強まると、それらの教会批判を異端として捉え、異端審問や魔女裁判に告発する先頭に立つようになった。
 『中世の秋』の托鉢修道会
 中世末期のキリスト教に敬虔と腐敗の両極端があったことを述べたホイジンガの『中世の秋』には、托鉢修道会にふれた次のような記述がある。
 (引用)14世紀から15世紀にかけて、遍歴の民衆説教師たちが各地にひきおこした、はげしい感動は、この時期に、一時の沈滞からのたちなおりをみせた托鉢修道会の活動を示すものであった。ところが、また、他面においては、いつもきまってその堕落ぶりを糾弾され、嘲笑と軽蔑の対象とされたのは、まさに、その托鉢修道会の修道士たちなのであった。物語文学に登場する、けしからぬ坊主ども、たとえば小銭三枚を払えば、ミサをあげてくれたという、賃金奴隷なみの坊主、「すべてをゆるすという条件つきで」懺悔聴聞の予約をつのったという坊主、こういった連中は、たいていの場合、托鉢修道会の修道士ということにされてしまっている。(中略)
 托鉢修道士に体現された、教会教義にいう「貧困」概念、すでに、これには不満の声が多くあがっていた。宗教理想としての象徴的形式的貧困をこえて、視線はすでに、社会現実の悲惨さへとどきはじめていたのである。<ホイジンガ/堀越孝一訳『中世の秋』(下)1976 中公文庫 p.9-10
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👠45:─5─仏で抗議デモ、人種差別テロに怒り「肌の色」で標的に。~No.109 

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 関連ブログを6つ立ち上げる。プロフィールに情報。
   ・   ・   {東山道・美濃国・百姓の次男・栗山正博}・   
 2026年10月27日 YAHOO!JAPANニュース テレビ朝日系(ANN)「人種差別テロに怒り 仏で抗議デモ 23日に1人死亡5人重軽傷 「肌の色」で標的に
 "人種差別テロに怒り 仏で抗議デモ 23日に1人死亡5人重軽傷 「肌の色」で標的に"(All Nippon NewsNetwork(ANN))
フランスのパリ近郊で起きた人種差別を原因とした銃撃事件を受け、各地で抗議デモの実施が呼び掛けられています。
 パリ近郊トラップ周辺で23日、39歳の男が車の中から複数回にわたって発砲し、アフリカ系の男性が死亡、12歳の少女を含む5人が重軽傷を負いました。
 フランスのマクロン大統領は「肌の色や宗教上の理由のみで被害者は標的にされた」と明かし、捜査当局は「テロ事件」として本格的に捜査に乗り出しています。
 25日、パリ近郊のオーベルビリエでは人種差別による暴力に反対する大規模な抗議デモが行われ、多くの市民が町を練り歩きました。
 さらに、人権連盟など多くの市民団体は26日、パリやボルドーなどフランス全土で人種差別に反対する抗議デモを開くよう呼び掛けました。
 主催者側は「人種差別的な憎悪が軽視されている」として、社会全体で連帯し、抗議の声を上げるように訴えています。
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 10月27日 YAHOO!JAPANニュース「「イスラーム過激主義の浸透に対抗する必要」 EUの警戒を一部のイスラームの国がテコ入れする背景 #エキスパートトピ
 【資料】欧州議会議事堂(2021.9.15)(写真:ロイター/アフロ)
 EU(欧州連合)の立法機関にあたる欧州議会は10月初旬、「イスラーム主義者の浸透戦術」に対する戦略が必要とする決議を賛成多数で採択した。
 浸透戦術とは表向き人権や法の支配を受け入れ、内部から徐々に勢力を広げる手法を指す。これに対して反対派は脅威が明確でなく、「魔女狩り」は差別を助長すると批判する。
 この決議は極右と中道右派の協力で成立した。決議に法的拘束力はないが、セウタ難民危機などで欧州に改めて高まるムスリムへの警戒感を反映したものといえる。
 ここで注意すべきは、一部のイスラーム国家がこれを後押ししたことだ。
 ココがポイント
 〝Can the UAE’s Warning Reshape the Continent’s Security (後略)
   出典:Commonwealth Union - Voice of the Commonwealth 2026/10/22(木)
 〝同胞団を危険視/支援する両者の二極対立は(中略)域内各地、ひいてはアフリカ東部にも飛び火する可能性がある。
   出典:三井物産戦略研究所
 〝(前略) to “condemn the strategies of Islamist entryism”(後略)
 出典:EUobserver 2026/10/13(火)
 〝(前略)RSFにはUAE経由でAH4榴弾砲など中国製兵器が持ち込まれていると指摘されているからだ。 
   出典:六辻彰二 2026/1/12(月)
 エキスパートの補足・見解
 決議では特に「ムスリム同胞団に対抗する必要」が強調された。エジプト発祥のムスリム同胞団は近年、欧州のムスリム移民にも支持を広げている。
 この組織への評価はイスラーム世界でも割れている。トルコやカタールが貧者救済を行う社会団体として支持する一方、UAE(アラブ首長国連邦)のように貧困層を扇動するテロ組織と認定する国もある。
 この対立軸を反映してUAEは、ムスリム同胞団をテロ組織に指定していない加盟国も多いEUへのロビー活動を活発化している。
 アイリッシュタイムズによると、EUへの働きかけのためUAEは著名な法律事務所と年間30万ユーロ以上の契約をしている。さらにUAEはACミランといった有名クラブチームのスポンサーでもある。
 こうした背景のもと今年6月、ムスリム同胞団の規制を求める中道右派・極右系EU議員の会議にはUAE大使も招待された。
 その一方で昨年11月、欧州議会は国連が「壊滅的人道危機」と呼ぶスーダン内戦の人権状況を非難する決議を採択したが、民兵RSF(迅速支援部隊)を支援するUAEには触れなかった。RSFは無差別殺傷や集団レイプなどで批判が絶えない。
 ここにもEUに対するUAEのロビー活動の浸透がうかがえる。
 六辻彰二
 国際政治学者
 ベスト エキスパート受賞
 博士(国際関係)。アフリカをメインフィールドに、国際情勢を幅広く調査・研究中。最新刊に『終わりなき戦争紛争の100年史』(さくら舎)。その他、『21世紀の中東・アフリカ世界』(芦書房)、『世界の独裁者』(幻冬社)、『イスラム 敵の論理 味方の理由』(さくら舎)、『日本の「水」が危ない』(ベストセラーズ)など。横浜市立大学、明治学院大学などで教鞭もとる。
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 国民が気づいていない日本の「水」の危機!
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