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・ ・ {東山道・美濃国・百姓の次男・栗山正博}・
『旧約聖書』(日本聖書協会、1955年)ユダヤ教・キリスト教・イスラム教。
「創世記」
第5章
アダムの系図は次のとおりである。神が人を創造された時、神をかたどって造り、
彼らを男と女とに創造された。彼らが創造された時、神は彼らを祝福して、その名をアダムと名づけられた。
アダムは百三十歳になって、自分にかたどり、自分のかたちのような男の子を生み、その名をセツと名づけた。
アダムがセツを生んで後、生きた年は八百年であって、ほかに男子と女子を生んだ。
アダムの生きた年は合わせて九百三十歳であった。そして彼は死んだ。
セツは百五歳になって、エノスを生んだ。
セツはエノスを生んだ後、八百七年生きて、男子と女子を生んだ。
セツの年は合わせて九百十二歳であった。そして彼は死んだ。
エノスは九十歳になって、カイナンを生んだ。
エノスはカイナンを生んだ後、八百十五年生きて、男子と女子を生んだ。
エノスの年は合わせて九百五歳であった。そして彼は死んだ。
カイナンは七十歳になって、マハラレルを生んだ。
カイナンはマハラレルを生んだ後、八百四十年生きて、男子と女子を生んだ。
カイナンの年は合わせて九百十歳であった。そして彼は死んだ。
マハラレルは六十五歳になって、ヤレドを生んだ。
マハラレルはヤレドを生んだ後、八百三十年生きて、男子と女子を生んだ。
マハラレルの年は合わせて八百九十五歳であった。そして彼は死んだ。
ヤレドは百六十二歳になって、エノクを生んだ。
ヤレドはエノクを生んだ後、八百年生きて、男子と女子を生んだ。
ヤレドの年は合わせて九百六十二歳であった。そして彼は死んだ。
エノクは六十五歳になって、メトセラを生んだ。
エノクはメトセラを生んだ後、三百年、神とともに歩み、男子と女子を生んだ。
エノクの年は合わせて三百六十五歳であった。
エノクは神とともに歩み、神が彼を取られたので、いなくなった。
メトセラは百八十七歳になって、レメクを生んだ。
メトセラはレメクを生んだ後、七百八十二年生きて、男子と女子を生んだ。
メトセラの年は合わせて九百六十九歳であった。そして彼は死んだ。
レメクは百八十二歳になって、男の子を生み、
「この子こそ、主が地をのろわれたため、骨折り働くわれわれを慰めるもの」と言って、その名をノアと名づけた。
レメクはノアを生んだ後、五百九十五年生きて、男子と女子を生んだ。
レメクの年は合わせて七百七十七歳であった。そして彼は死んだ。
ノアは五百歳になって、セム、ハム、ヤペテを生んだ。
第6章
人が地のおもてにふえ始めて、娘たちが彼らに生れた時、
神の子たちは人の娘たちの美しいのを見て、自分の好む者を妻にめとった。
そこで主は言われた、「わたしの霊はながく人の中にとどまらない。彼は肉にすぎないのだ。しかし、彼の年は百二十年であろう」。
そのころ、またその後にも、地にネピリムがいた。これは神の子たちが人の娘たちのところにはいって、娘たちに産ませたものである。彼らは昔の勇士であり、有名な人々であった。
主は人の悪が地にはびこり、すべてその心に思いはかることが、いつも悪い事ばかりであるのを見られた。
主は地の上に人を造ったのを悔いて、心を痛め、
「わたしが創造した人を地のおもてからぬぐい去ろう。人も獣も、這うものも、空の鳥までも。わたしは、これらを造ったことを悔いる」と言われた。
しかし、ノアは主の前に恵みを得た。
ノアの系図は次のとおりである。ノアはその時代の人々の中で正しく、かつ全き人であった。ノアは神とともに歩んだ。
ノアはセム、ハム、ヤペテの三人の子を生んだ。
時に世は神の前に乱れて、暴虐が地に満ちた。
神が地を見られると、それは乱れていた。すべての人が地の上でその道を乱したからである。
そこで神はノアに言われた、「わたしは、すべての人を絶やそうと決心した。彼らは地を暴虐で満たしたから、わたしは彼らを地とともに滅ぼそう。
あなたは、いとすぎの木で箱舟を造り、箱舟の中にへやを設け、アスファルトでそのうちそとを塗りなさい。
その造り方は次のとおりである。すなわち箱舟の長さは三百キュビト、幅は五十キュビト、高さは三十キュビトとし、
箱舟に屋根を造り、上へ一キュビトにそれを仕上げ、また箱舟の戸口をその横に設けて、一階と二階と三階のある箱舟を造りなさい。
わたしは地の上に洪水を送って、命の息のある肉なるものを、みな天の下から滅ぼし去る。地にあるものは、みな死に絶えるであろう。
ただし、わたしはあなたと契約を結ぼう。あなたは子らと、妻と、子らの妻たちと共に箱舟にはいりなさい。
またすべての生き物、すべての肉なるものの中から、それぞれ二つずつを箱舟に入れて、あなたと共にその命を保たせなさい。それらは雄と雌とでなければならない。
すなわち、鳥はその種類にしたがい獣はその種類にしたがい、また地のすべての這うものも、その種類にしたがって、それぞれ二つずつ、あなたのところに入れて、命を保たせなさい。
また、すべての食物となるものをとって、あなたのところにたくわえ、あなたとこれらのものとの食物としなさい」。
ノアはすべて神の命じられたようにした。
第7章
主はノアに言われた、「あなたと家族とはみな箱舟にはいりなさい。あなたがこの時代の人々の中で、わたしの前に正しい人であるとわたしは認めたからである。
あなたはすべての清い獣の中から雄と雌とを七つずつ取り、清くない獣の中から雄と雌とを二つずつ取り、
また空の鳥の中から雄と雌とを七つずつ取って、その種類が全地のおもてに生き残るようにしなさい。
七日の後、わたしは四十日四十夜、地に雨を降らせて、わたしの造ったすべての生き物を、地のおもてからぬぐい去ります」。
ノアはすべて主が命じられたようにした。
さて洪水が地に起った時、ノアは六百歳であった。
ノアは子らと、妻と、子らの妻たちと共に洪水を避けて箱舟にはいった。
また清い獣と、清くない獣と、鳥と、地に這うすべてのものとの、
雄と雌とが、二つずつノアのもとにきて、神がノアに命じられたように箱舟にはいった。
こうして七日の後、洪水が地に起った。
それはノアの六百歳の二月十七日であって、その日に大いなる淵の源は、ことごとく破れ、天の窓が開けて、
雨は四十日四十夜、地に降り注いだ。
その同じ日に、ノアと、ノアの子セム、ハム、ヤペテと、ノアの妻と、その子らの三人の妻とは共に箱舟にはいった。
またすべての種類の獣も、すべての種類の家畜も、地のすべての種類の這うものも、すべての種類の鳥も、すべての翼あるものも、皆はいった。
すなわち命の息のあるすべての肉なるものが、二つずつノアのもとにきて、箱舟にはいった。
そのはいったものは、すべて肉なるものの雄と雌とであって、神が彼に命じられたようにはいった。そこで主は彼のうしろの戸を閉ざされた。
洪水は四十日のあいだ地上にあった。水が増して箱舟を浮べたので、箱舟は地から高く上がった。
また水がみなぎり、地に増したので、箱舟は水のおもてに漂った。
水はまた、ますます地にみなぎり、天の下の高い山々は皆おおわれた。
水はその上、さらに十五キュビトみなぎって、山々は全くおおわれた。
地の上に動くすべて肉なるものは、鳥も家畜も獣も、地に群がるすべての這うものも、すべての人もみな滅びた。
すなわち鼻に命の息のあるすべてのもの、陸にいたすべてのものは死んだ。
地のおもてにいたすべての生き物は、人も家畜も、這うものも、空の鳥もみな地からぬぐい去られて、ただノアと、彼と共に箱舟にいたものだけが残った。
水は百五十日のあいだ地上にみなぎった。
第8章
神はノアと、箱舟の中にいたすべての生き物と、すべての家畜とを心にとめられた。神が風を地の上に吹かせられたので、水は退いた。
また淵の源と、天の窓とは閉ざされて、天から雨が降らなくなった。
それで水はしだいに地の上から引いて、百五十日の後には水が減り、
箱舟は七月十七日にアララテの山にとどまった。
水はしだいに減って、十月になり、十月一日に山々の頂が現れた。
四十日たって、ノアはその造った箱舟の窓を開いて、
からすを放ったところ、からすは地の上から水がかわききるまで、あちらこちらへ飛びまわった。
ノアはまた地のおもてから、水がひいたかどうかを見ようと、彼の所から、はとを放ったが、
はとは足の裏をとどめる所が見つからなかったので、箱舟のノアのもとに帰ってきた。水がまだ全地のおもてにあったからである。彼は手を伸べて、これを捕え、箱舟の中の彼のもとに引き入れた。
それから七日待って再びはとを箱舟から放った。
はとは夕方になって彼のもとに帰ってきた。見ると、そのくちばしには、オリブの若葉があった。ノアは地から水がひいたのを知った。
さらに七日待ってまた、はとを放ったところ、もはや彼のもとには帰ってこなかった。
六百一歳の一月一日になって、地の上の水はかれた。ノアが箱舟のおおいを取り除いて見ると、土のおもては、かわいていた。
二月二十七日になって、地は全くかわいた。
この時、神はノアに言われた、
「あなたは妻と、子らと、子らの妻たちと共に箱舟を出なさい。
あなたは、共にいる肉なるすべての生き物、すなわち鳥と家畜と、地のすべての這うものとを連れて出て、これらのものが地に群がり、地の上にふえ広がるようにしなさい」。
ノアは共にいた子らと、妻と、子らの妻たちとを連れて出た。
またすべての獣、すべての這うもの、すべての鳥、すべて地の上に動くものは皆、種類にしたがって箱舟を出た。
ノアは主に祭壇を築いて、すべての清い獣と、すべての清い鳥とのうちから取って、燔祭を祭壇の上にささげた。
主はその香ばしいかおりをかいで、心に言われた、「わたしはもはや二度と人のゆえに地をのろわない。人が心に思い図ることは、幼い時から悪いからである。わたしは、このたびしたように、もう二度と、すべての生きたものを滅ぼさない。
地のある限り、種まきの時も、刈入れの時も、暑さ寒さも、夏冬も、昼も夜もやむことはないであろう」。
第9章
神はノアとその子らとを祝福して彼らに言われた、「生めよ、ふえよ、地に満ちよ。
地のすべての獣、空のすべての鳥、地に這うすべてのもの、海のすべての魚は恐れおののいて、あなたがたの支配に服し、
すべて生きて動くものはあなたがたの食物となるであろう。さきに青草をあなたがたに与えたように、わたしはこれらのものを皆あなたがたに与える。
しかし肉を、その命である血のままで、食べてはならない。
あなたがたの命の血を流すものには、わたしは必ず報復するであろう。いかなる獣にも報復する。兄弟である人にも、わたしは人の命のために、報復するであろう。
人の血を流すものは、人に血を流される、神が自分のかたちに人を造られたゆえに。
あなたがたは、生めよ、ふえよ、地に群がり、地の上にふえよ」。
神はノアおよび共にいる子らに言われた、
「わたしはあなたがた及びあなたがたの後の子孫と契約を立てる。
またあなたがたと共にいるすべての生き物、あなたがたと共にいる鳥、家畜、地のすべての獣、すなわち、すべて箱舟から出たものは、地のすべての獣にいたるまで、わたしはそれと契約を立てよう。
わたしがあなたがたと立てるこの契約により、すべて肉なる者は、もはや洪水によって滅ぼされることはなく、また地を滅ぼす洪水は、再び起らないであろう」。
さらに神は言われた、「これはわたしと、あなたがた及びあなたがたと共にいるすべての生き物との間に代々かぎりなく、わたしが立てる契約のしるしである。
すなわち、わたしは雲の中に、にじを置く。これがわたしと地との間の契約のしるしとなる。
わたしが雲を地の上に起すとき、にじは雲の中に現れる。
こうして、わたしは、わたしとあなたがた、及びすべて肉なるあらゆる生き物との間に立てた契約を思いおこすゆえ、水はふたたび、すべて肉なる者を滅ぼす洪水とはならない。
にじが雲の中に現れるとき、わたしはこれを見て、神が地上にあるすべて肉なるあらゆる生き物との間に立てた永遠の契約を思いおこすであろう」。
そして神はノアに言われた、「これがわたしと地にあるすべて肉なるものとの間に、わたしが立てた契約のしるしである」。
箱舟から出たノアの子らはセム、ハム、ヤペテであった。ハムはカナンの父である。
この三人はノアの子らで、全地の民は彼らから出て、広がったのである。
さてノアは農夫となり、ぶどう畑をつくり始めたが、
彼はぶどう酒を飲んで酔い、天幕の中で裸になっていた。
カナンの父ハムは父の裸を見て、外にいるふたりの兄弟に告げた。
セムとヤペテとは着物を取って、肩にかけ、うしろ向きに歩み寄って、父の裸をおおい、顔をそむけて父の裸を見なかった。
やがてノアは酔いがさめて、末の子が彼にした事を知ったとき、
彼は言った、「カナンはのろわれよ。彼はしもべのしもべとなって、その兄弟たちに仕える」。
また言った、「セムの神、主はほむべきかな、カナンはそのしもべとなれ。
神はヤペテを大いならしめ、セムの天幕に彼を住まわせられるように。カナンはそのしもべとなれ」。
ノアは洪水の後、なお三百五十年生きた。
ノアの年は合わせて九百五十歳であった。そして彼は死んだ。
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時に主は言われた、「わたしのしようとする事をアブラハムに隠してよいであろうか。
アブラハムは必ず大きな強い国民となって、地のすべての民がみな、彼によって祝福を受けるのではないか。
わたしは彼が後の子らと家族とに命じて主の道を守らせ、正義と公道とを行わせるために彼を知ったのである。これは主がかつてアブラハムについて言った事を彼の上に臨ませるためである」。
主はまた言われた、「ソドムとゴモラの叫びは大きく、またその罪は非常に重いので、
わたしはいま下って、わたしに届いた叫びのとおりに、すべて彼らがおこなっているかどうかを見て、それを知ろう」。
その人々はそこから身を巡らしてソドムの方に行ったが、アブラハムはなお、主の前に立っていた。
アブラハムは近寄って言った、「まことにあなたは正しい者を、悪い者と一緒に滅ぼされるのですか。
たとい、あの町に五十人の正しい者があっても、あなたはなお、その所を滅ぼし、その中にいる五十人の正しい者のためにこれをゆるされないのですか。
正しい者と悪い者とを一緒に殺すようなことを、あなたは決してなさらないでしょう。正しい者と悪い者とを同じようにすることも、あなたは決してなさらないでしょう。全地をさばく者は公義を行うべきではありませんか」。
主は言われた、「もしソドムで町の中に五十人の正しい者があったら、その人々のためにその所をすべてゆるそう」。
アブラハムは答えて言った、「わたしはちり灰に過ぎませんが、あえてわが主に申します。
もし五十人の正しい者のうち五人欠けたなら、その五人欠けたために町を全く滅ぼされますか」。主は言われた、「もしそこに四十五人いたら、滅ぼさないであろう」。
アブラハムはまた重ねて主に言った、「もしそこに四十人いたら」。主は言われた、「その四十人のために、これをしないであろう」。
アブラハムは言った、「わが主よ、どうかお怒りにならぬよう。わたしは申します。もしそこに三十人いたら」。主は言われた、「そこに三十人いたら、これをしないであろう」。
アブラハムは言った、「いまわたしはあえてわが主に申します。もしそこに二十人いたら」。主は言われた、「わたしはその二十人のために滅ぼさないであろう」。
アブラハムは言った、「わが主よ、どうかお怒りにならぬよう。わたしはいま一度申します、もしそこに十人いたら」。主は言われた、「わたしはその十人のために滅ぼさないであろう」。
主はアブラハムと語り終り、去って行かれた。アブラハムは自分の所に帰った。
第19章
そのふたりのみ使は夕暮にソドムに着いた。そのときロトはソドムの門にすわっていた。ロトは彼らを見て、立って迎え、地に伏して、
言った、「わが主よ、どうぞしもべの家に立寄って足を洗い、お泊まりください。そして朝早く起きてお立ちください」。彼らは言った、「いや、われわれは広場で夜を過ごします」。
しかしロトがしいて勧めたので、彼らはついに彼の所に寄り、家にはいった。ロトは彼らのためにふるまいを設け、種入れぬパンを焼いて食べさせた。
ところが彼らの寝ないうちに、ソドムの町の人々は、若い者も老人も、民がみな四方からきて、その家を囲み、
ロトに叫んで言った、「今夜おまえの所にきた人々はどこにいるか。それをここに出しなさい。われわれは彼らを知るであろう」。
ロトは入口におる彼らの所に出て行き、うしろの戸を閉じて、
言った、「兄弟たちよ、どうか悪い事はしないでください。
わたしにまだ男を知らない娘がふたりあります。わたしはこれをあなたがたに、さし出しますから、好きなようにしてください。ただ、わたしの屋根の下にはいったこの人たちには、何もしないでください」。
彼らは言った、「退け」。また言った、「この男は渡ってきたよそ者であるのに、いつも、さばきびとになろうとする。それで、われわれは彼らに加えるよりも、おまえに多くの害を加えよう」。彼らはロトの身に激しく迫り、進み寄って戸を破ろうとした。
その時、かのふたりは手を伸べてロトを家の内に引き入れ、戸を閉じた。
そして家の入口におる人々を、老若の別なく打って目をくらましたので、彼らは入口を捜すのに疲れた。
ふたりはロトに言った、「ほかにあなたの身内の者がここにおりますか。あなたのむこ、むすこ、娘およびこの町におるあなたの身内の者を、皆ここから連れ出しなさい。
われわれがこの所を滅ぼそうとしているからです。人々の叫びが主の前に大きくなり、主はこの所を滅ぼすために、われわれをつかわされたのです」。
そこでロトは出て行って、その娘たちをめとるむこたちに告げて言った、「立ってこの所から出なさい。主がこの町を滅ぼされます」。しかしそれはむこたちには戯むれごとに思えた。
夜が明けて、み使たちはロトを促して言った 「立って、ここにいるあなたの妻とふたりの娘とを連れ出しなさい。そうしなければ、あなたもこの町の不義のために滅ぼされるでしょう」。
彼はためらっていたが、主は彼にあわれみを施されたので、かのふたりは彼の手と、その妻の手と、ふたりの娘の手を取って連れ出し、町の外に置いた。
彼らを外に連れ出した時そのひとりは言った、「のがれて、自分の命を救いなさい。うしろをふりかえって見てはならない。低地にはどこにも立ち止まってはならない。山にのがれなさい。そうしなければ、あなたは滅びます」。
ロトは彼らに言った、「わが主よ、どうか、そうさせないでください。
しもべはすでにあなたの前に恵みを得ました。あなたはわたしの命を救って、大いなるいつくしみを施されました。しかしわたしは山まではのがれる事ができません。災が身に追い迫ってわたしは死ぬでしょう。
あの町をごらんなさい。逃げていくのに近く、また小さい町です。どうかわたしをそこにのがれさせてください。それは小さいではありませんか。そうすればわたしの命は助かるでしょう」。
み使は彼に言った、「わたしはこの事でもあなたの願いをいれて、あなたの言うその町は滅ぼしません。
急いでそこへのがれなさい。あなたがそこに着くまでは、わたしは何事もすることができません」。これによって、その町の名はゾアルと呼ばれた。
ロトがゾアルに着いた時、日は地の上にのぼった。
主は硫黄と火とを主の所すなわち天からソドムとゴモラの上に降らせて、
これらの町と、すべての低地と、その町々のすべての住民と、その地にはえている物を、ことごとく滅ぼされた。
しかしロトの妻はうしろを顧みたので塩の柱になった。
アブラハムは朝早く起き、さきに主の前に立った所に行って、
ソドムとゴモラの方、および低地の全面をながめると、その地の煙が、かまどの煙のように立ちのぼっていた。
こうして神が低地の町々をこぼたれた時、すなわちロトの住んでいた町々を滅ぼされた時、神はアブラハムを覚えて、その滅びの中からロトを救い出された。
- 作者:高久 真一
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第20章{モーゼの十戒}
神はこのすべての言葉を語って言われた。
「わたしはあなたの神、主であって、あなたをエジプトの地、奴隷の家から導き出した者である。
あなたはわたしのほかに、なにものをも神としてはならない。
あなたは自分のために、刻んだ像を造ってはならない。上は天にあるもの、下は地にあるもの、また地の下の水のなかにあるものの、どんな形をも造ってはならない。
それにひれ伏してはならない。それに仕えてはならない。あなたの神、主であるわたしは、ねたむ神であるから、わたしを憎むものは、父の罪を子に報いて、三、四代に及ぼし、
わたしを愛し、わたしの戒めを守るものには、恵みを施して、千代に至るであろう。
あなたは、あなたの神、主の名を、みだりに唱えてはならない。主は、み名をみだりに唱えるものを、罰しないでは置かないであろう。
安息日を覚えて、これを聖とせよ。
六日のあいだ働いてあなたのすべてのわざをせよ。
七日目はあなたの神、主の安息であるから、なんのわざをもしてはならない。あなたもあなたのむすこ、娘、しもべ、はしため、家畜、またあなたの門のうちにいる他国の人もそうである。
主は六日のうちに、天と地と海と、その中のすべてのものを造って、七日目に休まれたからである。それで主は安息日を祝福して聖とされた。
あなたの父と母を敬え。これは、あなたの神、主が賜わる地で、あなたが長く生きるためである。
あなたは殺してはならない。
あなたは姦淫してはならない。
あなたは盗んではならない。
あなたは隣人について、偽証してはならない。
あなたは隣人の家をむさぼってはならない。隣人の妻、しもべ、はしため、牛、ろば、またすべて隣人のものをむさぼってはならない」。
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第31章
さて主はモーセに言われた、
「ミデアンびとにイスラエルの人々のあだを報いなさい。その後、あなたはあなたの民に加えられるであろう」。
モーセは民に言った、「あなたがたのうちから人を選んで戦いのために武装させ、ミデアンびとを攻めて、主のためミデアンびとに復讐しなさい。
すなわちイスラエルのすべての部族から、部族ごとに千人ずつを戦いに送り出さなければならない」。
そこでイスラエルの部族のうちから部族ごとに千人ずつを選び、一万二千人を得て、戦いのために武装させた。
モーセは各部族から千人ずつを戦いにつかわし、また祭司エレアザルの子ピネハスに、聖なる器と吹き鳴らすラッパとを執らせて、共に戦いにつかわした。
彼らは主がモーセに命じられたようにミデアンびとと戦って、その男子をみな殺した。
その殺した者のほかにまたミデアンの王五人を殺した。その名はエビ、レケム、ツル、フル、レバである。またベオルの子バラムをも、つるぎにかけて殺した。
またイスラエルの人々はミデアンの女たちとその子供たちを捕虜にし、その家畜と、羊の群れと、貨財とをことごとく奪い取り、
そのすまいのある町々と、その部落とを、ことごとく火で焼いた。
こうして彼らはすべて奪ったものと、かすめたものとは人をも家畜をも取り、
その生けどった者と、かすめたものと、奪ったものとを携えて、エリコに近いヨルダンのほとりのモアブの平野の宿営におるモーセと祭司エレアザルとイスラエルの人々の会衆のもとへもどってきた。
ときにモーセと祭司エレアザルと会衆のつかさたちはみな宿営の外に出て迎えたが、
モーセは軍勢の将たち、すなわち戦場から帰ってきた千人の長たちと、百人の長たちに対して怒った。
モーセは彼らに言った、「あなたがたは女たちをみな生かしておいたのか。
彼らはバラムのはかりごとによって、イスラエルの人々に、ペオルのことで主に罪を犯させ、ついに主の会衆のうちに疫病を起すに至った。
それで今、この子供たちのうちの男の子をみな殺し、また男と寝て、男を知った女をみな殺しなさい。
ただし、まだ男と寝ず、男を知らない娘はすべてあなたがたのために生かしておきなさい。
そしてあなたがたは七日のあいだ宿営の外にとどまりなさい。あなたがたのうちすべて人を殺した者、およびすべて殺された者に触れた者は、あなたがた自身も、あなたがたの捕虜も共に、三日目と七日目とに身を清めなければならない。
またすべての衣服と、すべての皮の器と、すべてやぎの毛で作ったものと、すべての木の器とを清めなければならない」。
祭司エレアザルは戦いに出たいくさびとたちに言った、「これは主がモーセに命じられた律法の定めである。
金、銀、青銅、鉄、すず、鉛など、
すべて火に耐える物は火の中を通さなければならない。そうすれば清くなるであろう。なおその上、汚れを清める水で、清めなければならない。しかし、すべて火に耐えないものは水の中を通さなければならない。
あなたがたは七日目に衣服を洗わなければならない。そして清くなり、その後宿営にはいることができる」。
主はモーセに言われた、
「あなたと祭司エレアザルおよび会衆の氏族のかしらたちは、その生けどった人と家畜の獲物の総数を調べ、
その獲物を戦いに出た勇士と、全会衆とに折半しなさい。
そして戦いに出たいくさびとに、人または牛、またはろば、または羊を、おのおの五百ごとに一つを取り、みつぎとして主にささげさせなさい。
すなわち彼らが受ける半分のなかから、それを取り、主にささげる物として祭司エレアザルに渡しなさい。
またイスラエルの人々が受ける半分のなかから、その獲た人または牛、またはろば、または羊などの家畜を、おのおの五十ごとに一つを取り、主の幕屋の務をするレビびとに与えなさい」。
モーセと祭司エレアザルとは主がモーセに命じられたとおりに行った。
そこでその獲物、すなわち、いくさびとたちが奪い取ったものの残りは羊六十七万五千、
牛七万二千、
ろば六万一千、
人三万二千、これはみな男と寝ず、男を知らない女であった。
そしてその半分、すなわち戦いに出た者の分は羊三十三万七千五百、
主にみつぎとした羊は六百七十五。
牛は三万六千、そのうちから主にみつぎとしたものは七十二。
ろばは三万五百、そのうちから主にみつぎとしたものは六十一。
人は一万六千、そのうちから主にみつぎとしたものは三十二人であった。
モーセはそのみつぎを主にささげる物として祭司エレアザルに渡した。主がモーセに命じられたとおりである。
モーセが戦いに出た人々とは別にイスラエルの人々に与えた半分、
すなわち会衆の受けた半分は羊三十三万七千五百、
牛三万六千、
ろば三万五百、
人一万六千であって、
モーセはイスラエルの人々の受けた半分のなかから、人および獣をおのおの五十ごとに一つを取って、主の幕屋の務をするレビびとに与えた。主がモーセに命じられたとおりである。
時に軍勢の将であったものども、すなわち千人の長たちと百人の長たちとがモーセのところにきて、
モーセに言った、「しもべらは、指揮下のいくさびとを数えましたが、われわれのうち、ひとりも欠けた者はありませんでした。
それで、われわれは、おのおの手に入れた金の飾り物、すなわち腕飾り、腕輪、指輪、耳輪、首飾りなどを主に携えてきて供え物とし、主の前にわれわれの命のあがないをしようと思います」。
モーセと祭司エレアザルとは、彼らから細工を施した金の飾り物を受け取った。
千人の長たちと百人の長たちとが、主にささげものとした金は合わせて一万六千七百五十シケル。
いくさびとは、おのおの自分のぶんどり物を獲た。
モーセと祭司エレアザルとは、千人の長たちと百人の長たちとから、その金を受け取り、それを携えて会見の幕屋に入り、主の前に置いてイスラエルの人々のために記念とした。
* * * モーセは、絶対神の命によって、ミデアン人の土地を攻撃した。
ユダヤ人部隊は、約束の地・カナンに向かう途中で異教徒・ミデアン人の地を攻撃し、ミデアン人兵士を皆殺しにして凱旋した。
モーセは、ミデアン人女性を生かして帰って来た事に激怒し、異民族の種を根絶する為に、ミデアン人の全ての男と男を知る女を皆殺しにする様に命じた。
ユダヤ人兵士に、ミデアン人の土地を再攻撃し、男を知らない女を自由にする事を許した。
ユダヤ人部隊は、ペリシテ人をも虐殺し、土地を奪い、異教の信仰を滅ぼす為に神殿を破壊した。
殺さなかった者は、絶対神の許可で奴隷としてた。
アブラハムは、女奴隷ハガルを孕ませてアラブ人の祖イスマエルを生ませた。
アブラハムの妻サラは、ハガルとイスマエルの母子を砂漠に追放した。
アラブ人とユダヤ人・イスラエルとの対立は、この時から始まった。
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一神教とは、唯一の神以外の如何なる神も許さず、神を摸した偶像を造り崇拝する事を許さず、異教徒の生存を女子供に至るまで何人たりとも認めなかった。
聖戦は、ユダヤ教からキリスト教へそしてイスラム教に受け継がれた。
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聖書は、ユダヤ教徒による異教徒への虐殺で綴られている。
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