海のモンゴロイド―ポリネシア人の祖先をもとめて (歴史文化ライブラリー)
- 作者:片山 一道
- 発売日: 2002/03/01
- メディア: 単行本
関連ブログを6つ立ち上げる。プロフィールに情報。
・ ・ {東山道・美濃国・百姓の次男・栗山正博}・
太平洋赤道以北の北マリアナ・マーシャル・カロリング・ギルバート諸島などに住んでいたポリネシア(「多くの島」の意)人は、大海原を渡り鳥を追って航海してハワイ諸島に発見して住み着いた。
手漕ぎカヌーで、羅針盤などの航海器具もなく、仲間とわずかな水や食べ物を分け合って協力し漕ぎ抜いた。
仲間を繋ぎ止めていたのは、日本特有の「同調圧力」「場の空気」に共通する「船乗りの絆」であった。
定住したポリネシア人は、自分達の事をハワイ語で人間を指す「カナカ人」と呼んだ。
ポリネシアとは、「多くの島」と言う意味で、ハワイ・イースター島・ニュージーランドを結んだ三角形に含まれる島々の総称であった。
自分達こそ教養ある文明人だと自称するヨーロッパ人は、太平洋島嶼に住む先住民を野蛮人・未開人と軽蔑し、島々を植民地として先住民を奴隷として使役した。
島々の先住民達は、共通した伝統・文化・言語・宗教・習慣・風習を持って生活していた。
ヨーロッパ人は、「未開人・野蛮人を文明化へと教化する」を使命として、キリスト教と西洋の文化・言語・文字・作法を強制して先住民が持っていた全てを破壊し消滅させた。
その文明化という破壊の波は、ハワイをのみ込みカナカ(ハワイ)王国を消滅させ、日本へと迫った。
ヨーロッパ基準の世界地図では、太平洋上の小島嶼を一括りに俗称でポリネシア・ミクロネシアと表記されている。
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2016年9月30日号 週刊朝日「パスカルの万脳薬 池谷裕二
ヒトと鳥は曲芸師」
ヒトが言葉を話すことと鳥が大空を飛ぶことでは、どちちが高度でしょうか。かたや咽頭を操り空気を微細振動させて音波を発し、かたや両翼の運動から揚力を得て全身を浮遊させます。どちらも空気を巧みに利用した曲芸です。もちろん両者はまったく異なる身体機能ですので、優劣を論じることはできません。しかし、つい比較したくなる契機がありました。それは睡眠です。
睡眠(もしくは睡眠に似た日週リズム)は、細菌から哺乳類に至るまでほぼ全ての生物種に見られます。ただし、その形態は種によって随分と異なります。ヒトは無防備な姿で何時間も熟睡する珍しい生物です。
逆にヒトから見て奇妙な睡眠をとる動物はイルカです。イルカは水中で生活してはいますが、エラ呼吸する魚類ではなく、あくまでも肺呼吸の哺乳類です。大気中の空気を吸う必要があります。ヒトのようにぐっすりと眠り込んだら溺れてしまいます。
そんな彼らが編み出した対策は、右脳と左脳を交互に睡眠させる『半脳睡眠』です。脳波データによれば、イルカは毎日8時間ほど眠るようですが、決して両脳が同時に眠ることはありません。脳のどちらか一方は必ず覚醒しています。だから溺死しないのです。さらに、外敵に対して警戒を持続できるという利点もあります。イルカがどれほど警戒を維持できるかを調べた研究があります。15日間持続して外界刺激に対して敏感に反応を続け、ついには研究者が根負けして調査を撤退したほどでした。
泳ぎ続けなくてはいけないイルカと似た運命にあるのが、渡り鳥です。大洋を横断する場合、何週間も飛び続ける必要があります。ウトウトと居眠りしたら墜落してしまいます。そんな彼らも飛びながら半脳睡眠しているだろうと考えています。なぜなら、陸上医停泊している鳥類の脳波を調べると、確かに半脳睡眠が観測されるからです。空を飛ばないニワトリでさえ半脳睡眠することがあります。
とはいえ、あくまで陸上での脳波からの推測です。上空を長距離飛行している鳥の脳から記録することはできませんから、本当のところはわかりませんでした。
ところが科学技術は着実に進歩します。マックスプランク研究所のラッテンボルク博士らは、軽量脳波計をグンカンドリの脳に装着しデータを無線で飛ばすことで、長距離飛行中の渡り鳥の睡眠状態を記録することに成功しました。このデータは先月の『ネイチャー・コミュニケーション』誌に発表されました。
結果は意外なものでした。1日あたりの睡眠時間はわずか40分。ほぼ徹夜で飛び続けていたのです。さらに意外なことに、半脳睡眠だけでなく、なんと両脳睡眠も観測されました。短時間とはいえ、飛び続けながらグッスリと寝ていたのです。さすがに睡眠中は飛行が安定せず、真っ直ぐ飛ぶことはできないようですが、決して墜落することはありません。
眠りながら大空を飛ぶとは、なんと奇跡的な芸当だろう。私はこのデータを眺めて心底驚きました。同時に、ふと思い当たりました。ヒトは眠りながら寝言を言っているではないか、と。これも相当に高度な芸当です。
それが冒頭の問いです。発語と飛行はどちらが高度でしょうか──。渡り鳥からヒトを見たら『眠りながら言葉を話すなんて、なんと器用な生物だ』と驚嘆するにちがいありません」
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ハワイの各島の誕生。
ハワイ島は43万年前。
オアフ島は370万年前。
カウアイ島は510万年前。
カウアイ島より古い火山島が、ロシア・カムチャッカ半島近くの「天皇海山列」まで連なるが、波に削られて水没した。
ホットスポットの活動は約8000万年以上続いていた。
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古代南太平洋国家の謎―ポリネシアン・トライアングルの伝説を追う (アリアドネ古代史スペクタクル)
- 作者:M. スティングル
- 発売日: 2001/10/01
- メディア: 単行本
新書783忘れられた島々「南洋群島」ノ現代史 (平凡社新書)
- 作者:亮, 井上
- 発売日: 2015/08/11
- メディア: 新書
ミクロネシアの先史文化―その起源を求めて (Monad books)
- 作者:高山純
- 発売日: 1983/07/01
- メディア: 単行本