🐒21」ー2ー米国一極体制崩壊で世界の覇権移動が中国へと移り始めている。熟し柿戦略。~No.63No.64 

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 関連ブログを6つ立ち上げる。プロフィールに情報。
   ・   ・   {東山道美濃国・百姓の次男・栗山正博}・  
 中国は、清帝国アヘン戦争で敗北するまで国力(軍事力・経済力)で世界一の覇権大国であった。
 中国共産党は、党としては毛沢東の時代に、国としては清国の時代に戻ろうとしている。
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  福沢諭吉は『脱亜論』で、文明度の低い日本が近代国家に生まれ変わる為に、儒教の中華・中国・朝鮮を切り捨てキリスト教の西洋を採用すべきだと訴えた。
 アジア主義者が目指したアジア=東洋とは、唐の中国ではなく天竺のインド・チベット中央アジアであった。
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 2024年6月9日 MicrosoftStartニュース 現代ビジネス「ついに世界の覇権移動が始まった…!「ジャイアンアメリカを恐れず、いまBRICSが急速に拡大している「衝撃の理由」
 大原 浩(国際投資アナリスト・人間経済科学研究所・執行パートナー)
 東南アジアで初めてタイがBRICS加盟申請
 スプートニク日本 5月30日「タイがBRICSへ加盟申請 なぜタイには加盟が必要か」と報道された。
 2023年9月6日公開「サウジアラビア・イラン参加『本当の衝撃』…エネルギー覇権を握る『拡大BRICS」中心で、世界は『脱欧米』に向かう」の中でも、「BRICSの急速な拡大」に注目していたが、タイの申請が承認されれば、東南アジアで初めての参加となる。
 タイ、バンコク by Gettyimages
 © 現代ビジネス
 これは極めて重要な出来事だ。BRICSは「脱欧米」を目指す組織の中で最も有力である。そもそも「R」のロシアと「C」のチャイナが主軸だ。ウクライナ戦争、「貿易戦争」や「人権問題」などで欧米と鋭く対峙する両国に、「近づいた」と欧米からみなされることを承知で加盟申請を行ったという点が重要といえる。
 「ジャイアンアメリカ」やその子分たちを「恐れなくなった」ということだと考えられるのだ。このタイの「判断」の背景には、最近のBRICSの「勢い」がある。
 急速に「拡大」しているBRICS
 BRICSは2009年に、戦後(特に1991年のソ連崩壊以降)の米国一極支配の世界秩序に対抗し、非西欧の新興経済国が集まって結成された。
 2023年8月、BRICS首脳会議 by Gettyimages
 © 現代ビジネス
 このBRICSに関して、ジェトロ・アジア経済研究所「IDE スクエア」 昨年12月「(グローバルサウスと世界)第5回 BRICSに中東・アフリカ諸国が加わることの意味――エジプトを事例に考える」は興味深い資料だ。
 最近世間の注目を集めたのが、いわゆる「拡大BRICS」である。2024年1月1日をもって、エジプト、エチオピアサウジアラビアアラブ首長国連邦UAE)、イラン、アルゼンチンの6カ国がBRICSに加わり、ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカと合わせて11か国体制となった。
 前記記事によれば「サウジアラビアUAE、イランが加わることで、BRICSは世界の原油生産量の41%、人口の46%、国内総生産GDP)の36%を占めることになり、カナダ、フランス、ドイツ、イタリア、日本、イギリス、アメリカからなる主要7カ国(G7)の経済規模を上回る」ことになる。
 これはまさに「世界秩序変革」の第一歩といえよう。この「巨大な力」はまだ産声を上げたばかりであり、加盟国も寄り合い所帯だ。また、加盟国の中でも中国、ロシア、イランなど欧米と激しくぶつかる国々と、欧米に対して比較的融和的な国々が共存する。
 だがG7などの欧米諸国の力の衰えはあまりにも明白であり、「世界」はそれをよくわかっている。
 それだけではない。ウクライナ戦争、ガザ戦争における欧米諸国のダブルスタンダードや「ジャイアンアメリカ」主導の国際ルールを無視する「独善的経済制裁」は、欧米に融和的な国々を遠ざけ、「反欧米」であるロシア、中国、イランなどへ近づける結果となった。
 つまり、バイデン大統領の「ジャイアンアメリカ」丸出しの政策が、BRICSの結束を強め、さらに「BRICS成長のための栄養源」になっているのだ。
 アメリカの世界権力の源泉「金融システム」
 BRICSが結成された2009年の前年である、2008年にリーマンショックが起こった。これがBRICSにも大きな影響を与えている。
 確かに、1945年以降の米国を中心とした「戦勝国」が構築した「戦後体制」が上手く機能した時期が存在したのは事実だ。日本の高度経済成長も戦後体制の恩恵の一つであろう。
 だが、1991年にソ連が崩壊した後の「米国一極体制」は、その17年後の2008年にはすでに綻びを見せていた。その綻びにテープを貼っただけで、抜本的な改革を行わず「問題の先送り」をしてきたのが現代の世界である。
 問題点を先送りにするだけで、改善策を提示できない欧米主体の世界秩序(経済体制)に批判が集まるのは当然である。
 特に問題になったのは「金融システム」であり、前記アジア経済研究所「(グローバルサウスと世界)第5回 BRICSに中東・アフリカ諸国が加わることの意味――エジプトを事例に考える」において、「BRICSが設立当初に要求したのも、世界的な金融システムの再編や欧米主導の国際金融機関における発言力の強化」と述べられている。
 例えば、日本国内の各省庁の中で財務省が「別格」扱いされているのも、資金の流れ(配分)を掌握しているからである。同じように、世界秩序の中で「金融システム」が「権力」と強く結びつくのも当然だ。
 BRICSが目論むドル依存の低下
 再び、前記アジア経済研究所記事から引用すれば、「BRICSは米ドル以外を使った貿易を増やすことで、新興経済国の米ドル依存を下げたいと考えている」のである。
 「また、欧米のシステムから独立した、あるいは補完する金融システムの確立を目指している。2022年6月、ロシアのプーチン大統領は、BRICS加盟国の通貨バスケットに基づく新たな準備通貨を開発すると発表」。
 さらに、「それに先立つ2014年には、BRICS加盟国によって上海を本部とする『新開発銀行(NDB)』が設立されている」。
 「NDBは、現地通貨によってインフラ・プロジェクトの資金調達を行うことを目的に、世界銀行に代わるグローバルサウスのための銀行として設立された。このNDBには現在、エジプト、バングラデシュUAEといったBRICS以外のメンバーも加盟しており、ウルグアイも加盟を申請中だ」とのことだ(1月からエジプトとUAEは「拡大BRICS」に参加)。
 もちろん、ロイター 昨年10月2日「外貨準備高のドル比率、第2四半期は58.9%で横ばい=IMF」のようにドルはまだ大きな力を持っている。しかし、ドル中心のシステムそのものが脆弱性を見せ始めているのに、ロシアなどに対する「ルール無用の経済制裁」を始めとする「独善的行為」を行うことがドルの信認をさらに低下させる。
 5月18日公開「ドル高だから『ドルが紙屑』にならないわけではない、円安だから日本が没落するわけではない」、2021年3月13日公開「最強通貨・ドル、じつは間もなく『紙屑』になるかもしれないワケ…!」との「ドル懸念」を世界が強め、それに備えるのは当然のことといえよう。
 拡大BRICSがかつて日米の「庭」だった東南アジアまで吸引しようとする中、かつての盟主、西側先進国が急速に魅力と力を失っている。後編「信頼されない『名誉白人』日本、経済ボロボロの欧州、政治が機能不全の米国…勢力拡大中のBRICSに先進諸国が『見捨てられて当然』の実態」で更に詳しく見てみよう。
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