🎄10」─2─ドイツ帝国の植民地 ナミビア虐殺。ドイツ政府は経済支援を行い賠償は否定。1904年~No.30No.31 

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 人類史には、強者による弱者に対する大虐殺が数多く存在する。
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 2017年1月8日 AFP「ナミビア先住民、ドイツ植民地時代の虐殺めぐり集団訴訟
 発信地:ニューヨーク/米国 [ 北米 米国 ]
 ナミビア先住民、ドイツ植民地時代の虐殺めぐり集団訴訟
 ナミビア・オビトト近郊の1904年4月9日に決起した先住民ヘレロ人たちが虐殺された現場で、共に花輪をささげるヘレロ民族の最高首長(左)とドイツの駐ナミビア大使(右、2004年4月9日撮影、資料写真)。(c)AFP/Brigitte Weidlich
 【1月8日 AFP】ナミビアでドイツ植民地時代に起きた先住民ヘレロ(Herero)人とナマ(Nama)人の虐殺をめぐり、両先住民の代表団が5日、ドイツ政府に補償を要求する集団訴訟を米ニューヨーク(New York)の裁判所に起こした。代表団は虐殺をめぐるナミビア政府とドイツ政府との交渉にも参加させるよう求めている。
 訴訟の争点はナミビアが南西アフリカと呼ばれていた19世紀末から20世紀初期のドイツ植民地時代にさかのぼる。
 原告側の主張は、当時のナミビアで1885~1903年、ドイツ人入植者たちが植民地政府の了承のもとでヘレロ人とナマ人から土地を奪ったというもので、奪われた土地は両先住民の土地の約4分の1、数千平方マイルに及んだという。
 さらに原告団は、入植者らがヘレロとナマの女性や少女たちをレイプし、両民族を強制労働させていた事実を植民地政府が黙認していたと非難している。
 1904年、迫害に耐えかねてヘレロの人々が決起し、これにナマの人々も続いたが、反乱はドイツ帝国軍に鎮圧された。原告団は、ドイツ軍のロタール・フォン・トロータ(Lothar von Trotha)中将による「全滅作戦」でヘレロとナマの人々10万人が殺害されたと主張している。
 ■ドイツは直接補償を拒否
 1904~05年に起きたヘレロとナマ人大虐殺をめぐり、ナミビア政府とドイツ政府は共同宣言の発表に向けて協議を続けている。
 ドイツ側は虐殺の事実を認める一方、ナミビアが1990年に南アフリカから独立してから、ドイツは数億ユーロ規模の開発援助を「ナミビア国民の利益のため」に続けてきたことを理由に直接補償は拒否し続けている。
 原告団は、世界各地のヘレロとナマの人たちを代表して、ドイツの植民地支配に苦しめられ、虐殺された両先住民たちの賠償と補償を求めて集団訴訟を起こしたと説明している。
 これに対し、独外務省のマルティンシェーファー(Martin Schaefer)報道官はドイツの首都ベルリン(Berlin)で、訴状を見ていないのでコメントできないとしたうえで、この問題で「未来に続く共通の道」を切り開くため、2年ほど前からナミビア政府と共同宣言に関して協議を続けていると強調した。
 原告団には、ヘレロ人の最高首長ベクイ・ルコロ(Vekuii Rukoro)氏とナマ人の首長でナマ人の団体の会長でもあるデービッド・フレデリック(David Frederick)氏の他、虐殺を生き延びた人たちの子孫が作った在米の非営利団体などが名を連ねている。」
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 2021年5月28日18:38 YAHOO!JAPANニュース 時事通信 AFP時事「ドイツ、ナミビア虐殺認め謝罪 1500億円支援、賠償は否定
 ドイツによる虐殺のモニュメント=2017年6月、ナミビア・リューデリッツ(AFP時事)
 【ベルリン時事】ドイツ政府は28日、20世紀初頭に当時の植民地ナミビアで犯した虐殺について、同国に対して正式に謝罪し、11億ユーロ(約1500億円)の復興・開発支援金を拠出すると表明した。
 ただ、道義的な責任であることを強調し、法的な賠償は否定した。
 マース外相は声明で、当時のドイツの行為を正式に「ジェノサイド(集団虐殺)」と認めると表明。「ナミビアと犠牲者に許しを請う」と謝罪した。支援金については「計り知れない犠牲者の苦しみを認識する態度」の表れとして拠出すると説明したが、「法的な賠償請求権は発生しない」とも明言した。
 ドイツは、第2次世界大戦中のホロコーストユダヤ人大虐殺)被害者に対しては謝罪を繰り返し、個人補償を行ってきたが、旧植民地への正式な謝罪や補償・賠償は行ってこなかった。また、ユダヤ人以外の戦争被害への措置が不十分だとして、ポーランドギリシャがドイツに賠償を請求する動きを見せている。
 ナミビアの虐殺は、ドイツ帝国が1904~08年、独領南西アフリカ(現ナミビア)で、蜂起したヘレロ、ナマクアの両民族数万人を殺害した事件。ヘレロ族は8割、ナマクア族は5割が犠牲になったとされ、2015年に和解交渉が始まっていた。」
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 5月28日21:20  MicrosoftNews AFPBB News「ドイツ、植民地ナミビアでの「ジェノサイド」初めて認める
 © AFP PHOTO /NATIONAL ARCHIVES OF NAMIBIA ドイツ領時代のナミビアで、独軍兵士とみられる男性(右端)と鎖につながれた先住民(1904~08年撮影、資料写真)。
 © GIANLUIGI GUERCIA / AFP ナミビア・ウィントフークにある、ドイツに虐殺された先住民の追悼碑前を歩く女子生徒ら(2017年6月20日撮影、資料写真)。
 © GIANLUIGI GUERCIA / AFP ナミビア・ウィントフークにある、ドイツに虐殺された先住民の追悼碑のそばを歩く男性(2017年6月26日撮影、資料写真)。
 【AFP=時事】ドイツは28日、植民地だったアフリカのナミビアで20世紀初頭に入植者らが犯した大量殺人について、自国によるジェノサイド(大量虐殺)だったと初めて認め、援助事業に11億ユーロ(約1470億円)規模の資金提供を行う方針を示した。これを受けてナミビアは、ドイツがジェノサイドと認めたことは「正しい方向への一歩」だと歓迎した。
 ドイツ人入植者らは1904〜08年、先住民のヘレロ(Herero)人とナマ(Nama)人数万人を殺害。歴史学者らはこれを、20世紀で最初に起きたジェノサイドとみており、問題は両国間に禍根を残した。
 ドイツ政府はこれまで、入植者らによる残虐行為があったことは認めていたが、直接的な賠償は繰り返し拒んできた。
 ハイコ・マース(Heiko Maas)独外相は28日、声明で「われわれは今後これらの出来事を、現代の見方に基づき『ジェノサイド』と公式に呼ぶ」と発表した。
 この「残虐行為」について、「ドイツの歴史的、倫理的責任を踏まえ、ナミビアと犠牲者の子孫に許しを請う」と述べた。
 そして「犠牲者らが被った計り知れない苦しみを認識する証し」として、ドイツは11億ユーロ規模の経済援助事業を通じてナミビアの「復興と発展」を支援すると表明した。
 今回の協議の関係筋によると、この資金提供は今後30年かけて行われる。主にへレロ人、ナマ人犠牲者の子孫の支援への充当が義務付けられるという。
 【翻訳編集】AFPBB News
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 ウィキペディア
 ヘレロ・ナマクア虐殺(ドイツ語: Völkermord an den Herero und Nama)は、ドイツ領南西アフリカ(現・ナミビア)においてドイツ帝国先住民族に対して行った虐殺。アフリカ分割の動きの中の1904年から1907年にかけて行われ、20世紀最初のジェノサイドと考えられている。
 概要と現代への影響
 1904年1月12日、ドイツによる南部アフリカの侵攻により土地を追われた先住民族のヘレロ族がサミュエル・マハレロの指揮の下、ドイツ人への無差別攻撃を開始した(ホッテントット蜂起)。これに対してドイツは8月、ロタール・フォン・トロータ将軍の指揮でこれを破り(en:Battle of Waterberg)、三方から包囲して、カラハリ砂漠(英: Omaheke Desert)に追い込み、英領ベチュアナランドを目指して脱出した途上で多くが渇きのために死んだ。ベチュアナランドに辿り着いたのは1000人以下だった。
 10月にはナマクア族も蜂起したが同様の結果に終わった。ドイツは先住民を強制収容所へ収容したり強制労働に従事させた。結果、戦後の人口統計からみて、約6万人のヘレロ族(全人口8万人のうち、80%)、1万人のナマクア族(全人口2万人のうち50%)が死亡した。ヘレロ族の死者数は2万4000人~最大10万人とする推計もある。
 この虐殺の特徴は、1つは餓死であり、もう1つはナミブ砂漠に追いやられたヘレロ族とナマクア族の使用する井戸に毒を入れたことによる中毒死である。
 死亡した捕虜の首級は首都ベルリンのシャリテーに送られた。2011年と2013年に返還。
 2004年、ヘレロ戦争100周年を記念して、ドイツ経済協力・開発大臣ハイデマリー・ヴィーチョレック=ツォイルは、追悼と謝罪の意を全ドイツ人を代表して表すが、ヘレロは財政的賠償を求めている。ヘレロ・ジェノサイド財団のエスター・ムインジャンゲ議長は「ドイツ政府が本当に謝ったとは思っていない」として、ドイツ連邦議会での決議のような公式な謝罪をすべきとの考えを示した。また、ドイツによるこの虐殺が後のナチス・ドイツによるユダヤ人虐殺につながったとの見方に同意している。」
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