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2019年3月5日 産経新聞「李氏「宗教の中国化」堅持 ウイグル族大量収容正当化
開幕した中国全人代で、政府活動報告をする李克強首相=5日、北京の人民大会堂(共同)
【北京=藤本欣也】中国の李克強首相は5日の政府活動報告で、少数民族問題で「民族の団結・進歩に向けた教育を強化する」と指摘するとともに、キリスト教やイスラム教などを念頭に、「宗教の中国化」を堅持する方針を示した。
国際社会で問題視されている少数民族ウイグル族らの大量収容を正当化したものだ。
国連人種差別撤廃委員会などは昨年夏以降、「新疆ウイグル自治区でウイグル族らイスラム教徒100万人以上が再教育施設に強制的に収容されている」と指摘。中国政府は「職業訓練のためだ」と主張し、強制収容を否定している。
中国政府系英字紙グローバル・タイムズによると、中国当局はイスラム教協会を中心に、イスラム教を中国化する5カ年計画を進めており、モスク(イスラム礼拝所)に社会主義の価値観や中国の法律、伝統を教える講座などを開設しているという。ウイグル族らの収容措置も「宗教の中国化」の一環とみられる。
キリスト教でも中国化が進む。中国側はバチカンとの関係を改善する一方、政府非公認の「地下教会」を強制閉鎖し、政府管理下の教会の普及を図っている。」
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3月16日 産経新聞「【主張】ウイグル人弾圧 中国の言い逃れは通じぬ
中国はあくまで、シラを切るつもりなのか。
新疆ウイグル自治区でのウイグル人弾圧のことである。大量に強制収容され、虐待や拷問により、「中国化」が進められていると、国際社会が問題視している。
米国務省の2018年版国別人権報告書は、中国政府が同年、大量収容を「著しく強化した」とし、その規模は80万人から200万人以上に上ると指摘した。
ポンペオ国務長官は記者会見で、「中国は宗教や民族の独自性を消そうとしている」と厳しく批判し、イラン、南スーダン、ニカラグアの名も挙げ、「人権侵害という点で中国は抜きんでている」と述べた。
「新冷戦」の相手で世界第2の経済大国に対して、遠慮のない物言いである。中国の取るべき対応は、批判をかわすことでも米国の移民政策に話をすり替えることでもない。ウイグル人弾圧をやめ、汚名返上することだ。
この問題は昨年来、国連人種差別撤廃委員会や国際人権団体が取り上げ、民族的に近いトルコも非難の声を上げている。
驚かされるのは、ウイグル人の置かれた状況について、国際社会の認識と中国側の説明が、かけ離れているということだ。
全人代(国会)では先に、収容施設は「寄宿制の学校」とされ、「過激主義の除去」に効果を上げていると報告された。
中国のウイグル人は約1千万人である。その10人に1人が寄宿校で、反過激主義を学ぶ光景は想像し難い。国際社会の批判からいつまでも耳をふさいでいられないと知るべきだ。
習近平指導部は「宗教の中国化」を掲げる。だが、ウイグル人の文化、宗教を消すことなどあってはならない。他の少数派のイスラム教徒やチベットについても同様である。
米中両国は、通商問題のほか、南シナ海や台湾など安全保障を含め全面対立の様相を呈している。米政権に求めたいのは、人権問題を駆け引きに使わないということだ。通商、安保で中国側の譲歩があっても、ウイグル人弾圧の非を鳴らし続けねばならない。
安倍晋三首相は、日中関係は「完全に正常な軌道に戻った」と繰り返している。そういうなら、中国政府に対し、人権問題で率直に注文をつけてはどうか。
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