🐀3」─1─「逃亡犯条例」に反対する香港デモ参加者は、中国共産党の 「新疆化」を恐れている。~No.8No.9No.10 

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   ・   ・   {東山道美濃国・百姓の次男・栗山正博}・    
 中国共産党は、人類の歴史上、最も恐ろしい集団・組織である。
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 2019年6月10日19:19 産経新聞「「香港返還後、最も危険」雨傘運動リーダーが条例案批判
 会見した周庭(アグネス・チョウ)さん=10日、東京・内幸町の日本記者クラブ(三塚聖平撮影)
 香港で若者らが選挙制度民主化を要求した2014年の大規模デモ「雨傘運動」をリードした学生団体の幹部だった周庭(アグネス・チョウ)さん(22)が10日、東京・内幸町の日本記者クラブで会見し、中国本土への容疑者引き渡しを可能にする「逃亡犯条例」改正案について「香港返還後、最も危険な法案だ」と批判した。その上で「圧倒的な反対の声を前に香港政府は改正案を撤回すべきだ」と訴え、日本など国際社会に対しても支援を求めた。
 9日に香港で行われた大規模デモ参加後に来日した周さんは、「香港返還後に最も多くの人が参加したデモで、香港人が新しい歴史を作った」と強調。改正案については「全ての香港人と外国人旅行者らが、法律と人権を尊重しない中国に引き渡されることになる可能性がある」と問題点を指摘した。
 香港は1997年の中国返還後も「一国二制度」で高度な自治が認められているが、周氏は改正案が成立すれば「『一国一制度』に近くなる」との認識を示した。その上で「香港の良さを破壊する法案だと言っても過言ではない」と訴えた。(三塚聖平)」
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 6月10日19:58 産経新聞「香港の容疑者引き渡し条例案 ロンドンでも反対デモ
 【ロンドン=板東和正】香港の中国本土への容疑者引き渡しを可能にする「逃亡犯条例」改正案について、1997年に中国に香港を返還した英国でも9日、反対のデモが行われた。
 英政府はこれまで、返還にあたり、香港に付与された中国本土と異なる経済、社会制度の50年間維持を掲げる「一国二制度」の維持を中国に求めてきた。同制度の崩壊を懸念する市民らから反発の声が上がっている。
 英メディアなどによると、9日午後、ロンドンの中国大使館周辺で、改正案に反対する市民ら約4000人が集結。「引き渡し反対」と声を上げ、反発する香港住民らへの連帯を表明した。参加者らは「香港の自治を守れ」などと書かれたプラカードを掲げ、1キロ以上離れたロンドンの香港経済貿易代表部までデモ行進した。」
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 6月10日22:00 産経新聞「香港デモ「100万人」 容疑者引き渡し条例案へ反発拡大
 「逃亡犯条例」改正案に反対し、香港中心部をデモ行進する大勢の市民ら=9日(共同)
 【北京=西見由章】香港政府は10日未明、中国本土への容疑者引き渡しを可能にする「逃亡犯条例」改正案に反対するデモ隊の一部を強制的に排除した。9日のデモには主催者発表で103万人(警察発表は24万人)が参加し、1997年の中国への返還以降で最大規模のデモとなった。香港では高度な自治を認める「一国二制度」の形骸化につながるとして幅広い社会層に反発が広がっており、条例改正を進めたい中国の習近平指導部も難しい対応を迫られそうだ。
 デモは民主派団体「民間人権陣線」が主催。終了後には立法会(議会)に突入しようとした一部の参加者と警官隊が衝突、警官隊は催涙スプレーや警棒を使ってデモ隊を抑えこんだ。
 条例改正案は香港が中国などの要請に基づき、刑事事件などの容疑者拘束やその身柄を中国への引き渡しを可能とする内容。反対運動が拡大しているのは、条例改正によって、中国の国内法が実質的に適用され、香港の一般市民も中国の治安当局の取り締まり対象になる恐れがあるためだ。
 香港の経済界は、自治の後退によって世界の経済・金融センターとして香港のの地位が低下することを懸念。米中貿易摩擦が激化する中、中国と同化が進むことによって香港も対中報復措置の標的となることを警戒している。
 香港の法曹界では、中国の不透明な司法制度への拒絶感が根強い。通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)幹部を逮捕した報復として中国当局がカナダ人2人を拘束したことも不信に拍車をかけている。
 7月までの条例改正案可決を目指す香港政府トップの林鄭月娥(りんていげつが)行政長官は10日の記者会見で、改正案は撤回しない方針を改めて表明。中国外務省の耿爽報道官も同日、中国政府が条例改正を支持する立場を重ねて示した。共産党系の環球時報は、香港市民73万人が条例改正への支持を署名したとして「反対派が西側と結託しても香港の大局は動かせない」と主張した。」
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 6月11日09:08 産経新聞「香港の「逃亡犯条例」で米国務省報道官が「重大な懸念」表明
 9日、米ロサンゼルス中心部で、香港の「逃亡犯条例」改正案に抗議するデモの参加者(共同)
 【ワシントン=黒瀬悦成】米国務省のオルタガス報道官は10日の記者会見で香港政府が刑事事件などの容疑者の中国本土への引き渡しを可能にする「逃亡犯条例」改正案を発表したことに関し、「重大な懸念」を表明した。
 オルタガス氏は香港が進める条例改正の動きについて「香港の『一国二制度』の枠組みが骨抜きにされ続けることで、国際的に長らく築き挙げられた香港の特別な地位が危機にさらされている」と批判した。
 その上で、現地で10日に展開された「100万人デモ」は「市民らが改正案に反対していることを明確に示すものだ」と指摘し、「米政府は、改正案が香港の自治権を侵害し、長きにわたって保護が図られてきた人権状況や基本的自由、民主的価値観に悪影響を及ぼす恐れがあるとする、多くの香港の人々の懸念を共有する」と強調した。
 また、条例改正による香港のビジネス環境の悪化や、香港を訪問・滞在中の米国民が中国の「予見困難な司法制度」にさらされることへの懸念も示した。」
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 6月11日12:03 msnニュース 毎日新聞「香港大規模デモ、米が支持「懸念を共有」
 © 毎日新聞 幹線道路上を埋め尽くしたデモ隊=香港中心部で2019年6月9日午後3時34分、福岡静哉撮影
 米国務省のオルタガス報道官は10日、刑事事件の容疑者を中国本土へ引き渡すことを可能にする香港の「逃亡犯条例」改正案に関し「香港の自治を傷つけ、長年守られてきた人権や基本的自由、民主主義的価値に悪影響を与えるものだ」と述べ、「深刻な憂慮」を表明した。さらに前日に香港で起きた改正反対の大規模デモにも触れ「市民の反対の声は明確で、米国は懸念を共有する」と支持する姿勢を示した。
 オルタガス氏は「改正が香港のビジネス環境を悪化させるおそれもある」と指摘し、香港に在住・訪問中の米国人が「中国の恣意(しい)的な司法制度に直面する可能性」にも言及。香港に高度な自治を約束する1国2制度への度重なる侵害により「香港が培ってきた国際社会での特別な地位が危機にさらされている」とも強調した。【ワシントン高本耕太】」
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 6月11日21:40 産経新聞「香港で再びデモ呼びかけ 12日に「逃亡犯条例」改正案審議
 「逃亡犯条例」改正案に反対し、香港中心部をデモ行進する大勢の人たち=9日、香港(共同)
 【北京=西見由章、ワシントン=黒瀬悦成】香港の立法会(議会)で中国本土への容疑者引き渡しを可能にする「逃亡犯条例」改正案の審議が12日再開されるのを前に、民主派団体はデモやストライキなど抗議活動への参加を呼びかけている。親中派が多数を占める立法会に圧力をかけ、議事の進行を阻止する狙い。香港メディアは立法会議長の話として改正案が20日にも採決されると伝えており、緊張が高まりそうだ。
 ネット上では11日深夜から12日にかけて5万人を目標に立法会を包囲しようとの呼びかけが拡散。ロイター通信によると、飲食店や売店など約2千店舗がストライキを計画している。
 9日の反対デモには主催者発表で103万人(警察発表は24万人)が参加。10日未明、立法会に突入しようとしたデモ隊と警官隊の衝突で19人が逮捕された。
 中国国内ではデモについては抑制的な報道にとどめられており、中国政府系英字紙チャイナ・デーリーが11日付の社説で「暴力行為は明らかに計画されたものだった」と民主派を非難するなど、当局側の主張を代弁していた。
 一方、米国務省のオルタガス報道官は10日の記者会見で香港政府が「逃亡犯条例」改正案を発表したことに「重大な懸念」を表明し、「香港の『一国二制度』の枠組みが骨抜きにされ続けることで、国際的に長らく築き挙げられた香港の特別な地位が危機にさらされている」と批判した。
 その上で、オルタガス氏は香港での反対デモについて、「市民らが改正案に反対していることを明確に示すものだ」と指摘。米政府として、改正案によって香港の自治権が侵害され、人権状況や基本的自由、民主的価値観に悪影響を及ぼす恐れがあるとする「多くの香港の人々の懸念を共有する」と強調した。」
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 6月12日 産経新聞「香港若者ら警察と衝突、20人以上負傷 ゴム弾や催涙弾
 「逃亡犯条例」改正案の撤回を求めて集結し、警官隊に棒で打ち付けられる人たち=12日、香港の立法会周辺(ロイター)
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 【北京=西見由章】香港で中国本土への容疑者引き渡しを可能にする「逃亡犯条例」改正案の撤回を求める数万人のデモ隊が12日、香港政府や立法会(議会)付近に集結し、鉄柵をバリケードにして幹線道路を占拠した。警官隊はデモ隊の一部を「暴徒」とみなしてゴム弾や催涙弾を発射し、立法会周辺から強制排除。20人以上が負傷した。香港メディアなどが伝えた。
 盾や警棒などを持った警官隊が出動。黒い服装にマスク、ゴーグルを身に着けたデモ隊との間で断続的に衝突が発生した。香港政府は12日、この日再開を予定していた条例改正案の審議を延期する方針を示した。
 中国の司法制度は恣意(しい)的な拘束や拷問がたびたび指摘され、香港が廃止した死刑制度の運用も条例改正への警戒感が広がる背景の一つとなっている。
 中国では12日、NHK海外放送が香港のデモを報じた際に放映が中断された。」
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 6月13日18:38 msnニュース 時事通信社「香港政府の催涙弾発射を「支持」=中国
 【北京時事】中国外務省の耿爽・副報道局長は13日の記者会見で、香港で拘束した容疑者の中国移送を可能にする「逃亡犯条例」改正案に抗議するデモ隊に対して、警察が催涙弾を発射したことについて、「香港政府による法に基づく措置を支持する」と述べた。耿氏は抗議デモについて「平和的な集会ではなく、暴動だ」と断じ、「中国中央政府は(デモ隊による)暴力行為を強烈に非難する」と語った。」 
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 6月13日19:38 産経新聞「香港「逃亡犯条例」改正、批判抑える日本政府 日中首脳会談への影響懸念か
 世界で広がる香港「逃亡犯条例」改正問題への批判
 反対デモが続く香港の「逃亡犯条例」改正案に関し、欧米で香港政府への批判が高まる中、日本政府が発言のトーンを抑えている。改正案は中国本土への容疑者の身柄引き渡しを可能とする内容で、今月末の日中首脳会談を控え、中国側への配慮もあるようだ。
 菅(すが)義偉(よしひで)官房長官は13日の記者会見で「大きな関心を持って注視している」と語った。その上で「香港が『一国二制度』の下で自由で開かれた体制を維持し、民主的に力強く発展するよう期待する」と述べた。
 「注視」「期待」に批判の意味は薄い。外務省幹部は「香港は特別行政区という特殊な地域だが、中国の一部だ。欧米とは少しニュアンスをたがえて発言している」と説明し、中国への配慮をにじませた。
 政府は人権問題に無関心というわけではない。安倍晋三首相は昨年訪日した中国の李克強首相に対し、ウイグル族弾圧を念頭に「中国国内の人権状況について日本を含む国際社会が注視している」と直接伝えた。
 安倍首相は20カ国・地域(G20)首脳会議前の27日で調整している習近平国家主席との会談で関係改善を進めたい考えだが、人権問題を取り上げるかどうかも焦点となる。」
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 6月13日22:17 産経新聞「欧米が懸念する香港自治崩壊 条例改正で「自国民が危険に」と危機感も
 世界で広がる香港「逃亡犯条例」改正問題への批判
 香港政府が進める「逃亡犯条例」改正案をめぐり、世界各国からも批判の声が上がっている。香港に高度の自治を約束した「一国二制度」崩壊の懸念に加え、香港を訪れる自国民が危険にさらされかねないとの危機感がある。とりわけ先進各国の信頼を失えば、世界の経済・金融センターという香港の国際的地位が損なわれかねない。
 米国務省のオルタガス報道官は12日の記者会見で、抗議デモについて「自らの基本的な権利が中国の隷属支配下に置かれたくないから抗議している」と述べ、デモ参加者の行動に理解を示した。香港政府に対しては、「表現の自由や市民らの集会の自由を尊重すべきだ」と求めた。
 トランプ大統領は同日、「デモの理由は理解できる」と発言。野党・民主党ペロシ下院議長も11日に「香港の自由な社会を破壊する恐れがある」といった見方を記した声明を出すなど、米国内ではデモ支援の声が超党派的な広がりを見せている。
 英国のハント外相も12日、改正案の再考を香港政府に求める声明を公表。香港の権利や自由、高度な自治を維持することが重要だと強調した。
 各国では、香港を訪れた外国人ビジネスマンや観光客も、中国が罪と定める行為をしたとして香港で拘束後に中国本土へ引き渡される可能性を警戒する。
 「香港市民の多くの懸念を共有する」
 欧州連合(EU)の欧州対外活動庁(外務省に相当)の報道官は12日の声明で、条例改正案はEU市民を含む外国人にも影響する可能性があると指摘。香港政府にEUとしても懸念を伝えたと明らかにした。
 カナダのフリーランド外相も12日の声明で、「香港にいる多くのカナダ人に与え得る影響を心配している」と強調した。通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)幹部を昨年12月にカナダ当局が逮捕した報復として、中国当局がカナダ人2人を拘束しており、条例改正案への警戒感はひときわ強いとみられる。(三塚聖平、ワシントン 黒瀬悦成、ロンドン 板東和正、ベルリン 宮下日出男)」
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 6月12日 msnニュース AFPBB News「香港デモ、参加者は「デジタル断ち」 当局の追跡警戒 「新疆化」恐れる声も
 © Philip FONG / AFP 香港の立法会(議会)前で、シュプレヒコールを上げるデモ隊(2019年6月12日撮影)。
 【AFP=時事】携帯電話の位置情報はオフに、列車の切符を買うのは現金で、ソーシャルメディアでのやりとりはすぐに消去──。中国本土への容疑者引き渡しを可能にする香港の「逃亡犯条例」改正案をめぐる大規模デモでは、当局の監視や将来訴追される危険を回避しようと、テクノロジー通の若者たちが「デジタル断ち」している。
 デモ参加者は大多数が若いデジタル世代。だが、当局による監視や、インターネット上に痕跡を残す危険性については、誰もが嫌というほど知っている。
 今週行われたデモでは、マスクやゴーグル、ヘルメット、帽子などを着用した参加者の姿が目立った。催涙ガスや唐辛子スプレー、ゴム弾から身を守ると同時に、身元を特定されにくくするためだ。
 デモに参加する前には携帯電話の位置情報をオフにし、オンライン上のプライバシー設定を強化。デモの後には、ソーシャルメディアやメッセージアプリから会話や写真を削除したとの証言がたくさんある。
 地下鉄駅の券売機前には珍しく、長い行列ができている。香港市民が日常的に使う交通系ICカードオクトパスカード(Octopus Card、八達通)」は利用者の足取りが容易に追跡できてしまうため、現金で切符を購入しているのだ。
 メッセージアプリも、市民に圧倒的な人気を誇る「ワッツアップ(WhatsApp)」ではなく、暗号化が可能な「テレグラム(Telegram)」が活用されている。テレグラムのほうがサイバーセキュリティー面で優れ、より大きなグループを組んで抗議行動を連携できるからだ。
 デモ参加者の不安を象徴しているのが、「逃亡犯条例」改正案に反対する多くの人々がソーシャルメディアのプロフィル写真に採用している画像だ。しおれかけた「香港の花」バウヒニアの白黒画像。──しかし、この画像をネット上で使えばかえって当局の注意を引いてしまうのではないかと神経質になり、使用をやめるデモ参加者も増えている。
 取材内容のデリケートさを反映して、デモの最中にAFP記者と話した人々は皆、少なくともマスクを着けるなど顔を隠し、名字か名前の一方しか明かさなかった。
 香港では近年、複数の書店関係者が行方不明になった後、中国本土で姿を現し刑事罰を問われる事例が相次いでいるほか、2017年には富豪の肖建華(Xiao Jianhua)氏が本土に引き渡されたとみられる。「逃亡犯条例」改正案が可決されれば、こうしたことが公然かつ合法的に行われるのではないかと懸念されている。
 デモに参加していた会社員の男性は、「1か月前には香港はまだ穏やかだったのに、あっという間にこうなった」とコメント。中国政府の厳しい統制下にある新疆ウイグル自治区(Xinjiang Uighur Autonomous Region)に言及し、「こんなにも早く状況が変わってしまうなら、香港もあさってには新疆のようになってしまうかもしれない」と語った。
【翻訳編集】AFPBB News
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☭77』─1─ロシアの北方領土4島占領に協力する反天皇反日的アイヌ人達。~No.155   

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 日本民族日本人の祖先は、琉球人やアイヌ人と同じ混血の雑種の縄文人であった。
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 2019年6月7日00:56 産経新聞「政府は冷静「方針不変」 露大統領、平和条約「困難」
 会談に臨むロシアのプーチン大統領(左)と安倍首相=山口県長門市
 ロシアのプーチン大統領が日露間の平和条約締結は困難との見方を示したことに対し、日本政府は「安倍晋三首相とプーチン氏は日露間に平和条約がないのは不自然だという認識で一致している。条約交渉を加速させる方針は変わらない」(首相周辺)との立場だ。これまでの日露交渉の過程でロシア側が示してきた見解のため、日本政府は冷静に受け止めている。
 プーチン氏は28、29日に大阪で開かれる20カ国・地域(G20)首脳会議(サミット)出席のため来日する予定で、首相周辺は「首脳間で虚心坦懐(たんかい)に話すということ(が重要)だ」と語った。
 外務省幹部は「ロシア側の発信の一つ一つに反応しても仕方ない」と強調。安倍首相とプーチン氏が昨年11月に日ソ共同宣言を基礎に交渉を加速させることで合意していることを踏まえ「合意に基づいてやっていくしかない」と述べた。」
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 6月7日 産経新聞iRONNA「北方領土は返さない! ロシア「反日アイヌ民族」の正体
 『中村逸郎』 2019/06/07
 中村逸郎(筑波大学教授)
 北方領土引き渡しに反対する集会が開かれ、参加者は「島はロシアの領土だ」などと訴えた=2019年1月20日、露モスクワ(小野田雄一撮影)
アイヌ民族博物館では民族伝承の踊りを披露する=2017年3月7日(川端信廣撮影)
 「クリル諸島(千島列島と北方領土)は、私たちのものだ。ずっと住み続けよう」
 これは北方領土に住むロシア人の声だが、プーチン政権は北方領土を支配する正当性を躍起になって主張している。ラブロフ外相は2019年1月17日の年頭会見の席で、「日本が第2次世界大戦の結果を受け入れる」ように強く求めた。さらに「北方領土」という名称を使用することに不快感をあらわにした。このように北方領土に対するロシアの主権をなりふり構わず打ち立てようとしている。
 ラブロフ外相が繰りだす強硬発言に先立つ昨年12月17日、私はロシア国内で報じられたニュースに驚いた。プーチン大統領が「アイヌ民族をロシアの先住少数民族に指定することに賛成した」というのである。プーチン大統領の発言を引き出したのは、ロシア大統領府に設置されている「市民社会と人権擁護評議会」の1人、アンドレイ・バブシキン氏だ。プーチン大統領と面会の際、彼はこう訴えた。
 「ロシア国内に住んでいるすべての民族の権利が認められているわけではありません。クリル諸島と極東のアムール川流域にかつて住んでいたアイヌ民族は、ロシア政府が作成している先住少数民族リストに記載されていません。いまアイヌ民族が暮らすカムチャツカ地方知事に、彼らをリストに追加するように要請してください」
 こうして北方領土交渉でロシア政府が日本への強硬姿勢を崩さないなかで、最近、これまで知られることがなかったロシア国内のアイヌ民族が注目を浴びるようになったのだ。
 補足しておくならば、先住少数民族に認定されると、さまざまな政治的、経済的な権利が付与される。例えば一定の割合で、自分たちの代表者を連邦機関や自治体に選出できる。民族文化や伝統儀式を守るための支援金がロシア政府から支出される上に、居住圏の天然資源を取得する特権も認められる。プーチン政権の思惑は、優遇措置を講じることで先住民族がロシア人に抱く疎外感を払拭(ふっしょく)し、彼らの存在を政治利用することにあるようだ。
 話を元に戻すと、千島列島と北方領土(日本政府の公式見解にそって北方領土は千島列島に含まれない)のアイヌ民族が知られるようになったのは、17世紀にさかのぼる。当時は千島列島や北方領土だけではなく、北海道、樺太アムール川下流域にいたる広範囲に住んでいた。北方領土をめぐって日露は互いに領有権を主張しているが、もともと北方領土と千島列島の先住民族アイヌ民族であり、ラッコの毛皮や海産物などを日本人やロシア人などと交易していた。
 でも2010年の時点で、ロシア国内でアイヌを名乗る(おそらく純血)のはわずか109人、そのなかの94人がカムチャツカ半島の南端に暮らすが、まさに民族の消滅に直面している。カムチャツカ半島に開設されている市民団体「アイヌ」の代表はアレクセイ・ナカムラ氏だ。彼のインタビューが、ロシアの通信社が運用するサイト(astv.ru、2017年5月15日)に掲載されている。
 「ロシアのアイヌ民族は、日本がクリル諸島の返還を要求していることに全面的に反対しています。実は、アイヌ民族と日本人との間には悲劇的な歴史があるのです。ずっと昔のことですが、日本人はクリル諸島に住んでいたアイヌ民族を殺害しました。アイヌ民族の釣り道具や漁船を奪い取り、日本人の許可なくして漁業にでることを禁止しました。いわば日本人によるジェノサイドがあったのです。このためにアイヌ民族の歴史は損なわれ、日本と一緒に行動することが嫌になりました」
 ナカムラ氏の語意は、日本批判をにじませている。ロシアのアイヌ民族は日本人に財産を略奪され、民族差別を受けたと訴えている。自分たちが先住民族なので、北方領土の返還を求める日本政府に真っ向から反対している。
 歴史をさかのぼると、江戸時代の松前藩歯舞諸島から色丹島国後島択捉島まで本格的に進出し、先住民族アイヌ民族接触した。ただナカムラ氏が声を荒げるほどに、日本人によるアイヌ民族への迫害があったのかどうか、真偽のほどは不明な点が多いが、当初、北方領土に約2000人のアイヌ民族が住んでいた。
 いずれにしてもアイヌ民族は、北方領土をめぐる激動の歴史に翻弄された。1855年の日露和親条約で、択捉島と得撫島(ウルップ島)の間に初めて国境線が引かれた。この結果、北方領土アイヌ民族は日本、得撫島以北のアイヌ民族はロシアの支配権に入った。
1875年の樺太・千島交換条約では、千島列島の全域が日本に編入された。得撫島以北のアイヌ民族も日本の支配下に移り、かれらの多くは色丹島強制移住させられた。ナカムラ氏のインタビューでは、この強制移住を「日本人によるジェノサイドだ」と非難している。ただ、樺太がロシア領土に編入された際に、樺太に住む多くのアイヌ民族が北海道に移住した。
 1905年のポーツマス条約で千島列島に加えて樺太の南部が日本領土になり、北海道に渡ったアイヌ民族の一部は故郷の樺太に帰還できた。でも、第2次世界大戦で侵略してきたソ連軍から逃れるために、ほとんどのアイヌ民族が日本人といっしょに北方領土樺太から北海道に避難した。このようにアイヌ民族は日露の攻防のなかで居住地の変更を余儀なくされたが、彼らの日本への帰属性は強いのは間違いない。
 他方で、第2次世界大戦の直後に少数のアイヌ民族は侵攻してきたソ連側につき、カムチャツカ半島に移り住んだ。だが、戦後のソ連社会で不遇の時代を迎えることになった。彼らは「ソ連人」に統合され、1953年にはソ連の刊行物からアイヌの民族名が消されてしまった。日本に移住した多くのアイヌ民族ソ連を裏切ったと見なされることが多く、ソ連国内にとどまったアイヌ民族はほかの少数民族と結婚するケースが相次いだ。アイヌ民族を名乗る人は減少し、すでに紹介したように109人ほどにすぎない。
 ロシアの市民団体「アイヌ」は北方領土返還を求める日本政府への不信感を強めており、日本国内のアイヌ団体との交流はないようだ。
 私が強調したいのは、アイヌ民族をロシアの先住少数民族に加えるプーチン政権の動きは日本政府との北方領土交渉のなかで浮上してきた点にある。ロシア政府の狙いは、領土交渉をより複雑化することにあるのは確かだ。
 ロシア政府は、北方領土に進出した日本人がロシアのアイヌ民族を虐待したと言い立て、ロシア世論を領土返還反対の方向により強硬に誘導したいのだろう。外交的には日本政府が唱える「わが国固有の領土」の見解に対抗するために、ロシアのアイヌ民族北方領土先住民族に仕立てようとするもくろみも感じられる。
 だが本来、北方領土は国家主権にかかわる問題であり、日本外務省の指摘するように「今日に至るまでソ連、ロシアによる法的根拠のない占拠が続いている」といえる。領土主権の問題は、プーチン政権が提起する「北方領土先住民族」のテーマとは根本的に次元が異なる。日本政府は、「北方領土の帰属の問題を解決して平和条約を締結する」という従来の方針(2001年、森喜朗首相とプーチン大統領が合意したイルクーツク声明)を変更する必要はない。
 先住民族と国家主権の問題を絡めて議論すれば、世界各地で主権の獲得にむけて民族紛争が噴出し、収拾のつかない、まさに「パンドラの箱」を開けることになる。
 日本政府はアイヌ民族先住民族と明記する「アイヌ法案」を成立させた。これにより 「アイヌの人々の民族としての誇りが尊重される社会の実現」を目指すことになる。これを契機にアイヌ民族に対する日本世論の関心が高まるだろう。これをテコに、アイヌ民族と元島民が共同して「日本の国家主権」を回復させる北方領土返還運動をより促進すべきである。」
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🐖10」─2─中国、米国での就学の「リスク」を警告 ~No.74No.75No.76 

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 2019年6月3日 msnニュース AFPBB News「中国、米国での就学の「リスク」を警告
 【AFP=時事】(更新)中国政府は3日、学生や学者らに対し、米国で就学することへの「リスク」を警告した。米国との貿易戦争やその他の面で緊張が生じる中、査証(ビザ)発給の拒否や遅延の事例が増えているとしている。
 教育省は学生らに対し、「リスク評価を強化し、相応の準備を行う」よう呼び掛けた。
 同省によると、中国人の学生や学者らに、ビザの制限や発給遅延、有効期間の短縮化といった事例があったという。
 米国の大学で就学する中国人学生の数は昨年、36万人に上り、外国人学生の3分の1を占めて最多となった。そのうちの多くが学費の免除を受けず全額を納入している。
 今回の警告に先立ち、米連邦捜査局(FBI)のクリストファー・レイ(Christopher Wray)長官は今年4月、中国人の大学院生や研究員らが、米国における経済スパイ活動の一端を担っていると指摘。
 また先月にも、米議会の共和党議員らが、軍事分野の中国人科学者らによる米国での就学または就業ビザの取得を禁じることを目的とした法律を導入している。
【翻訳編集】AFPBB News
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☭76』─1─ソ連、4島領有主張で弱点を認識 機密文書判明。~No.154   

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 2019年6月2日 msnニュース 共同通信社ソ連、4島領有主張で弱点を認識 機密文書判明、ロシアも懸念
 【モスクワ共同】第2次大戦末期にソ連が占領した北方四島などについて、日本が連合国と結んだサンフランシスコ平和条約ソ連の主権が明記されておらず、領有を主張する上で弱点になるとソ連指導部が認識、対日交渉で主権確認を求める方針を決めていたことが2日、機密指定が解除されたソ連の文書で判明した。
 日ロ関係筋によると、継承国ロシアが四島のロシア主権確認を執拗に迫る背景には、国際条約で帰属が確定していないとの懸念があるようだ。
 共同通信は、ソ連共産党中央委員会幹部会が1955年6月の日ソ交渉開始直前に承認した対処方針など、重要文書を入手した。」
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🐉8」─1─中国の族誅。特定の一族・血族殲滅。三族/九族/十族皆殺し。〜No.23No.24No.25 

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 2010年7月25日 Record china「古代中国ではなぜ「九族皆殺し」の刑が採用されていたのか?―中国メディア
 20日、古代中国には、1人が罪を犯すと九親等までの親族を皆殺しにするという刑罰制度があった。写真は北京郊外の「川底下村」。明・清代に建てられた四合院建築がほぼ当時のまま残されている。
 2010年7月20日、古代中国における刑罰の残忍さはおよそこの世のものとは思えない。「皮剥ぎの刑」「腰斬(ようざん)刑」「凌遅(りょうち)刑」など、名前を聞いただけで思わず身震いしてしまうものばかり。さらには、一族郎党皆殺しにされるという徹底ぶりだった。中国新聞社が伝えた。
 中国では昔から「罪は九族に及ぶ」といわれ、1人が罪を犯すと九親等までの親族を皆殺しにするという刑罰制度が、清(1644−1912年)の時代まで続いていた。ひと口に「九族」と言っても、親族が多ければそれはおびただしい数に上る。親族に連帯責任を負わせることにより、犯罪抑止を期待したほか、遺族の恨みを根こそぎ断ち切るという狙いもあった。
 権力争いが絡めば、たとえ血のつながった兄弟姉妹でも容赦しない。明の恵帝(建文帝)は太祖・朱元璋が亡くなった後、皇位を継いだが、叔父にあたる燕王・朱棣にその座を奪われた。この時、朱棣は恵帝を抹殺するために国中を探したが、ついに見付からず、刑罰を与えることができなかったという。
 中国は古代から家族主義が第一だった。国家より個人より家族という単位が最も重んじられてきたのである。権力を代々引き継ぐ世襲も、古代から伝わる中国の「伝統文化」だと言えよう。そして、現代の中国人もこの伝統文化を脈々と守っていきたい考えのようだ。(翻訳・編集/NN)」
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 族誅(ぞくちゅう)は、封建時代の中国において、重罪を侵した者について、本人だけでなく一族についても処刑することである。族滅もしくは三族/九族皆殺しとも呼ばれる。ただし、特定の一族・血族全体を対象とするのではなく、あくまで特定の重罪人への刑罰の付加刑として行われる。従って、族誅の対象も特定個人との親族関係をもとに判断される。
 殷の時代に始まり、秦の時代になって拡張され、清の時代までみられた。中国以外では朝鮮、ベトナム、日本でも行われた。

 三族
 古代においては、謀反などの重罪については三族に対する族誅がもっとも行われたが、三族の範囲ははっきりしていない。
 『史記』秦本紀に「文公二十年、初めて夷三族の罪有り。」との記述があり、この三族について『史記集解』中で張晏は「父、兄弟及び妻子」と、如淳は「父族、母族及び妻族」と注している。一方で『周礼』春官宗伯の鄭玄注では「父、子、孫」としている。
 一方で、『墨子』号令篇に「諸ろ罪有りて死罪より以上なれば、皆父母、妻子、同産に還る。」とあり『漢書』鼂錯伝に「大逆無道なれば、錯まさに腰斬し、父母・妻子・同産も少長なく棄市すべし。」とあり、三族と明記されていないものの、父母・妻子・同居親族が族誅の対象であった記述もある。
 三族への族誅は秦代から行われており、『後漢書』楊終伝には「秦政酷烈にして、一人罪有らば三族に延及す。」との記述がある。

 九族
 九族については、『三字経』では高祖父、曾祖父、祖父、父、本人、子、孫、曾孫、玄孫としている。元曲の『賺蒯通』の一節に「律法有りて云う、一人造反せば九族全て誅さる。」とあるように、中世以降において、重罪犯は九族への族誅が行われることになっていたが、九族の範囲は必ずしも明確でない。
 『唐律』では、謀反大逆の場合の族誅について、「父子にして年十六以上は皆絞す。十五以下および母女、妻妾、子の妻妾も亦同じ。」とあり、『大明律』では「祖父子、父子、孫、兄弟及び同居の人にして異姓を分かたず、及び伯叔父兄弟の子にして籍の同異を限らず、十六以上なれば篤疾廃疾を論ぜず皆斬る。」とあり、九族の定義と一致しない範囲の族誅となっている。

 十族
 明の方孝孺は、建文帝に重用された恩義から永楽帝の帝位を認めなかったため、面前で一族800人余りを処刑されたのち自身も処刑され、著作をすべて焼き捨てられた上に彼の門下生までも処刑・流罪となった。この事件は「滅十族」と呼ばれた。

 日本
 日本においては、豊臣秀次切腹の際に眷族が処刑されたほか[1]、慶安の変において首謀者の由比正雪や丸橋忠弥の親族が事件とは無関係であっても処刑された[2]。また、伊達騒動では首謀者の一人である原田宗輔の死去後、事件に全く関与していない子や孫はおろか、養子に出された者や乳幼児を含め全員を死罪にして原田家の血筋を根絶やしにしている。
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 前漢の平帝の時。皇后の弟の子であった王莽(おうもう)は、徳による儒教政治を標榜して人心を収攬し、平帝を徳なき天子として毒殺し、幼児嬰を擁立し、自らを摂皇帝の位に就いた。
 王莽は、臣下の支持を得て、幼帝を配して真皇帝と称し、漢(前漢東漢)を廃して国号を「新」(西漢)と改め、都を洛陽より西に移した。
 王莽は、儒教による理想的な徳政治を行ったが、反対者が続出して叛乱が起き国は乱れた。
 前漢の高祖(劉邦)9世の孫である劉秀(りゅうしゅう)は、血筋・血統の正統性を前面に押したてて湖北で挙兵し、王莽を昆陽で破り、帝位について漢皇室を再興した。
 王莽は、殺される寸前まで、儒教の儀式を行い天・天帝に救いを求めていた。
 劉秀は、都をもとの洛陽に遷し、後漢王朝を開き、死後光武帝諡号された。
 後漢は、前漢同様に儒教の徳を唱道した。
 儒教の理想的徳が真実として現実を支配した時、事実は捻曲げられ、人の思いが作り出す架空が現実とされ、こうあるべきだという幻が社会を支配し、悲劇が悲劇を生みついには国を滅ぼした。
 それは、宗教でも同じ事が起きた。
 その為に、儒教と宗教・仏教は対立し、際限のない殺し合いを繰り返していた。
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 王 莽(おう もう、前45年 - 23年)は、新朝の皇帝。字は巨君。『漢書』などに記されている「莽」の字の草冠の下の字は大ではなく犬である。
 前漢元帝の皇后・王政君(孝元皇后)の甥で、成帝の母方の従弟に当たる。王曼(おうまん)の次男で、王宇・王獲・王安・王臨・王興・王匡らの父。孫(王宇の子)は王宗。娘に平帝の皇后王氏、王曄、王捷らがいる。正妻は宜春侯王咸の娘。また、王永の弟で、王光の叔父。

 生涯
 魏郡元城県委粟里(現在の河北省邯鄲市大名県の東)の人。
 皇后に立てられた伯母の王政君の縁故で伯父達が列侯に封ぜられ高官として裕福な暮らしを送る中で、父・王曼と兄・王永が早世したために王莽の一家のみが侯に封ぜられず貧しかった。王莽は恭倹に身を持し、沛郡の陳参に師事して『礼経』を受け、身を勤め学を広め、儒生並の服装をし、母と兄嫁に仕えた。また、甥の王光を養子として実子以上に熱心に養育し、それに王莽の妻が不平を述べたと伝えられる。
 壮年となり、伯父の大将軍王鳳が病むとその看病を続けたため、王鳳は死に臨んで成帝と王政君に王莽を託す。これ以後、王商や王根の推挙と皇太后となった王政君の後ろ盾を背景に王莽は順調に出世する。親戚の淳于長を失脚させ、大司馬となると、王莽の勢いは飛ぶ鳥を落とすほどになり、永始元年(前16年)には新都侯に封ぜられる。綏和2年(前7年)に哀帝が即位すると哀帝の祖母の傅太后・母の丁姫との対立により大司馬を罷免され、2年後には封国の新都へ追いやられたが、国政復帰の嘆願が多く出され、元寿元年(前2年)の日食を契機に長安に呼び戻された。
 元寿2年(前1年)に哀帝が崩じると、哀帝から皇帝の璽綬を託されていた大司馬董賢から璽綬を強奪し、中山王劉衎(平帝)を擁立して大司馬に返り咲いた。暫くして古文経学の大家だった劉歆を始めとした儒学者を多く招き入れて、儒学と瑞祥に基づいた政策を実施。その一方で民衆の支持を獲得するためには手段を選ばず、次男の王獲を奴僕を殺したことで罪に問い、長男の王宇を謀略を為したことで獄に送って、共に自殺に追い込んでいる。娘を平帝の皇后に冊立し、宰衡、安漢公となった後、5年には14歳になった平帝が死去した。平帝の死因については王莽による毒殺とする史書も有るが確定はしていない。後継として下の世代である僅か2歳の遠縁の広戚侯劉顕の子・劉嬰を立てるも皇帝ではなく皇太子とし、「符命」(一種の予言書にあたるもの)に基づいて自らが摂政として皇帝の業務を代行することとした。そして自らの呼称を「仮皇帝」・「摂皇帝」としてほぼ皇帝と同格の扱いとし、居摂と改元、周公旦の故事に倣って朝政の万機を執り行った。
 更に天下を狙う王莽は古文を典拠として自らの帝位継承を正当化づけようとした。折しも、哀章という人物が高祖の予言という触れ込みの「金匱図」・「金策書」なる符命を偽作し、また他にも王莽の即位を後押しする符命が出現していた。そこで、これらの符命などを典拠として居摂3年(8年)に王莽は天命に基づいて禅譲を受けたとして自ら皇帝に即位、新を建国した。この出来事は歴史上で初めての禅譲であり、簒奪に相当する。
 『漢書』元后伝によると、太皇太后として伝国璽を預かっていた王政君は、玉璽の受領にやってきた王莽の使者王舜(王莽の従兄弟)に対して向かって王莽を散々に罵倒し、それでも玉璽の受領を迫られると玉璽を投げつけて「お前らは一族悉く滅亡するであろう」と言い放った。
 王莽は周代の治世を理想とし、『周礼』など儒家の書物を元に国策を行った。だが、現実性が欠如した各種政策は短期間に破綻した。また匈奴高句麗などの周辺民族の王号を取り上げ、華夷思想に基づく侮蔑的な名称(「高句麗」を「下句麗」など)に改名しようとしたことから周辺民族の叛乱を招き、それを討伐しようとしたが失敗した。さらには専売制の強化(六筦)なども失敗し、新の財政は困窮した。
 そうした中、農民・盗賊・豪族が与した反乱が続発(赤眉の乱・緑林軍など)。緑林軍の流れを汲む劉玄(更始帝)の勢力を倒そうと王莽が送った公称100万の軍勢も昆陽の戦いで劉玄旗下の劉秀(光武帝)に破られるなど諸反乱の鎮圧に失敗し、各地に群雄が割拠して大混乱に陥る。地皇4年(23年)、遂には頼む臣下にも背かれて、長安城には更始帝の軍勢が入城、王莽はその混乱の中で杜呉という商人に殺された。享年68。これにより新は1代限りで滅亡した。王莽の首級は更始帝の居城宛にて晒され、身体は功を得ようとする多くの者によって八つ裂きにされたという。
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☭78』─1─ロシアのラブロフ外相は共同記者発表で、北方領土の棚上げを鮮明にした。~No.156  

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 2019年5月31日 産経新聞北方領土、棚上げ鮮明 露外相、日本と立場正反対
 河野外相との会談を終え、共同記者発表するロシアのラブロフ外相=5月31日午後、東京都港区の飯倉公館(代表撮影)
 【モスクワ=小野田雄一】ロシアのラブロフ外相が31日の日露外相会談後、「(日露の)国境画定の問題は平和条約の締結後に検討する」と発言し、北方領土問題の解決を棚上げする姿勢を鮮明にした。日本政府は「北方四島の帰属問題を解決して平和条約を結ぶ」としてきた。「平和条約」をめぐる双方の立場は正反対で、安倍晋三首相が目指してきた早期の条約締結は難しい情勢だ。
 安倍首相は昨年11月、プーチン露大統領との間で、日ソ共同宣言(1956年)に基づいて平和条約締結交渉を加速させると合意。日本側は、同宣言が言及している色丹島歯舞群島の返還に向けた協議が進むと期待した。
 ラブロフ氏は、日ソ共同宣言には、「平和条約の締結後」に2島を引き渡すことが記されていると強調。同氏はさらに、共同宣言では2島引き渡しが「ソ連の善意」として扱われており、「宣言に署名した時点で双方は(北方領土を)ソ連領とみなしていた」との主張も持ち出した。
 平和条約は本来、戦争終結を宣言し、領土や賠償金などの講和条件を規定する。ラブロフ氏の発言からは、ロシア側が国境画定を伴わない善隣友好条約のような内容を目指していることが浮き彫りになった。
 ラブロフ氏は、北海道-サハリン(樺太)間のビザ(査証)撤廃が優先課題だとも主張。日米安全保障条約が平和条約交渉の障害になっているとし、日本側に改めて揺さぶりをかけた。」
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💥21」─1─新たな世界の潮流。難民・移民に反対する欧州諸国の極右勢力・ポピュリズム。〜No.80No.81No.82 ⑬

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 欧米諸国に反移民・反難民運動が拡がり始めている。
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 いつの時代でも、日本人は世界情勢が理解できていない。
 日本が「バスに乗り遅れるな」と世界常識的な政策を採用する時は、諸外国からすれば周回遅れとなっており、その為に世界から不思議に思われる。
 日本の移民政策においても同様である。
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 2019年5月28日00:41 産経新聞「仏極右、僅差で与党制す 伊にもポピュリズム旋風
 26日、フランス・パリでメディアに応じる国民連合のマリーヌ・ルペン党首(ロイター)
 【パリ=三井美奈】26日投開票されたフランスの欧州議会選は、欧州連合(EU)を批判する極右「国民連合」が23%を得票して首位になり、EU統合を主導するマクロン大統領の与党陣営を約1ポイント差で破った。イタリアではサルビーニ内相の与党「同盟」が34%の得票率で圧勝し、右派ポピュリズム大衆迎合主義)の旋風を印象付けた。
 フランスでは、2017年大統領選の決選投票で争ったマクロン氏、ルペン国民連合党首の2人による事実上の再対決になった。今回、マクロン氏の与党「共和国前進」の中道陣営は22%を得票し、2位だった。
 フィリップ首相は26日、与党の敗北を認め、「極右が選挙の度に、仏政治に強く根を張っている」と危機感を示した。ルペン氏は勝利宣言し、「選挙は『国家主義か、グローバル化か』という政治の新たな対立軸を示した」と主張した。
 マクロン氏は「EUが国民を守る」が持論。欧州議会選で共和国前進は「欧州軍の推進」「ユーロ圏共通財政」など、マクロン氏が示したEU改革案を公約に掲げた。ルペン氏はかつての「ユーロ圏離脱」という公約を捨て、「EUからの国家主権奪回」に目標を修正し、EU内の国境検問の復活、移民規制を訴えた。
 今回の選挙では、環境派「欧州エコロジー」が13%を得票して第3位に躍進。戦後の仏政治を担った保革二大政党は、共に得票率が1ケタに低迷した。国民連合は14年に行われた前回の欧州議会選でも国内で首位になり、2連勝となった。
 イタリアでは、ポピュリズム連立政権の2与党の戦いとなった。得票率はサルビーニ氏が率いる右派第2与党「同盟」の34%に対し、左派の第1与党「五つ星運動」は17%。中道左派の野党「民主党」(23%)に次いで3位に低迷した。」


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