🌍2」─1─『人類はなぜ〈神〉を生み出したのか?』~No.2No.3 

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   ・   ・   {東山道美濃国・百姓の次男・栗山正博}・    
 人類は、絶体絶命の状況で変化を強要され生きる為にやむを得ないを選択し、選択した先で偶然と幸運と勢いで生き残ってきたが、選択が間違った数多くの人類は絶滅した。
 ホモ・サピエンスは、唯一生き残った人類である。
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 自然は、偶然ではなく必然の中にある。
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 2020年4月9日号 週刊文春「文春図書館
 著者は語る 
 最新知見を踏まえて宗教の起源に迫る
 『人類はなぜ〈神〉を生み出したのか?』
 レザー・アスラン 白須英子〔訳〕 文藝春秋
 なぜ人類は〈神〉という概念を生み出したのか?筆者は認知科学、考古学、歴史学などの最新知見を踏まえて、その難問に挑んだ。
 考察の出発点には、進化心理学が唱える『心の理論』が据えられている。それは人類が進化の過程で獲得した。人やモノ、出来事の背景にある意図や動機を推察する能力だ。
 『人類は宗教的衝動を持つことで子孫を残すのに何かしらの優位性を得たはずだ、という前提に立って、学者たちは200年に亘(わた)って、宗教の起源を探ってきました。しかし、認知科学者、進化生物学者は、宗教的衝動は子孫を残すのに何らの優位性ももたらさないどころか、資源とエネルギーを浪費するので不利に働く、という結論に達しました。ゆえに多くの専門家は、宗教的衝動は人類が進化の過程で得た「心の理論」などの能力から偶然生まれた副産物であるとするのがベストの仮説だと考えています』
 『心の理論』がもたらす能力によって、人類は天変地異、巨木、巨石、森で出遭う動物など身の回りのありとあらゆるものの背景に意図や動機を感じ取り、それを擬人化する。それらが自分たちの集団に恩恵や災厄をもたらすのだと認識され、共有されれば、崇拝や畏怖の対象となっていく。〈精霊〉が生まれ、やがては〈神〉が出現することになるだろう。
 本書は定住と農業と宗教の関係についても驚きの考察を展開する。
 『長い間、定住は農業を始めたことの結果だと考えられてきました。人類は穀物を育てる必要があるから定住したと。しかし、その説はまったくの誤りであることがわかりました。その強力な証拠は、農業革命より数千年前から存在していた大規模な定住遺跡です。トルコ南東部で発掘されたギャベクリ・テベのような神殿遺跡は、人類が宗教的理由から定住を始めたことを示唆しています。定住の結果として、人類は農耕と牧畜を始めたと考えられるのです』
 定住革命以後、〈神〉の概念に革命をもたらしたのは、ユダヤ民族の離散である。その歴史的経験から〈一神教(モノセイズム)〉が生まれた。一神教の〈神〉は唯一の神であり、善と悪、愛と憎しみ、創造と破壊など擬人化された神が担っていた相反する概念をすべて引き受けるため大きな矛盾を抱えることになり、非人格化されていった。かくして〈一神教〉の世界は、偶像崇拝と偶像破壊、擬人化され親しみやすい〈神〉と非人格化され親しみにくい〈神〉の間で揺れ動くことになった。この葛藤を見事に調停したのが、キリスト教だと著者は語る。
 『キリスト教が世界史において最も広がり、成功した宗教となりえた理由がここにあります。キリスト教は〈神とは何か〉という問いに最もシンプルで多くの人を納得させる方法で答えました。〈神とは完全な人間である〉と。それは心に響く答えであるだけでなく、元来、人類の脳に組み込まれている思考法なのです。私たちは無意識のうちに人間に引き寄せて神を考えるように仕向けられています。つまり、擬人化された神を唯一の〈神〉として心に思い描くように』
 今、世界では宗教を持たない人々が増える一方、宗教紛争も絶えない。人類と宗教の関係は今後どうなっていくのだろうか。
 『確かに人類は宗教に関心を寄せなくなっています。しかし、それは宗教を通して自分が何者であるかを確かめなくなっただけで、〈スピリチュアリティ〉と言われるものへの感心は高まっています。人類はやはり〈宗教的動物(ホモ・レリギホスス)〉なのです』
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ウィキペディア
 宗教の起源とは、古代において人類が宗教観や原始宗教を最初に持った時点・事象のことである。これは精神的起源と社会的起源に分類でき、それぞれの宗教が持つ固有の逸話的な起源である様々な創世神話とは区別される。
 宗教の起源を解明する取り組みでは、人類の進化の過程で現われる宗教的行動から多くの情報が得られる。人間が初めて宗教的になった時期は明確ではないが宗教的行為の信頼できる証拠は中期旧石器時代(5-30万年前)から見つかっている。古代エジプトメソポタミアで宗教は成文化され宗教史が始まる。
 本記事では人類の知能向上に伴ってはじめて宗教感が生じた時点から宗教史が始まるまでの間に関して、可能な限り多様な視点からの論説を示す。

組織宗教の起源
 組織宗教はその起源を近東で起きた1万1千年前の農業革命にまで遡るが、世界の各地で独立して同様の出来事が起きたかも知れない。農業の発明は狩猟採集生活から、定住傾向の強いライフスタイルへと人類の社会を変革した。農業革命の結果人口は爆発し、技術開発の速度は加速した。食糧を集めるための移住集団から領土制国家や帝国への移行は、新たな社会的、政治的環境を反映したより専門化され発達した宗教の誕生を促進した。小集団や部族が超自然信仰を維持していたが、そのような信仰は権力者の支配権や富の移動を正当化したり、無関係な個人間での平和を維持するのには役に立たない。組織宗教は次のように社会的、経済的安定を提供する手段となった。
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 人類は、集団として生きる上での文化を身に付け、さらに大きな集団を形成する為に宗教を生み出し文明を築いた。
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 宗教を宇宙空間に例えれば、銀河に満ちている暗黒物質ダークマター)であり、個々の遠心力で銀河系を飛び散って崩壊しないように繫ぎ止めている暗黒エネルギー(ダークエネルギー)である。
 宇宙は膨張を続け、銀河は高速に飛び、銀河間は離れつつある。
 数十億年後、銀河は崩壊しないが、銀河は宇宙空間に飛び散り他の銀河の光が届かなくなって宇宙は暗黒に包まれる。
 宇宙空間は一つの銀河が存在するだけの暗黒の「無」の世界となる。
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 マルクス主義社会主義共産主義)は、反宗教無神論と科学至上主義から、宗教を否定し、宗教を破壊し、神仏を殺し、全てを消し去り何もない、記憶も記録も残さず存在した痕跡も消し一切合切を暗黒の闇、呼吸はできるが、触る物もなく踏ん張る場もない光・明かりない、掴み所がなく前後上下左右の位置感覚もなく空中に漂い続ける「完全な無」に返す。
 存在しない事で、絆も繋がりも消え、階級も、差別も、搾取も人を区別する全てがなくなる。
 つまり、宗教が誕生する前の原始社会を理想社会としている。
 原始理想社会とは、複雑言語と高度宗教を持っていたホモ・サピエンスや単純言語と純朴宗教を持っていたネアンデルタール人以前の人類社会である。
 が、マルクス主義社会主義共産主義)の出現は人類の進化・進歩の過程で正しい事である。
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 絶滅した言語や宗教を持たなかった人類は、ネアンデルタール人以上に生きていたし、ホモ・サピエンス以上の存在していた年月の痕跡を残している。
 ホモ・サピエンスの歴史は、絶滅した人類に比べて短い。
 自然界の不変の法則では、単純・低級は変化が活発で多様性に富んで安定し生存は長いが、複雑・高度は変化が鈍く多様性に乏しく不安定で生存が短い。
 単純・低級は寄り集まって群れをなすが、複雑・高度は寄り集まる事を嫌い個として孤立していく。
 単純・低級は、知恵とは関係ない。
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 恐竜時代は1億数千万年続き、隕石の衝突がなければ絶滅する事なくその後も数億年続いていた事であろうし、単純・低俗のまま弱肉強食、強者必勝・弱者必滅の自然法則に生きて続け恐竜人間は誕生しなかった。
 人類の歴史は、46億年の地球の歴史の中のほんの僅かな約700万年に過ぎない。
 長く生きるのが最上の幸せというのであれば、恐竜は人類より幸せであった。
 複雑・高度は人類は、単純・低俗な恐竜よりも長くは生存できない。
 恐竜でも、意志を伝える言葉や生きる知恵を持っていた。
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 マルクス主義社会主義共産主義)に存在するのは「無」には、個の自分としての現代のみで、祖先たちの過去も子孫たちの未来もない。
 マルクス主義社会主義共産主義)の「無」は、日本民族日本人が好む色即是空、空即是色の宗教的仏教的神秘的「無」とは正反対の異質な「無」である。
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人類はなぜ〈神〉を生み出したのか? (文春e-book)