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・ ・ {東山道・美濃国・百姓の次男・栗山正博}・
2019年5月4日11:03 産経新聞「ファーウェイ念頭、5G整備「第三国のリスク」考慮 日米欧の国際会議が声明
ファーウェイの5G事業を巡る欧州の思惑(イラスト・ロイター)
【ベルリン=宮下日出男】第5世代(5G)移動通信システム整備をめぐり、日米欧など約30カ国・機関のセキュリティー担当者による国際会議が3日までの2日間、チェコの首都プラハで開かれた。華為技術(ファーウェイ)など中国通信大手を念頭に、5G整備では「第三国」がもたらす「リスク」への考慮を促す議長声明を採択した。
国際会議はチェコ政府が主催し、日米のほか、オーストラリアや欧州連合(EU)、北大西洋条約機構(NATO)の代表者も参加した。中国やロシアは参加していない。
議長声明は5G整備にあたっては「特に統治手法に関連し、第三国が事業者に与える全面的なリスクを考慮すべきだ」と提案した。名指しはしていないが、中国当局が華為に影響力を行使し、セキュリティー上の脅威となる事態に警鐘を鳴らした形だ。ただ、提案に拘束力はない。
華為製品をめぐっては、米国が機密漏えいなどを警戒し、欧州など同盟諸国に5G整備からの排除を求めているが、欧州側は5G整備の遅れなどを懸念し、全面排除に慎重だ。このため会議では参加者が5Gのセキュリティー確保に向けた協調的な対応を模索した。」
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5月4日20:57 産経新聞「ファーウェイ、英南部に半導体開発拠点 5Gシステム採用へ貢献アピールか
【ロンドン=板東和正】中国通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)が英南部ケンブリッジに半導体の開発拠点を設置する計画を立てていることが4日、分かった。英紙フィナンシャル・タイムズ(電子版)が報じた。同紙によると、2021年までに稼働し、400人を雇用するという。
華為が設ける施設は、光ファイバーなどに用いられる光半導体デバイスに関する研究開発を担う。
英国は第5世代(5G)移動通信システムの採用をめぐり、華為製品を認めるかどうか近く、最終的な判断をするとみられている。欧州連合(EU)離脱の混乱で英国への投資を見直す企業が多い中、華為は英経済への貢献をアピールし、システム採用につなげる狙いがあるようだ。
華為は昨年2月、英国に5年間で30億ポンド(約4400億円)を投じると発表していた。」
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1月25日 産経新聞 iRONNA「「米国はもう崖っぷち」5G戦争、ファーウェイ排除のウラ側
『山田敏弘』
山田敏弘(国際ジャーナリスト)
米国の対イラン制裁に違反したとしてカナダ司法省が中国通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)の最高財務責任者(CFO)兼副会長である孟晩舟(モウ・バンシュウ)氏を逮捕してから2カ月がたった。
孟氏は昨年12月11日に1000万カナダ・ドル(約8億5000万円)の保釈金で釈放された後、現在もバンクーバーにある邸宅で、GPS(衛星利用測位システム)ブレスレットを足首につけた状態で監視下にある。自宅周辺に張り付いていたマスコミに孟氏がピザのデリバリーを振る舞い話題になったこともあった。
米国は1月末までに孟氏の身柄引き渡し要請を行う方針を明らかにしており、対立する米中、カナダの間で緊張が高まっている。今回は事件の背景を振り返りつつ、今後のファーウェイなどが絡む米中の覇権争いがどこに向かうのか、探ってみたい。
まず最初に、この件について知っておくべきことがある。今回騒がれた米中のサイバー空間における覇権争いは、今に始まった事ではないという事実だ。ファーウェイが米国などへ進出を始めた2000年代初頭から長年にわたって、同社と米国のせめぎ合いは続いてきた。今回、イラン制裁に絡む話が浮上したことで、米国がファーウェイを締め出す好機を得たということにすぎない。
そもそも米国が見据えているのは、ファーウェイや中国通信機器大手、中興通訊(ZTE)ではない。むろん、その背後にいる中国政府だ。
米国に言わせれば、中国共産党と人民解放軍、民間企業は一蓮托生(いちれんたくしょう)である。軍のハッカーなどが世界から知的財産や機密情報を盗み、それを民間企業に漏洩するという流れがあるとの見方もある。
米国家安全保障局(NSA)の元幹部、ジョエル・ブレナー氏は筆者の取材に、グーグルの検索エンジン技術の「ソースコードが、中国に盗まれてしまっている」と語っている。また、米ニューヨーク・タイムズ紙のデービッド・サンガー記者も、中国は盗んだグーグルのソースコードで「今は世界で2番目に人気となっている中国の検索エンジンである百度(バイドゥ)を手助けした」と指摘している。
つまり、こうした政府系ハッカーらによるサイバー攻撃が、中国系企業を下支えしてきたともみられている。いや、それだけではない。軍事機密も盗んでおり、戦闘機や潜水艦の設計図なども盗み出すことに成功しているのである。
中国ではもともと、民間企業であっても政府の命令には従う必要があった。米高官や外交官らが中国を訪問し、民間のホテルに泊まれば当たり前のように盗聴器が仕掛けられているという類いのエピソードは、何度も米政府機関関係者などから聞いたことがある。しかも中国は最近、それを明文化した法律も制定している。2017年に施行された「国家情報法」がそれであり、民間企業も個人もすべて政府が行う情報活動に協力しなければならない、という決まりを徹底している。
こうしたことから、米国は長年ファーウェイなどが米企業などの知的財産を盗んでいると批判し、政府のために機密情報などをスパイする可能性を指摘してきた。そして最近になって、米国が本気で中国製品を排除しなければならない事情も浮上してきた。5G(第5世代移動通信システム)のインフラ機器やスマホの分野における中国企業の台頭である。
5Gは、現在の100倍とも言われる超高速のシステムであり、それが普及すれば、世界は一変すると言っていい。全てがIoT(モノのインターネット)などでつながり、ほぼすべての情報がデジタル化され、ネットワーク化される。すなわち、個人情報から軍事機密まで莫大(ばくだい)な多種多様のデータを運ぶ通信インフラを支配できれば、情報を思いのまま手に入れることができるというわけだ。
中国はファーウェイを介して、その5Gインフラを世界中に安価で提供し、シェアを広げようとしている。つまり、データが行き来するサイバー空間の覇権、ひいては世界における情報の掌握を狙っている。中国は80年代後半の段階から「情報を制するものは世界を制する」と考え、インターネットの検閲といった支配権なども「情報戦争」の一環と捉えてきた。最近、国家戦略としている「製造業2025」の核として中国製の5G機器などを世界で広めようとしているのは、そうした背景からだ。
一方の米国を中心とする欧米側は、世界を一変させる5Gインフラ市場で劣勢にある。少し前に筆者が米政府関係者から手に入れた60ページほどの米政府公式文書によれば、「ファーウェイは(通信の基地局などの世界的シェアを高めていることから)インフラそのものになりつつある。シェアの拡大に成功し、特に途上国ではそれが顕著である。ただ、米国のような先進国はそれを許してはいけない。ファーウェイがインフラになれば、中国のインテリジェンス(スパイ)活動につながっていくからだ」とした上で、こう警戒する。「米国は今、崖っぷちにある。情報化時代の未来を率いるか、もしくは、サイバー攻撃の渦から抜け出せなくなる」
こうしたせめぎ合いから、米国は実際に中国企業であるファーウェイなどの排除に乗り出し、同盟国にもファーウェイ製品の禁止措置を取るよう促してきた。事実、オーストラリアやニュージーランドはすでに5Gのインフラからファーウェイ製品を締め出す措置を決めているし、英国の電気通信社も同社製品を禁止にした。カナダはファーウェイの社員がスパイ工作に関与している可能性があるとして、ビザの発給を拒否したこともある。
その一方で、中国を目の敵にしている当の米国も、これまでサイバー空間でスパイ工作を繰り広げてきた国の一つである。
米国家安全保障局(NSA)はファーウェイを脅威と警戒し、創業者である任正非(レン・ジェンフェイ)CEOを2009年頃からハッキングによって監視。その作戦は「ショット・ジャイアント」と呼ばれ、NSAは内部情報や同社製品のソースコードまで入手していた。さらにスパイ工作という意味で言えば、米国は例えば「エックスキースコア」という監視システムなどで世界中の人々のネット上での活動を、日本も含む世界150カ所の収集拠点で集めて監視してきたし、中国メディアは中国を狙うサイバー攻撃は米国からのものが最大であると指摘している。
このように、サイバー工作をめぐる対立は水面下で続いてきた。では5Gの登場で今後、この攻防はどう展開していくだろうか。
まず、日本が排除を発表するに至ったように、今後も米国と同じ価値観を共有する国々の間で、ファーウェイ排除の流れが続く可能性は避けられないだろう。
現時点では、ファーウェイの禁止に乗り出した日本(各省庁や自衛隊)を含む国々では、排除対象は基地局やルーターなどに使われるファーウェイ製品であり、スマートフォンやタブレットまでは対象になっていない。ただ今後、これらの国では、政府関連の事業やプロジェクトに関与する際には、民間企業であってもファーウェイの機器は使えないようになっていく可能性があるし、関係者もスマホやタブロイドを使うわけにはいかなくなるだろう。
例えば日本では排除の対象をインフラ事業者まで広げるとの話も出ているが、そうなればさらにインフラ事業にも携わる多くの人たちがファーウェイのスマホなどを使っていられなくなるだろう。こういう形で、結果的にすべてのファーウェイ製品が使われなくなっていく可能性は高い。
さらに言えば、米国のイラン経済制裁を破った容疑という「威力」は大きい。世界的に見ても、制裁違反をするファーウェイとのビジネスを控えなければ、米国企業とは取引ができないという現実に直面しかねない。世界中でファーウェイとの取引を控える動きが起きるかもしれない。例えば、世界的な大手銀行は既にこの動きを見せている。イラン制裁違反に絡んで、英金融大手HSBC銀行やスタンダードチャータード銀行などは米国政府からのプレッシャーなどもあってファーウェイとのビジネスを制限してきた。それが最近では、シティバンクなども今後の対応を検討していると言われている。
むろん、こうした動きに中国政府もファーウェイも、黙ってはいない。
中国政府は孟氏の逮捕以降、中国国内でカナダ人を13人拘束し、そのうち5人ほどは今も釈放されていないとみられている。いずれも取ってつけたような容疑であり、ピーター・ナバロ米大統領補佐官(通商担当)が「中国らしいやり方だ」と言及したように、報復措置であることは明らかだ。また今後、中国政府が米通信機器メーカーを中国市場から締め出す報復措置を取る可能性を指摘する声もある。
また、米国内で米政府と対峙(たいじ)するための法務チームの強化も行っているし、同社は「われわれは世界をリードしている」「他国の安全保障に対して脅威になっているという証拠はない」と強気を崩さない。さらに任CEOが珍しくメディアの取材に応じ、中国当局にデータを提供することはないと主張している。
日本でも、ファーウェイ側は疑惑を否定する声明を発表して対抗している。「(ファーウェイ製品を)分解したら余計なものが入っていた」「スパイウェアのような動きをする」という日本のメディア報道が事実誤認であると指摘し、法的措置に乗り出すとも発表している。
ところで、実際に同社の製品が何らかの「怪しい動き」をすることは考えられるのだろうか。先日、筆者はネットテレビ「Abema Prime」に出演し、そこで実際に解体されたファーウェイのスマホを目にする機会があった。というのも、「スマホ分解のプロ」という専門家が番組の始まる前に実際に解体してファーウェイのスマホに「おかしなもの」が入っていないかを確認したのである。その結論は「余計なものは見つからなかった」というものだった。
とはいえ、筆者は以前、ある欧米諸国の情報機関関係者から、政府系通信会社が市民に提供する機器にチップを埋め込む工作を担当していたという話を直接聞いたことがある。また、米政府も国外の要人に対して同様の工作を仕掛けていたことが明らかになっているし、中国が数年前に米IT企業が使うサーバーに製造過程でチップを埋め込んでいたという疑惑も、米メディアで大々的に報じられて物議を醸したばかりだ。
もっとも、今はチップをわざわざ仕込むような時代ではない。「チップを使う」というやり方はいかにも古い工作という印象で、今もやっているとは考えづらい。今なら、電子機器のプログラムに後でアクセスできるような、いわゆるバックドア(裏口)を埋め込んでいたり、何らかのマルウェア(不正プログラム)を入れておいた方が手っ取り早いだろう。
いずれにしても「ファーウェイ製品が怪しい」と見られてきたことは紛れもない事実だ。最近話を聞いた国際的大手企業の元サイバー担当者は、こんな発言をしていた。「2014年にオーストラリアの大手企業が会社のネットワークからファーウェイ製品を介して不正にデータが中国に送られていることに気がついたんです。それ以降、オーストラリアは政府関係機関や大手企業にファーウェイ機器を使わないよう非公式に通達していた」
2018年8月にファーウェイとZTEを5Gインフラから排除したオーストラリアでは、2014年の時点で既に非公式にファーウェイ排除の方向に舵を切っていたという。
いずれにせよ、これまで各地で続いてきた動きからも分かる通り、ファーウェイをめぐる話はハイテク産業における中国のビジネス的な台頭を米国が押さえつけようとしている、という単純な話ではない。次世代の覇権と安全保障に深く関わる話である。それゆえに、米中両国は一歩も譲歩できない。少なくとも米国は今後も、引く構えをみせることはないだろう。
今、欧州や南アジアなど世界中の国々がファーウェイとどう付き合っていくのか検討が行われている。5Gをめぐる米国vs中国の攻防は引き続き、世界を巻き込んで激化していくはずだ。」
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