🔔43」─2─「移民の国」アメリカが移民労働者を排斥し始めたワケ。〜No.121 

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 欧米諸国で外国人の移民・労働者排斥が進んでいるが、日本は世界の潮流に逆らって移民・労働者を積極に受け入れている。
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 2024年9月1日MicrosoftStartニュース ダイヤモンド・オンライン「「移民の国」アメリカが移民労働者を排斥し始めたワケ
 日本を含め、先進国の多くで人口減少が続いている。にもかかわらず、一部の先進国では人が余りつつあり、それが欧米での移民排斥の運動の背景にあると“論破王”は説く。そして、それは日本にとっても他人事ではない。欧米の現状から見た、少子高齢化ニッポンの問題点とは?本稿は、ひろゆき著、根本和彦監修『税弱な日本人からふんだくるピンハネ国家の不都合な真実』(宝島社)の一部を抜粋・編集したものです。
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● 所得が低い国ほど 出生率が高い明白な理由
 今、日本を含め、先進国の多くで人口減少が続いています。移民の流入で人口が増え続けているアメリカでさえ、2080年には人口が減少に転ずると統計当局が発表しています。
 現在の日本は少子高齢化が進んで出生率も低下していますが、日本だけでなく先進国は出生率が低くなる傾向にあります。なぜなら先進国では、子どもを産んで育てるよりも楽しいことがたくさんあるからです。
 1人当たりの所得が高い国は娯楽も楽しめるので出生率が低く、所得が低い国は娯楽も少ないため出生率が高くなるという相関関係もあるようです。
 日本では毎年80万人程度の人口が減少しています。これは太平洋戦争当時に匹敵するぐらいの急激な人口減少傾向となっています。それに伴い、すでに経済の衰退も始まっています。
 将来的には高い教育レベルの子どもがいかにたくさんいるかということが、その国の経済を左右していきます。たとえば小学校卒業レベルの人が1000万人の国と、大学卒業レベルの人が1000万人の国を比較すると、後者のほうが経済的に豊かになる可能性が高くなります。
● 移民排斥の運動が 欧米で起きる背景
 さらに言えば、大学卒業レベルの人口が1000万人の国より、同じく大学卒業レベルの人口が2000万人の国のほうが経済はうまく回ります。基本的には、人間社会は大体この公式に当てはまります。
 この流れで見ていくと、冒頭に説明した人口減少の傾向にありながら、一部の先進国では人が余り始めています。
 どういうことかというと、今、アメリカやヨーロッパで移民排斥の運動が起きているのです。労働者が多いほうがその国は豊かになるはずで、そのためにアメリカも毎年100万人という数の移民を受け入れていたわけですが、それがなぜここにきて移民排斥という流れに変わってきたのでしょうか?
 アイスランドの例を見てみると、もともと国土面積に対して人口が少なすぎたために移民を大量に受け入れ、移民を歓迎しています。土地が余っている国では、今でも移民を歓迎しているのです。
 同じく100年前のアメリカも、広大な国土の割に人口が少なかったため、移民をどんどん受け入れました。そして土地を耕したらそれは自分のものにしていいぞという許可を与え、その結果農地が全国的に広がり、経済的にも豊かになっていったのです。
 この土地を「耕す」という作業は、小学生でもできるものです。かつて日本でも児童労働というものがあり、子どもを鉱山で働かせたり、畑の農作業を手伝わせたりしていました。今は機械が行っている作業ですが、機械化される前は小学生でも労働力としての価値があったのです。
 もちろん今は、児童労働は禁止されています。しかし仮に小学生にできる仕事がどのくらいあるかといえば、ほとんどありません。小学生でもできるような単純な仕事は、すべて機械化されているからです。
 たとえば、日本でもマクドナルドの一部店舗では、注文がタッチパネルのでかいやつで行われています。
● 労働基準法は低スキル労働者から 仕事を奪う方向に作用する
 これは先進国の中でも遅れているほうで、フランスのファストフードは、ほぼタッチパネルになっています。食べ物のオーダーもタッチパネルで行い、クレジットカードで決済すると、番号の書かれたレシートが出てきます。そして食事の用意ができると、番号がディスプレイに表示されますので、自分の持っているレシートに書かれた番号が出てきたら、食事を取りに行くという流れです。
 フランスでもスペインでもスイスでもドイツでも、基本的にはこのタッチパネルのシステムを飲食店で導入しています。というより、タッチパネルでない店舗をヨーロッパで探すことのほうが今は難しいくらいになっています。
 なぜこのように機械化・自動化が進んでいるかというと、人を雇うよりも機械のほうが安いからです。人を雇ったら給料を払わなければいけませんし、1回雇ったらクビにできません。そのため人を雇う場合、一定以上稼げる人に限るという風潮が、今の時代に生まれてしまっているのです。
 昔は労働基準法がなかったので、たとえば1時間に500円稼ぐ働き手に対して、店側は300円を与え、200円を利益として得ていました。そのようにして小学生レベルの労働しかできない人でも、その人に合った給料を払うことで働かせることが可能だったのです。
 ところが今は東京では最低賃金が1113円です。ということは、たとえば1200円以上くらいの価値を提供できる働き手でなければ、店側が損をしてしまうのです。もし800円の価値しか生み出せない人に対しても、最低賃金の時給1113円は払わなければなりません。つまりその人を雇い続ける限り、店側は200円分の損をし続けることになります。つまり労働基準法がある限り、最低賃金以下の人を雇うと損をするというのが今の先進国の仕組みなのです。
● 最低賃金制によって解雇された メキシコ人の命綱は福祉と犯罪
 そこで、なぜアメリカの経営者たちが移民労働者を排斥し始めたかというと、最低賃金を守らなければいけない場合、メキシコから来る労働者でそれ以上の労働価値を提供できる人材がなかなかいないからです。肉体労働はできるけど、英語をまともにしゃべれないような人を、雇いたくないということになったのです。
 そこでアメリカの中でメキシコ人の解雇が進むと、メキシコ人たちにも暮らしがあるので、選択肢は違法に安い労働をするか、犯罪に手を染めるか、公共の福祉に頼るかのどれかになります。その中で、生活保護的な公共の福祉に頼ると、今度はアメリカ人のほうから、自分たちが払った税金でなぜメキシコ人を養わなければいけないのかと反発が出てくるのです。
 そこで仕方なくメキシコ人の中には犯罪に手を染める人が出てくるわけですが、そのために治安が悪くなると、メキシコ人を排斥して国に帰せという運動が起こってきます。
 いずれにしても、外国人移民を入れることは、自国にとってメリットがないと、アメリカやヨーロッパで言われ始めてきているのです。
 先進国には、人間には人権があり、労働者は最低賃金を定めた労働基準法によって守られなければいけないというルールがあります。そのため人を働かせる以上は1000円なら1000円の最低時給を支払わなければなりません。これを否定する人はいないでしょう。
 そのルールに基づいて今までは1000円以上の生産性を上げられない人でも雇用していたわけです。しかし、中にはこの先進国ルールに守られているのをいいことに、800円ぐらいの生産性しか上げられない労働者が、1000円の時給でも満足せず賃上げを要求してきたりします。店側からすれば「マジでやってられない」ということになり、今ようやくその現実に気がつき始め、生産性を上げられない労働者を排斥し始めているのです。
 ひろゆき/根本和彦
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