第二次世界大戦 アメリカの敗北 米国を操ったソビエトスパイ (文春新書)
- 作者:惣樹, 渡辺
- 発売日: 2018/06/20
- メディア: 新書
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・ ・ {東山道・美濃国・百姓の次男・栗山正博}・
2018年10月号 Voice「歴史論争 渡辺惣樹
命を捨てる覚悟
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戦う理由
先の大戦では、アメリカ国民はヨーロッパの戦争に関わりたくなかった。参戦を目論むフランクリン・ルーズベルト大統領(FDR)は1941年8月にチャーチル英首相とカナダ・ニューファンドランド島沖で密談し『崇高なる』大西洋憲章を発表した。国民に反独感情を煽る狙いがあったが、第一次大戦ではウッドロー・ウィルソン大統領に騙されたと感じている国民がほとんどであった。その世論をひっくり返したのは真珠湾攻撃であった。
憤(いきどお)る国民に、『ドイツ人や日本人は獣である』とするメディアを使った洗脳が始まった。『敵兵は獣』キャンペーンは『敵の非人間化』という古典的な洗脳手法だった。
開戦直後は米国民の多くが枢軸国への憎しみに燃えた。志願兵も殺到した。しかしその情熱は暫(しばら)くすると冷めていった。アメリカ参戦の翌年(1942年)の調査では、兵士の3人に1人が戦う(命を懸ける)理由がわからないと答えている。ハリウッドは敵への憎しみを煽るプロパガンダ映画を数多く製作したが、戦意高揚には成功していなかった。何のために戦っているのかわからない兵士は敵を憎めない。戦うことに疑いをもてば、その感情が精神疾患を誘発する。パットン将軍が疑ったように、病(やまい)を装う者もいたであろうが、相当数が本物の疾患に悩まされたのである。
調査の実施された年の8月、ガダルカナル島で激戦があった。日本の守備兵は2万人以上が死んだ。アメリカ軍兵士もおよそ7,000が死んでいる。熱帯雨林のなかで洞窟に潜(ひそ)みながら激しく抵抗する日本軍を前にして、米軍兵士の多くが精神のバランスを崩した。5人に2人の割合で米国本土に戻さなくてはならないほどに深刻であった。
こうした事実は記録映画にもハリウッド映画にも出てこない。トランプ大統領が敬愛するパットン将軍でさえも、一兵卒に戦う理由(わけ)を納得させるのは至難の業(わざ)であった。プロパガンダがバレやすい現代においては、世界中の軍隊が『戦う動機付け』に悩んでいるに違いない。母国が侵略されるという事態がない限り命を捨てる覚悟をさせるのは難しい。形而上(けいじじょう)的理念で大衆が動くことはほとんどないからである」
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戦争時情報において。全ての参戦国は、戦争継続の為に情報を操作して、ニセの情報を発表し国民を騙し洗脳していた。
その比率は、連戦連勝の国では少なく、連戦連敗の国では多い。
つまり、日本が行った大本営発表は戦争時では珍しい事でもなく、むしろ当たり前の事である。
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太平洋戦争において。戦争をする意義・理由は、日本には明確にあったが、アメリカにはなかった。
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騙されやすい、扇動されやすい、洗脳されやすい、という点では、アメリカ人は強く、日本人は弱い。
その証拠が、戦時や災害時の被災現場における暴動や騒動、略奪や強奪、強姦や殺人の多さである。
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軍国日本は、国民・兵士に「鬼畜米英」と洗脳した。
アメリカは、国民・兵士に「日本人は血に飢えた獣」「日本人は猛毒を持った害虫」と洗脳した。
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アメリカやイギリスは、兵士を確保する為に、国内の親に対して戦死の危険性が少ない楽な戦いと宣伝した。
アメリカ軍とイギリス軍は、日本軍と戦う兵士に対して、日本軍兵士は弱兵で大した敵ではなく攻撃すれば楽に勝てると安心させ、日本軍兵士に対する殺したいという憎悪を掻き立てる為に「捕虜虐待」や「住民虐殺」を叩き込んだ。
そして、昭和天皇の名誉を貶し、日本人を殺す、勇ましい軍歌を広めた。
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現代日本では、中国軍が侵略してきても、北朝鮮が攻撃してきても、絶対平和で戦わない、母国を守る為の戦争はしないという日本人が増えてきている。
つまり、母国の国益や存続よりも自分の命と生活を優先する、という事である。
その傾向は、リベラル派・革新派・エセ保守派そして一部の保守派に多い。
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- 作者:アントニー・ビーヴァー
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