- 作者:ダライ・ラマ14世
- 発売日: 2012/04/17
- メディア: 新書
関連ブログを6つ立ち上げる。プロフィールに情報。
・ ・ {東山道・美濃国・百姓の次男・栗山正博}・
2018年3月29日 産経ニュース「亡命チベット人深まる「怒り」と「憂鬱」 習近平氏の権力基盤強化「明るい未来見えぬ」
インドに住む亡命チベット人たちに動揺が広がっている。チベット仏教最高指導者ダライ・ラマ14世を徹底的に批判する中国の習近平国家主席が生涯にわたって地位を維持する道を開いたことに加え、インドが中国に“配慮”する姿勢を見せているためだ。「明るい未来が見えない状況だ」。ダライ・ラマが居住し、亡命政府が拠点を置くインド北部ダラムサラでは怒りと憂鬱の声が聞こえた。(ダラムサラ 森浩)
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「帰国して家族の顔を見たいが、それはもう無理だろう。中国の体制が変わらない以上、あきらめが深まっている」
中国チベット自治区ラサからインドに脱出し、ダラムサラ近郊で運送業に従事するカルマさん(51)は天を仰ぎながら話した。
カルマさんは、2008年3月に起きた中国の抑圧的な統治への抗議デモ「チベット騒乱」に参加して拘束され、09年に保釈された際にインドに亡命した。拘束時に暴行を受け、今も耳が聞こえにくい。
ダライ・ラマが1959年3月にインドに亡命して以来、多くのチベット人がダラムサラを目指して国境を越えた。現在約10万人のチベット人がインドに住んでいるが、亡命者数は減りつつあるという。中国側の警備が厳重になったことや、ネパールの“親中化”で同国経由の亡命が困難になったためだ。
カルマさんの仲間たちも拘束されており、今は現地の情報が取れなくなりつつあるという。チベット人に強硬姿勢を取る習氏が任期撤廃により長期政権化する可能性が出たことで、「事態が好転する兆しはない」とカルマさんは話した。
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さらに亡命チベット人が懸念するのは、インドの動向だ。インド政府は2月に政府関係者に対し、チベット亡命政府関連行事の参加自粛通知を出した。「昨夏のドクラム高原での両軍対峙で中印関係は冷え込んだ。インド側は事を荒立てたくないと感じているかもしれない」と印シンクタンク、中国問題研究所のツェリン・チョンゾム・ブティア研究員は分析する。
こうした中、ダライ・ラマが出席する行事の変更や中止が相次ぐ。17日にダライ・ラマが亡命生活を自ら語る集会も2日前に中止され、31日と4月1日にニューデリーで計画されていたイベントも縮小開催が決まっている。北東部マニプール州で開かれた「インド科学会議」(16〜20日)への出席も取り消された。
中止や見送りの理由について関係者の口は一様に重い。チベット亡命政府のダドン・シャリン情報局長は「インドは大国であり、国が国益を追求する中で、考慮しなくてはいけない面があることは理解している」とし、自粛通知に配慮する発言をしている。
昨年4月に中国も領有権を主張するインド北東部アルナチャルプラデシュ州でダライ・ラマが講演を行った際、中国は抗議したが、インド側ははねつけている。インドの亡命政府側への姿勢は1年間で“後退”したとの見方が広がる。
「インドはダライ・ラマやチベット人をどう処遇するか苦慮しているよう感じる」と、ダラムサラ近郊に住むチベット人男性(49)は話す。自身はインド政府には感謝しているというが、「中国ではダライ・ラマの写真を持つことも許されない。インドが中国に配慮してしまえば、こうした信教の自由も脅かされるのではないか」と嘆いた。」
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中国共産党が軍事占領するチベットの姿が、将来の沖縄・北海道さらには日本の姿になる。
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中国共産党が日本を支配すれば、天皇制度が残ったとしても、中国に媚び随う日本人か、中国系日本人(日本人女性宮と中国人男性の子供)、さもなくば中国人が天皇に即位する事になる。
民族伝統の宗教的文明的文化的天皇制度から非宗教的な政治的思想的哲学的天皇制への大改造である。
それが、古代からの中華帝国の夢であり、反宗教無神論の共産主義者の宿願である。
中国共産党・中国軍は、反日派敵日派であって親日派知日派ではない。
人口が激減していく日本で、中国人移民が急増すれば、中国共産党は日本国内の中国人移民を保護する名目で中国軍派遣が可能となる。
そして、中国人移民が多数派となれば日本をチベット・内モンゴルなどのように中国化・漢族化する事ができる。
日本の中に、日本の中国化・漢族化を歓迎し、中国共産党に手を貸そうとする人間が少なからず存在する。
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2018年4月5日号 週刊文春「池上彰のそこからですか!?
チベット騒動から10年
中国チベット自治区に住むチベット族と治安部隊が衝突して多数の死傷者が出たチベット騒乱から、この3月で10年を迎えました。中国政府は、10年前のようなことが起きないように、チベット族に対する厳重な警戒態勢を敷いています。
チベット族はチベット自治区にだけ住んでいるわけではありません。四川省や青海省、甘粛省など広い範囲にわたっています。治安部隊はこうした地域に多数の監視カメラを設置。私服警官を大勢配置して監視を強めています。
チベット族の電話は盗聴されていますから、反体制派は、公衆電話を使い、名前を名乗らずに連絡を取り合ってきましたが、当局はAI(人工知能)による音声認識を駆使して発言の人物を特定するようになってきました。
その一方、中国政府はチベット族が住む地域での経済開発を加速させ、低所得者には支援金を支給して、不満の解消に努めています。
それでも自由と自治が奪われていることに抗議する人たちは、焼身自殺という方法を取っています。
中国ではイスラム教徒の多く住む新疆ウイグル自治区でも抗議活動が活発ですが、ウイグル族は爆弾テロなど武力闘争に向かうのに対し、チベット族は焼身という自分を犠牲にする方法を取ります。これが仏教徒の抗議行動なのです。
インドのダラムサラという山岳地帯の町にあるチベット亡命政府によると、10年前の騒動以降、すでに150人を超える人たちが焼身自殺したといいます。
チベット族の懸念は、チベット仏教の最高指導者であるダライ・ラマ14世の後継者問題です。すでに82歳になっているからです。
仏教は輪廻転生を信じています。輪廻転生とは、生き物が死ぬと、別の形で生まれ変わることです。人間が生前良い行いをしていれば、次も人間として生まれ変わることができますし、行いが悪ければ動物(畜生)に生まれ変わるかもしれないという考えかたです。
輪廻転生を繰り返す中で修行を通じて悟りを開けば、輪廻の輪から解脱して涅槃に入ることができるとされています。ダライ・ラマ14世は観音菩薩の化身とされ、本来なら解脱してこの世に戻ってくる必要がないんですが、人々を救済するために、敢えて輪廻転生を繰り返していると信じられています。
ダライ・ラマ14世は、13世の子どもではありません。13世が1933年に死去すると、どこかに13世の生まれ変わりがいるはずだとして捜索隊が組織されました。13世の遺体を安置中に頭が東方向に向いたりしたことから、捜索隊は中心都市ラサの東方向を捜索。1935年に生まれていた男の子を発見し、13世が生前使用していた杖などの遺品と、そっくりの別物の両方を見せて男の子に選ばせたところ、ことこごとく遺品を選んだと言います。こうして試験に合格したことで、この男の子はダライ・ラマ14世と認定され、1940年に即位しました。
中国の弾圧でインドに亡命
事態が急変するのは、1950年です。新中国の人民解放軍が『チベットの人々を解放する』と称してチベットを制圧したのです。
1959年にチベットで大規模な反中国暴動が起きると、ダライ・ラマはインドに亡命。ダラムサラに亡命政府を樹立し、高度な自治を求めています。しかし中国政府は『独立を求めて中国分裂を画策している』と批判しています。
ダライ・ラマは暴力に走ることを戒めてきた行動が認められ、1989年にノーベル平和賞を受賞しています。国際的にも『仏教と言えばダライ・ラマ』というほど仏教の象徴的人物となっています。
チベットの人たちが心配しているのは後継者問題です。過去の伝統に従うと、14世が亡くなった後は転生した15世を探すことになりますが、最終的に認定するのは、ダライ・ラマに次ぐ高僧のパンチェン・ラマです。阿弥陀如来の化身とさえています。
また、パンチェン・ラマの転生者を認定するのがダライ・ラマという相互関係の構造になっていきます。
ダライ・ラマがインドに亡命した後もパンチェン・ラマ10世は中国に留まりましたが、1989年、中国のチベット統治を告発する演説をした直後に急死します。
そこでダライ・ラマはパンチェン・ラマの転生者を探し、1995年、チベットにいた6歳の男児をパンチェン・ラマ11世と認定します。
ところがその途端、男の子は両親と共に中国政府によって誘拐。中国政府は全く別の6歳の男児をパンチェン・ラマと認定します。この男児の両親はなぜか中国共産党員でした。
さて、こうなると、中国政府は、ダライ・ラマ14世の後継者を勝手に決めて偽者のパンチェン・ラマ11世に偽者のダライ・ラマ15世を認定させることが可能になります。
こうした情勢に危機感を強めたダライ・ラマは、対策を取っています。それまでダライ・ラマはチベット仏教の最高位であると同時にチベット亡命政府の元首でした。つまり政教一致だったのです。しかし2011年、自ら政治的立場から引退。ロブサン・センゲ首相に政治的権限を引き渡し、本人は宗教的指導者の立場に留まりました。
さらに『自分の転生者はチベット自治区で生まれるとは限らない。男性として生まれるとは限らない』と発言して、中国政府による偽者の認定を牽制しています。
今後チベット亡命政府は今年末にもダラムサラで高僧を集めて会議を開き、後継者問題を話し合います。今後は死後の転生者探しを止め、ダライ・ラマが死去前に自己の化身を任命する方法についても議論することになりました。急がないと『二人のダライ・ラマ』が誕生します。真の15世をどのように認定するのか。残された時間は少ないのです」
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