🐖3」─6・B─『トップガン』はエンタメ・プロとして中国共産党の恫喝から「表現の自由」を守った。~No.25 ② 

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 中国共産党が暴力と死で恐怖支配する中国には、人命・人権・人道を尊重する「表現の自由」はない。
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 2022年8月号 WiLL「文明の不作法  湯浅博
 悪の枢軸に『トップガン』が勝った
 ハリウッド映画『トップガン』の続編は、冒頭から中国共産党に挑戦的だ。主演のトム・クルーズが、ロッカールームで革ジャンをはおり、『カワサキ』のバイクで颯爽と走るシーンから始まる。革ジャンの背中には、星条旗日章旗と一緒に、台湾の青天白日旗がデザインされたワッペンがついていた。
 中国の習近平政権はハリウッド映画に少しでも台湾を利するような場面があれば、巨大な映画市場から確実に締め出す。しんあ映画に出資する不届きな中国企業には、中国共産党が鉄槌を下すことになる。それを恐れた中国テクノロジー大手のテンセントは、契約済みだった共同出資者の座から静かに撤退した。
 もっとも、テンセント撤退前の予告編は、この会社の財務担当者の提案で、革ジャンのワッペンが別のデザインに差し替えられていたと米紙が伝えていた。中国共産党に忠誠を誓うよう国内企業への締め付けが強化されていたころだ。
 『太平洋軍』に派遣された主人公が戦う敵は、中国、北朝鮮、イランという『悪の枢軸』が混ぜこぜになったような国だ。米国人の愛国心を激しく揺さぶる内容だから、中国での公開も承認されていない。
 表現の自由とビジネスのはざまで揺れるハリウッドと、そのビジネスに介入する中国共産党との軋轢はいつまでもなくならない。
 習近平体制は『強国独裁』と『内政干渉』の排他主義であり、不快な忠告を恫喝をもって制することに躊躇しない。彼ら全体主義の長い手は、文化や芸術にまで及ぶのだ。
 かつて、ウォルト・ディズニー社が配給したハリウッド映画『クンドゥン(存在)』に対する中国の言いがかりは、恐喝まがいの外交術であった。映画はチベット仏教の精神的指導者ダライ・ラマ14世の誕生から、1951年に中国人民解放軍の侵略を受けて14世がインドに亡命するまでを描く壮大なドラマであった。俳優のハリソン・フォード夫人(当時)で、ヒット映画『E・T・』のシナリオ・ライター、メリッサ・マシスンが1992年春にチベット現地を取材して脚本を書き上げた。
 ところが、北京は彼らの巨大市場を背景に『映画化を中止しなければ、計画中のテーマ・パーク建設など進出計画を見直す』と、ディズニーランドの建設不許可を示唆して揺さぶった。ディズニーは『表現の自由』と『市場喪失』のはざまでジレンマに陥る。
 ディズニーといえば、ソ連がまだ米国と互角に冷戦を戦っていたころ、訪米したフルシチョフ首相の来場を警備目的で断った実績がある。当時の新聞をめくってみると、ディズニーランド行きを夢見ていたフルシチョフ首相は、地団駄を踏んで悔しがっていた。
 ディズニーはこのとき、中国からの報復を恐れず、一般公開に踏み切る決意を固めている。『夢の創造者』が圧力に屈すれば自殺行為になることは彼らが一番よく知っていた。
 チベットにしてみれば、中国が勝手に侵略してきて併合し、外に向かって『内政干渉』とはいかなる了見かを糾弾したいところだ。59年には独立意欲盛んなチベット人が大規模な反乱を起こしたが、ダライ・ラマヒマラヤ山脈を越えてインドに亡命した。
 21世紀のいまは、ウイグル人を抑圧し、香港から自由を奪い、残る台湾を併合することに独裁権力は妥協しない。たとえ、それがハリウッド映画であっても、台湾を利するような場面の展開は許さない。
 中国資本のテンセントが、続編の『トップガン マーヴェリック』の共同出資から撤退したのも、中国共産党の怒りを買って事業継続ができなくなることを恐れたからだろう。パラマウント社はディズニーを見習って、最終的に日章旗と台湾旗のワッペンを復活させて撤退圧力から解放された。
 映画が5月はじめに米国内で公開されるや、興行収入の歴代最高記録を塗り替えたというから痛快だ。中国の圧力に対する映画ファンからの後方支援という反撃でもある。
 前作の『トップガン』が1986年に公開されたとき、主人公が着用していたユニフォーム姿にあこがれ、海軍や空軍への入隊希望者が急増したという。今回も深刻になりつつあった戦闘機パイロット不足が、解消される日も近いだろう。前作と同様に『トップガン マーヴェリック』の上映館には、しっかりと入隊募集のコーナーが設けられたという。彼らの中の誰かが、現実に台湾海峡に派遣される日が来ないとも限らない」
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 日本の映画やテレビなどのエンタメ業界は、中国共産党の威圧に屈しないハリウッド映画とは違い、親中国派や媚中派の力が強く、中国に不利益になる作品や中国共産党の機嫌を損ねるような内容は自主判断・自主規制で改めていた。
 その意味で、日本のエンタメ業界は間接的に中国共産党の支配を受けている。
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