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・ ・{東山道・美濃国・百姓の次男・栗山正博}・
中国共産党は、オーストラリアの深部まで根を張り、親中派媚中派と繋がっている。
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2024年10月3日 YAHOO!JAPANニュース Wedge(ウェッジ)「【中国の南シナ海領土拡大へ】オーストラリアが軍事能力を持った沿岸警備隊を持つべき理由
豪州の2024年ブルーセキュリティ・プロジェクト・フェローのニール・ベネットが、豪州はグレーゾーンでの対応のために沿岸警備隊を設立すべきだと2024年8月30日付のASPI(豪州戦略政策研究所)のサイトで述べている。
豪州は、南シナ海における中国の領土拡大に向けたグレーゾーン作戦に対抗するため、沿岸警備隊を設立すべきである。中国は、沿岸警備隊や民間船舶、漁船を利用してその存在感を示しており、豪州や地域のパートナー国も同様の対応をする必要がある。
軍事能力を持った沿岸警備隊は、効果的に中国の侵略に「比例対応」を行えるし、海軍対海軍よりも緊張を高めるリスクが少ない。豪州が沿岸警備隊を持てば、中国の作戦に対抗するために米沿岸警備隊との協力関係をさらに強化できる。
豪州に沿岸警備隊が必要かどうかは、これまでも議論されてきた。専門家達は、豪州海軍(RAN)には自国の沿岸を守り、同盟国を支援し、国外での国益を守るためには資源が不足していることを指摘している。設立される沿岸警備隊が、地元の警察活動や国境警備の任務を担うことで、海軍の任務を軽減し、海軍は戦闘準備に集中できるようになる。 島国である豪州は、物資や安全保障部隊の移動のために海上交通路(SLOC)に依存しており、中国の領土主張はこれらの重要な通路を制限する可能性がある。豪州は、自由で開かれたインド太平洋へのコミットメントを表明している。
中国は沿岸警備船や表向きは民間の漁船を使い、南シナ海でグレーゾーン作戦を着実に進めている。グレーゾーンでの戦いに勝つためには、米豪もまたグレーゾーン作戦を使い、民間船や沿岸警備船を派遣する必要がある。
警察活動の協力は、中国の作戦への比例対応のモデルとなるかもしれない。「ハリエット・レーン」の配備は、米国が中国の沿岸警備隊に対抗するための力を発揮する範囲を提供するものだった。
豪州が、エスカレーションを避けながら中国の侵略に対抗したいのであれば、独自の沿岸警備隊を発展させる必要がある。前方展開された沿岸警備隊は、南シナ海で中国と対抗し、米国と協力して活動できる。さらにマレーシア、インドネシア、ベトナム、フィリピンの警察との協力も可能だ。専門の警察力を持つことは、比例的な対応を可能にし、緊張が偶発的に戦争に発展することを防ぐことができる。
豪州に沿岸警備隊が設立されれば、南シナ海で中国に対抗する上で均衡の取れた役割を果たすことができるようになる。海軍による直接的なアプローチは緊張を高めるリスクがある。警察力は、このリスクを軽減し、比例的な対応を可能にするだろう。
軍事能力を持った専門の沿岸警備隊の設立によって、豪州は効果的な対応をするために必要な部隊の編制を整えることが可能となるだろう。それは、豪州がグレーゾーン水域で勝利するために必要なものである。
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複雑すぎる豪州の海洋警備機関
この記事は、豪州は南シナ海における中国の領土拡大に向けたグレーゾーン作戦に対抗するため、沿岸警備隊を設立すべきだと主張する。その理由として、(1)南シナ海における中国のグレーゾーン作戦に対抗できる、軍事能力を持った専門の沿岸警備隊は中国の侵略に対して「比例対応」を行える、(2)海軍対海軍による直接的なアプローチよりも緊張を高めるリスクが少ない、(3)豪州海軍は戦闘準備に専念できる、(4)米国等の沿岸警備隊との協力も容易になることを挙げる。
豪州沿岸警備隊を設立すべきとの考えは、合理的な主張だろう。南シナ海のグレーゾーン対処(比例対応)の議論は理屈に合うし、それは豪州が主たる責任を持とうとしている太平洋島嶼国との関係でも重要になって来るだろう。
独立した沿岸警備隊の設立論は、従来から豪州にあり、新たな議論ではない。しかし、それに対し、関係機関の活動の調整や運用の改善で対処すべきとの議論があった。恐らく関係機関の種々の権限の調整・統合や予算の問題、連邦と州の権限の問題があり、まとまらなかったのであろう。そのまま現在に至っている。
豪州には、米国日本のような沿岸警備隊、海上保安庁のような独立した機関はない。海洋警備などの業務は、種々の連邦政府機関や州政府の機関に分散されている。
しかし、現行体制は余りに複雑である。種々の連邦政府機関等を束ねるのは海洋国境司令部(豪州軍と豪州国境部隊が共同運営)で、同司令部は豪州連邦警察、豪州漁業管理機関、豪州海洋安全機関等と協働することとなっている。
さらに高まる沿岸警備隊の重要性
沿岸警備隊の役割は、軍にはない、柔軟な手段として一層重要になっている。中国の海警局艦艇に対応する対象的な手段として重要であるばかりか、主要国の沿岸警備隊(日本では海上保安庁)の間の国際協力の相手としても重要になっている。例えば、今年5月海上保安庁は専門家4人をマーシャル諸島に派遣し、海上自衛隊と連携して同国海上保安機関職員に対する能力向上支援を実施した。
岡崎研究所
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10月18日 YAHOO!JAPANニュース ワニブックス刊「親中国家・オーストラリアがついに反旗を翻す! かと思いきや、途切れなかった「蜜月関係」
中川 コージ管理学博士(経営学博士)
インド政府立IIMインド管理大学ラクナウノイダ公共政策センターフェロープロフィール
中国のオーストラリア財政界への浸透が浮き彫りになって以来、長らく親密な関係を築き上げていた豪中関係に亀裂が生じている。しかし豪・アルバニージ首相の対応は反中とは思えぬものだった。
中国系住民の多いオーストラリア。近年オーストラリア財政界での中国資本の浸透は深刻な問題となり、政府は親中から反中路線へと舵を切ったかに思われた。しかし2023年以降の現アルバニージ首相の対中姿勢を見るに、両国の関係は未だ親密さを保っているようだ。中国研究者でありインドの国立大学研究フェローの中川コージ氏は『日本が勝つための経済安全保障——エコノミック・インテリジェンス』(ワニブックス刊)にて「中豪関係」について詳しく解説している。本書より一部を抜粋して紹介する。
親中から反中へ、さらに展開するオーストラリア
オーストラリアはもともと非常に親中的な国でしたが、近年、政策を転換し、中国への警戒を強めたことで豪中関係は悪化していました。そのきっかけはまさに経済安全保障の問題が中心でした。
在豪華人も多く、政財界に中国系住民たちが浸透しているオーストラリアでは、2005年頃から自由貿易協定交渉が進められ、中国からの幅広い投資を受け入れるとともに、資源国であるオーストラリアも多くの石炭などを中国に輸出してきました。そのため、オーストラリアの貿易における対中依存度は年々高まる傾向にありました。
さらにはオーストラリアの基幹インフラである電力会社やエネルギー分野における中国からの投資比率や、中国系企業による買収が増加。
特に電力会社に関しては、豪ビクトリア州の5つの電力供給会社をおさえ、南豪の送電会社の一部を中国国営企業の「国家電網公司」が運営するに至りました。それ以外の電力会社を所有するのも、香港企業「長江基建」と、中国資本に電力をほぼ握られる格好になりました。
在豪華人が財政界に深く浸透
また2015年にはダーウィン港の99年の租借権が中国企業・嵐橋集団(ランドブリッジ社)に売却されるなど、目に見えた「浸透」が警戒されるようになりました。
さらには豪国会議員に対する大規模な汚職事件が発覚。これにより、在豪華人がオーストラリアの政財界に深く浸透していることが改めて注目されました。
こうしたことがきっかけとなり、オーストラリア社会に、いかに中国当局の意図に基づく「親中的な政策の推進」や「親中的世論の形成」が行われてきたか、チャールズ・スタート大学教授のクライブ・ハミルトン教授が『サイレントインベーション』(邦訳『目に見えぬ侵略』、飛鳥新社)により明らかにすると大きな話題となり、オーストラリアの対中姿勢は一変することになりました。
オーストラリアの歴代政権は対中融和的であることが多く、特にボブ・ホーク政権、ケビン・ラッド政権、マルコム・ターンブル政権はその傾向が強く、中国の浸透も勢いを増していましたが、ターンブル政権は途中で対中姿勢を転換しました。
「対中貿易で利益を上げることよりも、国家の安全保障を最優先すべき」との方針を掲げ、2016年に外国投資審査委員会を強化し、中枢インフラセンターを新設。基幹インフラに相当する電力、水道、港湾関係などの施設に対する外資規制を強化しました。
2018年にスコット・モリソン政権になってからは対中強硬姿勢を強め、安全保障面においてもQuadの枠組みに積極的に参加、さらには米英との安全保障枠組みである「AUKUS」を創設するなど、経済・安全保障両面での中国対策を強化しています。2022年には政権交代があり、オーストラリア労働党のアンソニー・アルバニージ首相が就任しました。労働党は先に挙げた歴代「親中政権」時の与党ですが、アルバニージ首相は就任早々、来日して「Quad」会合に参加したほか、記者会見でも「中国との関係は困難なものだ」「変わったのは中国の方であり、我々は自らの信じる価値観を守るべきだ」と発言。オーストラリアの対中姿勢は、当面厳しいままとなることが想定されていました。
両国首相が笑顔で握手。一転して近づく豪中関係
ところが、2023年9月ASEAN首脳会談時に、アルバニージ首相が中国の李(り)強(きょう)首相との非公式会談で年内に訪中する意向を伝えたことが報じられました。実際にそれは実現し、同年11月の中国輸入博では両首相が笑顔で握手する様子が伝えられます。豪首相の訪中は7年ぶりのことでした。
中国側は、過去数年にわたる米国から貿易関係希薄化に向けて二国間経済関係の再構築をされることに反発しており、そんな中で、中国の対外経済開放をアピールする場と位置づけられる中国輸入博の開幕式に、米国と距離が近くファイブアイズ(米英加豪NZ五カ国による越境インテリジェンス共有枠組)の一角を担う豪州の首相がにこやかにやってきたことを喧伝できたことは、対米牽制の意味でも嬉しかったことでしょう。
中国側がエコノミック・ステイトクラフトを発動し豪州産ワイン輸入規制をかけた際には、SNSで豪州産ワインを買ってオーストラリアを応援しようというキャンペーンまで賑わったものですが、あれを応援した私たちは何だったのか、と思うほどです。安全保障では中豪関係は引き続き厳しいものですが、経済面では一気に雪解けに転じ、アルバニージ首相は訪中の際に習近平国家主席との首脳会談も実現させています。
続く記事【中国の「一帯一路」構想はもはやオワコンか…その「驚きの実態」が見えてきた】では、アメリカを凌駕するための中国の構想について、その実態を解説しています。
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