🛳56」─1─中国が台湾に侵攻すれば「日本と欧州の医療」が崩壊する。~No.259 

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 2024年6月26日 YAHOO!JAPANニュース クーリエ・ジャポン「中国が台湾に侵攻すれば、「欧州の医療」が崩壊するかもしれない─医薬品有効成分の大部分が「中国頼み」の現状
 コスト削減の圧力により、欧州の医薬品の生産は中国に依存している Photo: Wodicka / ullstein bild / Getty Images
 メタミゾールは、ドイツやオーストリアではイブプロフェンの次に一般的な鎮痛剤の有効成分だ。これを生産する拠点は、欧州には1ヵ所しか残っていない。ドイツにあるその最後の1ヵ所も2025年末に閉鎖されることが決まり、物議を醸している。
 【画像】ドイツの医薬品成分の生産拠点
 なぜなら、今後この成分について、欧州は中国に完全に依存することになるからだ。
 高まる中国依存
 欧州の医薬品の中国依存は「いまに始まったことではない」と、オーストリア薬剤師会はオーストリア紙「デア・シュタンダード」の取材で述べている。メタミゾールに限らず、多くの医薬品の有効成分はいま、欧州ではほとんど生産されていない。特に「抗生物質に関しては、もう長いこと中国頼みだった」ようだ。
 医薬品の生産拠点が中国に移るのは、ひとえにコストの問題だ。製薬会社の利益は1箱数円にしかならないため、少しでも生産コストの削減が求められる。
 また、ドイツなどではジェネリック医薬品に対する構造的なコスト削減圧力が強くなっており、健康保険基金などの入札で選ばれるために、激しい値下げ競争が起こっているという。
 こうして、この20年あまりで医薬品の中国依存は急速に高まっていった。デア・シュタンダードによると、2000年にはジェネリック医薬品に使われる有効成分の3分の2が欧州で生産されていたが、2020年には70%が中国またはインドで生産されるようになった。
 台湾有事というリスク
 医薬品に限った話ではないが、現在の世界情勢を考えると、モノの供給を中国に依存するリスクはますます大きくなっていると言える。
 最も懸念されるのは、中国による台湾侵攻の可能性が現実味を帯びてきていることだ。独紙「フランクフルター・ルントシャウ」は、ウクライナ戦争におけるロシア産のガスと同じようなことが、中国産の医薬品成分でも起こるかもしれないと書く。つまり、西側が制裁を与えるような軍事行動を中国が起こせば、欧州への医薬品成分の供給が制限されるかもしれないのだ。
 各国政府はこの危険性を認識していないわけではない。ドイツの経済相は先日、国内の医薬品工場を視察し、ジェネリック医薬品の生産を国内にとどめるために対策を講じると表明した。オーストリア政府は、約700種類の重要な医薬品を4ヵ月分備蓄する仕組みを作ると発表した。
 しかし、各国の取り組みには効果に限界があるため、欧州全体で解決にあたるべきだと、オーストリアの製薬業界団体の代表は指摘する。
 そして、それはすぐに始めなければならない。オーストリアの薬剤師会は、「欧州でリスクの少ない供給体制を確立しようという政治的意志があったとしても、実現には少なくとも10年はかかるだろう」とデア・シュタンダードの取材で訴えている。
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