🦟15」─2─中国の新国産空母「山東」打撃群は米軍を超える脅威として日本の安全を脅かす。〜No.112No.113 

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 2023年9月28日 MicrosoftStartニュース 現代ビジネス「中国の新国産空母「山東」打撃群の「米軍を超える驚異のターンアラウンド」と日本の防衛ラインに浮上する「深刻な懸念」
 鈴木 衛士
 2回目となる太平洋での活動
 中国初の国産空母で中国海軍2隻目となる「山東(さんとう/CV-17:67,000トン級)」を中心とする空母打撃群(グループ)が、9月13日から15日にかけて、台湾南方からフィリピン北方のバシー海峡東方の太平洋上において演習を実施した模様である。
 今回、この「山東」が、いつ母港である海南島の三亜(さんあ)を出港したのかは不明ながら、台湾国防部によると、すでに9月11日には台湾最南端の鵝鑾鼻(がらんび)岬南方約110kmをこのグループが東方へ向けて航行していた。
 その後13日には、宮古島沖縄県)の南方約650kmの海域を、空母「山東」のほかミサイル駆逐艦「ルーヤンIII:DDG-164・DDG-173/7,500トン級」の2隻と、ミサイルフリゲート「ジャンカイII:FFG-500・FFG-536/4,000トン級」の2隻、並びに、フユ級高速戦闘支援艦「AOE-905/48,000トン級」の計6隻が、宮古島沖縄県)の南方約650kmの海域で航行しているのを海上自衛隊が確認した。
 統合幕僚監部 報道発表資料(9/13)より
 © 現代ビジネス
 この際、空母「山東」において艦載戦闘機と艦載ヘリが発着艦している様子も確認された。https://www.mod.go.jp/js/pdf/2023/p20230913_04.pdf
 「遼寧」グループ時の半分以下の期間で打撃群を編成
空母「山東」がこのバシー海峡を抜けて太平洋へ進出したことが確認されたのは、本年4月以来これが2回目である。
 本年4月には、この空母「山東」を中心としたグループ(山東のほか、レンハイ級ミサイル巡洋艦×1、ルーヤンIII級ミサイル駆逐艦×1、ジャンカイII級ミサイルフリゲート×2、フユ級高速戦闘支援艦×1、フチ級補給艦×1の計7隻)が、約20日間にわたって宮古島南方から沖ノ鳥島南方の太平洋上で活動した。これが、この「山東」グループによる初めての外洋における演習行動であったと見られる。
 この4月に活動したグループが、すべて南海艦隊の所属艦で構成されていたことや、フユ級高速戦闘支援艦が加わっていたことなどから、この時期に南海艦隊において空母打撃群の編成がなされ、本格的に運用が開始された時期であろう。
 ちなみに、中国海軍の1番艦である北海艦隊所属の「遼寧」の場合は、就役したのが2012年9月で、今回のように空母打撃群を編成して太平洋へ進出し、飛行隊規模での艦載戦闘機による訓練を実施したのは、2021年4月であった。これについては、同年4月9日の拙稿『中国海軍の空母がまたも日本近海へ「挑発行動」…わが国の防衛に「必要なもの」』、で述べたとおりである。
 これを見ると、初めての空母運用ということもあり、空母打撃群を編成した本格的な運用までに8年半の期間を要している。
 これに比べて今回の空母「山東」は、この「遼寧」と同じタイプ(クズネツォフ級)ということもあり、就役までの段階ですでに北海艦隊などにおいて搭乗員の養成などが行われていたものと見られ、2019年12月の就役からこの4月まで3年少々で本格的な運用が開始された。「遼寧」の時と比較すると半分以下の期間である。
 空母「山東」は運用のインターバルも短縮
 空母「山東」のグループが凄いのは初度運用開始の時期だけではない。注目すべきは、本格的に運用を開始した4月から半年もたたないこの9月に、空母「山東」による新たな編成の空母打撃群が再び太平洋で演習を開始したということである。
 統合幕僚監部 報道発表資料(9/13)より
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 このインターバルに我々は刮目する必要がある。なぜならば、米海軍の空母は、1年のうち約5~6ヵ月を整備期間に要している。一方、今回の空母「山東」は、前回の外洋進出から帰港後約4ヵ月で再び出港して外洋で演習などを実施した。
 ちなみに、中国空母の1番艦である「遼寧」のグループは、2022年5月19日の拙稿『中国の「挑発行動」が止まらない…空母が実戦的“演習フェーズ”に突入した意味』で述べたように、2021年以降は例年、4月~5月ごろと12月~1月ごろの年2回、太平洋に進出して演習活動などを行っているが、これも約5~6ヵ月のインターバルをおいている。
 今回のインターバルが示す「今後の脅威」
このローテーションで行けば、活動期間が現在のように約1ヵ月程度とすると、単純計算で最大1年に3回、のべ3ヵ月間の活動が可能となる。これを北海艦隊の空母「遼寧」のグループも同時に行えるようになれば、1年のうちの約半分の期間(通算6ヵ月間)はこの太平洋海域などわが国周辺に空母グループが存在するということになる。
 これに対応(警戒監視)する海上自衛隊の艦艇や航空機、航空自衛隊の情報収集機や(本邦に接近する空母艦載機などへ)スクランブル発進する戦闘機など、自衛隊にかかる負担は過大なものとなるであろう。
 とりもなおさず、これは、中国にとってそのプレゼンス効果は極めて大きいということであり、我々にとってこれは由々しき事態である。
 今回この空母「山東」グループやこの艦載機は、現在まで日本本土へは接近していないものの、台湾国防部の発表によると、台湾周辺へは艦載機などがかなり執拗に接近を繰り返しているようである。
 今回は、空母艦載機などの外洋における活動の習熟はもとより、台湾への軍事的プレッシャーも主たる目的だったのであろう。バシー海峡南シナ海方面へ西航したものの、25日の台湾国防部の発表によると未だ台湾南方の南シナ海で活動している模様であり、再び宮古島南方辺りに戻ってくる可能性もあり、引き続き注意が必要だ。
 いずれにせよ、わが国周辺における、このような空母グループによる活動が今後増加するのは間違いなさそうであり、自衛隊はいたずらにこの活動に振り回されないよう、偵察型無人機や偵察衛星の有効活用など、その対応の在り方を十分に検討しておく必要があろう。
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