🦎17」─3・B─シンガポールは中国人移民増加と巨額のチャイナ・マネーで中国化する。~No.60 

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   ・   ・   {東山道美濃国・百姓の次男・栗山正博}・  
 2023年2月12日11:00 YAHOO!JAPANニュース クーリエ・ジャポン「急激に“中国化”するシンガポールは「アジアのスイス」の地位を守れるか? 新冷戦時代に移住者バブルを生んだ「チャイナ・マネーの功罪」
 シンガポールの高級エリア、マリーナベイ地区 Photo by Joseph Nair/NurPhoto via Getty Images
 コロナ禍で多くの中国人富裕層を受け入れたシンガポールは、いまや「アジアの金融ハブ」の地位を確立し、好景気に沸いている。だが、専門家や地元住民は、新冷戦時代に急速に進む自国の“中国化”に不安を隠せない。中国人の大移住によって変貌を遂げつつある同国の実情を英経済紙が取材した。
 【画像】急激に“中国化”するシンガポールは「アジアのスイス」の地位を守れるか? 新冷戦時代に移住者バブルを生んだ「チャイナ・マネーの功罪」
 ある火曜の朝、シンガポールのレッドヒル街区に建つロールスロイスショールームは、すでに活気づいていた。
 米中間の緊張は依然として高く、金融市場も神経質な動きを見せ、景気後退のリスクが世界中に大きな影を落とす。富裕層にとってはそんないまこそが、8万ドル(約1000万円)の頭金でホットピンクのロールスロイス「ファントム」を購入する絶好のタイミングというわけだ。
 シンガポールではロールスロイスの登録台数が2021年に急増し、翌年も記録的な水準で伸びた。キャンセル待ちは数年先まで続くという。
 ディーラーによれば、新規の購入層の大半を占めるのが中国人だ。
 彼らは国内有数の観光地セントーサ島などに建つ富裕層向けの邸宅やマンションから、高級ショッピングモールにファミリーファンドの事務所、オーチャードロードのプライベートクラブまでのわずかな距離をロールスロイスで往復する。
 こうした光景は、変貌するシンガポールの一端だ。中国本土の富裕層が、地政学的な緊張とデカップリング(経済的分断)の回避地として、シンガポールに目を向けているのだ。
 アジアで起きる劇的な「富の移転」
 本紙が現地の銀行関係者や投資家に取材したところ、中国人の起業家たちにとってシンガポールは、来たるべき一連の嵐を乗り切るための“避難船”なのだという。
 また、ウォール街など世界に名だたる金融界も、シンガポールを中国人富裕層との「交流拠点」とみなす。
 シンガポールは数十年来、「アジアのスイス」と称して自国を売り込んできた。当局の元トップは「新冷戦の時代になり、この売り文句がようやく現実になりつつある」と話す。だが、シンガポールが中国的な特色を持ったスイス化をどの程度許容するかという問題はある。
 リー・クアン・ユー公共政策大学院の客員研究員、ドリュー・トンプソンは言う。
 「アジアでは、劇的な『富の移転』が起きています。資本は最も安全かつリターンの高い場所にすばやく移るものです。シンガポールはアジアにおいて、まさにそういう場所なのです」
 シンガポールは、目に見えて変化している。中国本土からの不動産取引が増えたし、中国人の入学希望者が殺到するインターナショナルスクールは、パンク状態だ。ミシュランの星付き中国料理レストランも予約で埋まっている。空きが出るのは2024年4月頃からだろうか。
 シンガポールは中国マネーの流入によって、「アジアの金融ハブ」としての地位をいちだんと強化した。シンガポール籍の中国系ファミリーファンドは数年前までは数えるほどしかなかったが、現在は推計で600に急増した。さらにここ1年で約500の中国企業シンガポール市内で法人登録し、ここを足がかりにインドなど、事業展開に障壁のある国や地域へ大胆に乗り出そうとしている。
 こうした動きに伴い、個人資産管理やその他の金融サービスを提供するビジネスも飛躍的に急増している。欧米や日本の大手投資銀行も香港からシンガポールへ、続々と拠点を移している。
 法律事務所デントンズ・ロディクで、個人資産管理とファミリーオフィス部門を共同で統括するキア・メン・ローはこう話す。
 「中国本土の顧客の多くは、香港よりも政治的に安定し、アジアの金融ハブとしての地位が高まっているシンガポールを安全な長期投資先とみなしているようです。シンガポールは政治も経済も安定していますから」
 たしかに、現在の地政学的な不確実性のなかでシンガポールは絶好の地位を占めているが、明らかなリスクもある。資本と個人の国外流出が中国側の許容範囲を超えれば、不測の事態を招く恐れがあるからだ。
 中国人の急速な流入がまた、シンガポール社会に反発を生む可能性もあると、政府高官は警戒する。地域住民は、生活費・家賃の高騰や学校の不足、ロールスロイスの増加に危機意識を抱き、社会の分断に怒りを表す。また、これほどまでに大量の資本が急激に流入すると、シンガポールを資金の隠し場所として悪用しようとする人に目をつけられる恐れもある。
 シンガポールに拠点を置くある投資銀行の関係者は、「資本もそれを管理する人たちも、簡単に流出するものだ」と警告する。(続く)
 後編では、中国人移住者の富裕な生活ぶりや、急速な中国化に危機感を募らせる地元住民の声、新冷戦時代にシンガポールが抱えるリスクについて紹介する。
 Mercedes Ruehl and Leo Lewis
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 2月12日 「香港は半面教師」米中対立の激化に危機感を募らせる地元住民
 中国人の大量移住はシンガポールの「存亡を脅かすリスク」だ─専門家が警鐘
 シンガポールのチャイナタウン Photo by Maverick Asio/SOPA Images/LightRocket via Getty Images
 フィナンシャル・タイムズ(英国)フィナンシャル・タイムズ(英国)
 Text by Mercedes Ruehl and Leo Lewis
 シンガポールは「アジアのスイス」の地位を守れるか?
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 中国人がシンガポールを選ぶ理由
 19世紀、英国の植民地行政官スタンフォードラッフルズが、シンガポール自由貿易港として開港した。以来、この国は中国人の移住と資本の中心地となってきた。シンガポールの総人口の4分の3にあたる約350万人が中華系で、新規移住組もすぐに溶け込める土壌がある。
 「シンガポール経済において、チャイナマネーはつねに重要な役割を果たしてきました」と、インシグニア・ベンチャーズ代表のインラン・タンは話す。同ベンチャーキャピタルファンドは、シンガポールに拠点を置き、中国人投資家を多く抱える。
 新型コロナのパンデミックによって、同国の魅力はさらに高まった。中国が世界から自国を切り離して厳しいロックダウン政策を断行し、富裕層への締め付けを強めた結果、海外移住に目を向ける国民が増えたからだ。欧米が中国による投資やビジネスに警戒を強めるなか、政治的に中立で安定度が高く、低い税率と汚職の少ないシンガポールは彼らにとってうってつけの場所だった。
 シンガポールで投資目的の移住コンサルティングをおこなうヘンリー&パートナーズ社には、2022年に中国本土からの問い合わせが殺到した。同年11月末時点で、2021年通期比の83%増を記録したという。
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 こうした中国資本の流入が最も顕著に見られるのが、富裕層とその親族の資産管理を請け負うファミリーオフィスだ。中国人がシンガポールに居住すると、彼らのファミリーオフィスも税制上の優遇措置の対象となる。金融規制当局の世界的な評価の高さと安定した政情から、シンガポールに拠点を置くファンドは爆発的に増えている。当局は申請の対応に追われ、認可が下りるのには数ヵ月かかるという。
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 2月12日8時 MicrosoftStartニュース 時事通信「日本、アジアで影響力低下=防衛力拡大でも補えず―豪研究所
 【シドニー時事】アジアにおける日本の影響力は低下しており、防衛力を拡大しても補えない―。オーストラリアのシンクタンク、ローウィー国際政策研究所が、このほどまとめた「2023年アジア・パワー指数」報告書でこんな分析を示した。
 同研究所は18年以降、経済、軍事、文化など8分野のデータを基に、アジアでの影響力を指数化。対象26カ国・地域のうち、米国、中国に次いで日本は3位の37.2ポイント(満点=100)で、21年の前回より1.4ポイント低下した。
 日本は防衛費の大幅増へ動き、米国や豪州などとの共同訓練を進めたことから、軍事分野の指標が上昇。しかし、経済、文化、外交、危機適応力などの分野は軒並み低下した。総合的に影響力が落ちている要因として、国内総生産(GDP)の低成長、少子高齢化、研究・開発への投資減少を挙げた。
 同研究所は「日本が完結した安全保障の主体として急速に台頭することはなく、経済や文化の影響力低下を補えるほど決定的なものにもならない」と指摘。日本の防衛力強化について「中国にまとまって対抗するための貢献としては、米国の期待を下回るだろう」との見方を示した。
 中国の影響力は前回比2.1ポイント減の72.5ポイントと、最大の下げ幅となった。新型コロナウイルス感染封じ込めのため経済活動を制限した「ゼロコロナ政策」が響いた。5位のロシアはウクライナ侵攻に伴い、外交分野の指標が大きく落ち込んだ。 
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