💣17」─1・B─戦争心理学。プーチン大統領。ロシア兵によるウクライナ人虐殺。~No.59No.60No.61 

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   ・   ・   {東山道美濃国・百姓の次男・栗山正博}・   
 2022年4月23日号 週刊現代「女子供も老人もお構いなし レイプや略奪、皆殺しが横行する戦場の狂気
 『戦争心理学』の研究 
 人はこうして人を虐殺する
 これは本当に21世紀の光景なのか?キーウ近郊の町の惨状に震撼した。遺体を処理するウクライナの人々には静かな怒りと悲しみの影がよぎる。兵士が虐殺へと至る道のりをさぐった。
 2%の『攻撃的人格者』
 4月12日、ロシアのプーチン大統領は、同国東部の宇宙基地を訪問、記者会見を行った。もちろん、その間もウクライナには砲弾が撃ち込まれ、人々が殺されている。
 『ウクライナに起きていることは悲劇だが、我々に選択肢がなかったのは明らかだ。特別軍事作戦は計画どおりすすんでおり、今後も粛々と実行する』
 悲劇という言葉を使っても、プーチンの表情に何の変化もない。プチャの虐殺について問われたも『フェイクだ』と平然としていた。
 人間同士が殺し合う極限状態、それが戦争だ。
 普通の兵士なら敵とはいえ、人間を殺すことに強い抵抗を感じる。第二次大戦中、米軍のライフル銃兵は戦場で15~20%しか敵に向かって発砲していなかったという調査結果があるほどなのだ。
 ところが軍隊の中でも2%の兵士は、特異な『攻撃的素因』を持つ。
 彼らは後悔や自責の念を感じずに人を殺すことができ、戦闘状態にトラウマを感じない。普通の兵士ならば長引く戦闘で精神をやられて疲労困憊する時期になっても、平静を保っていられるという。まさにプーチンがそれにあたる。
 『全体主義国家の、この2%が他の者を踏みつけにして軍や諜報機関などのトップに上り詰める人です。ソシオパス(社会病質者)と呼ばれる人格異常者で、残虐な行為を平気で行う者もいます。
 ただし彼らは反社会的な犯罪者とは違う。国家の方針や上官の命令といった〝自身にとって正当な理由(必ずしも正義であるとは限らない)〟を与えられた場合に、人間の本能に逆らってもそれを遂行できる能力を持っているということです。ですから社会的成功を手にすることが多い。プーチンはソシオパスであると同時に冷徹なナルシストでもある。全体主義国家でトップになれる要素のすべてが揃っています』
 こう語るのは、軍事心理学の世界的権威で、元陸軍士官学校(ウエストポイント)の心理学・軍事社会学教授をつとめたデーヴ・グロスマン氏である。
 2月24日に始まったウクライナ戦争は、ロシア軍は一度は首都キーウに迫りながら陥落させられずに撤退し、3月末から東部地域の集中攻撃へと矛先を変えた。
 ロシア軍の転進後、次々と明らかになったのがキーウ近郊での多数の民間人虐殺だった。手足を拘束されて頭を撃ち抜かれたり、拷問の跡が残る遺体などが路上に散乱したブチャの光景は、全世界を震撼させた。
 ブチャ、ボロディアンカなどの町は破壊されつくされ、キーウ州での女性・子供を含む民間人の犠牲者は1,200人を超えた(4月13日現在)。略奪、性的暴力も多数報告されている。まさに身も凍るような蛮行だ。いったい何がロシア兵を鬼畜の如き存在へと変えたのだろうか。
 人を〝餌食〟としか見ない
 ブチャの虐殺では、当初、町を占領した年若いロシア兵たちは住民に危害を加えなかった、という証言がある。だが、その後に進駐してきた年配の、特殊部隊と思われる兵たちによって虐殺が始まったというのだ。
 グロスマン氏が続ける。
 『最前線の戦いは、言ってみれば武装した兵同士の縄張り争いであり、片方が屈服すれば終わります。残虐な行為、多くの殺害を行うのは、2番目に入ってくる小部隊です。攻撃計画がうまくいっておらず、状況が不安定な中で町を制圧する必要がある彼らは、上官から強いプレッシャーを受けています。そうした部隊の前で非武装の市民が逃げ惑うと、彼らにとって相手はもはや〝餌食(えじき)〟にしか見えなくなる。そして残忍な行為に及ぶのです。
 集団でなさることも重要な要素です。これは動物的な本能であり、たとえばキツネは群れになると食べきれないほどの鴨を殺すことが知られています。無意味な暴力は、集団の中で匿名性が保たれている時に行われるのです』
 こうした残虐行為は、必ずしも偶発的に起こるわけではない。軍事心理学が専門の同志社大学教授・余語真夫氏は語る。
 『歴史上のジェノサイド(大量虐殺)は、組織的に行われてきました。
 第2次大戦ユダヤ人虐殺では、ドイツの一般兵士だけでなくナチ親衛隊や将校、そして計画立案者であったアイヒマン自身も処刑に極度の抵抗感を抱いていたとされます。
 そこで士気の崩壊を恐れたアイヒマンは、貨物列車にユダヤ人を詰め込んで移送し、強制収容所に到達したら弱い者からガス室送りにしました。そして、死体はユダヤ人のゾンダーコマンドに処理させたのです。
 殺害とはいわずに、〝最終的解決〟と言い換えることも、ナチス側の心理的なトラウマを軽減する方法のひとつでした』
 戦場では、言葉の言い換えが多数行われる。兵士たちは戦場で敵を『殺す』とは言わず、『倒す』ばらす『片付ける』などと言う。蔑称も、敵を一人の人間として意識しないようにするための心理的防御策だ。
 『ホモ・サピエンスには他の動物に見られれない強固な協力性という性質があります。場合によっては自己を犠牲にしても他者を助けますが、それは自分の仲間であると認識した範囲(内集団)までです。そして内集団に対して協力性が発揮されると、合わせ鏡のように外に対しては排他的、攻撃的になる。外集団はあたかも同じ人間ではないかのように位置づけられ、ダニや菌よばわりされるのです』(名古屋大学大学院情報学研究科教授・大平英樹氏)
 真面目な人間ほど残虐に
 戦場では敵との距離が近いほどストレスが強くなる。相手の表情が見える至近距離で撃ち殺すより、1Km以上離れた戦車にロケット弾を撃ち込むほうが罪悪感を感じないという。多くの兵士は、自分が手を下した結果を見てしまうと強いストレスを感じるのだ。
 『近年では最新軍事技術としてドローン攻撃などが取り入れられています。ですが、アフガン戦争でドローンを操作した米兵にPTSDが続出したことがありました。その理由は自分が安全な場所におり、モニターに映った敵がドローン攻撃で木っ端微塵になる映像を眺めていたためでした。また、後日確認のため録画を視聴し、ストレスが増大したという報告もあります』(前出・余語氏)
 今回ロシア軍がブチャの惨殺遺体の多くを放置したことは、ウクライナ側の『心を折る』ため意図的になされた疑いがある。虐殺という行為の後始末をウクライナ人に押しつけ、自分たちのストレスを軽減する一方、精神的ダメージを与える悪魔の仕業に他ならない。
 実際、4月4日にブチャ現地を視察したウクライナのゼレンスキー大統領は衝撃を隠さず、憔悴(しょうすい)した表情を浮かべた。翌日には国連安保理のオンライン演説で怒りもあらわにロシアを非難したが、ブチャ視察以来、顔のやつれが目立つようになっている。そんな敵リーダーの様子に、プーチンはほくそ笑んでいるはずだ。
 しかし、疑問を抱く人も多いだろう。非人道的な命令に、普通の兵士は従うのか?
 心理学には『ミルグラム実験』といわれる事例がある。別名『アイヒマン実験』という。
 ナチのユダヤ人絶滅計画の責任者だったアイヒマンは、素顔は実直な一官吏だったとされる。そんな人間が、冷酷無比な行為に手を染めうるのかを検証した実験だ。
 ミルグラム教授のイエール大学の研究室に、新聞広告に応募した何も知らない男性被験者が集められた。『懲罰学習の効果を測る』と説明された彼らは『教師』と『生徒』役に分かれ(実は生徒役はサクラの俳優)、教師役の被験者は教授の指示に従って生徒役に電気ショックをかけるのだ。
 防衛大学教授・河野仁氏の説明を聞こう。
 『実験では、ミルグラム教授の指示に従い、次第に電流を高圧にしていきました(生徒役の俳優が電流を流された演技をする)。生徒役が次第にひどくもだえ苦しみ、やめてくれ!と叫ぶのを目にしても、教授が「責任は我々がとります」「続けてください」と言うと、なんと40人の被験者のうち26人が、死の危険がある最大電圧まで電流を上げたのです。彼らはさまざまな経歴を持った、ごく普通の市民でした。
 この実験で正当な権威を持った人の命令であれば、非人道的な行為でも、人間は命令に従ってしまうことがわかりました。しかも、真面目な人ほどしたがってしまうのです。
 兵士としての役目を真面目に果たそうとすればするほど、残虐行為に手を染めてしまうこともありうるということです』
 本当の惨劇はこれから
 米国国防総省によると現在、ウクライナの戦場には、約19万人のロシア兵が投入され、3万人近くが死傷したとみられている。損耗率は15~20%に迫り、ロシア側の犠牲者も決して少なくない。
 元自衛官で、傭兵として世界各国の紛争を経験した高部正樹氏は言う。
 『ボスニアで経験したことですが、相手側の勢力範囲に進出した時、民兵がいると、周辺すべてが敵に見えるのです。女性だろうが短パン姿の少年だろうが、敵かもしれないと疑い、私服の民間人に向けそうになる。そんな自分に非常な罪悪感を抱き、ストレスがたまります。すると妄想的な症状が出て、〝俺たちは敵に囲まれているのではないか〟という強迫観念に苛まれるようになっていきました』
 最初は『民衆の中から敵を見つけよう』と思っていたのが、『こいつも敵かもしれない』と疑心暗鬼になり、ついには『みんな敵なんだから排除してしまえばいい。そうすれば自分たちが安全になる』と思い詰めるようになった者もいたという。前出・余語氏が言う。
 『軍隊では軍規が絶対です。しかし激戦地のマリウポリなどでは、現場の小隊あるいは一兵卒の独断でマニュアルにない肉弾戦が展開されているでしょう。
 ロシア軍はすでに6,000件もの戦争犯罪をしたと認定されています。つまり今のロシア軍は何の躊躇もなくいくらでも残虐な戦闘を行う集団になってしまっている。とらえられた兵士や民間人が生きたまま手足を切断されたりしていても不思議ではありません。もはやロシア軍は一国の軍隊として敬意を持つ相手ではありません』
 気がかりなことは他にもある。前出・グロスマン氏の著書『戦争における「人殺し」の心理学』には、兵士のストレスがどのような経過をたどるか、という研究が記されている。
 それによれば、普通の兵士は開始から10日が過ぎた頃から戦場慣れし、能力を発揮するが、30日を過ぎると疲労困憊となり、40日が過ぎると無気力になっていくという。グロスマン氏は言う。
 『ある軍人は私にこう語りました。世界の大半は羊だ。優しく従順で攻撃的になることができない。だが自分は羊の群れを統率する犬だ。忠実で、狼に向かっては十分に攻撃的にもなれる、と』
 ロシア軍の98%の兵士は、現在『こんなことには耐えられない』と思うようになっているはずだ。
 しかし2%の者たちは、敵を狼と見なして容赦なく狩り、頭目であるプーチンの命令一下、羊までも皆殺しにして省みない残忍性を増していく。
 侵攻から7週間が過ぎたこれからが惨劇の本番だ。それが戦争の恐るべきげんじつなのである。」
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 戦争犯罪では、敗戦国は有罪として全ての罪を負い、戦勝国は無罪として全ての行為で免責された。
 つまり、勝てば官軍・負ければ賊軍である。
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 日本国と日本人を戦争犯罪で裁いた軍事法廷では、国際法で禁止している一般市民や敵兵捕虜に対する非人道的な殺害・虐待・暴力等の犯罪行為を行ったB級C級戦争犯罪人の日本人は、人間としての善悪判断を捨て上官の命令を忠実に実行した事で有罪となって処刑された。
 命じた上官は、自分で戦争犯罪行為を実行したわけではないとして死刑ではなく禁錮刑の判決を受けた。
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 歴史的な人道貢献を幾つも行った東条英機A級戦犯達は、虐殺や虐待などの人道に対する罪ではなく、戦争を始めた平和に対する罪で有罪となり人格否定で不名誉な見せしめのリンチ的縛り首で処刑された。
 が、歴史的事実として、当時の昭和天皇東条英機A級戦犯達もアメリカと戦えば勝てない事は知っていただけに、12月頃までは戦争を回避するべく話し合いによる外交努力を続けていた。
 ただし、陸海軍は開戦という職務を遂行する為に軍隊・艦隊・輸送船団を動かしていた。
 米英両軍も、日本との戦争を想定して迎撃準備を整えていた。
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 日米戦争のカギを握っていたのは、中程度国日本ではなく、戦えば必ず勝利する軍事大国アメリカであった。
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 世界の戦史の常識からすると、小国が大国を攻撃する時は宣戦布告なしの奇襲攻撃あるいは騙し討ちで始まる。
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