💠15」─1─バイデン政権は中国軍産複合体企業59社への投資を禁止。恐怖する日本企業。〜No.66No.67No.68 ⑨ 

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 2021年6月11日 MicrosoftNews ダイヤモンド・オンライン「「中国軍関連企業の資金調達」を許す日本の法制度がもたらす危険とは
 平井宏治 
 © ダイヤモンド・オンライン 提供 Photo:PIXTA
 アメリカのバイデン大統領は6月3日、中国の軍産複合体と関連があるとされる企業59社に、米国人が投資することを禁止する大統領令を発表した。一方、日本では中国軍産複合体に投資することを禁止する制度がないため、日本の投資家が中国の証券取引所に上場された中国の軍産複合体の株式や債券を購入することで中国の軍備の拡大や近代化に使われ、わが国の安全保障を脅かしている。日本でも早急に法規制を整備することが求められている。(株式会社アシスト社長 平井宏治)
 バイデン政権は
 中国59社への投資を禁止
 アメリカの国防総省は、2020年6月12日に、「共産主義中国の軍事企業」を公表した。このリストには、アメリカの国防総省が認定した中国共産党人民解放軍と関係が深いとする中国企業名が記載されている。
 その後、2020年11月12日、トランプ大統領(当時)が、国際緊急経済権限法(IEEPA)に基づき発令された「共産主義中国の軍事企業に資金を供給することとなる証券投資の脅威に対応するための大統領令」(EO13959号)を発令した。
 アメリカの政権交代後、EO13959号の扱いがどうなるか注目していたが、2021年6月3日、バイデン米大統領は、EO13959号に修正を加える大統領令に署名し、トランプ前大統領の方針を踏襲。アメリカの現政権は中国軍産複合体アメリカから資金調達を行うことを禁止する方針を継続することを明らかにした。
 バイデン大統領が署名した修正大統領令では、対象となる企業が43社から59社(下表)になった。
 アメリカ国民が中国の軍産複合体に資金を提供しないようにするというバイデン政権の意図を示していることに加え、ウイグル人への迫害を助けてきた中国の監視技術企業を含めたため対象範囲が拡大した。
 共和党上院議員のトム・コットンとマルコ・ルビオ、および、民主党上院議員のゲイリー・ピーターズ、マーク・ケリーは先週初め、「アメリカ政府は、中国共産党によるわが国の産業基盤に対する経済的搾取を阻止するために、引き続き大胆な行動を取らなければならない」と述べた。アメリカ議会では中国に対する厳しい対応は、超党派で支持されている。
 アメリカの財務省外国資産管理室(OFAC)は、外交政策・安全保障上の目的から、アメリカが指定した国・地域や特定の個人・団体などについて、取引禁止や資産凍結などの措置を講じている。これをOFAC規制という。
 今回の修正大統領令では、取引禁止の対象となる企業を決定する政府機関が、国防総省から財務省に変更になった。これら59社は、国防総省のリストから財務省のOFACの制裁リストに変更された。
 修正大統領令により、2021年8月2日以降、アメリカの個人や法人が、中国軍産複合体が発行した上場証券やその関連デリバティブ商品(金融商品のひとつ)を購入することが禁止される。ファンドなど通じた間接投資も禁止される。株式の取得や普通社債などの債券の取得、中国軍産複合体59社を組み入れた上場投資信託ETF)、金融派生商品などの購入も禁止となり、2022年6月3日以降は売却も禁止となる。
 ロバート・オブライエン前国家安全保障担当補佐官は、EO13959号の趣旨について「アメリカの投資家が意図せずに、中国人民解放軍と中国の諜報機関の能力向上に使われる資本を提供することを防ぐ」ためと説明したが、バイデン大統領は大統領令で「中国の軍事力強化に関わる軍需産業と、人権侵害を助長する監視技術への資金提供は、アメリカの安全保障上の脅威であり、追加措置が必要だ」と説明し、前政権の方針を踏襲した。
 修正EO13959号は、アメリカの投資家が何年にもわたり中国の軍産複合体の成長を後押ししてきたことを見直し、中国がアメリカの資本市場から資金を吸い上げ、市場から吸い上げられた資金を軍拡に使う行為を阻止するものだ。
 アメリカの証券取引所から追放される
 中国軍産複合体企業
 ニューヨーク証券取引所では、中国移動通信(China Mobile Ltd.)と中国電信(China Telecom Corp.)、中国聯合網絡通信(China Unicom Hong Kong Ltd.)の株式の取引が1月11日に終了。上場廃止となった。さらに、中国海洋石油(China National Offshore Oil Corporation)も上場廃止手続きに入ることが決まり、3月9日に取引停止となった。
 ハイテク技術を駆使する「智能化戦争」では、通信技術が重要な役割を果たす。コンピューターが計算し、人工知能(AI)が判断した内容を現場にリアルタイムに送るのが、高速通信技術だからだ。
 中国移動通信、中国電信、中国聯合網絡通信は、アメリカの資本市場から資金を調達して(=アメリカの金を使い)アメリカの通信分野で市場支配を進めようとしたが、修正EO13959号により阻止された。これら3社がニューヨーク証券取引所から追放されることは、最新の通信規格「5G」普及に向けた中国軍産複合体の資金調達に影響を与える。
 さらに、アメリカの通信当局は中国移動通信アメリカ事業参入を拒否し、中国電信、中国聯合網絡通信にも事業免許の取り消しを警告している。独裁国家の企業に自国の通信分野を支配させることは国家安全保障に直結するからだ。
 中国投資の高利回りに
 魅了される投資家も
 一方で、一部の投資家や金融業者は成立したEO13959号に反対や不満を抱いていた。
 ロイターは「中国債券市場は世界屈指の規模になっている。中国の社債スプレッド(同年限の社債利回りと国債利回りとの差)は、アメリカに比べて投資家に魅力がある。また、投資家は資金を振り向ける市場や地域を広げることで、分散化の恩恵を受けられる」という意見を紹介している。
 また、中国軍産複合体掲載企業の子会社などが発行した社債(2029~2030年償還)の平均利回りは3.1%と、10年ものの米国債利回りより200ベーシスポイント(bp)強も高い(ベーシスポイントとは金利の表示単位で、0.01%のこと)と指摘し、「国際投資家たちは、中国資産をより手に入れたがっている。一歩引いて大きな構図として見ると、中国人民元保有を増やし、中国債券をポートフォリオに加えたいという世界的な意欲は大きい」とも報道した。
 企業が行うエクイティファイナンス自体は何の問題もない。しかし、アメリカの資本市場で調達された資金が、中国軍の兵器近代化に使われて安全保障の脅威となるのであれば、話が変わる。
 自国の安全保障に悪影響を及ぼす事態を避けるために必要な規制と金融機関の手数料収入の機会が失われる問題を同列で論じることは、次元が違う議論だ。
 にもかかわらず、自分たちの懐に入る手数料(もうけ)しか頭になく、中国による強引な現状変更に間接的に加担していることに頬かむりを決め込む人たちがいるのが現実だ。
 こうした投資家たちは「中国軍産複合体掲載企業の子会社などが発行した社債(2029~2030年償還)の平均利回りが、なぜ10年もの米国債よりも高いのか」の理由を考えようとしない。
 中国軍産複合体が発行する社債の利回りがアメリカで発行される国債の利回りよりも2%も高い理由は明らかである。中国軍産複合体アメリカから中国軍の軍備近代化に使う資金を調達するためには、高い利回りという餌(=わな)をぶら下げて、アメリカの投資家をおびき寄せることが必要だからだ。
 もしも、中国軍産複合体が発行する社債の利回りとアメリカの国債が同じ利回りならば、中国軍産複合体社債に投資する奇特な投資家はいないだろう。
 アメリカと同様の
 仕組み作りが喫緊の課題
 アメリカの商務省が輸出管理法に基づきEntity Listを公表しているのに対し、日本は、外国為替及び外国貿易法外為法)に基づき経済産業省が外国ユーザーリストを公表している。
 アメリカのEntity Listとは、国家安全保障や外交政策上の懸念があるとして指定した企業や大学などを記載したブラックリストだ。わが国は、経済産業省大量破壊兵器等の開発等の懸念が払拭(ふっしょく)されない外国所在団体の情報を「外国ユーザーリスト」(ブラックリスト)として公表し、輸出管理を行っている。この仕組みは部品や製品などのモノや機微技術、軍民両用技術などを対象とした輸出管理だ。
 だが、わが国では、軍事利用が懸念される団体などによる資本市場での資金調達を規制するアメリカの国際緊急経済権限法と修正EO13959号に対応する仕組みができていない。わが国では、わが国の投資家が、中国軍産複合体が資金調達する行為に加担することを禁止する制度がない。
 こうしている間も中国軍産複合体が資本市場から資金を調達し、その資金が軍備の拡大や近代化に使われ、わが国の安全保障を脅かしている。
 中国の軍産複合体は、親会社ではなく子会社や関連会社を上場させることが多く、国有企業は特にその傾向が強い。修正EO13959号は、この不備に対応した。
 OFACの制裁リストには、中国の軍産複合体が列挙されている。このリストに記載された中国軍産複合体の中には、日本企業や日本の大学と取引・交流があるものもあり、要注意である。中国軍産複合体と取引を行うことが、企業の社会的責任(CSR)の観点から適切な行為なのかという議論もある。
 わが国が、欧州と足並みをそろえて、アメリカの修正EO13959号に対応する仕組みを作ることは、喫緊の課題である。
 おそらく金融業界の一部は「手数料が減るから」という理由で反対するだろう。
 しかし、繰り返すが、中国軍産複合体が、力による国際社会の現状変更を実現するために高利回りの金融商品を餌にして軍拡資金を西側諸国から調達している。
 レーニンはかつて「資本家は自分の首をつるすロープまで売る」と語ったという。その示唆に富んだ言葉を忘れてはならない。」
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 6月15日22:00 MicrosoftNews 東洋経済オンライン「米国大統領が発表「中国軍産複合体企業」の中身 バイデン政権では59社の企業が指定された
 © 東洋経済オンライン バイデン大統領は「共産中国軍事企業」のリストを更新する大統領令に署名した。
 アメリカ東部時間の6月3日、ジョー・バイデン大統領は、ドナルド・トランプ前大統領の任期中に制定された「共産中国軍事企業」のリストを更新する大統領令に署名した(訳注:共産中国軍事企業に指定されると、アメリカの企業や個人はその企業の上場株式やそれが組み込まれたデリバティブの取引が禁止される)。
 前政権時ではリスト指定を受けたのが44社だったが、今回はそのうち26社を継続して指定し、33の企業と組織を新たに追加した。その結果、指定企業は合計59社に達した。
 基本的には前政権時の方針を踏まえる一方で、バイデン大統領は同リストの名称を「中国軍産複合体企業」に変更した。また、前政権時には国防総省財務省が共同管轄すると定められていたが、今回からは財務省のみの管轄へと変更された。
 シャオミはリストから外された
 前政権から継続して指定されている企業は、国有通信最大手の中国移動(チャイナ・モバイル)、2位の中国電信(チャイナ・テレコム)、3位の中国聯合通信(チャイナ・ユニコム)、国有石油大手の中国海洋石油(CNOOC)、監視カメラ大手の海康威視数字技術(ハイクビジョン)、電子機器の熊猫電子(パンダ)、国有造船最大手の中国船舶集団(CSSC)などだ。
 同じく前政権時から指定されている通信大手の華為技術(ファーウェイ)は、その持ち株会社の華為投資控股も今回新たに追加された。
 新たに指定された企業は、原子力機器の航天晨光(エアロサン)、光学部品メーカーの中光学集団(コースターグループ)、電子部品の火炬電子科技(トーチ・エレクトロン・テクノロジー)、航空機製造の洪都航空工業集団などがある。
 一方、スマートフォン大手の小米(シャオミ)は、今年1月末にアメリカ国防総省財務省に対してリスト指定の解除を求める訴訟を起こし、5月に和解に合意した。その結果、シャオミは今回更新されたリストからは外された(詳細は、米国防総省、シャオミの「軍事企業」指定解除の訳を参照) (財新記者:杜知航)
 ※原文の配信は6月4日」
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