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2021年4月22日号 週刊文春「池上彰のそこから!?
アメリカで現代版『黄禍論』か
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実はアメリカで感染症が流行すると、アジア人のせいにして差別が激化するということが、過去にも繰り返されてきました。こうした動きを『黄禍論』といいます。アジア人つまり黄色人種が白人に害をなすという差別論が黄禍論です。
アメリカでは黒人差別がしばしば大きなニュースになりますが、差別の対象は黄色人種にも及びます。黄色人種に対して差別をするのは白人とは限りません。黒人や中南米系の人たちも含まれます。日頃アメリカで白人によって差別される立場の人が、自分より下の存在を探し出して差別する。残念ながら、そんな負の連鎖が存在するのです。
アメリカでまず差別の対象となったのは中国系です。カリフォルニアで金が見つかったことで1848年から始まったゴールドラッシュでは、一山当てようと世界中から人々が殺到。中国からもやってきた人たちは大陸横断鉄道建設の労働者として雇用されます。鉄道建設が一段落すると、彼らはサンフランシスコなどに住み着き、チャイナタウンを形成しました。
彼らは低賃金でも喜んで働いたため、白人労働者の職を奪い、敵視されるようになります。
中国系そして日系が差別の対象に
1876年、サンフランシスコで天然痘が流行すると、市の公衆衛生の責任者は、チャイナタウンが『疫病の中心地』だと非難しました(廣部泉『黄禍論』)。
アメリカ社会に溶け込もうとせず、独自のタウンを形成している中国系への差別意識が背景にありました。こうした敵意が法律として結実したのが、1882年に制定された『中国人移民排斥法』です。中国人の移民を禁止し、すでに入国している中国人がアメリカ国籍を取得することを禁止したのです。
代わってアメリカに移民としてやってきたのが日本人です。当時の日本は貧しく、農家は長男が継ぐので、次男や三男の中には海外に出て行く人たちがいたのです。
当初アメリカは日本人を受け入れましたが、日露戦争で日本がロシアに勝つと、『黄色人種が白人に戦争で勝った』というイメージが白人の恐怖を高めます。アメリカ国内では、そうした差別意識を助長する新聞がありました。部数を伸ばすためなら何でもやると称されたハーストグループの新聞各紙が日本を敵視するキャンペーンを展開したのです。
その結果、1924年、アメリカ議会は通称『排日移民法』を成立させます。この法律は日本人の移民を禁止することを明文化していませんが、『帰化不能外国人』の移民を禁止していました。中国人の移民が禁止された後、該当するのは日本人だけ。『日本人を対象にしていませんよ』という形を取りながら日本人を差別する法律でした。」
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同じアジア人と言っても日本人と中国人・朝鮮人は違うが、西洋白人やアフリカ人・中南米人からすれば同じ黄色人種である。
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