🛳18─19─中国共産党の借金漬け外交。ソロモン諸島は台湾と断交。トランプ政権は不快。~No.166No.167No.168 * 

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   ・   ・   {東山道美濃国・百姓の次男・栗山正博}・
 中国共産党は、世界を新しい中国ルールで塗り替え、アメリカ中心とした古い欧米ルールを消し去ろうとしている。
 日本は、欧米の古い自由・民主主義ルールを選択するのか、あるいは中国共産党の新しい統制・全体主義ルールを選ぶのか。
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 2019年9月14日 産経新聞「台湾、ソロモン「断交」を警戒 呉外交部長が中国の軍港計画指摘
 【香港=田中靖人】台湾の呉●(=刊の干を金に)燮(ごしょうしょう)外交部長(外相に相当)は14日、産経新聞の電話インタビューに応じ、南太平洋のソロモン諸島が台湾との外交関係の解消を検討していることに強い警戒感を示した。呉氏は中国がソロモンで軍港の建設を目指していると指摘し、同国が台湾と「断交」し中国と国交を結べば、日米豪のインド太平洋戦略は「大きな衝撃を受ける」と警鐘を鳴らした。
 ■「完全に役立たず」
 人口約60万人のソロモンは、台湾がアジア太平洋で外交関係を持つ6カ国のうち最大で、台湾では「断交ドミノ」を生む懸念も強い。台湾の報道によると、同国の内閣は13日、中国との国交樹立を促す超党派グループの報告書について議論したが結論が出ず、17日に再検討するという。ソガバレ首相はこれを含む4件の報告書を参考に最終的な結論を出す方針で、議会外交委員会の報告書は10月末に提出される。
 呉氏は、超党派グループが報告書で訪台調査の結果、台湾にはソロモンを援助する意思も能力もないと記述したことに対し「訪台の事実はなく虚偽で、結論ありき」と反論。世論調査によるとソロモン市民の多数は台湾との関係維持を望んでおり、中国との国交を主張するのは「個人的な利益を重視する政界の一部」だと述べた。
 一方、豪州紙オーストラリアン(電子版)は11日、ソガバレ氏が豪州の研究者に「台湾は完全に役立たずだ」と述べたと報道。同氏が中国の建国記念日(10月1日)前に台湾と「断交」する方針に傾いているとの見方がある。同氏が親中派議員に、今月下旬の国連総会前の中国との国交樹立を伝えたとの情報もある。
 呉氏は、中国がソロモンの西部州ノロ港の拡張に関心を示しており、「完成後は海軍基地として利用できる」と指摘。中国の狙いは、インド太平洋や中南米で進める戦略拠点の確保だと分析した。その上で、独裁国家である中国の勢力拡張は、台湾や日米豪などが目指す「自由で開かれた太平洋のビジョンに大きな挫折をもたらす」と述べた。
 ■5億ドル提供の情報
 台湾はソロモンのマネレ外相を8~12日に台湾に招き関係継続を模索している。ただ、台湾の今年の援助額が850万ドル(約9億2000万円)なのに対し、中国は断交の見返りに、期間は不明だが5億ドル(約540億円)の提供を申し出たとの情報もある。
 呉氏はこの情報について、「中国は過去にも台湾の国交国を奪うため同様の約束をしたが、実行には大きな差がある」と主張。サントメ・プリンシペに6億ドルの港湾、ブルキナファソに10億ドルの高速道路・鉄道建設を約束した例を挙げ「着工すらされていない」と断じた。また、中国の援助国が「債務のわな」に陥っている実態も列挙した。
 台湾との「断交」は、地域での中国の影響力拡大を阻止したい米国やオーストラリアも警戒している。豪州は6月にモリソン首相が10年間で2億5000万豪ドル(約185億円)の支援を表明。米国は今月8日、パプアニューギニアに駐在するソロモン大使がソガバレ氏の元に出向いて「現状維持」を働きかけた。ペンス副大統領も国連総会に合わせて同氏と会談するという。呉氏は米国や日本など各国の支援に謝意を示すと同時に、「理念を共有する国々と協力して最悪の事態を避けたい」と述べた。」
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 9月16日 産経新聞ソロモン諸島が台湾と「断交」 中国と国交
 9日、台北市内の迎賓館で記者会見するソロモン諸島のマネレ外相(左)と台湾の呉●(=刊の干を金に)燮外交部長(田中靖人撮影)
 【香港=田中靖人】台湾の呉●(=刊の干を金に)燮(ご・しょうしょう)外交部長(外相に相当)は16日、南太平洋のソロモン諸島と外交関係を断絶すると発表した。中国が掲げる「一つの中国」原則を認めない民主進歩党蔡英文政権が2016年5月に発足して以降、中国の圧力による「断交」は6カ国目で、台湾と外交関係のある国は16カ国となった。
 ソロモン諸島の内閣はこれに先立つ閣議で、中国との国交樹立を決めた。ソロモンは1983年から台湾と外交関係があったが、ソガバレ首相は4月の就任後、「国益に基づく対外関係の全面見直し」を表明。超党派の調査グループが中国との国交樹立を提言していた。中国からインフラ整備で5億ドル(約535億円)の資金提供の提案があったとの情報もある。
 呉氏は16日、中国が「金銭外交」で、蔡氏が再選を目指す来年1月の総統選に影響を及ぼそうとしていると指摘。蔡氏も「中国の約束は空手形だ」と述べた。
 ソロモンには、この地域での中国の影響力拡大を嫌う米国やオーストラリアも台湾との関係維持を働きかけていた。呉氏は14日、産経新聞の取材に、中国がソロモンと国交を樹立すれば、日米豪などのインド太平洋戦略は「大きな衝撃を受ける」と訴えていた。」
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 9月17日 産経新聞「中国報道官がソロモン諸島を称賛「歴史的に正しい選択」 台湾との断交で
 【北京=西見由章】中国外務省の華春瑩(か・しゅんえい)報道官は17日の記者会見で、南太平洋のソロモン諸島が台湾と断交し中国との国交樹立を決定したことについて「非常に称賛する」と述べた。
 華氏は、ソロモン諸島政府が「歴史的機会」をつかみ、「歴史的に正しい選択」をしたことを歓迎すると言及。中国と正式に国交を樹立する時期については「時期が至れば自然に成就する」とした。
 また華氏は、中国政府が台湾と外交関係を持つ国に「金銭外交」をしかけて来年1月の総統選に影響を及ぼそうとしているとの台湾側の批判を念頭に「原則や信頼は金で買えない」と反論。台湾は中国の一部とする「一つの中国」原則は「大局のおもむくところ」だと主張した。」
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 9月17日18:01 産経新聞「菅官房長官ソロモン諸島と台湾の国交断絶に「大きな関心を持って注視」
 菅義偉官房長官は17日の記者会見で、南太平洋のソロモン諸島が台湾との外交関係を断絶し、中国と国交を結ぶ方針を決定したことについて「(中国と台湾の)両岸関係および地域の平和と安定の観点から、今後の影響を含め大きな関心を持って注視をしている」と述べた。
 菅氏は「台湾をめぐる問題については平和的解決を期待するというのが、わが国の一貫した考え方だ」と強調した。」
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 9月18日 産経新聞「トランプ政権、ソロモン諸島の台湾との断交に「深く失望」
 ソロモン諸島の断交を受け、記者会見する台湾の蔡英文総統=16日、台北(中央通信社=共同)
 【ワシントン=黒瀬悦成】米国務省当局者は17日、南太平洋のソロモン諸島が台湾との断交を決めたことについて「深く失望した」と表明した。
 同当局者は「経済成長やインフラ開発の促進を主に期待して中国と関係を強化する国々は多くの場合、長期的には国情が悪化することになる」と警告。同時に、台湾と外交関係を結んでいる国に断交を迫る中国の行動は「有害であり、地域の安定を損なう」と強く批判した。
 同当局者はまた、「米国は中台関係が現状のままにあることを支持する」とし、台湾が諸外国と外交関係を結ぶとともに国際舞台で活動の場を確保することは地域の平和と安定の維持に重要だと訴えた。
 トランプ政権高官も同日、ソロモン諸島が台湾と断交するように仕向けた中国の行動に「失望した」と述べた上で、今回の断交の経緯を「注意深く調査する」と語った。
 同高官はまた、「汚職の助長や民主体制の破壊、国家主権の侵害は、自由で開かれたインド太平洋の構想とは相いれないし、米国や太平洋の島嶼(とうしょ)国の価値観に照らし倫理的でない」と指摘。相手国へのインフラ支援などを通じて巨額の債務を負わせ、自国の影響力を拡大させる「借金漬け外交」を自制するよう中国にクギを刺した。」
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 9月19日 産経新聞「【主張】台湾ソロモン断交 中国の太平洋進出警戒を
 南太平洋のソロモン諸島と台湾が断交した。経済援助を背景とする中国の外交工作の結果だ。
 中国が台湾独立派とみる民主進歩党民進党)の蔡英文政権発足後、台湾はこれで6カ国との断交に追い込まれた。
 国際社会での台湾の切り崩しを狙う中国の圧力策は、あまりに露骨であり、強く非難したい。
 来年1月には、台湾で総統選挙を控える。中国は蔡氏の再選を阻み、中台関係で歩調の合う政権誕生をもくろんでいる。だが、中国の支配強化に反発する香港のデモ拡大を前に、蔡氏への支持は高まっている。中国はあからさまな選挙介入をやめるべきだ。
 台湾を外交承認しているのは16カ国だ。太平洋地域にはなおパラオなど5カ国が残る。いずれもソロモン諸島と同様の小さな島嶼(とうしょ)国だ。経済規模やインフラ(社会基盤)整備は限られ、経済力で押す中国には格好の標的である。
 こうした太平洋地域への中国進出は、台湾への外交圧力にとどまらない。インド太平洋地域の安全保障に重大な影響を与えることを警戒する必要がある。
 南太平洋では、サモアで港湾建設への中国支援が伝えられ、オーストラリアなどは中国海軍の拠点となることを警戒する。多額の援助を受けたフィジーにも、中国の軍事拠点となる懸念がある。
中国のインフラ支援は、採算性を度外視して戦略的に実施されるケースがある。多額の債務を負った被援助国が「債務の罠(わな)」に陥れば、中国の戦略の実現が加速される。政治、経済、軍事を問わず、この地域で中国の進める活動を見過ごしてはならない。
 中国はかつて太平洋を東西で米国と分け合う破天荒な構想を米側に打診した。近年では巨大経済圏構想「一帯一路」に太平洋諸国を取り込みつつある。中国の勢力拡大を阻むためには、日米豪が連携を強める必要がある。地域の中核となる豪州は、安全保障に加えて、気候変動による海面上昇など環境対策も支援する構えだ。
 日本の外相として8月に河野太郎氏が32年ぶりに南太平洋諸国を歴訪した。「自由で開かれたインド太平洋」を実現するためには、継続的な支援を日本が中心となって進めるべきである。
 民間ベースの支援活動なら台湾と協力することも可能だ。実効ある支援に知恵を絞ってほしい。」
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