- 作者:藤井 省三
- 発売日: 2002/07/25
- メディア: 単行本
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・ ・ {東山道・美濃国・百姓の次男・栗山正博}・
中国共産党は、ナチス・ドイツやソ連同様に、映画を政治宣伝や思想教育などのプロパガンに最大限に利用していた。
2018年8月号 Hanada「現代中国残酷物語 福島香織
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エンタメ界を仕切る軍部
中国の映画エンタメ業界は、正統的に軍部とゆかりが深い。そもそも中国における映画、文学、歌謡などのエンタメは、党と軍の政治プロパガンダや国威発揚を目的にしており、根っこは解放軍の八一電影制片廠や文公団(文芸工作団、解放軍の文芸・芸能部門、戦地の兵士の慰安や国威発揚、軍の宣伝のために創作活動、芸能活動に従事する才能が所属する)の歴史に遡(さかのぼ)る。
映画エンタメ産業の人材も軍部に偏っている。一説によれば、北京のエンタメ産業の主要人物の約半分は軍籍だといわれている。政治動乱が断続的に続いた中国で、芸能、芸術、文芸分野の才能を育成する目的や環境を備えているのは解放軍しかなかった、ということでもある」
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映画をプロパガンに利用しなかったのは、軍国日本であった。
日本軍人は、映画や演劇を馬鹿にし、俳優を青瓢箪(ひょうたん)の軟弱者と軽蔑していた。
特高警察などは、映画関係者に共産主義者が潜んでいると警戒し、映画作品の検閲を強化し、上映を妨害していた。
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日本の俳優や演劇関係者は、娼婦と同じ水商売人とされ、外国に比べて社会的に地位は低かった。
常識ある親は、娘が俳優や演劇関係者と結婚するのに猛反対し、結婚すれば「世間に対する恥」として勘当して家から追放した。
日本の歴史では、俳優や演劇関係者は非人・エタなどの賤民に近い存在で、人前で芸を見せて金を貰う職業は軽蔑するに値する卑しい仕事であった。
歌舞伎俳優も同様に身分が低く、幕府から迫害され弾圧を受けていた。
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中国共産党・中国軍は、反日派敵日派である。
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2018年6月28日 産経WEST「【岡田敏一のエンタメよもやま話】“媚中”ハリウッド苦渋、中国と険悪…習主席が外国映画を党の管理下に置いた狙い
中国の最高国家行政機関である国務院の直属機関で、国内の新聞・出版、ラジオ局、映画産業、テレビ局を管轄する「国家新聞出版広電総局(SAPPRFT)」が3月、中国共産党の中央宣伝部の管理下に置かれたニュースを報じる米業界誌ハリウッド・リポーター(電子版3月20日付)
さて、今週ご紹介するエンターテイントは、久々となるエンタメど真ん中、米ハリウッドのお話でございます。
昨2017年の5月4日付の本コラム「中国に媚びたが“冷や水”…目が覚めたハリウッド、買収案件『金ない』次々ご破算の深い事情」
https://www.sankei.com/west/news/170504/wst1705040006-n1.html
でもご紹介しましたが、世界最大の映画市場を誇る中国に、いろんな意味で媚(こ)びていた米ハリウッドが昨年から一転、中国側の事情で距離を置き始めています。
▼【関連ニュース】中国に媚びたが“冷や水”…目が覚めたハリウッド、買収案件『金ない』次々ご破算の深い事情
とはいえ、中国の人民は未だ、目がチカチカするようなCG(コンピューターグラフィックス)や特殊撮影満載の米ハリウッド産ブロックバスター(娯楽大作)に熱狂。製作段階で金も口も出しまくり、物語展開の中で中国が重要な位置を占める作品も目立ちます。
ところがここにきて、そんな米ハリウッドと中国との関係が、とある出来事を機に、さらに疎遠(そえん)になるのではないかと欧米で物議を醸(かも)しているのです。
というわけで、今回の本コラムでは、現在の米ハリウッドと中国との微妙な関係についてご説明いたします。
■衝撃を米メディア続々と報道「ハリウッドに好ましくない中国の動き」
最初に報じたのは、3月13日付の米業界紙デーリー・バラエティや同月20日付の米業界誌ハリウッド・リポーター(いずれも電子版)なのですが、米ハリウッドに限らず、世界の映画業界の人々がこのニュースに衝撃を受けました。
中国の最高国家行政機関である国務院の直属機関で、国内の新聞・出版、ラジオ局、映画産業、テレビ局を管轄する「国家新聞出版広電総局(SAPPRFT)」が3月、何と中国共産党の中央宣伝部の管理下に置かれてしまったのです。
この部門、中国共産党の考え方や路線の宣伝、教育、啓蒙を担当するプロパガンダ機関なのですが、映画産業もこの部門の管理下に置かれるということで、米ハリウッドが大いに困惑しているというわけです。
しかし、なぜこんな組織再編が行われることになったのか。理由は簡単。中国共産党のトップで、国の最高指導者、習近平国家主席(64)が、人民の思想や行動に映画が大きな影響を与えるということに気付いたためです。
そのため、映画産業を党の監視下に置き、内容などを厳しくチェックする必要があるとの結論に達したのです。「国家新聞出版広電総局(SAPPRFT)」は、海外映画の検閲や上映スケジュールの管理のほか、米ハリウッドと中国との関係をマネージメントしたりする仕事も担っています。
前述した業界向けのメディアの報道を受け、米紙ワシントン・ポスト(外部投稿のオピニオン原稿)は3月30日付でこの出来事についてさらに踏み込んで説明。5月になると27日付で米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)や、翌28日付で米経済誌フォーチュン(いずれも電子版)なども、この問題についてより詳しく報じました。
前述のワシントン・ポストは<…米の映画業界が直面する事柄を直ちに理解するためには、中国の政治の世界で、政府と中国共産党との間に明確な違いがあることを理解することが重要である。米では(リベラルな)民主党と(保守の)共和党が独立して存在し、政府のコントロール権を共有しているが、中国の場合、政府は(政府より)さらに大きな力を発揮する共産党に従属している…>と説明。
そして、前述のWSJは、習近平国家主席が、これまで独立した行政機関だった「国家新聞出版広電総局(SAPPRFT)」を、中国共産党の管理下に置いた理由について<習氏は自身の権力が増すにつれ、映画の力を理解し、市民に対し、新しい映画館のある都市に移転するよう奨励したり、(中国にとって)不快な内容の米映画の公開阻止に動いた。今回の組織再編は、(習氏が)映画のツールとしての役割を正式に認め、党が管理する必要があると判断した結果とみられる>と明言。米ハリウッドにとって好ましくない動きであるとの論調で報じています。
なぜ好ましくないのかと言いますと、これにも明確な理由があるのです。
■映画の興行収入、北米は低調も中国など全世界は好調…
米国と中国は、中国における米ハリウッド作品の上映に関する両国間の取り決めの見直し交渉に入っています。現在の取り決めは2012年の2月、当時のバラク・オバマ政権のジョー・バイデン副大統領(リベラルな民主党)と、当時の習国家副首席が合意した内容で、5年ごとに見直すことになっています。
なので、本来なら2017年の2月に新たな合意がなされるはずなのですが、この合意に至る交渉が、未だに進んでいないのです。
ちなみに、現在の取り決めによると、中国側が認めている外国映画の上映作品本数は年間34本で、米ハリウッドの映画作品の場合、中国での上映で稼いだ興行収入(チケットセールス)の25%が、該当作品を製作した映画会社の懐(ふところ)に入ることになっています。
しかし米側はこれからの交渉で、この取り分を28%に増やしたい考えで、交渉の初期段階で既に中国側にこの数字を提示しているといいます。さらに、現在、年間34本という上映本数についても、もっと増やしたい考えです。
米ハリウッドの大手映画会社の幹部は前述のWSJに、現在、中国では、米ハリウッドのメジャーな作品の殆どを上映。それらの作品のチケットが年間、数百万枚売れており、もはや発展途上の市場ではないため、34作品での自分たちの取り分の割合を増やすことは、あまり問題にはならないと説明しました。
実際、他の殆(ほとん)どの国々では、この取り分が40%であり、28%を実現したとしても、まだまだ足りないという認識です。交渉に詳しい別の情報筋によると、取り分の割合については、もっと高い数字が挙がっていたともいいます。
ところが業界の幹部によると、より広範な分野をカバーする米中間の貿易交渉のせいで、全てが保留状態となり、現在、中国からの反応を待っている状況なのだとか…。
さらに、この映画会社の幹部によると、中国最大の映画配給会社「チャイナフィルムグループ(中国電影集団)」が、配給と広告宣伝費を賄(まかな)えるだけの取り分を要求しており、取り分の大幅な引き上げは困難との考えを示しました。
米ハリウッドの、とある幹部は前述のWSJに「われわれは(交渉の進展を)1年以上も待っている」と述べ、「国家新聞出版広電総局(SAPPRFT)」が3月、中国共産党の中央宣伝部の管理下に置かれてしまった件について、「この最新の変更(組織再編)は、問題解決の助けにはならない」と述べました。
平たく言えば、米側にとっては、ちっとも進まない交渉が、今回の中国側の“組織再編”によって、先行きすら見通せないものになったというわけです。
もともと、人民の熱狂ぶりとは裏腹に、中国当局としては国産映画の地位や興行収入を脅(おび)かす上、中国に都合の悪い内容が少なくない米ハリウッド映画ですから、中国共産党の直属機関となった「国家新聞出版広電総局(SAPPRFT)」の嫌がらせが露骨になるのは火を見るより明らかです。
無論、中国当局が規制を緩和し、現在認めている中国国内での米ハリウッド映画の上映本数をいまの34本より増やすとはとても思えません。
実際、前述のWSJは<(映画市場が年間で最も盛り上がる)重要な夏シーズンが始まる直前に、映画産業の監視機関を党の管理下に置くという習氏の決定は、中国の複雑かつ変化の激しい規則への対応に苦戦し続けている米ハリウッドの映画会社にとって、さらなる不透明さを加えることになる>と警告しています。
こうなると、米ハリウッドはますます中国当局に媚びを売らざるを得なくなります。これも理由は至って簡単。
米映画協会(MPAA)によると、昨年の全世界の映画興行収入(チケットセールス)が、北米市場(米とカナダ)の22年ぶりの低迷にもかかわらず、前年比5%増の406億ドル(約4兆4200万円)と過去最高に。
4月4日付の米紙ロサンゼルス・タイムズ(電子版)などによると、過去最高を達成できたのは中国市場の好調ぶりによるものだといい、実際、中国での興行収入は何と前年比20%増の79億ドル(約8600億円)。対する北米の興行収入は前年比2%減の約114億ドル(約1兆2400億円)。
ちなみに北米では前年、映画チケットの価格を4%値上げしたため、平均価格が8ドル97セント(約970円)に上がっています。つまり、この値上げ分を差し引けば、興行収入はもっと悪かったのです。
そして米映画協会(MPAA)は、今年の第1四半期に中国の映画市場が初めて北米を抜いたことから、もうすぐ中国の映画市場が世界一になると明言しました。
中国共産党のご機嫌を損ねると、世界一の映画市場での取り分をフランスやボリウッド(インド映画)に横取りされる可能性も出てきます。米ハリウッドの憂鬱(ゆううつ)は深まるばかりです…。 (岡田敏一)
【岡田敏一のロック講座】白人ブルース・ギタリスト最高峰…エリック・クラプトン波乱の人生を語る 7月28日「ブルースの源流に向かう旅」
名実ともに白人ブルースギタリストの最高峰と言われる英のエリック・クラプトン。1963年からプロ活動を始め、ヤードバーズやクリームといった英バンドで名演を披露。とりわけクリーム時代の激しいギターソロには多くの人々が衝撃を受け“ギターの神様”と呼ばれました。
70年代になるとソロ活動を本格化させ、米南部のアーシーなサウンドを標榜(ひょうぼう)。同時に米の黒人ルーツ音楽、ブルースの“伝道者”として名声を高めます。いぶし銀のようなブルースギターは日に日に、磨きがかかります。
その一方、アルコールや違法薬物におぼれるなど、波瀾万丈(はらんばんじょう)な私生活を送ったほか、大の日本通としての顔も持っています。
そんな彼の歩みやロック界における評価・功績、音楽性の特徴などについて、音楽誌「レコード・コレクターズ」( http://musicmagazine.jp/rc/ )の常連執筆者で、産経新聞文化部の岡田敏一編集委員が解説します。
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■時と場所: 7月28日(土)午後2時〜3時半、サンケイカンファレンス大阪桜橋(西梅田)
(大阪市北区曽根崎新地1−4−12 桜橋プラザビル9階 http://www.sankeiconference.com/sakurabashi/ )
■参加費: 3000円
■問い合わせ・申し込み: ウェーブ産経(電)06・6633・9087(平日の午前10時〜午後5時 http://wave.sankei-kansai.com/ )
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【プロフィル】岡田敏一(おかだ・としかず) 1988年入社。社会部、経済部、京都総局、ロサンゼルス支局長、東京文化部、編集企画室SANKEI EXPRESS(サンケイエクスプレス)担当を経て大阪文化部編集委員。ロック音楽とハリウッド映画の専門家。京都市在住。
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■毎週、日本を含む世界のエンターテインメントの面白情報などをご紹介します。ご意見、ご要望、応援、苦情は toshikazu.okada@sankei.co.jp までどうぞ。」
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