🔔57」─1─移民大国アメリカで古参移民と新参移民が反目。〜No.144 

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   ・   ・   {東山道美濃国・百姓の次男・栗山正博}・   
 アメリカに不法移民が増え、不法移民による犯罪行為が増加している。
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 2024年9月28日 YAHOO!JAPANニュース クーリエ・ジャポン「「新参の移民と一緒にしないで」移民に反対する移民たち なぜ彼らは新参の移民に厳しい目を向けるのか?
 米国の一部の移民、特にラテン系の間で、反移民を主張する傾向が高まっている。
 2024年に発表された研究によると、ラテン系米国人の約3分の1が、増え続ける新参の移民が、自分たちの社会的地位に悪影響を及ぼしていると考えていることがわかった。
 【画像】なぜ古参の移民は「新参の移民と一緒にしないでほしい」のか?
 反移民ムードが高まるにつれ、彼らは不当に差別の対象になったり、国外追放されることへの恐怖を増幅させている。
 そんな恐怖から、より多くのラテン系米国人が「自分が“本物の”米国人であることを証明したい」という欲求に駆られている。
 そして、厳しい反移民政策を掲げる保守派に傾倒していると、各紙が報じている。
こうした恐怖心や欲求から保守派に傾倒する傾向は、ドナルド・トランプ前大統領が初出馬した2016年の選挙から高まったと、米誌「アトランティック」は述べている。
 同誌によれば、「2016~2020年にかけてラテン系有権者の間で、ドナルド・トランプへの支持は8%ポイント増加している。また、2024年の選挙に向けてもラテン系有権者への支持を拡大し続けている」。
 実際、ある報告書では、ラテン系の有権者の間でトランプ前大統領の支持が高まったのは、彼の反移民発言によるところが大きいことが示唆されている。
 同報告書の著者のひとりであるイダン・フランコは、一部のラテン系有権者が、自分たちを「新参のラテン系移民とは異なる」とみなしており、それを強調するため、つまり「自分は本物の米国人」であるというシグナルを送るために、トランプ政権の反移民政策に賛同していると、米メディア「アクシオス」に語っている。
 米国への同化って、結局なに?
 米国に同化してきた古参のラテン系米国人にとって、不法、合法問わず新参のラテン系が米国に移住すればするほど、自分が「本物の米国人」だと証明するのが難しくなっていると、アトランティックは述べている。
 というのも、世論が移民排斥に傾くのは、仕事を奪われるなどの「経済的懸念よりも、移民によってその国の文化的アイデンティティが侵食されてしまうという懸念によるところが大きい」からだという。
 実際、米国のあるメキシコ移民が増加する地域を調査した研究は、同じ地域に住む白人が、メキシコ移民が増えるにつれてより彼らに敵対的になり、一方で同地域の黒人に対してはより友好的になっていったことを示している。
 この調査結果は、英語を話さず、米国人らしく振る舞わない、つまり「同化しない、もしくはできていないラテン系移民に対する嫌悪が、彼らの増殖に比例して高まり、米国の根深い黒人差別を上回る可能性を示唆している」と、同誌は述べている。
 このように移民排斥の感情を持つ米国人から差別されないために、また、そんな人たちから家族を守るために、一部のラテン系有権者が同化の手段のひとつとして極端な排外主義に傾いているが、依然として、ラテン系米国人の多くは移民擁護派で、不法移民も市民権を得られる道を設けるべきだと主張している。
 ただ、同誌によれば、政治学者のなかには、「自分の立場を守るために、その国の排外主義に同化する移民が増え続けるにつれ、移民擁護の考えは徐々に弱まっていき、最終的には消えてしまうだろう」と説く者もいる。
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 9月20日 YAHOO!JAPANニュース COURRiER JAPAN「若者たちの政治的分断はなぜ起きる?
 社会学者アリス・エヴァンス「人は不遇になると移民や女性を攻撃する」
 Illustration: TheMountBirdStudio / Getty Images
 ニュー・ステイツマン(英国)ニュー・ステイツマン(英国)
 岩尾俊兵の視点
 男性は生きづらいし、女性も生きづらい。もちろんLGBTQだって生きづらいだろう。
 しかし大事なのはその後だ。みんなが「自分たちだけが生きづらい」と思ってしまっている。いまや性自認グループは政治信条から異なる集団と化しつつあり、互いを罵り合う分断も激化した。特定の性別がこの世からいなくなればと、憎悪を募らせる人もいる。
 こうした分断をもたらしているのが、「限りある地位財」という思い込みだ。欠乏を感じると、人は攻撃的になる。
 キングス・カレッジ・ロンドンの上級講師である社会科学者のアリス・エヴァンスは、世界各国を巡りながらジェンダーに関する研究を続けている。世界で男女の政治的分断が深まっているのはなぜなのか? 国や地域によって経済に格差があるように、ジェンダー平等の進退に違いがあるのはなぜ? 英誌「ニュー・ステイツマン」が取材した。
 男性のほうが「生きづらさ」を感じている?
 男女間の政治的分断が世界中で生まれている。Z世代はそれまでの世代のように、イデオロギー的に一枚岩ではない。男性はより保守的に、女性はより進歩的になっており、引き離されつつある。
 米国の調査会社「ギャラップ」によると、18〜30歳の米国人女性は、同じ年代の男性に比べて30%もリベラルだ。同様に、英国でも25%の差が見られた。
 ある研究によれば、18〜23歳の米国人男性の半数以上が「現代の米国では、男性のほうが女性より生きづらい」と考えているという。英国では、キングス・カレッジ・ロンドンの研究で16〜29歳の男性の1/4が女性より男性のほうが生きづらいと考えている一方、同年代の女性の2/3はその逆だと考えていることがわかった。
 韓国では、ジェンダーギャップが極端に深い。2022年の選挙では、18〜29歳の男性の58%がアンチフェミニズムを掲げたユン・ソンニョル大統領に票を投じたが、同年代の女性は同じ割合が「共に民主党」の候補に投票した。
 日本と韓国の「非モテ」男たちが“反フェミニスト”になっていくワケ
 社会科学者のアリス・エヴァンスは、著書『ジェンダーの大分断』の取材のためにソウルを訪問している。ロンドンで会ったとき、彼女は「2016年までは、若い男性がどんどんリベラル化していく傾向にありました」と語った。それは#MeTooムーブメントが韓国にも波及した年である。
 「フェミニストによる抗議運動が勃発しました。現実の不平等に対して連帯を示すために、女性たちが結集したのです」
 韓国では隠しカメラによる盗撮被害が長年問題となっており、女性たちは「私の人生はあなたのポルノではない」をスローガンにデモ行進をおこなった。男性たちはデモに抗議し、ある者は「フェミニズムは精神病」だと叫んだ。また、アンチフェミニスト団体の代表であるぺ・インギュは、フェミニズムを「社会悪」と呼ぶ。
 ユン大統領とぺは、エヴァンスの言う「文化的アントレプレナー」に相当する。「正当な不満を政治利用」する、アンドリュー・テイト(女性差別的な発言をすることで知られている米国のインフルエンサー)のような人物のことだ。
 たとえば韓国では、義務的徴兵制が男性の人生の不公平さを語る際に用いられる。「徴兵制は不公平で性差別的で男性にとって有害だと、ジョーダン・ピーターソン(カナダの心理学者で作家。右派論客)が言ったなら、私は同意するでしょう」とエヴァンスは言う。
 しかし、徴兵制は、韓国がOECDで最大の男女間賃金格差を抱えている事実を否定する材料にはならない。
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