🦎48」─1─中国共産党の中国通貨覇権。人民元による決済通貨承認。~No.171 

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 2023年5月10日 MicrosoftStartニュース 現代ビジネス「習近平の「中国通貨覇権」が本格始動していた…!中国が世界で巻き起こす「次の戦争」のヤバすぎる中身
 藤 和彦 
 ウクライナ戦争を契機に中国人民元による国際決済が大幅に増加している。
 人民元決済が最も増えているのは、エネルギー大国ロシアとの間の貿易だが、サウジアラビア、ブラジル、アルゼンチンなどにも人民元決裁が広がり、中国が関与しない取引でも人民元決済が行われ始めている。
 これに神経をとがらせているのは、基軸通貨ドルの地位を棄損されかねないアメリカだ。
 中国・習近平国家主席ウクライナ戦争を契機に人民元決済は増え続けている Photo/gettyimages
 © 現代ビジネス
 前編『習近平、恐るべし…、ロシアへの経済制裁のウラで、いつの間にか「中国・人民元」が世界を席巻していた…!』につづき、新たな戦争の火種となりかねない人民元台頭の影響を見ていこう。
 中国の「通貨覇権」
 とはいえ、人民元決済の流れは大きくなっているが、国際貿易決済に占める人民元の存在はドルの足元に及ばない。国際銀行間通信協会(SWIFT)によれば、今年2月時点のドルのシェアは84%であるのに対し、人民元のシェアは前年の2倍以上になったものの、4.5%にとどまっている。
 しかし、アメリカが神経をとがらせているのは、中国の「通貨覇権」を警戒しているからだ。
 米大統領経済諮問委員会(CEA)のメンバーのジャレッド・バースタイン氏は米上院銀行委員会が4月18日に開いた公聴会で「中国が国際基軸通貨であるドルの弱体化を望んでいるという一定の証拠がある」と述べた。
 「アメリカに代わって通貨覇権を握る」との野望を中国が抱いているのかもしれないが、足元のドル離れはアメリカ自身に問題があると言わざるを得ない。イエレン米財務長官は4月15日「アメリカの金融制裁の実施がドルの国際的覇権を弱体化させつつある」と述べたように、ロシアへの経済制裁が災いしている。
 中国の「通貨覇権」にアメリカは神経を尖らせている Photo/gettyimages
 © 現代ビジネス
 揺らぐアメリカの信頼
 通貨は決済に使えることはもちろんだが、それ自体が財産的な価値を有する。
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 アメリカが冷戦終了後に「世界の警察官」になったことでドルの価値は飛躍的に高まり、アメリカと敵対する勢力も争ってドルを求めるようになった。
 世界の外貨準備に占めるドルの割合は2001年に7割を超えたが、アメリカ政府がドルを制裁の手段として利用するようになったせいでその魅力が落ち、直近の比率は6割弱にまで低下した。
 今回の制裁でロシア政府が保有するドル建ての外貨準備(約1000億ドル相当)を凍結したことから、ドルの財産的な価値は再び毀損した。「アメリカの意向に背けば手元のドル自体が無価値になる」との恐れから、ドル離れが加速しているというわけだ。
 ドル離れは今後も進んでいくだろうし、また人民元は次の基軸通貨と噂されてもいる。とはいえ、人民元がドルに代わる存在になることは不可能だ。
 アメリカへの不信感が人民元決済を増やしている…Photo/gettyimages
 © 現代ビジネス
 決済通貨としての役割は大きくなったとしても、資本取引が自由化されていない人民元は中国政府の意向に大きく左右され、その価値はドルと比較にならないほど低いとの見方が一般的だ。
 アメリカの国際社会の威信が落ちる中、基軸通貨ドルの価値を支えているのは、世界で最も大きく、かつ流動性に富んだ国内の金融市場だ。ドル離れが喧伝されているが、中央銀行も民間セクターもドル建て債券の保有を増やし続けている(4月26日付ロイター)。
 しかし、アメリカの金融市場に暗い影が忍び寄っている。
 世界を騒がせるアメリカの「財政の崖」
 連邦政府の債務は、6月1日にも法定上限の31兆4000億ドルに達することが予測されているが、党派対立が激化している議会で上限の引き上げについての合意が得られる見通しが立っていない。下院は4月26日、マッカーシー議長が提案した債務上限引き上げと引き換えに大幅な歳出削減を求める法案を可決したが、バイデン政権がまったく受け入れられない内容だ。
 上限が引き上げられなければ、「アメリカ政府がデフォルトに陥る」という前代未聞の事態となる。
 アメリカが誇る金融市場が大混乱し、前述のバースタイン氏が懸念するようにドルの基軸通貨としての地位が大きく揺らぐことになる。混乱に乗じて中国が人民元基軸通貨化を進める可能性も排除できないだろう。
 通貨覇権が引き起こした「第2次世界大戦」
 気になるのは「通貨覇権を巡る争いが世界戦争の引き金になった」という悲しい歴史の前例があることだ。
 第2次世界大戦勃発直後の1940年、欧州での戦争を優位に進めていたドイツが「欧州共通通貨」構想を提唱すると、英ポンドに代わってドルの基軸通貨化を目論んでいたアメリカは「トンビに油揚げをさらわれる」と大慌てとなった。
 ドイツとの対決姿勢が一気に高まり、アメリカの大戦参加の遠因になったと言われている。
 通貨を巡る興亡が米中の決定的な対立を引き起こさないことを祈るばかりだ。
 さらに連載記事『ウクライナ戦争のウラに「CIAの工作」があっただと…?にわかに信憑性を増す「アメリカ陰謀説」の深層と「国際政治」のヤバすぎる現実』では、緊迫の度合いを高める国際政治の現実をお届けする。
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