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 産経新聞iRONNA
 地球を紅に染める中国の「パクリ商法」
 香港の「国安法」も然り、中国が新型コロナ禍を機に、世界覇権への野心を一層露わにしている。経済面でも、持ち前の「パクリ商法」で通信やアプリ、さらにはコロナワクチンを手中にすべく攻撃の手を緩めない。ただ、こうした「合理的な狂気」に走る中国を後押ししたのは、他ならぬ見て見ぬふりをしてきた国際社会でもある。
 TikTokやパクリ商法全開、中国の「合理的狂気」が止まらない
 『田中秀臣』 2020/07/28
 田中秀臣上武大学ビジネス情報学部教授)
 中国共産党政府が「発狂」している。正確に言うならば、合理的発狂である。
 その理由は簡単である。自ら拡大させた新型コロナウイルスで世界が弱っていることにつけこんで、本気で「世界秩序」を変えようとしているからだ。
 香港の「一国二制度」を完全否定した「香港国家安全維持法」(国安法)の施行、尖閣諸島や沖ノ烏島へ執拗に繰り返される侵犯行為、南シナ海での違法な軍事的占拠、他国を過剰な借金漬けにして国ごと乗っ取る「債務の罠」戦略、ウイグル族に対する強制収容や宗教弾圧など、数え上げればきりがない。国際的な政治秩序の安定化からはほど遠く、まさに現在の自由と民主の価値観を根本から否定する覇権主義のモンスターである。
 これらの行為が中国の理屈だけで世界にまかり通ると考えて実行していることが、狂気の本質である。狂った目的だが、それでも中国政府が目的を叶えるために合理的に算段している点を見逃してはならない。だからこそ「合理的狂気」なのである。
 今までも中国の発狂行為に対し、世界は見て見ぬふりをしてきた。経済面でいえば、公然の「パクリ政策」を、中国が先進国に追いつくための「キャッチアップ効果」だの、政府主導の「産業政策の成功」だの、と一部で称賛してきた。
 憐れむべき知的退廃である。本稿では、その実態を改めて示してみたい。
 結論から言えば、やっていることは単に国家主導による先進国技術のパクリである。しかも、中国のパクリ経済の全貌がはっきりとつかめない。
 最近では、ブルームバーグが「中国の攻撃でナンバーワン企業破綻か、トップ継いだのはファーウェイ」で、パクリの実態に注目している。記事では、カナダを代表する世界的通信機器メーカー「ノーテル・ネットワークス」が、21世紀初めから、中国政府からと思われるサイバー攻撃を受け、顧客情報や重要な技術を盗まれたという。
 ノーテルは、このサイバー攻撃にあまりに無防備で対策も緩かったために、悲惨な道をたどる。ノーテルは技術的優位、とりわけ人的資源とマーケットを、中国政府の巨額の支援を受けた華為技術(ファーウェイ)に奪取されたのである。結局、ノーテルは2009年に破綻してしまった。
 ファーウェイは元中国人民解放軍エンジニアの任正非(にん・せいひ)氏が創立した会社であることは広く知られている。識者の中には、ファーウェイと中国政府は必ずしも協調しておらず、むしろ対立していると指摘する人もいる。頭の片隅ぐらいには入れておいてもいいかもしれないが、正直役には立たない。
 そんなことよりも、人民解放軍サイバー攻撃隊が産業スパイの世界で君臨しているが、中にはイスラエル北朝鮮が中国のサイバー攻撃をパクって、中国のふりをして攻撃している、とでも指摘した方が役に立つだろう(参照:吉野次郎『サイバーアンダーグランド』日経BP)。中国政府や人民解放軍、その系列企業に対する生ぬるい考えは捨てた方が無難だ。
 こうして見れば、中国の産業政策がなぜ成功するのか、その「謎」は簡単だ。上述のように、先進国で成功している企業の情報や人材をそのままパクることで、市場自体も奪い取るからだ。
 政府が望ましい産業を選別する伝統的な産業政策とは全く違うものだ。伝統的な産業政策はそもそも成功する確率が極めて低い。なぜなら、政府には市場に優越するような目先の良さも動機付けもないからだ。事実、日本の産業政策は死屍累々(ししるいるい)の山を築いた。
 だが、中国の産業政策は基本的に市場をまるごと盗むことを目指す。パクる段階で逮捕や制裁のリスクがあるぐらいで、それも人民解放軍という、リスクをとることにかけてのプロが文字通り命がけでやってくれる。ものすごい「分業」に他ならない。
 日本でも、中国政府や軍からのサイバー攻撃が続いている。今年に入っても、NECや三菱電機が大規模サイバー攻撃を受けたことが明るみになったように、自衛隊に関する情報の取得を目的に、防衛省と取引関係にある企業が狙われている。このように、日本の安全保障や民間の経済が脅かされているのである。
 中国の合理的発狂といえる世界秩序改変の中で、新たな経済的覇権を目指す動きがある。その際も、いつものようにパクることから始まる。
 米国のビーガン国務副長官や共和党のルビオ上院情報委員長代行が、中国の在米領事館を「スパイの巣窟」として長年にわたって問題視してきたことを明らかにしている。ロイター通信も、米政府が閉鎖を命じた南部テキサス州ヒューストンの中国総領事館が「最悪の違反ケースの一つ」である、と政府高官の発言を伝えている。
 そのケースとは、おそらく新型コロナウイルスのワクチンに関する研究だ。このワクチンが世界でいち早く開発されれば、膨大な利益を生み出すことは間違いない。現在の米中の領事館の閉鎖の応酬は、中国のパクリ産業政策をめぐる攻防戦であり、姿を変えた米中貿易戦争といえる。
 さらには、中国政府からの個人情報の保護も問題となってくる。米国のポンペオ国務長官は、動画配信サービス「ティックトック」に代表される中国製ソーシャルアプリの使用禁止を検討していると述べた。
 多くの識者は、中国で活動する企業や、中国発の企業データを中国共産党のものと理解する傾向を指摘している。だから、ティックトック側がどんなにこの点を否定しても何度も疑いが生じてくる。
 7月、韓国放送通信委員会(KCC)がティックトックに対し、保護者の同意なしに子供の個人情報を海外に送信したというコンプライアンス(法令順守)違反で、同社に1億8600万ウォン(約15万4千ドル)の罰金を科したのもその表れだろう。韓国政府とティックトック側は現在も協議中だという。
 ところで、ティックトックの国内向けの姉妹アプリ「抖音(ドウイン)」(ビブラートの意味がある)では、中国国内でティックトックのダウンロードや閲覧ができる。ロイター通信によれば、そのドウインからRain(ピ)やTWICE、MAMAMOO、ヒョナなどのK-POPスターのアカウントが削除や一時的なブロックを受けたらしい。
 ロイター通信は確言していないが、中国政府側の「報復」の可能性を匂わせている。同様な事象が、これから特に人民解放軍系の企業や中国政府と密接な関係にある企業で生じるかもしれない。
 ちなみに、こんなことを指摘していると、米国だって同じことをしているではないか、という反論がすぐに出てくる。短絡的な反応か、悪質な論点そらしか、鈍感なバランス取りだとしか言いようがない。
 その点については、まずは米国の情報監視活動を暴露した米中央情報局(CIA)元職員のエドワード・スノーデン氏に関する書籍を読んで、満足すればいい(『スノーデン 独白: 消せない記録』河出書房新社)。筆者は、世界秩序の改変を目指す中国政府の方により強い危険を感じるのである。
 確かに米国にも、日本の利益に反するリスクは経済上でも安全保障上でも存在する。それでも、あえて極言すれば、中国と米国どちらかを選べと言われれば、明白に米国を取る。
 これは筆者個人の選択だけの話ではない。日本の選択としてこれ以外にないのだ。
 米国は、問題があっても国民の選択によってよりよい前進が可能な、日本と同じ民主主義の国である。他方、中国は共産党支配の「現代風専制国家」であり、そもそも政府の問題点の指摘すら満足にできない。
 ただし、現代風の専制国家では、パリ政治学院のセルゲイ・グリエフ教授が指摘する「情報的独裁」の側面が強い。暴力的手段は極力採用せず、インターネットを含めたメディアのコントロールを独裁維持のために利用する。
 政治的独裁に強く抵触しなければ、かなり「自由」な言論活動もできる。むしろ「自由」に発言させることで、政治的反対勢力の人的なつながりをあぶり出す可能性を生じさせるのである(参照:ベイ・チン、ダーヴィド・ストロンベルグ、ヤンフイ・ウー「電脳独裁制:中国ソーシャルメディアにおける監視とプロパガンダ」)。
 中国か米国かの選択について、ジャーナリストの櫻井よしこ氏が月刊『Hanada』2020年9月号の「習近平の蛮行『世界大改修戦略』」の中で明瞭に述べている。最後にその言葉を引用しておきたい。

 {日本にとって中国という選択肢はありえない。だが同時に、米国頼みで国の安全保障、国民の命の守りを他国に依存し続けることも許されない。米国と協力し、日本らしい国柄を取り戻し、米国をも支える国になるのが、日本の行く道だ。}

 櫻井氏のこの発言に共感する人は多いのではないか。
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 2020年7月28日 産経新聞「AIIB総裁に金立群氏が再選 習主席は「良い立ち上がり」と強調
 次期総裁に再選されたAIIBの金立群総裁
 【北京=三塚聖平】中国が主導するアジアインフラ投資銀行(AIIB)が28日、新型コロナウイルスの流行を受けたオンライン形式での年次総会を開いた。中国の習近平国家主席は開幕式で演説し、開業から4年を超えて「良い立ち上がりを実現した」と強調した。総会に合わせて開いた理事会で現職の金立群(きんりつぐん)氏が次期総裁に再選されたと発表。中国政府の国際的な影響力拡大を支える従来路線が維持される。
 習氏は「AIIBが国際的な多国間協力の新たな模範となるべきだ」と述べた。また、新型コロナへの対応について「加盟国が感染症と経済回復に対応するのを支援し、AIIBの行動力を十分に体現した」と評価した。総会は29日まで開かれる。
 AIIBは、2016年1月に開業した。加盟国・地域は当初の57から102にまで拡大し、日米が主導するアジア開発銀行(ADB)の68を上回る。アフリカや南米などアジア域外の加盟国も積極的に増やしている。中国は今も25%を超える議決権比率を持ち、事実上の拒否権を握る構図は変わらない。
 AIIBによると、これまでに承認した案件は87件で、投資総額は196億ドル(約2兆円)を超える。その中身を見るとADBなどとの協調融資が目立つが、足元では単独融資も増えてきている。
 AIIBは、開業した16年から20年までを「立ち上げ段階」と位置付け、基盤固めを重視する戦略をとってきた。21年から27年までを「成長段階」と定め、事業拡大に勢いをつける方針とみられる。ただ、新型コロナ流行後に米中対立が先鋭化する中で、中国政府の影響が色濃いAIIBにも波紋が及ぶ可能性がある。
 金氏は中国の財政次官などを経て初代総裁を務めている。AIIBによると総裁選の立候補者は金氏だけだった。総裁の任期は5年で、新たな任期は来年1月16日に始まる。」」
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