🐉3」─1─中国の行動原理は、現代でも古代でも変わらない。~No.5 

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 無辜の民を大虐殺できない者は、中国の支配者には成れない。
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 中国共産党は、漢族中国人の政党である。
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 2020年1月30日号 週刊文春 「文春図書館
 14億人にボスを見誤るな
 『中国の行動原理』 益尾佐知子
 評者 小谷賢
 著者の専門分野は中国の外交政策であり、多くの研究蓄積がある。しかし本書ではなぜ中国が対外的に解りにくい振る舞いを見せるのか、という問いに対して学術的な検証から少し距離を置き、個人的な経験から大胆に描かれている。著者自身も『研究者としての自分をなかば振り切り、専門分野を度外視して、できるだけ直感的な説明を心がけた』と記しているだけあって、その内容はとてもわかり易い。さらに単なる経験談に終わらず、それが様々な学術研究の裏付けをもって論じられているため、核心を突いた深い内容となっている。
 本書によると、中国人の伝統的家族観の本質は家父長による支配体制にあり、それが社会一般や国家にも広く浸透しているという。つまり中国のあらゆる集団においては権限を持った強いボスが存在しており、組織の構成員は皆、ボスの動向にのみ注意を向けるそうである。このような集団ではボスの一存で物事が決定するため、早く、ダイナミックな動きが可能となるが、他方でボスの求心力が低下したり不在となると、その集団は混乱の極みとなる。そのためボスは、組織が分裂しないよう日頃から飴と鞭を使い分けながら組織を束ねることに苦慮する。よく知られているように、中国という国のボスは中国共産党の党中央である。党中央の唯一の目的は、共産党による支配体制を存続させることであり、その為のことはすべて手段に過ぎない。かつて鄧小平が市場経済を導入したのは、中国人民の共産党への支持を回復するためであり、そのカンフル剤の効き目が薄れてくると、習近平は権力を強化することで、国内の引き締めをを図ることになったという。そのような視点さえ理解できれば、中国人が対外脅威を過大に見積もる傾向はあるものの、その対外政策が友好的な態度から敵対まで頻繁に変化することにも納得がいくだろう。
 基本的にトップの統制がしっかりしていると、中国の行動原理は把握しやすいようだが、それが効いていないと現場が暴走するきらいがあり、対応が難しくなるようである。その最たるものは、2012年以降に日中間で懸案となった尖閣諸島問題であるが、これは当時の国家主席胡錦濤が国家海洋局を抑え込むことができず、問題を複雑化させた経緯がある。その後、習近平は同局に中国海警局を新設して中央に置くことで統制を強化している。今後も米中関係や香港問題など、中国の振る舞いが世界に及ぼす影響は大きいが、皮肉なことに習近平の権威が強化されるほど、中国の対外政策は安定するであろう。そう考えると、中国の民主化という安易な希望を抱かない方がよいのかもしれない。
 『(今後)中国経済自由主義からより遠ざかって行く可能性が高い』という筆者の指摘はやや恐ろしい。」
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 石平「鄧小平路線は悪い意味での一つのモデルをつくり出した。それは『民衆は経済的自由と豊かさがあれば、民主主義や言論の自由は必要としない』ということです。
 ……
 基本的人権の尊重と言論の自由を守るために、安定と繁栄をある程度犠牲にしても構わないと。
 ……
 高度な理念や理想を求めると社会と、お腹が満たされれれば奴隷生活でもかまわない社会──どちらを選択するか。」
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 北村稔「中国人はもともと権力や政治には近づかず、自分たちの生活だけを楽しむ生き方を志向しやすい面がある。政治的に直接ぶつかって異を唱えれば、弾圧、処刑されますから。中国人の格言に『上に政策あれば、下に対策あり』があります。経済的豊かさが手に入ったら、政治的に何も文句は言わない。7~8年前に、ある中国人留学生は『もう民主化なんていらない』と言っていました」
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 中国において、時代が変わり、王朝が代わり、哲学・思想・主義主張が入れ替わろうとも、古代から現代までの支配原理は同じである。
 そして、道徳を看板として前面に押し出しても道徳はなく、人道はなく、人命軽視、権利無視も変わらない。
 百年河清を俟っても、現世利益と拝金主義に固執して自由や民主主義を望まない。
 つまり、政治には関心はなく、金を生まない哲学・思想・主義主張など興味がなかった。
 それが、中華的生き方であった。
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 中国をふくむ中華世界が安定するのは、血も涙もない暴力と死の恐怖体制を冷酷に実行できる専制君主・独裁者が支配する時代だけである。
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 中国共産党・中国軍は、国内外で総計1億人以上の人民を虐殺した。
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