🦎25」─1─南スーダン、自衛隊PKO施設部隊撤収と中国軍PKO部隊進駐。〜No.78No.79No.80 * ⑧


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 関連ブログを6つ立ち上げる。プロフィールに情報。
   ・   ・   {東山道美濃国・百姓の次男・栗山正博}・  
 日本は、PKO・国際貢献より日本ファーストを優先して、日本人を戦場に送りだして戦闘で死亡させないという日本国憲法の人命至上主義精神に従った。
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 日本共産党HP
 Q:9条は理想だけど、それでは安全は守れないのでは?
 A:『もめごとは軍事でなく外交で解決する』が世界の流れ、〝軍事力頼み〟こそ、アジアの平和を脅かしています。
 『戦争はしない』『軍隊を持たない』──憲法9条は、世界平和の道を照らしだしています。
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 2017年3月10日18:19 産経ニュース「南スーダンPKO施設部隊を撤収へ 安倍晋三首相が表明
 南スーダンPKO部隊撤収を発表する安倍晋三首相=10日午後、首相官邸(斎藤良雄撮影)
 【産経新聞号外】南スーダンPKO撤収
 安倍晋三首相は10日夕、官邸で記者団に対し、南スーダンの国連平和維持活動(PKO)に参加している陸上自衛隊の施設部隊について、5月末を目途に撤収させる考えを明らかにした。
 首相は、南スーダンでの活動が今年1月に5年を迎え、施設部隊の派遣としては過去最長となったことを挙げ、「自衛隊が担当している首都・ジュバにおける施設整備は、一定の区切りをつけることができると判断した」と述べた。司令部要員の派遣は継続する。」
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 3月10日18:58 産経ニュース「南スーダンPKO撤収 安倍晋三首相の発言全文 
 南スーダンPKO撤収について、記者団に説明する安倍首相=10日午後6時6分、首相官邸
 安倍晋三首相は10日夕、官邸で記者団に対し、南スーダンの国連平和維持活動(PKO)に参加している陸上自衛隊の施設部隊について、5月末を目途に撤収させる考えを明らかにした。首相の発言全文は以下の通り。
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 「先ほど国家安全保障会議を開催し、南スーダンに派遣中の自衛隊施設部隊は、現在従事している道路整備が終わる5月末を目途(もくと)に、その活動を終了することを決定いたしました」
 「南スーダンPKOへの自衛隊部隊の派遣は今年1月に5年を迎え、自衛隊の施設部隊としてはですね、その派遣としては、過去最長となります。その間、首都ジュバと各地を結ぶ幹線道路の整備など、独立間もない南スーダンの国づくりに大きな貢献を果たしてまいりました」
 「南スーダンの国づくりが新たな段階を迎える中、自衛隊が担当しているジュバにおける施設整備は一定の区切りをつけることができると判断いたしました」
 「この5年にわたる自衛隊の活動は過去最大規模の実績を積み重ねてまいりました。この日本政府の方針は、事前に南スーダン、そして国連にお伝えをしております。キール大統領は、これまでの自衛隊の活動を高く評価し、感謝すると言葉を伝えてくれました」
 「われわれは、これからも南スーダンPKO司令部への自衛隊要員の派遣は継続いたします。そして人道支援を充実するなど、積極的平和主義の旗のもと、国際社会と手を携えて南スーダンの平和と発展のためにできる限りの貢献を行っていく考えであります」
 「第1次隊から第11次隊まで、あわせると南スーダンに派遣された施設部隊の隊員は延べ3854名を数えます。日本から遠く離れた灼熱(しゃくねつ)の地にあって、立派にその任務を果たしてくれている隊員たち1人1人に、そして隊員たちを送り出してくれた家族の皆さまに、自衛隊の最高指揮官として心から感謝申し上げたいと思います。私からは以上です」」
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 3月10日20:15 産経ニュース「【南スーダンPKO撤収】野党、「政府説明が破綻」と一斉に反発
 南スーダンPKO撤収について取材に応じる共産党の小池書記局長=10日午後、国会
 政府が10日、南スーダン国連平和維持活動(PKO)派遣部隊の撤収を決めたことについて、野党は「治安状態に問題ない」としてきた説明が破綻したとして、一斉に反発した。
 民進党蓮舫代表は談話を発表し、これまで治安情勢の流動化から撤収を求めてきたとして「判断は評価するが、遅きに失したと言わざるをえない」と指摘。特に稲田朋美防衛相について「現地部隊が強い危機感を持って日々送ってきた報告を重要視せず、悪化する現地情勢に対応しようとしなかった責任は重大だ」と批判した。
 旧民主党政権で部隊派遣を決定したことにも触れ「5年以上の長きにわたり厳しい環境の下、国際貢献の任務を果たした多くの自衛隊員に対し最大の敬意を払う」とも記した。
 共産党小池晃書記局長は、記者団に「南スーダンが非常に危険な状態になるからこその決定で、今までの政府説明の破綻を示す」と批判。政府が現地で取り組んできた施設整備の終了を撤収理由にしていることも「多くの国民が納得できない。PKO参加5原則が崩れていることの言及がなく、不誠実だ」と述べた。」
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 3月10日 産経ニュース「【南スーダンPKO撤収】陸自撤退「聞いていない」 南スーダン大統領報道官
 南スーダンPKO部隊撤収を発表する安倍晋三首相=10日午後、首相官邸(斎藤良雄撮影)
 南スーダンのアテニ・ウェク大統領報道官は10日、共同通信の電話取材に対し、陸上自衛隊の国連平和維持活動(PKO)撤退方針について「何も聞いていないので正式なコメントは出せない」と語った。(共同)」
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 3月10日 20:25 産経ニュース「【南スーダンPKO撤収】公明・石田祝稔政調会長「発展に貢献した」と理解
 公明党石田祝稔政調会長
 公明党石田祝稔政調会長は10日、政府が南スーダンの国連平和維持活動(PKO)に派遣している自衛隊施設部隊の撤収を決めたことについて、「5年以上、南スーダンの発展に貢献してきた。1つの施設活動に区切りをつけたいということだろう。その通り受け止めたい」と述べ、政府の方針に理解を示した。東京都内で記者団に語った。
 石田氏は、撤収について「さまざまな意見が出ると思うので、説明をしっかりしていただくのが大事だ」とも語った。その上で「1国平和主義ではない日本の国際貢献、わが国だけが良ければよいという考えから大きく脱皮している。国際貢献と活動する人たちの安全の両立をこれからもやっていかなければならない」と述べた。
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 3月11日 産経ニュース「南スーダンPKO撤収 国連「これまでの活動に感謝」
 2016年11月、PKO施設内の作業現場で警戒する陸自隊員=南スーダン・ジュバ(共同)
 【ニューヨーク=上塚真由】国連のハク事務総長副報道官は10日の定例記者会見で、日本政府が南スーダンの国連平和維持活動(PKO)に派遣している陸上自衛隊施設部隊の撤収を決めたことについて、「自衛隊は長年にわたり、非常に重要な役割を果たした。これまでの活動に感謝したい」と述べた。
 ハク氏は、日本に対し、他のPKO活動に参加するよう促していく考えも表明。また「できるだけ早く施設部隊の損失を埋めたい」と述べ、代わりの部隊を派遣できるよう関係国と調整を急ぐとした。
 日本の別所浩郎国連大使は10日、国連のラズースPKO局長(事務次長)に撤収の方針を伝えたことを明かし、「良い仕事ぶりに感謝し、日本側の決定を尊重するといわれた」と、国連側から理解を得られたとした。ニューヨークの国連本部で記者団に答えた。」
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 3月12日 産経ニュース「【南スーダンPKO撤収】岸田文雄外相、南スーダンの飢饉対策に600万ドル拠出表明
 岸田文雄外相
 岸田文雄外相は12日、南スーダンの飢饉(ききん)対策として約600万ドル(約6億9千万円)規模の食糧支援などを行う方針を明らかにした。週明けにも正式発表する。視察先の熊本市内で語った。政府は10日に南スーダン国連平和維持活動(PKO)に派遣している陸上自衛隊部隊の撤退を発表したばかりで、同国の国づくりに引き続き関与していく姿勢を示す狙いもある。
 岸田氏は「食料援助を含む人道支援を継続し、さらに強化していかなければならない」と強調。部隊派遣がゼロになるPKOに関しても「日本として何ができるか、国際社会を見た上で検討したい」と述べた。
 世界食糧計画(WFP)は先月20日、南スーダンで発生した飢饉(ききん)により、人口の4割以上に当たる約490万人が緊急食料支援を必要としているとの声明を発表。このうち約10万人は飢餓の恐れがあるという。」
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 9月20日22:07 産経ニュース「【陸自PKO25年】内戦で劣化する道路、立て札が語る日本の「貢献」 南スーダン陸自撤退3カ月
 第3キャンプの周囲をパトロールするエチオピアのPKO部隊=15日、南スーダン(佐藤貴生撮影)
 土をかぶった道路の下から、小石を敷いてセメントで固めた基礎が顔をのぞかせていた。9月中旬、南スーダンの首都ジュバ。国連南スーダン派遣団(UNMISS)の平和維持活動(PKO)に加わった日本の部隊が補修を行った市内の主要道路だ。内戦が続く中、丁寧な仕事ぶりがうかがえる道路は確実に劣化しつつあった。
 米国大使館の前を過ぎると舗装が切れ、むき出しの土の道が現れた。周辺住民らによると、ここから下った約1・5キロ先までが日本が道路を補修した区間だ。モルタルや木造の平屋が軒を連ね、人通りも多い。
 雨期特有の雨が終日降ったこの前日には、茶色い濁流が脇の排水溝を越えて道路にあふれ出ていた。この排水溝も日本が作ったものだという話を聞いた。撤収後の激しい雨と多くの通行車両によって、道にはでこぼこができ始めていた。
 それでも、幹線道を除く大半が未舗装で、至る所に大きな穴が空いている市内の他の道に比べれば、はるかにましだ。PKO部隊を含め、市街では中国の存在感もあちこちで見られたが、道路周辺の住民は日本への謝意を口にした。
 果物を売っていたパスカ・アデルさん(32)は、「日本人がたくさん来て道を作ってくれた。多くの人が手伝おうとしたぐらい喜ばれた」と話した。政府職員のスティーブン・アルフレッドさん(37)は、「日本はきちんと仕事をして、すばらしい結果を残してくれた。もう一度来てほしい」と訴えた。
 坂を下ってしばらく行くと、白い札が立っていた。「日本と南スーダンの友情と協力の証」。その文言が、日本の貢献を静かに物語っていた。
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 日本が国連のPKOに参加して9月で25年となる。世界各地で紛争が絶えず、国連総会では20日、改革をめぐる協議が行われるなどPKOのあり方が注目されている。日本がこの5月まで活動していた「世界で最も若い国」である南スーダンで、PKOの実態と同国の情勢を追った。
 (ジュバ 佐藤貴生)
 ■国連南スーダン派遣団(UNMISS) 国連安全保障理事会が2011年7月、国際平和と地域の安全を脅かす状況だとする決議案を採択し、設立された。当初は7000人だった平和維持活動(PKO)の要員は最大17000人規模に拡大。任務の重点は13年末の戦闘激化を受け、重点が国造り支援から「民間人の保護」へと移った。日本は12年から道路や排水溝などインフラ整備を行う自衛隊の施設部隊を派遣。施設部隊は今年5月に撤収した。」
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 9月20日22:19 産経ニュース「【陸自PKO25年】南スーダン、続く民族対立 PKOパトロール同行ルポ 武器・麻薬に目光らせ
 第3キャンプを視察するエチオピアPKO部隊の将校(佐藤貴生撮影)
 南スーダンの首都ジュバには、「民間人の保護」を目的に国連南スーダン派遣団(UNMISS)が管轄する国内避難民のキャンプがある。9月中旬、エチオピアのPKO(平和維持活動)部隊のキャンプ周辺のパトロールに同行した。
 ジュバの市街地から約7キロ南に、UNMISSの活動拠点「UNハウス」があり、キャンプはその広大な敷地に沿うように設置されていた。
 午前9時すぎ。迷彩服にヘルメット姿の隊員十数人が小高い丘に整列し、アシュチャリュ少佐(44)の指示を受けて徒歩でパトロールに出発した。麓には38000人が暮らす「第3キャンプ」の白いテントが延々と広がる。
 「それぞれのキャンプの周囲数百メートルは武器の持ち込みが禁じられている。そのエリアを巡回し、キャンプの内と外で武器や麻薬の受け渡しがないかをチェックするのが任務だ。日中と夜間に各4回、巡回している」(同少佐)
 第3キャンプの外周に沿って、背の高い草を自動小銃でかき分け、禁制品が隠されていないかを黙々と調べる隊員たち。パトロール隊員3人と、国連の警察部門の担当者は女性だった。女性の犯罪容疑者を拘束するケースもあるからだ。
 少佐によると、第3キャンプで生活しているのはほぼ全員がヌエル族だ。昨年夏、第1副大統領を務めていたヌエル族のマシャール氏配下の反政府軍と、最大民族ディンカの出身であるキール大統領率いる政府軍との戦闘が激化し、政府軍が首都を制圧。ディンカ族の攻撃を恐れ、身の安全を求めるヌエル族のキャンプへの“駆け込み”が急増したという。
 市内で会ったヌエル族の交通警察官の男性(29)も、「身の危険を感じ、一時は仕事を放り出してキャンプに逃げた」と話した。
 60以上の民族が混在し、対立が絶えない南スーダン。「避難民を装い、ヌエル族の武装勢力の幹部がキャンプに潜んでいるケースもあると思う。内戦は当面終わりそうにない」。住民の男性が言った。 (ジュバ 佐藤貴生)」
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 9月28日22:38 産経ニュース「南スーダン避難民 届かぬ支援、募る絶望感
 びっしりと避難民のテントが並ぶキャンプ(佐藤貴生撮影)
 食料もなければ、きれいな水も手に入らない。学校も病院もない。9月中旬に訪れた南スーダンの首都ジュバにある国内避難民キャンプでは、絶望的な状況の下、人々が懸命に暮らしていた。人生を一変させ、いつ終わるとも知れぬ内戦。市民生活が好転する兆しはなく、疲弊した人々が何らかのきっかけで一瞬にして暴発しそうな危険な雰囲気も漂っていた。(ジュバ 佐藤貴生)
 水さえ手に入らず
 ジュバの市街にあるこの避難民キャンプは2013年、政府軍と反政府軍の衝突激化に合わせ、国連難民高等弁務官事務所UNHCR)が設置した。戦火を恐れ、さまざまな民族が家を捨ててやってきた。
 テントや木造の粗末な家々がひしめく中、約7800人が暮らしているが、毎日、約3500人分しか食べ物が手に入らない。あぶれた人々は自分で日々の食べ物を調達しなくてはならない。
 「配給は豆やトウモロコシなどが多く、肉や牛乳がない。みな栄養不足になってしまう。食べ物を蓄えている人もいる。だから、私はちょっとだけ食べ物をもらって他に回したりしている」。キャンプの住民リーダーであるメイエン・クルさん(49)がいった。ある女性は「電気も来ないが、食べられさえすれば、そんなことは問題ではない」と話す。
 狭い路地のあちこちで、灰色に濁った水をたらいに入れ、衣服を手洗いする女性や子供がいた。ミネラルウオーターなどきれいな水は配給されず、1リットル40円程度で手に入る水が買えないのだという。
 「キャンプの数百メートル先のナイル川から、水を運んできて使っている」。混乱の中で娘とはぐれ、孫7人とキャンプに逃げ込んだというハネム・ケージさん(70)が話した。「煮沸せず、川の水をそのまま飲んでいる」という人も多い。
 半数以上が「要支援」
 地元記者によると、独立時の2011年に1ドル=3前後だった南スーダンポンドは今や180まで急落し、60分の1の価値しかない。市中ではヤミ両替が横行し、100ドルを渡したら大量の札束が入った袋が返ってきた。
 国連南スーダン派遣団(UNMISS)の推計では、家がない人は約400万人に上る。うち190万人は国内避難民で、それを上回る数の人が難民として周辺国に逃れた。170万人は飢餓の瀬戸際にあり、何らかの支援を必要としている人は760万人と、全人口の半数以上に相当する。
 街中ではガソリンスタンドの前に長蛇の列ができ、自動小銃を持った兵士らしき男性が、別の人物と口論を繰り広げる姿もあった。 政府のメディアに対する統制も厳しく、市内各地では私服の情報機関員が目を光らせているという。市民の我慢と絶望感は限界に近い。
 日本の供与額3位
 「妊婦や新生児は十分に栄養が取れず、医師の診療も受けられない。8月は12人が亡くなった」。避難民キャンプの女性リーダー、マルサアトル・オモットさん(53)がいった。
 子供を学校に行かせることはもちろん、市内の病院に行ったり薬を買ったりする金もない。病気で路地に座り込み、母親にぐったりともたれかかる女児の姿もあった。
 キャンプの中では炭を持っている家族をしばしば見かける。アグート・ロワルさん(45)もその1人で、「炭を業者から借りて少し高く値をつけて売り、その利ざやでわずかな現金を得ている」のだという。
 UNHCRの担当者によると、日本は昨年、同組織の南スーダンのプロジェクトに約580万ドル(約6億5千万円)を供与した。米欧に次ぐ世界第3位の規模だ。
 しかし、南スーダンの政治は空転状態が続き、目立った産業もない経済は悪化の一途をたどっている。汚職が蔓延し、海外からの支援は十分に末端まで行き届いていない。内戦の当事者である政府が、国民の困窮に心を痛めているようには感じられない。
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 【用語解説】南スーダン
 人口推定1270万人。首都ジュバ。2011年7月、スーダンから独立し193番目の国連加盟国に。13年12月、キール大統領の政府軍と、副大統領を解任されたマシャール氏の反政府軍による内戦状態に陥った。15年8月に和平協定。マシャール氏は16年に第1副大統領として政権に一時復帰したが、同年7月にジュバで大規模な衝突が起き、争いが再燃した。現在も各地で内戦状態が続く。最大民族ディンカのほか、ヌエル、シルクなど60以上の民族がいる。日本は12年から今年5月まで国連平和維持活動(PKO)に部隊を派遣した。」
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 9月28日22:40 産経ニュース「中国、南スーダンで存在感 病院、レストラン、油田も…
 南スーダン・ジュバでパレードを行う中国のPKO部隊=5月29日(ロイター)
 南スーダンの首都ジュバでは、中国の存在感があちこちで見て取れた。国連平和維持活動(PKO)への部隊派遣のほか、石油産業にも参画しており、アフリカのエネルギー資源への強い関心を示していた。
 ジュバの外れにある国連南スーダン派遣団(UNMISS)の活動拠点、UNハウス。中国のPKO部隊の宿営施設は、バングラデシュなど各国に比べても格段に大きい。「中国の部隊員は練度が高く、早朝にジョギングして鍛えている者もいる」(UNMISS報道担当者)。ハウス内にある食堂では、各国の兵士らと昼食を取る中国の部隊兵の姿もみられた。
 南スーダンには最大1万7千人規模が派遣されているが、現時点で中国の部隊はそのうち約1千人を占める。UNMISSによると、今年5月までの1年間で死亡した隊員や職員ら8人のうち2人は中国人兵士だ。「2人は昨夏、UNハウスのすぐ近くで起きたディンカ族とヌエル族の武力衝突の犠牲になった」(地元記者)という。
 中国の存在感はジュバ市街でもみられた。石油価格の下落や内戦の深刻化などで、中国人の数は一時期よりも大幅に減ったが、「友誼病院」という名の病院や、中国人が営む日用品店やレストランもあった。「中国人には感謝している」(37歳の男性運転手)といった声も聞かれる。
 中国石油大手、中国石油天然ガス集団(CNPC)や中国石油化工(シノペック)は、北西部の主力であるパロチ油田の運営に参画している。(佐藤貴生)」
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