兵士とセックス――第二次世界大戦下のフランスで米兵は何をしたのか?
- 作者:メアリー・ルイーズ・ロバーツ
- 発売日: 2015/08/27
- メディア: 単行本
関連ブログを6つ立ち上げる。プロフィールに情報。
・ ・ {東山道・美濃国・百姓の次男・栗山正博}・
連合軍は、ドイツの諸都市と同様にノルマンディーやブルターニュの都市に無差別爆撃を行い、フランス人数万人を殺し、多くの建物を破壊して夥しフランス人の住居を奪った。
都市に籠もって戦う総力戦では、非人道的な、都市破壊と住民犠牲は避けられない。
それは、連合軍・アメリカ軍であれ、日本軍であれ、ドイツ軍であれ、同じである。
もし都市無差別爆撃が戦争犯罪とされるのなら、敗戦国の日本やドイツ同様に、戦勝国の連合国やアメリカそして中国も提訴されるべきである。
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日本軍の重慶精密爆撃が戦争犯罪というのなら、アメリカ軍・連合軍の都市無差別縦断爆撃も戦争犯罪である。
国際司法機関の戦争犯罪裁判は、敗戦国を有罪として責任者を処刑しても、戦勝国は無罪とし責任者を罪には問わなかった。
第二回南京事件問題、従軍慰安婦問題、靖国神社参拝問題も同様である。
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連合軍は、ノルマンディーに上陸し、ドイツ軍の支配からフランス・ヨーロッパを解放する為に進軍を開始した。
アメリカ人兵士は、抵抗らしい抵抗もせずドイツ軍の占領を甘受し、ナチス・ドイツの占領政策に協力したフランス人の男性を自尊心のない「腑抜け」と馬鹿にし、女性はドイツ人兵士に媚びを売る娼婦と軽蔑していた。
フランス人男性が、狂喜してドイツ人兵士と関係していた女性を丸坊主にして街中を引きずり回す「トント」の儀式を目の当たりにして、「自分の女、ひいては自分の国を支配できない寝取られ男」と見下し蔑視した。
アメリカ人兵士は、自己犠牲的に女性を守る男性不在のフランスを解放し保護する者として、命と血の代償として性的快楽をフランス女性に求めた。
アメリカ人兵士による強姦事件は、アメリカ軍の解放地区拡大と共に増加した。
アメリカ軍も、地元住民の反感を鎮める為に、軍法に照らして強姦容疑者を逮捕し軍法会議に掛けて厳しく罰した。
が、アメリカ軍には伝統的な根強い人種的偏見が存在し、人種差別的厳罰主義から、白人兵士を軽罰に、有色人種を重罰に、アフリカ系アメリカ人を公開処刑した。
25人のアフリカ系アメリカ人兵士が、フランス人達の前出で処刑された。
保守的なフランス人は、アメリカ人兵士の横暴な振る舞いに不快感を示しつつも、ドイツ軍から祖国を解放する為にはアメリカ軍に頼るしかないと目を逸らした。
アメリカ軍が駐屯する地域では、一般女性をアメリカ軍兵士の強姦から守り為に集められるだけの娼婦を集め、足りなければ戦闘で住む家を失い家族を亡くした若い女性を娼婦に仕立てた。
それ以外で、家族を食べさせる為に個人的にアメリカ人兵士に身体を売っていフランス人女性もいた。
都市部の建物の多くが破壊された為に、アメリカ人兵士とフランス人娼婦達は人目を気にせず公園や墓場などでセックスを行っていた。
風紀の乱れを憂慮したフランス人達は、アメリカ軍に対して軍専用の慰安所設置を懇願した。
アメリカ軍は、アメリカ本国における慰安所反対の女性運動に配慮して、軍専用の慰安所設置要請を却下した。
「軍が、セックスを規制するなど論外だ。そんな施設をつくれば記者達が嗅ぎ付け、兵士の乱交振りが故郷に報じるだろう」
だが。アメリカ軍も、アメリカ人兵士の中で性病が蔓延して戦力が低下する事を憂慮し、公式には否定しても非公認の慰安所設置を決めた。
フランスの公認売春宿(メゾン・クローズ)をドイツ軍に協力していたとして没収して、非公認の連合軍専用慰安所にし、将校用、白人兵士用、黒人兵士を含む有色人兵士用の三タイプを設けた。
さらに、アメリカ国内への言い訳にする為に平服着用を義務付けた。
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特攻 空母バンカーヒルと二人のカミカゼ―米軍兵士が見た沖縄特攻戦の真実
- 作者:マクスウェル・テイラー・ケネディ
- 発売日: 2010/07/12
- メディア: 単行本