🔯15」─1─世界神話の誕生。ゴンドワナ型神話群。ローラシア型神話群。 日本中心神話は天皇家の天孫降臨神話である。No.47 @ 

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   ・   ・   {東山道美濃国・百姓の次男・栗山正博}・    
 人類の文明史・宗教史において、グローバルな普遍宗教が拡大するやローカルな民族宗教・土着神話は民族の消滅と伴に霧散していく。
 アメリカのネイティブ・インディアンやハワイのカナカ人(ハワイ人)は、アメリカ化・キリスト教化によって先祖代々受け継がれ独自の伝統的民族神話・民族宗教と共に民族言語・民族文化を失った。
 人類の発展史において、数多くのローカルな民族神話・民族宗教・民族言語・民族文化は消滅している。
 日本民族日本人の伝統的神話・宗教・言語・文化・習慣・風習は、グローバルではなくローカルである以上、人類の文明史・宗教史において何時かはグローバルな流れによって滅びる・消滅する運命にある。
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 2018年2月号 新潮45「Review BOOK
 世界中に類似する物語が存在するのは
 『世界神話学入門』 後藤明 講談社現代新書
 日本の神話が遠くギリシャ神話と似ていたり、ノアの方舟のような洪水伝説が世界中で語り継がれていたりするのは、不思議である。そんな場合、ふつうは『人類の頭脳構造はみな同じだから』と生理的な同質性が持ち出されるか、あるいは一つの文化が近辺に伝播する事態が想定される。後者は、聖書の物語がキリスト教の布教とともに世界中に広がるような場合だが、ただし浦島伝説が宣教師の手で広がったとは到底思えない。
 著者は、世界中に類似の神話が広く存在することの説明に、アメリカの神話学者マイケル・ヴィツェルらのいう『世界神話学』という考え方を用いる。ワールド・ミソロジーとは何か。ミトコンドリアDNAやY染色体の分析によって、現生人類(ホモ・サピエンス)の来歴を明らかにしつつ近年の遺伝子学の目覚ましい成果を、神話の世界規模の分布の理解にも応用しようとするもの。
 遺伝子学の解明によると、ホモ・サピエンスは20万年ほど前のアフリカに誕生し、その一部が10万年ほど前に北東部からアラビア半島に〝出アフリカ〟を果たし、やがて彼らは海岸沿いにスンダランド(海面低下でインドシナ半島インドネシア群島などが陸続きになった大陸)にまで至る。6万年ほど前には早くも海を渡ってサフル大陸(オーストラリアとニューギニアが一つになった大陸)にも進出したらしい。この最初期のルート上に点在するのが『ゴンドワナ型神話群』と呼ばれるものである。
 その後も引き続き人類の出アフリカは続くが、ルートは海岸沿いばかりではない。インダス、ガンジス、メコンなどの大河川沿いに随時北方、内陸方面にも向かい、その先々でまた東西方向に分かれたりする。それらの一分流が中東・トルコ方面で育み、やがて西方ヨーロッパと、東方シベリア、東アジア、さらにはアメリカ大陸へと至る一連の神話を『ローラシア型神話群』と名付ける。これだと東西共通の理由もよく分かる。
 ローラシア型神話群は世界の起源(創世神話)、生業や権力・王朝の起源などを一定のストーリーラインに沿って説明しようとするもので、物語性に富み、聞いていて面白い。人気アニメやゲームソフトなどもしばしば下敷きにするほど現代人の心にも、深く根付いているらしい。対してゴンドワナ型神話群はローラシア型神話群の特徴を欠くもの。つまり物語性がなく、『山がある』『死がある』というだけの、捉えどころのない古層の神話群ということになる。
 面白いのは、著者がゴンドワナ型神話群を狩猟採集の無格差時代に、ローラシア型をその後の格差時代の人類に関連付けようとしている点だ。つまり格差(権力)を受け入れるには、それだけ長大な物語・神話による説明が必要だったのだ。(評論家・稲垣真澄)」
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 2018年2月8日号 週刊新潮「ある特派員仲間の死 ヤン・デンマン
 昔の特派員仲間がロンドンで孤独死した。イギリスのメイ政権は『孤独担当相』を新設したそうだが、西欧でも孤独の問題は深刻になっている。ジョー・コックス委員会が赤十字社など13の福祉団体と連携し、孤独に関する調査を進めたところ、イギリスでは900万人以上の人々が孤独を感じており、その3分の2が『生きづらさ』を訴えていた。また、月に1度も友人や家族と会話をしないという高齢者は20万人に上った、身体障害者、子供を持つ親の4人に1人が孤独を感じている。委員会は『孤独が人の肉体的、精神的健康を損なう』と警告、孤独がイギリス経済に与える悪影響は年間320億ポンド(約4.9兆円)に上るとしている。
 ……
 そもそも孤独=悪と決めつけるのには違和感がある。現代社会は、人間が孤独を確保するために整えたシステムとも言えるからだ。人間は社会的動物である。外敵から身を守るために集団生活をし、大規模な耕作を行うことで、地球上の覇者となった。しかし、知能が発達するにつれて、『個』という問題が発生した。近代は個人主義の時代である。前近代における共同体やギルドは完全に破壊された。
 ……
 人間が一番孤独を感じるのは信じていたものを失ったときだろう。」
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 日本列島は、海と陸の境界・際にあり、世界の最果て、大陸の辺境、陸地が尽きる端・極に存在し、その先には行けないどん詰まり土地である。
 海とは、人が住めない、「舟板一枚下は地獄」とうい恐怖の世界・死の空間である。
 日本列島には、人はもちろん文化や宗教などありとあらゆるモノが流れ着く、文明の風の吹き溜まり様なところである。
 日本社会とは、統一性のない何でもありの曖昧模糊とした混乱と混沌の乱雑社会である。
 それ故に、そこに住む日本民族日本人も雑種の混血民族である。
 その中から、日本的単一性が生まれた。
 さらに、日本列島は世界有数の自然災害多発地帯で、一瞬でも気を緩めると即死という救われがたい残酷な自然環境・住環境であった。
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 日本民族の日本中心神話とは、天皇家の祖先神話・天孫降臨神話である。
 日本神道における八百万の神々の正統性と神格は、天皇家の神話によって与えられている。
 天皇家の神話に由来しない日本の神には、正統性もなければ、神格もなく、神性も、神聖もない、単なる俗物である。
 日本中心神話・天孫降臨神話は、日本民族独自の神話で、中国や朝鮮の神話とは無関係である。
 日本天皇の神の裔としての正統性と天照大神の直系子孫であるという皇統・血統・血筋は、天孫降臨神話に担保されている。
 日本天皇が安泰なのは、日本民族の日本中心神話・天孫降臨神話が存在するからである。
 それは、日本国語で語られている。
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 反宗教無神論の反天皇反日的日本人は、天皇制度廃絶の為に日本中心神話・天孫降臨神話を非科学的な物語と否定し抹殺しようとしている。
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 閉鎖空間・閉塞空間の、日本を支配するのは「空気」であり、日本民族日本人は「空気圧」で動き、日本社会は「同調圧力」で正常に保たれている。
 正常を維持するのが、「おもてなし」であり、忖度であり、配慮であり、慮るである。
 つまり、自分がされたくない事は「迷惑」であるとして赤の他人であっても決して相手にしない、自分がされたい事は「有り難い」行為として赤の他人でも出来る限り相手にする、と言う事である。
 それが、日本民族日本人特有の大和心、お互い様・相身互いであり、已むに已まれぬ惻隠の情である。
 その手本・鑑とされたのが、私心なき天皇の存在、無心な天皇の祈りであった。
 天皇の宗教的道徳性が、日本民族日本人の安定性の要であった。
 相手に対する感情は、日本と中華世界の中国や朝鮮では全く異なる。
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 共存共栄・共生の理想社会といっても、日本が情緒的に目指す共存共栄・共生と中華や西洋などの大陸が論理的に思考する共存共栄・共生とは根本的に異なる。
 つまり、日本はどこまで行っても大陸世界とはズレて、交わる所が少ない。
 それ故に、日本は世界の非常識として理解されず、日本人は世界の常識がないとして嫌われる。
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 世界常識では、日本人がアフリカ人同様に奴隷として世界中に売り飛ばされた事は問題となっていない。
 それが、人類史・世界史・大陸史であるからである。
 現代日本歴史教育が、ナショナリズム史観=皇国史観による日本民族日本人史を軽視もしくは否定し、キリスト教史観とマルクス主義共産主義)史観そして日本人残虐非道の極悪人史観で子供達に教えられてる以上、日本人奴隷売買という事実は歴史の闇に葬られている。
 つまり、「非人道的な犯罪行為ではなく当たり前の事・常識の範囲である」として問題視されていない。
 キリスト教布教に伴って行われた日本人奴隷交易は、宣教師のローマ教皇や本国への報告書などで明らかになっているのに、世界はもちろん日本でも問題となっていない。
 豊臣秀吉徳川家康等は、キリシタン弾圧の理由に日本人奴隷売買をあげている。
 日本の世界常識に基づく歴史教育は、日本民族日本人の残虐性を証明する為にキリシタン弾圧の本当の理由を抹消している。
 日本のグローバリストである知的エリート達は、そうした歴史教育を受けている。
 日本人奴隷売買を行ったのは、中世キリスト教会であって現代のキリスト教会ではない。

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