🐖4」─1─中国経済での児童の悲惨。儒教は、女児を人間扱いしない。中国共産主義体制の現状。~No.26No.27No.28 @ 

   ・   ・   ・   
 関連ブログを6つ立ち上げる。プロフィールに情報。
   ・   ・   {東山道美濃国・百姓の次男・栗山正博}・  
 2015年7月3日 産経ニュース「【中国トンデモ事件簿】児童4人が自殺、父は出稼ぎ、母は家出…繰り返される「留守児童」めぐる悲劇
 中国貴州省畢節市で児童4人が服毒自殺したとされる住宅(中国のニュースサイトから)
 中国内陸部の貴州省畢節市で6月9日、両親が出稼ぎなどで不在だったきょうだい4人が農薬を飲んで自殺する事件があった。農村の貧困や都市との格差、社会保障制度の不備、児童虐待など中国社会の抱える闇があぶり出され、波紋を広げている。13歳の長男が「死ぬことは長年の夢だった」と記した遺書に“偽造疑惑”まで持ち上がり、当局への根深い不信も浮き彫りとなった。(西見由章)
 手足を痙攣(けいれん)させ…
 中国メディアの報道を総合すると、服毒自殺したのは13歳の男児と9歳、8歳、5歳の女児のきょうだい。4人は夜11時すぎに自宅で有機リン系殺虫剤「ジクロルボス」を飲んだ。子供のうめき声に気づいた隣人が救急車を呼び、警察官らが門をこじあけて室内に入ったが、いずれも現場、あるいは搬送先の病院で死亡が確認された。
 長男は3階の窓から転落したとみられ、自宅前の路上に倒れ込んでいるのを隣人が発見した。目をつぶって拳を握りしめ、手足はわずかに痙攣していたという。一方、3人の女児は普段生活していた3階で倒れているのが見つかった。
 事件の背景には、何より不幸な家庭環境があった。きょうだいが暮らしていたのは3階建ての住宅で、2012年に新築されたばかりだったが、そこに大人の姿はなかった。父親は今年3月から広東省に出稼ぎに出ており、母親は14年3月に家出していたのだ。警察は事件直後からきょうだいの両親に連絡を取ろうとしたが、しばらく所在がつかめなかったという。
 国営新華社通信によると、きょうだいは父親による家庭内暴力の中で育った。長男は父親に殴られた後、2週間近く家出したこともあったと親類が証言している。
 暴力は母親にも向けられたようだ。14年3月にけがをして入院した母親は、そのまま家を出た。事件後、母親はあるメディアに「夫の暴力が怖かった」と4人の子供たちを置いて家出した理由を語っている。本人の不倫が原因だったと報じたメディアもあるが、真相は不明だ。
 キャッシュカードだけ渡して家を出る
 夫婦が以前の出稼ぎでためた金は、自宅の新築や一人っ子政策への違反金などに消えてしまったようだ。再び出稼ぎに出ることを決意した父親は今年3月、残高700元(約1万4千円)の銀行キャッシュカードを長男に渡しただけで、親類らに子供たちの面倒をみるよう頼むこともないまま家を出たのだった。小学校や幼稚園に通う子供4人は突然、すべての保護者を失った。
 幼いきょうだいが置かれた苦境は、特殊な家庭環境がもたらしたものだが、同時に中国社会が抱える普遍的な問題でもある。
 中国では、都会に出稼ぎに出た両親と離れて実家の農村で暮らす子供たちを「留守児童」と呼ぶ。全国婦人連合会が13年に実施した調査によると、留守児童の数は全国で6000万人以上に達する。その大半は祖父母や親類が面倒をみているが、自殺したきょうだいのようにネグレクト(育児放棄)状態となっている子供も少なくないとみられる。
 畢節市では12年に、5人の留守児童が放浪の末、ごみ箱の中で暖を取って一酸化炭素中毒で死亡する事件が起きている。14年には小学校教師が留守児童の女児12人を乱暴する事件が発生。15年5月にも留守児童7人に小学校教師がわいせつ行為を働いていた事件が発覚した。
 社会の荒波や悪意から子供たちを守る「防波堤」が存在しないために起こる悲劇だ。
 なぜ留守児童が生まれるのか。根本には農業収入だけでは生活できない農村の貧困がある。出稼ぎ者の「農民工」たちは都市にとって不可欠で安価な労働力にもなっている。
 一方で、中国には農村から都市へと自由に戸籍を移せない独特の戸籍制度がある。農村戸籍を持つ子供が都会に出ても、就学面でさまざまな障壁に直面する。都市は生活コストが高いこともあり、農民工たちは子供を連れて出稼ぎに出ることができないのだ。
 遺書は合成?
 4人が自殺した事件は中国国内で大きく報道されたが、混乱に拍車をかける事態が起きた。国営中央テレビ(CCTV)が、長男が残したとされる遺書を紹介したことが発端だ。
 「あなたたちの好意に感謝します。あなたたちは私によくしてくれました。しかし私は死ぬべきなんです。私はかつて15歳までに死ぬと誓いました。死ぬことは私の長年の夢でした」
 画面に映し出された手書きの“遺書”は実物ではなく、局側が合成したものだったのだが、「パソコンのフォントソフトに使われているものと全く同じ字体だ」などとネット上で“偽造疑惑”を指摘する声が続出。その後、当局側が「実物を公表できないため、文言を取材したCCTV側が合成した」と釈明したものの、「文章自体が13歳が書いたとは思えない」「当局への感謝が強調されており不自然。責任を免れるためではないか」などと疑念が渦巻いている。
 さらに4人が自殺する直前の当日午後10時ごろには、教育担当者ら約10人がきょうだいの家を訪れて“復学”を説得していたことが明らかになり、「子供たちを追い詰めたのではないか」などと当局の対応を疑問視する声も寄せられている。
 きょうだいのうち小学校に通う3人は5月8日からまったく登校しなくなっていたのだ。幼稚園に通う5歳の女児は事件当日も、グラウンドに出て楽しそうにフラフープで遊ぶ姿が目撃されていた。
 今回の事件を受けて李克強首相は関係機関に「悲劇を再び起こすな」と指示を出した。ただ対症療法だけで留守児童の問題を解決することは難しい。都市と農村が断絶している社会構造の変革こそが求められている。
   ・   ・   ・   
 2016年3月12日 産経ニュース「【中国全人代2016】“置き去り児童”6千万人 社会問題化も抜本策なく
 中国で開会中の全国人民代表大会全人代=国会)で、出稼ぎに出た親と離れて農村で暮らす「留守児童」の問題に関心が集まっている。多くは祖父母や親類が保護者となるが、犯罪や事故、児童虐待に巻き込まれるケースが後を絶たず社会問題化しているためだ。中国では子供の5人に1人にあたる約6000万人がこうして親から“置き去り”にされているとの統計もあるが、抜本的な解決策はないのが実情だ。(北京 西見由章)
 今年1月4日、湖南省耒陽市の住宅で2人暮らしをしていた女性(57)と孫娘の1歳10カ月の幼児が家の中で死亡しているのが見つかった。両親は出稼ぎ中で、面倒を見ていた女性が急病で死亡し幼児は餓死したとみられる。昨年6月には貴州省畢節(ひっせつ)市で、両親が出稼ぎなどでネグレクト(育児放棄)状態に置かれていた13〜5歳のきょうだい4人が農薬を飲んで自殺する事件があった。
 李立国民政相は9日、全人代が開会されている人民大会堂で「畢節市の悲劇はわが国の経済社会の発展段階のために起きた現象だ」とメディアに語り、留守児童の保護機構を早急に整備する考えを表明。袁貴仁教育相も10日の記者会見で、寄宿制学校の整備や教育現場での心のケアの強化などを挙げた。
 一方、中国国務院(政府)は2月に留守児童対策のガイドラインを発表し、学校や医療機関などの職員が保護者を事実上失っている留守児童を発見した際、警察に通報することを義務付けている。
 ただこうした対策はいずれも対症療法の感は否めない。留守児童が大量に生まれる背景には農業収入だけでは生活できない農村の貧困があり、出稼ぎの「農民工」たちは都市にとって不可欠な安価な労働力となっているためだ。
 さらに柔軟性を欠く農村と都市の戸籍制度による就学面での不便や都市の生活コスト高騰により、農民工たちは子供を故郷に残すことを余儀なくされてきた。李克強首相は5日の政府活動報告で、都市と農村の格差解消に向けて戸籍制度の緩和や内陸部の中小都市の発展などを掲げたが、留守児童の根本的な解消に向けて改革は緒に就いたばかりだ。」




   ・   ・   ・