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2025年11月号 WiLL「戦後80年
腹黒い世界を相手に日本だけ『反省』してどうする
渡辺惣樹 福井義高
国際政治に正義はない。いや、勝てば正義なのだ。
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不完全燃焼だった日本陸軍
渡辺 米国の戦争は基本的に防衛戦争ではない。帝国主義的、海洋覇権を取るための戦争です。そうなると、日本特攻隊兵士のように故郷や肉親を命懸けで守るというメンタリティが一般兵士に生まれません。ガダルカナル島の戦いのとき、米国兵士の5人の2人が精神的にダメージを受け、本土に戻さざるを得なかった。戦いを指揮したアレクサンダー・アーチャー・ヴァンデグリフト大将も兵士の士気の維持には苦労しています。彼らからすると、日本軍の戦い方が理解できない。自分たちも何のために戦っているのか、よくわからない。硫黄島の戦いでも同じ状況だったのではないでしょうか。
福井 硫黄島の戦いでは米兵が多数戦死し、米政府は衝撃を受けます。日本軍の強さに驚き、兵士の人命第一の米軍の基本方針からいって、本土決戦はできないと見たでしょう。
渡辺 九州方面から本土上陸作戦を決行しようという話がありますが、机上の計画に過ぎない。米国は陸戦が大嫌いですし、福井先生がおっしゃったように米国は兵士を死なせることを忌避しますから。
福井 敗戦を迎えたとき、日本陸軍は不完全燃焼だったといわれますが、負け惜しみとばかりはいえません。地上戦を展開すれば、米兵の死者数は相当な規模になったでしょう。それがわかっていたから、日本がポツダム宣言を受諾しなければ、上陸作戦はとられず、兵糧攻めにしたのではないでしょうか。
渡辺 米国はここでもズルく、上陸作戦が検討された事実を利用して、原爆投下を正当化しています。原爆投下で犠牲者が少なくて済んだ。という理屈です。
福井 それは、スタンフォード大名誉教授バートン・バーンスタインが明らかにしたように、戦後につくられたプロパガンダにすぎず、原爆を堕とす段階では、米兵の犠牲を抑えるという点はとくに重視されていませんでした。原爆投下は実に軽い感覚で行われたのです。すでにその前から無差別爆撃をドイツや日本で実行しており、それと原爆は何が違うのかという意見も有力でしょう。
日本では原爆の犠牲者数ばかり取り上げもすが、東京大空襲の犠牲者も大規模です。しかし、戦後の取り扱いの格差は、東京そのほかの空襲犠牲者やその遺族にとっては納得いかないものでしょう。
渡辺 米軍のやり方は実に悪辣です。東京大空襲では周囲を火で囲んで逃げ道を塞(ひさ)ぎ、大量の焼夷弾を投下し、火の海にした。10万人以上の犠牲者を出しています。
福井 無差別爆撃は日本が最初の対象ではありません。英米がドイツですでに行っていた。そういう意味では対日無差別爆撃は人種差別に基づくものでもないのです。最初に無差別爆撃を始めたのは英国であり、英国のやり方を真似したのが米国です。
渡辺 チャーチルが無差別爆撃の推進者ですが、彼は言っていることとやっていることがまったく違います。
福井 戦術的に無差別爆撃は実に無駄が多いやり方です。それこそ無差別に大量の爆弾を落とさなければなりませんから、大量の爆撃機と爆弾が必要になる。そんな攻撃法は、当時の日本のような貧しい国には不可能であり、贅沢なやり方なのです。
変化する近現代史の評価
渡辺 読者から私に直接メールが届いたのですが、福井先生が『「腹黒い」近現代史』で『事件の順序が変われば、米国はドイツにも原爆を躊躇(ちゅうちょ)なく投下していた』と発言しており、納得できないとのことでした。日本人の多くが、米国の白人優越主義、黄色人種に対する差別意識が根強くあると考えているのでしょう。確かにそれはそうなんですが、そういった見方を持ちすぎると、歴史の真実を見誤ることになります、私は、
『私を含めて、保守系論者は、そのことに焦点を当てすぎました。ドイツの受けた悲惨さは日本の比ではありません。そのことはアジア人蔑視意識だけでは説明がつきません』
と返信し、納得していただけました。原爆被害の観点を重視すれば、日本は実に悲惨な状態に陥りました。しかし戦後、ドイツ国民が受けた悲惨さも筆舌に尽くしがたいものがあった。
……。」
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アメリカ政府と軍首脳は、戦争でアメリカ白人兵士に犠牲が出る事で厭戦気分が広がる事を怖れ、戦争ストレス・戦闘パニックでアメリカ白人兵士の精神崩壊を防ぐために定期的に後方での休暇をおこなっていた。
アメリカ軍とアメリカ軍兵士にとって、休暇を取らず戦い続ける日本軍・日本人兵士が理解できず、まして自殺であるカミカゼ特攻や玉砕、全滅覚悟で女子供まで参加する万歳突撃が狂人のなせる技と恐怖した。
武器を持たない日本人は、小刀、竹槍、棍棒、石を武器とし、あるいは何も持たずアメリカ軍陣地に向かって突進し、銃弾や砲弾で死んだ同胞を乗り越えて死に絶えるまで突進した。それは、海に集団で身投げするネズミに似ていた。
日本人にとって、日本人と見るや女子供に関係なく見境無く惨殺するアメリカ軍への投降などは望むべくもなかった。
アメリカ軍の基本方針は、日本人兵士捕虜を受け入れず如何なる理由があっても射殺する事であった。
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アメリカは、日本を占領するにあたり日本国、日本人の報復、復讐を怖れ、抵抗運動・テロ攻撃を警戒した。
日本占領政策のカギは、日本国内で生活する朝鮮人200万人と中国人十数万人の動向であった。
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