🦎38」─2─スリランカは一帯一路で国家破産。軍に治安回復命令。~No.121 

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   ・   ・   {東山道美濃国・百姓の次男・栗山正博}・  
2022年7月13日19:32 産経新聞「落ちた内戦終結の「英雄」 スリランカ、親中一族の支配終焉
 13日、スリランカコロンボにある首相府前で、首相の辞任を求めるデモ隊(AP=共同)
 スリランカのゴタバヤ・ラジャパクサ大統領が国外脱出し、兄のマヒンダ元大統領とともに親中路線を推し進めたラジャパクサ一族による国内支配は終焉(しゅうえん)を迎えた。一族は内戦終結を実現して高い人気を誇ったが、過度の中国傾斜が一因となった経済危機や極端な縁故主義が市民の怒りに火をつけた。(シンガポール 森浩)
 スリランカでは1983年、少数派タミル人を中心とした反政府武装組織「タミル・イーラム解放のトラ(LTTE)」と政府との間で内戦が勃発した。戦闘が長期化する中、2005年に大統領に就任したのがマヒンダ氏だ。軍にLTTE掃討強化を命じ、09年に北部地域を奪取して内戦を終結させた。ゴタバヤ氏も国防次官として兄を支え、ラジャパクサ一族は26年にわたる戦闘に終止符を打った立役者となった。
 内戦後のラジャパクサ一族は「縁故主義」と「中国接近」が顕著となった。国土復興のために資金を必要としたマヒンダ氏は中国の投資に期待した。欧米が内戦期の虐殺事件などを「人権侵害」とし、マヒンダ氏への批判を強めたことも中国傾斜の背景にある。
 マヒンダ氏と中国の蜜月を示すプロジェクトが南部ハンバントタ港だ。一帯はラジャパクサ一族の地盤で、13億ドル(約1780億円)とされる建設費の大半は中国からの融資で賄われた。ただ、港の需要は少なく、利益は当初から見込めなかった。スリランカは債務返済に窮し、17年に港の運営権を99年間、中国主導の合弁企業に貸与。中国による「債務のわな」の典型例とされる。
 マヒンダ氏は15年の大統領選で敗れたが、19年選挙でゴタバヤ氏が当選し、一族は復権した。ゴタバヤ氏はマヒンダ氏を首相に起用し、閣僚に次々と血縁者を任命。「南アジア最大の縁故主義の政治王朝」(印メディア)を築いた。
 ただ、権勢はひずみを生んだ。対中債務の負担は財政を圧迫。対外債務全体に占める割合は1割程度だが、政府発表に計上されない「隠れ債務」が問題視されている。
 抗議デモ激化を受け、既にマヒンダ氏も首相を退任し、政権に一族は残っていない。野党国会議員のビジタ・ヘラス氏は縁故主義が腐敗を招いたと指摘した上で、「一族は『戦略的に重要だ』と称して、中身を検討しないまま中国の事業を次々と実施してきた」と強調。将来の政権は一族の〝負の遺産〟の処理に追われそうだと予見している。」
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 7月14日11:44 MicrosoftNews zakzak「安倍政権が警告していた「債務の罠」 中国の一帯一路でスリランカが国家破産 危機的状況の国はほかにも…アジア、アフリカに連鎖か
 経済危機で政権が事実上崩壊、非常事態宣言が出たスリランカ。コロナ禍に加え、巨大経済圏構想「一帯一路」を掲げる中国からの借金で財政が悪化した。当時の安倍晋三政権が警鐘を鳴らした「債務の罠(わな)」は、アジアやアフリカ圏など中国と深い関係にある国々に連鎖してしまうのか。
 スリランカのラジャパクサ大統領は13日、軍用輸送機で夫人や護衛らを伴い近隣のモルディブに脱出した。最大都市コロンボでは9日、デモ参加者数千人が抗議に押し寄せ、大統領官邸や公邸を占拠していた。
 ウィクラマシンハ首相が自国の「破産」を表明したのは5日。海外からの輸入品に頼る同国では、外貨不足で医薬品や食料品などあらゆる生活必需品が不足している。
 経済危機の原因となったのが、周到に準備された中国による債務の罠だ。一帯一路構想に基づいてアジアやアフリカなどの発展途上国に巨額なインフラ投資を行った結果、途上国が債務漬けへとはまり込んできた。
 スリランカではインフラ整備の見返りに、2017年7月から99年間、南部ハンバントタ港の運営権を譲渡した。20年にはコロナ禍が押し寄せ、財政が圧迫。現在ではロシアから原油の供給を要請するまでに至っている。
 債務の罠については、「自由で開かれたインド太平洋構想」を発案した安倍晋三元政権下でも警鐘が鳴らされていた。19年5月に麻生太郎財務相(当時)が、借金の返済の滞った途上国がインフラを中国に明け渡していることから「消費者金融の多重債務と同じだ」と痛烈に批判していた。
 新興国経済に詳しい第一生命経済研究所の西濱徹主席エコノミストは「スリランカでは大統領の出身地に空港や港湾を建設するなど、中国が選挙対策に加えて、その虚栄心をくすぐってきたきらいがある。先進国の経済援助に比べて一帯一路に関する貸し付けは条件のハードルも低いとされる。また、中国から援助を受けている国は、独裁国家地政学的に重要な国、資源国が多いなどの特徴もある。世界経済は先行き不透明ななか、今後、スリランカのような危機的状況に陥る国が増えても不思議ではない」と指摘した。
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 7月14日13:04 MicrosoftNews 時事通信スリランカ、非常事態宣言=大統領国外脱出、デモ激化―軍に治安回復命令
 © 時事通信 提供 13日、スリランカの最大都市コロンボにある首相官邸に集まったデモ隊(ロイター時事)
 【ニューデリー時事】スリランカ政府は13日、ゴタバヤ・ラジャパクサ大統領の国外脱出を受け非常事態を宣言した。最大都市コロンボではデモ隊が首相官邸に突入し、警察が催涙弾を放つなどの騒ぎになった。ラジャパクサ氏は失権し、後任の大統領選出までウィクラマシンハ首相が大統領代行となったが、混乱が続く恐れもある。
 © 時事通信 提供 スリランカ大統領だったゴタバヤ・ラジャパクサ氏=2020年5月、コロンボ(AFP時事)
 ラジャパクサ氏は13日未明、軍用機でモルディブに脱出した。さらに第三国へ向かう可能性も取り沙汰され、シンガポールに向かうとの報道もある。
 非常事態の対象は全土で、期間は無期限。首相府報道官は「大統領が国外に逃亡した。国家の現状に対応するため非常事態が既に宣言された」と述べた。コロンボを含む西部州は夜間の外出も禁止されたが、デモ隊は「13日中にウィクラマシンハ首相も辞任しろ」と要求した。ウィクラマシンハ氏は、軍と警察に対し秩序を取り戻すための活動を命じた。 © 時事通信 提供 スリランカのウィクラマシンハ大統領代行=2019年4月、コロンボ(AFP時事)」
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