💥14」─2─イギリスのEU離脱。グローバリズム対ナショナリズムとデモクラシー。2016年。~No.53No.54No.55 @ 

逆流するグローバリズム (PHP新書)

逆流するグローバリズム (PHP新書)

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 イギリス人がポーランド人が嫌いなのは、ポーランド人が職場を奪ったからではなく、ポーランド人がカトリックだからだと言われている。
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 2016年9月号 WiLL「世界史大転換が始まった
 さらば暗黒史観!
 日本よ、今こそ真の独立を
 対談 中西輝政/福井義高
 中西 今回のイギリスのEU離脱ですが、世界中のメディアがどうしてここまで大騒ぎしたのでしょうか。EU離脱が決まったとき、世界の株価は下落しましたが、今では平常に戻り、ニューヨーク株式市場では史上最高値をつけたり、日本の円高も、もとに戻ろうとしています。
 こういった現象の本質は、誰かが何かの『虚像』をつくって世界情勢を論評しているからです。さらに言えば、ある種の『イデオロギー』に則っているのでしょう。国民投票の前、『離脱を選択したら大変なことになる』と、アメリカのオバマ大統領、IMFOECD国連事務総長など、あらゆるグローバル勢力が寄ってたかって、イギリスの有権者に脅しをかけました。これは、歴史認識問題で日本に向けられる圧力と非常に似た構造であったと思います。
 福井 日本のメディアの大半は、投票の前も後も、残留派が『エリート』、離脱派が『大衆』という構図で報道しています。
 ところが、実際には、保守派の高級紙『ディリー・テレグラフ』は、離脱を主張していました。『タイムズ』日曜版もそうです。また、市場重視のシンクタンクIEAは、離脱決定を歓迎しています。『EUは、市場経済にとってむしろマイナスである』という主張が、イギリスでは従来から多かった。
 欧州統合推進に批判的な『欧州懐疑派』は、これまでも一大勢力でした。エリートの中でも、考え方は割れていたわけです。このような事実は、日本では、あまり報道されていません。
 中西 イギリスのEU離脱を世界史的に観ると、イギリスが世界の先頭を切って古いグローバリズムイデオロギーから新しい時代(ニューパラダイス)の発想に一歩踏み出したということではないかと思います。
 中国が主導する形で発足した『AIIB』(アジアインフラ投資銀行)に、イギリスは先進国として真っ先に加盟を宣言し、世界を驚かせました。アメリカも内心ふらついていましたが、IMF世界銀行の利権があるため、なかなか踏み込めないまま、まだ迷っているようです。だから、日本は一番危ない立場にいます。
 イギリスはなぜ真っ先にAIIBに加盟したのでしょうか。……イギリスは、中国を新しい世界秩序の構築者の一国として引き込れるべきだと思っています。
 …… 
 イギリスがEUを離脱したので、今後、日本が一番考えておかなければいけないのは、EUが中国に最新兵器の売却などで軍事支援をすることです。フランスは前からこれをしたくてしょうがなかった。一方、EUを離脱して新たな輸出市場を求めるイギリスの軍需産業とEUの軍需産業が手段を選ばない競争を始めて、中国に大変危険な新兵器を売り込む可能性もあります。そうなると、今の『中国VS日米同盟』の軍事バランスは大きく崩れます。これが、日本にとって最大の関心事であるべきです。
 昨年、エリザベス女王は公式訪問した中国使節団に対して、とても無礼だったと発言しましたが、腹の中では、経済的に中国と結ぶほうがいいと思っています。
 福井 イギリスという国は、中国に対して一種の幻想を抱いているようです。マーケットが非常に大きいと思っている。ここ150年ほど、中国に夢を見続けているのではないでしょうか。
 中西 もっと前からだと思います。1793年、イギリスのマカートニー使節団が、当時の清国の皇帝乾隆帝の80歳を祝うために派遣されて以来でしょう。EU離脱でイギリスの抱く『チャイナ・ドリーム』は、さらに膨らんでいます。
 福井 ドイツの中国熱もかなりなものですが。
 中西 英独の中国熱は今後も強まりこそすれ、弱まることはないでしょう。どれほど中国が嫌いであっても。
 サッチャーが首相だった頃、私はイギリスにいました。サッチャーは表では『日本資本が進出してくれてありがとう』と言っていた。ところが、裏では『日本人にこき使われて、我々英国人はこのままでいいはずはない』『日本人は礼儀を知らない、エチケットを知らない』と山ほど不平を言っていました。
 今、イギリスは中国人のことを『失礼な人たちだ』と女王が洩らしたように、とてき好きに慣れ長、王室をはじめ、儲かれば、いくら嫌な相手ともつき合おうとするし、窮(きゅう)したら手段を選ばず握手する。この根性だけはすごい。
 福井 アメリカもそのくらいしたたかだったら、世界は変わっていたと思います。 
 中西 もっと平和で、世界はこれほど混乱していなかったでしょうね。
 『ハーメルンの笛吹男』
 福井 『文明の衝突』で有名なサミュエル・ハンチントンは『分断されるアメリカ』という著書を残しました。彼はそこで、エリートと大衆の考え方にも乖離(かいり)していることの危険性を指摘しています。
 大衆はあくまでもネーションステート国民国家)で生きていきたと思う。一方、経営者、知識人、大手メディアといったエリートたちは、ますます自国の民衆をバカにし、グローバリズムに走っていく。そうなると、大衆の国民国家へのかだわりは愚かしいものということになる。
 今回のEU残留派のキャンペーンも、対等に議論するというより、離脱派をバカにしている感じです。非常に傲慢な論調でした。
 冷戦時代、ソ連は極端なグローバリズムである国際共産主義を国是としていました。アメリカは、どちらかというと国民国家寄りだった。冷戦が終わり、ソ連というタガがはずけてしまうと、アメリカは自らグローバルを極端な形で押しつけるようになり始めた。
 世界中のエリート同士の一体感は、それぞれの自国民との一体感よりも強くなりつつあると思います。
 中西 共産主義のインターナショナルが失墜し、その代わりとして、世界中のリベラル派のエリートが1つにまとまり、グローバリズム運動の同志になったのです。世界のいわゆる『グローバル・エリート』、たとえばウォール街の金融マンや、世界各地で開発援助に走り回っている国際人脈の人々、国際メディアの第一線で社説を書いているジャーナリストなどが、この20〜30年前、世界中のイデオロギー戦線でグローバリズムをやみくもに押し進めてきました。
 彼らのグローバル思想のイデオロギー性の強さは、もともと冷戦期の反共リベラルや、そこから枝分かれしたネオ・コンたち、さらには、かつての左翼でベルリンの壁ソ連の崩壊とともに、宗旨替えをした転向左派のエリートたち、つまり、各国の高学歴の国際派や、旧共産圏や西側の元左翼などの『冷戦の負け組』が、野合する形でグローバリズムの旗手として一体になった。比喩的に言うと、目下彼らがかっての革命歌『インターナショナル』を歌いながら、世界の資本主義、グローバリゼーションを推進している。そうした勢力が、『今度こそ本当に国境をなくせ』と言って、遮二無二のオピニオンを煽ってきた。
 それがEUの拡大などに代表される『ワン・ワールド』の思想でしょう。この冷戦後のグローバリズムは一種の宗教的ドグマ、あるいは世の中を引っ繰り返そうとする革命的なイデオロギーだったのです。これが下地にあり、その上に経済が誘引となって、世界中にグローバリズムが徘徊するようになった。確かに経済利益が絡むと、多くの人々がついて行かざるを得ませんでしたから。しかし、実態は世界を変革せんとする、思想イデオロギーの運動ではなかったか、と思います。
 これは一種の『ハーメルンの笛吹男』でしょう。魅力的な笛を吹き人々誘い出し、二度と戻れないところまで誘導していった。その流れが冷戦後、大きく勢いを増していき、その頂点が、21世紀に入ったあたりでしょう。いかし、リーマン・ショックなどを契機に局面が変わって、今回のEUの凋落にもつながったと思います。
 他方、近代国家は、近代史の中で繰り返されてきたグローバリゼーションの大波によって生じる混乱(カオス)を少しでも食い止めたり、あるいは再調整し、秩序をもう一度回復するために、近代文明が一所懸命工夫してつくり出した装置なんです。なのに、それを目の敵にするのは、実は人類の自殺行為です。
 つまり、国民国家は近代のグローバリズムによって生じる弊害除去のために生み出された防護柵だったのです。ハンチントンは『文明の衝突』で、実は、グローバリゼーションの生み出す恐るべき混乱、という問題をえぐり出そうとしたのではないでしょうか。
 福井 ハンチントンは、グローバリズムナショナリズムの対立が、国民国家という安定した共同体を根底から崩しかねないことを恐れていました。国際派とされたハンチントンは、晩年、明らかにナショナリズムの側に同情的でした。
 中西 確かに、排他的なナショナリズムは危険ですが、それを生み出すのは常にグローバリズムだということが、もっとも強調されるべきです。ハンチントンも冷戦後、滔々(とうとう)たる流れの中で動き出した21世紀型のグローバリゼーションが非常に危険だと見抜いていたんですね。それは世界秩序と文明を根底から破壊するほどの力がある。このグローバリゼーションこそが、新たにホロコースト的な大悲劇をつくり出すのではないかと、ハンチントンの直感としてあったと思います。
 ……
 福井 イデオロギーに基ずくグローバル化を進めすぎると、政治的安定が保てなくなります。そうなると、徐々に経済的グローバリゼーションに限定して、お金儲けに専念して行かざるを得ない。
 たとえば、日本を含む世界中の企業が、バングラデシュで縫製(ほうせい)を行っています。それは経済面からすれば効率が良いのですが、テロが発生すれば、企業活動もストップせざるを得ない。つまり、イデオロギーのグローバリゼーションが行き過ぎると、お金儲けに支障が出るのです。
 一番理想的な解決法は、政治的には国民国家を?とし、人の流入はダメだが、物はいいとする。そうすれば丸く収まるのですが、問題はそれができるかです。
 中西 やみくもに『1つの世界』をつくろうとするグローバル・イデオロギーは、実は人類文明の要請に合っていなかった。それがやっとわかり始めてきたのではないでしょうか。
 確かに1つの文明圏の中であれば、グローバリゼーションの拡大は今後も可能かもしれません。しかし、それが異文明間で可能かどうか。これは『1つ世界』が不可能なように、ほぼ不可能だとハンチントンは考えていたことです。今、もし、ハンチントンにTPPのことを聞いたら、『それは無理だろう』と答えるでしょう。政治と文明の受け皿がしっかりしていないところではできないからです。
 思い出してほしいのですが、数年前、日本では元総理までかかわってEUのアジア版のような『東アジア共同体』を創設しようという運動がありました。しかし、これは今回の事態を見るまでもなく、成り立つはずがありません。成り立つすれば、関税同盟的な経済的にごく低い次元での協力止まりでしょう。
 福井 アメリカの歴史学者、ジェリー・ミュラーは『エスニック・ナショナリズム民族主義)』の永続的な力を強調しています。なぜ、第二次世界大戦後、欧州が平和だったのか。それは国家と民族が一致する国民国家が強制的に確立されたからである、と。
 ヨーロッパにおいて、20世紀半ばまで戦乱が絶えなかったのは、国境と民族分布が一致していなかったため、特に、多くのドイツ人がドイツ以外に住んでいたためです。そのあめ、国内外のドイツ人の間で、ドイツ民族の統一国家が悲願となっていた。それが極端な形で出てきたのが、ヒトラーナチス・ドイツでした。
 戦後、東ヨーロッパにいたドイツ人はすべて追放されました。そうなると、たとえば、ドイツにはドイツ人、ポーランドにはポーランド人しかいなくなった。つまり、それが平和の源泉だということです。国境の内側では、根本において同じ考え方の人たちばかりなので揉めることがない。冷戦が終わり、ヨーロッパで最後に暴力的な形で分裂したのは、多民族国家ユーゴスラビアです。チェコ人とスロバキア人も最初から中が悪かったので、冷戦後、きれいにチェコスロバキアに割れました。
 ところが、現在の〝人〟の移動の自由化は、この冷戦期から続く安定した枠組みをあえて壊そうとしています。ユーゴスラビアの悲劇をすでに経験しているはずなのに。
 ……
 EU離脱はドイツのおかげ!?
 福井 今度のイギリスのEU離脱決定は、ヨーロッパでは『ドイツのおかげ』と評価している人もいます。メルケル首相のあまりにも愚かな政策によって、昨年1年間で100万人を超える難民あいは移民が、ドイツに流入したのを見てしまった。ゆでガエル状態で、ちょっとずつ悪化していくのであれば気がつかなかったかもしれないのに、ここまでひどい状況を目の当たりにしたら、『ああ、もう駄目だ』となったわけです。
 中西 メルケル首相の難民政策の演説は、中央ヨーロッパの草原の中を延々と列をなして経済難民がやってくる、あの風景写真を人々に思い起こさせた。あの映像イメージで、離脱派が西欧で一気に多数派になりました。
 ただし、その前に、海で溺れた幼児の写真が全世界に配信されていました。あのとき、私が思い出したのは、湾岸戦争時に海鳥が油にまみれている写真です。これが世界にばらまかれて、一気に戦争に突入しました。それと同じく、あの写真で、難民問題への理性的取り組みが困難になりました。メルケル首相の演説は、この写真に引きずられたのでしょう。また、UE全体が完全にすり込まれてしまい、その後の大量の移民殺到に際し、対応の難しい状況に陥ってしまったのではないでしょうか。
 しかし、その難民たちをよく見ると、非常に豊かで、スマホで連絡を取り合っています。しかも英語がペラペラ。平均の日本人よりもはるかにうまい。明らかに大卒で、中産階級以上です。これがシリア難民なわけがない。グローバル化の時代は映像が決定的な役割を果たします。たとえ、ウソの映像であったとしても。
 福井 今年、ピューリッツァー賞を受賞した写真を巡って、皮肉なことが起こりました。打ちひしがれたイラク難民が、幼い子供を抱いている姿です。
 この写真の受賞発表直後、ドイツの大衆紙『ビルト』が、このイラン人一家が何をしているかを調べた結果、驚きべき事実が明らかになりました。命の危険があるからイラクから決死の覚悟で逃げてきたはずなのに、飛行機に乗ってイラクに帰っていたのです。父母と幼い子供たちはドイツに戻るつもりはないということで、20歳前後の長男一人だけがドイツに残っていました。
 グローバリゼーションの欺瞞が徐々にあらわになってきた。
 最近話題になったのが、フェイスブックの創設者、マーク・ザッカーバーグです。彼は典型的なグローバリストで、トランプを非難し『ヒスパニック・ウエルカム、国境に壁をつくるのはもってのほかだ』と言っていましたが、自宅や別荘を無粋な壁で囲み、近隣住民から景観破壊だと非難されています。
 ……
 グローバリストちは、『中流以下多文化社会で雑居しろ。自分たち富裕層は、共に壁を囲んで住む』という人たちなのです。彼らの主張の嘘と矛盾が、いろいろ暴かれてきています。
 中西 階級が下に行けば行くほど、グローバリゼーションの負の側面に影響され、ひどい目に遭うことになりやすい。グローバル化は階級格差の抑圧構造を強めるからです。
 そして今、もっとも問題なのが、民主主義とグローバリズムの対立構造です。特に近代国家の支柱たる政治的民主主義体制をグローバリズムは破壊します。
 ……
 日本のマスメディアはリベラルなはずなのに、イギリスのEU離脱に関して『こんな投票はポピュリズムの結果だ。一時の感情に駆られて、とんでもない結果をだしてしまった。国民投票自体が考え物だ』と報道しています。
 さらに驚くべきことに『もう一度、EU離脱を問う国民投票をしろ』と言う人まで出てきました。ギリシャと同じで、グローバリズムに沿わないと、民主主義の結果を認めない。『グローバル・イデオロギー』のほうが、『デモクラシー・イデオロギー』よりも上だということです。これは恐ろしい『21世紀の神話』です。
 福井 レーニン主義と同じですね。自分たちに従わないのは大衆が愚かだから、という。
 中西 半ば宗教的なドグマですね。しかし、このグローバリゼーションのドグマが、日本の情報空間の中では、いまだに強く残っている。これは驚くべき皮肉です。実際にはグローバル化を、日本はまだ十分に受け入れていないのに、むしろ、だからこそ、と言うべきか、頭の中だけ『グローバル化は良いこと』とナイーブに信じているわけです。
 福井 ただ幸いなことに、日本ほどエリートの影響力の弱い国はありません。一方、大衆は利口ですヨーロッパと比べると、日本は大衆の意見が通りやすい。たとえば、死刑は廃止されていない。あと、多くの人が移民を嫌だと言い、そう言っても怒られません。
 中西 確かに日本では、エリートは建前、庶民は本音と、分業が成り立っています。この文化構造は非常に優れていると言わざるを得ませんね。
 日本製の反日研究
 福井 ここから、では、日本はどうしたらいいのか、という論点へ移りたいと思います。戦後71年、日本は東京裁判以来、犯罪国家のような扱いを受け、国際社会の中でも歴史戦を仕掛けられて、苦しい立場にある。日本のエリートたちは、まだ『戦前日本暗黒史観』の中で生きようとし、日本の知識人の主流では、まだまだ従来型の考え方が続いています。……」
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 国際主義的正統史観を破壊しようとする民族主義的修正主義。
 戦前。日中戦争において、軍国日本はファシスト中国(蒋介石の国民党)と戦った。
 そのファシスト中国を軍事・財政で支援したのがナチス・ドイツファシスト・イタリア、ソ連、イギリス、フランスそしてアメリカであった。
 イギリス、アメリカ、フランス、ドイツの国際的軍事財閥は、ユダヤ系国際金融財閥からの巨額の融資を受けて、日本軍と戦う抗日軍に大量の武器弾薬などの軍需物資を輸出して巨万の富を得た。
 各国政府はカンフル的経済対策として、日中戦争やスペイン内戦を利用して、世界恐慌で街に溢れた失業者を軍需産業に吸収して経済不況から立ち直ろうとしていた。
 ヒトラーは、日中戦争をスペイン内戦を最大限に利用した。
 ヒトラーはもとより保守派や国防軍などの支配層は伝統的な親中反日派であり、日本を恩知らずの裏切り者と憎んでいた。
 スターリンは、日中戦争アメリカを参戦させるべく日本、中国、アメリカのスパイを使った。
 毛沢東中国共産党は、ソ連コミンテルンの日本天皇を打倒し民族国家日本の破戒指令に従い、日本共産党や日本人マルクス主義者などの反天皇反日的日本人を操った。
 軍国主義国家日本は、中国国民党ファシズム、ドイツのナチズム、ソ連中国共産党共産主義マルクス・レーニン主義)を相手に宣戦布告なき孤独な戦争をしていた。
 ナチス・ドイツファシスト・イタリア、イギリス、フランス、アメリカが「何故」軍国日本と戦うファシスト中国を支援したのか、それは中国が世界最大の人口と潜在的巨大市場を持ちながら自給自足できるだけの民族資本と民族産業を持たず、輸入に依存する脆弱な経済であったからである。
 それの対して軍国日本は、輸入に依存しなくても自活できる民族資本と民族産業を持ち、モノ作りとして外国に優秀な製品を輸出する強靭な経済であった。そして、国内市場は小さかった。
 戦争を肯定する弱肉強食の自由経済体制に於いて、自国製品を無制限に購入してくれる中国は好ましい国であったが、購入してくれない軍国日本は好ましくない国であった。
 軍国日本は、自国の軍需産業で武器弾薬を生産する自給自足体制で外国に依存せず、欧米の軍需産業から購入しなかった。
 当時。国際市場で高額商品として取り引きされていた有力製品は、武器弾薬などの軍需品であった。
 一品の単価が数ドルの日常品を数千個売るより、一丁数千ドルする高価な銃器を数丁売った方が大儲けできる。
 つまり、豆腐1丁より車一台である。
 製造ラインを考えれば、大豆を生産する農家から豆腐屋を経て消費者が購入するまでの人間と車を生産し販売するまでの労働者の人数がどちらが多いかである。
 ナチス・ドイツファシスト・イタリア、イギリス、フランス、アメリカの資本家にとって、地球の裏側の、世界の最果ての僻地である極東アジアファシスト中国と軍国日本が戦争し、数百万人が戦争で死のうが、数千万人が焼き出されて路頭に迷おうとも痛くも痒くもなく、むしろ大金が稼げる為に歓迎していた。
 超リアリストである、ナチス・ドイツファシスト・イタリア、イギリス、フランス、アメリカの指導者や経営者は、自国の利益の為ならば軍国日本を崩壊させ、日本人幾千万人を犠牲にしても「罪の意識」を持つ事はなかった。
 むしろ、大金を稼ぎ家族が裕福になり、家族が幸せに暮らせる事を全知全能の創り主に感謝した。
 戦争は、自分が巻き込まれる被害を受ける戦争は悪い戦争だが、巻き込まれずに金儲けができる戦争は良い戦争であった。
 欧米列強にとって、極東アジア限定の日中戦争は良い戦争であり、嬉しい戦争であった。
 その象徴が、ヒロシマナガサキの原爆神話である。
 宣戦布告なき日中戦争は、日本軍が武漢三鎮を攻略し、ナチス・ドイツの軍事支援を受けた国民党軍が敗走して重慶に逃げ込んだ時点で終結するはずであった。
 なぜ泥沼化したかといえば、アメリカ、イギリス、フランスの国際資本家が中国に投資した金を回収しようとしたからである。
 ソ連は陸空軍を国際人民義勇隊として派兵し、アメリカは空軍を民間武装ボランティア団体として派遣し、イギリスはフランスの許可を得て軍需物資を湯水の如く絶やす事なく送り続けた。
 日米戦争、太平洋戦争は、日中戦争ファシスト中国に軍事協力していたナチス・ドイツソ連が敗北し軍国日本が勝利しかけた為に、ファシスト中国と中国共産党を救うべくアメリカが起こした戦争であった。
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 軍国日本は、アメリカとの戦争を是が非でも回避するべく外交交渉で平和的な話し合いを切望したが全てを拒絶され、チェコスロバキアのように体面・名誉を捨て土下座をして軍門に降り戦争を回避する為に国土と国民を献上するような「不様」をよしとせず、千に一つ、万に一つの勝利を信じてアメリカとの戦争を決断した。
 戦前の日本人は、戦後の日本人とは違って、200年以上守り受け継がれてきた日本天皇と民族国家日本を「死をもって護る」という「死を覚悟(玉砕)」したサムライ・武士であった。
 サムライ・武士は、清廉潔白を心情として卑怯・卑劣・下劣を嫌い、理のある戦争、義のある殺し合いを厭わなかった。
 「弱気を助け、強気を挫く」「義を見てせざるは勇無きなり」「死中に活を求める」「一騎当千」「頼むは他人ではなく己一人」「一所懸命=一生懸命」「書面・口先でも一度取り交わした約束事は命を賭けても守る」「損得勘定抜き」である。
 戦後の日本人は、サムライ・武士ではないし、サムライ・武士の子孫でもなく、サムライ・武士とは縁もゆかりもない別の人間である。
 中国共産党は、国内で反人民革命勢力や党内反主流派を弾圧し、女子供に関係なく大虐殺し、革命正当論を日本に押しつけようとした。



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グローバリズムという病

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反グローバリズムの克服: 世界の経済政策に学ぶ (新潮選書)

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  • 作者:八代 尚宏
  • 発売日: 2014/10/24
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)