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・ ・ {東山道・美濃国・百姓の次男・栗山正博}・
ペストによってヨーロッパ総人口の3分の1、約3,000万人が犠牲となった。
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2017年8月29日 エコノミスト「疫病 中世欧州を揺るがせたペスト 東欧と西欧の発展の分かれ道 鬼頭宏
欧州で爆発的に流行したペストは欧州の人口を激減させ、西欧の封建制は変質、東欧の封建制は存続した。この違いがその後の経済発展を大きく変えた。
欧州で14世紀に突如大流行したペスト(黒死病)は、欧州に急激な人口減少と経済停滞をもたらした。6世紀以降姿を消していたペストは、14世紀初頭モンゴルで再び発生し、1347年にクリミア半島を通って同年のうちにイタリアに到達。翌年にはフランスや英国など欧州のほぼ全域に広がり、その後ロシアへ拡大した。
欧州では長くペストが流行しなかったため、当時の欧州人に免疫が備わっていなかったことや、モンゴル帝国の支配下でユーラシア大陸東西の交易が盛んになり、ペスト菌を媒介するノミがクマネズミに寄生し、貨物などに紛れて人間にうつったとされる。また、14世紀半ばから19世紀にかけて気候が寒冷化する『小氷河期』による凶作もかさなったことで、被害は更に拡大した。追い打つをかけるように、英国とフランスの間で100年戦争(1337〜1453年)が勃発していたことに加えて、各地で起きた農民反乱が、欧州を政治的にも不安定な状況にさせた。
13世紀までの欧州は、大開墾時代と呼ばれ、耕地の拡大とともに三圃式(さんぽしき)農業などの農業技術の発展により、人口も増加していたが、ペストが凄まじい猛威を振るったことで一転、悲惨な結果をもたらした。ペスト流行のピーク時には、欧州人口の約3割にのぼる2,000万人以上が死亡し、1300年に7,860万人だった人口は1400年には5,940万人にまで激減。寒冷化による農作物の不作に加えて農民人口も減少し、欧州経済を疲弊させていった。
人口減で封建制の崩壊
しかし、この人口危機の影響は、その後の欧州の東と西で発展経路に大きな違いを生み出した。特に、商業や金融都市が発展しつつあった英国やフランスなどの西欧では、更なる経済発展への契機となった。
西欧は、東欧に比べて人口密度が高かったため、その分経済成長も進んでいたが、ペストが流行すると人口減少率も大きかった。1300年から1400年までの人口減少率は、欧州全体では24%だったが、西欧では30%、ロシアを含む東欧では12%である。また、14世紀までの西欧の人口増加は経済成長も促した半面、森林資源の縮小ももたらした。利用可能な資源に対して人口過剰な状態となっていたため、気候変動や疫病などの環境変化に社会が脆弱であった。そのため、ペスト流行時は東欧に比べて大きな打撃を受けることとなった。
初期の西欧の封建制は、領主は主に農民賦役(ふえき、領主から課せられる労働や地代)で領主直営地を経営する荘園制の上に成立していたが、商業や都市化の発達とともに貨幣経済が進むにつれ、荘園制や封建制も崩れつつあった。より多くの貨幣が必要となった領主は、賦役をやめて直営地を農民に貸し与え、地代を生産物や貨幣で支払わせるようになった。
この地代形態の変化は、農民が働き収穫量を増やすほど、手元に残る量も多くなるため農民にとって有利だった。人口増加を反映して賃金が低下すると、次第に領主や富裕な農民の中には、労働者を雇って農場経営を行う者も増加した。
しかし、ペストの流行で農村人口が激減すると、都市の人口減少とともに需要も縮小、穀物などの食料品価格は下落した。その一方で、労働力の需要は増したため実質賃金は上昇した。直営地経営が困難になった領主は、賃金統制や賦役労働で再び束縛と搾取を強化しようとしたが、こうした領主の対応に農民は激しく反発し、各地で反乱が相次いだ。英国の農民一揆やドイツの農民戦争などはことごとく鎮圧されたが、市場経済化は着実に浸透していき、農民の身分・地位が向上したことで、生活水準も向上した。
経済史家のロンド・キャメロンは『14世紀の大黒死病とそれにともなう災厄(さいやく)は確かに酷いものではあったが、15世紀に西欧州ではじまる新たな成長と発展の時代を準備する強力な促進力になった』と述べている(『概説 世界経済史(1)旧石器時代から工業化の始動まで』)。
近代まで続く封建制
これに対して、現在のポーランドなどの東欧では、むしろ農奴制が強化され、市場経済化も進まなかった。東欧は、人口密度が西欧の4分の1(1300年時点)しかなかったため、ペストの流行時でも人口減少率は西欧の半分以下と、打撃は比較的小さかったにもかかわず、西欧ほど経済発展を遂げなかったのだ。
この要因には、西欧のように商業・都市化が進んでおらず、農奴制を基盤とする封建制が維持されたことが大きいだろう。ペストの流行で農民人口が減少し経済が疲弊しても、西欧のように農民が反乱を起こしたり、都市に新たな生き方を見いだすことができなかった。都市密度の低い東欧では、ペストの流行以後、市場は衰退し経済は自給自足的な状態に逆戻りしたため、農民は領主に隷属するしかなかった。
また東欧の農村では、先住民族であるスラブ人との抗争から身を守るために、平時は農業を営み、戦時には兵隊として戦う屯田兵経営が強い傾向があったことも帝国化が続いた要因だ。北海・バルト海沿岸で発展した商業都市ハンザへの食料、原材料供給を行うため、農業生産は活発だったが、貴族が封建領主として農園の多くを所有し、農民に賦役労働を強制する強力な農業領主制(グーツヘルシャフト)が形成されていった。こうして東欧においては、19世紀初頭にロシア皇帝のアレクサンドル2世によって農奴解放令が出されるまで、農民の自立的経営は実現されなかった。
英経済学者アンガス・マディソンの推計によると、欧州諸国の1人当たり国内総生産(GDP)は、1000年には西欧が427ドル、東欧が400ドルと大きな地域格差はなかったのに対し、ペスト流行後の1500年には、西欧では771ドル、東欧では496ドルとなり、最も高いイタリアでは1,100ドルと大きな差が開いた。
その後、産業革命直前の1700年には、西欧は997ドルである一方で、東欧では606ドルである。オランダは最も高く2,130ドル、次いで英国は1,250ドルに上昇した。中世後期に始まった欧州諸国の経済格差は、近代の経済成長に影響していった。
ペスト流行時の人口危機における西欧と東欧の選択は、その後の経済発展の大きな分岐点だったと言える。確かに、西欧では市場経済化が進みつつあったことで、東欧にはない好条件があった点で有利であった。農民や領主を含む社会全体が新しい価値観を生み出しやすい状況でもあっただろう。
しかし、人口過剰と森林資源との生態学的条件においては、必ずしも経済成長によって好ましくはなかった。どんな状況でもそうした惨禍から立ち上がり、不均衡(ふきんこう)に対してどう対応するかが重要である。現状を変え、困難を克服するための行動こそが、新しい経済システムへの転換を導くのだと思う」
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飢饉や疫病などの甚大な災害は、新たな時代を告げ、社会の進歩や経済の発展をもたらす契機になる。
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問題は、それを活かせるか活かせないかどうかは、最悪な災害で足腰が立たないまでに身も心も打ちのめされた人間の本質による。
自己救済を放棄し、他人をあてにして泣き騒いで助けてくれるのを待つか。
自己責任と自助努力で、隣近所の仲間と一緒に動き出すか。
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日本人と朝鮮人の根本的な違いはここにる。
人間的に言えば、朝鮮は東欧的であり、日本は西欧的・北欧的・南欧的であった。
朝鮮には東欧のような封建制・農奴制は生まれず、官僚による中央主権が強かった。
日本は、地方分権の封建制で、官僚による中央集権は存在しなかった。
生き方において、日本は一所懸命であり、朝鮮は一生懸命であった。
社会制度から言えば、朝鮮は西欧的であり、日本は東欧的であった。
根本的に言えば、朝鮮は中華原理であり、日本は中華批判であった。
発想において、日本人は三元論から多であったが、朝鮮人は一元論から1でしかなかった。
日本と朝鮮との経済・文化・習慣・伝統など多方面での国と民族の違いは、この為である。
日本と朝鮮とは、全く違っていた。
日本は前向き・進歩的・先例無視であったが、朝鮮は後向き・退歩的・先例墨守であった。
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日本と朝鮮の違いを端的に表すのは、言葉遊びや文字遊びがどちらに多いかである。
日本国語は、朝鮮語に比べて多様性に富み、言葉遊びや文字遊びが自由にできた。
何故か、言霊があったからである。
言霊は、神・御霊につながっている為に、神や御霊を楽しませ喜ばせる為に言葉や文字を変幻自在に換えて遊んだ。
日本国語の本質は、意思伝達であると共に面白おかしく遊ぶ・楽しむ事である。
言葉遊びや文字遊びから、漢詩の他に長歌、短歌、和歌、俳句、川柳、都々逸、長唄、艶歌、甚句、民謡、卑猥歌、戯れ歌、落首など多種多様な言語文化が生まれた。
日本の言語文化は、上流階級や読書人・教養人など知的エリートの独占ではなく、身分卑しき或いは貧困階級の庶民(百姓や町人)の間で発達した。
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日本人は、自力ではどうにもならない事に対しては他力本願で、自力でどうにかなる事は自力本願である。
日本民族日本人の心理は、他力本願と自力本願の均整がとれた状態である。
他力本願は、一元的・唯一の絶対価値観につながる。
自力本願は、多元的・多様性の相対価値観につながる。
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自然災害は、自然の回復力で元に戻る事ができる。
人間による災害は、自然の回復力は働かずむしろ無力で元に戻る事はない。
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黒死病―ペストの中世史 (INSIDE HISTORIES)
- 作者:ジョン ケリー
- 発売日: 2008/11/01
- メディア: 単行本