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2025年9月29日 MicrosoftStartニュース ニューズウィーク日本版「中国が北極航路で欧州へ初航行、日本の港を迂回する「北極エクスプレス」
© ニューズウィーク日本版
中国・山東省の青島港のコンテナターミナル(9月25日) Costfoto/NurPhoto
<アジアと欧州間の海上輸送時間を半減、日本の港湾を経由する必要性が低下する可能性も>
中国のコンテナ船が北極航路を通じて欧州へ向かう初の定期航行に乗り出した。北京はこの試みを「北極エクスプレス」と称し、航行時間は従来の海上ルートのほぼ半分の18日間を予定している。
◾️北極エクスプレスの航路(赤のライン)
中国が北極航路で欧州へ初航行、日本の港を迂回する「北極エクスプレス」
© ニューズウィーク日本版
中国の国営メディア「環球時報」によれば、この新ルートは寧波、上海、青島、大連などの港と、オランダのロッテルダム、ドイツのハンブルク、ポーランドのグダニスクといった欧州の港を結ぶ。
この航路は、従来利用されてきたスエズ運河経由(約40日)や喜望峰経由(約50日)のルートよりも大幅に短く、鉄道輸送(約25日)とも競争できる。気候変動によって、かつて氷で閉ざされていた北極海の北東航路(ノルウェーおよびロシア沿岸を通るルート)の海氷が融解し、通行が可能になったことが背景にある。
もはや試験運航の時期は終わった。リベリア船籍の定期運航コンテナ船「イスタンブール・ブリッジ」を北極ルートに投入することで、中国はアジアと欧州間の物流の構造を変える意思を明確に示した形だ。欧州向けの輸出入において、日本の港湾を経由する必要性が低下する可能性がある。
イスタンブール・ブリッジはリベリア船籍のコンテナ船で、積載能力は約4,900TEU(20フィートコンテナ換算)。シーレジェンド社(中国系海運企業)が海捷航運(ハイジエ・シッピング)と提携して運航を担う。現地時間9月22日に寧波舟山港を出発し、最終目的地はイギリスのフェリクストウ港となっている。
「北極航路を選んだ最大の理由は、所要時間の短さ。これによりサプライチェーン全体に大きな恩恵がある」と、再生可能エネルギー関連機器を手がけるシグエナジー社で物流を担当する周初静氏は環球時報の取材に語っている。
また中国の専門家は、紅海のような混雑や地政学的リスクのある海域を回避できる点でも、このルートの強みだと強調する。
北極海の融解によって、同地域の地政学的バランスが変化しているとの指摘もある。
「20年前は完全に凍っていたが、いまや溶けて新たな可能性が開かれている。だから関心が高まっている」と、ワシントンに拠点を置くシンクタンク「アークティック・インスティテュート」創設者のマルテ・フンペルトは環境・エネルギー政策の専門メディア、E&Eニュースに語っている。
すでに北極圏はアメリカと中国による大国間競争の新たな舞台となりつつある。中国は地理的な北極圏には属さないが、自らを「北極に隣接する国家」と位置づけ、準同盟国的のような位置付けにあるロシアと共に、同地域への関与を強めている。
本誌が9月26日に確認した船舶追跡データによれば、イスタンブール・ブリッジは日本最北の北海道・東岸に沿って航行中であり、フェリクストウへの到着は10月11日の予定だ。
マイカ・マッカートニー
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