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古代キリスト教は、イスラム教原理主義同様に、宗教的家父長主義・父権制を広める事でアニミズム・精霊信仰と母権制を消滅させ女性の地位を貶め、女性は男性・父親・夫の所有物とした。
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全ての古代社会では、女性は社会的宗教的家庭的地位は高く、神託を告げる巫女であり、子供を産み育てる母であった。
古では、女性は神であった。
女性神は、多神教である。
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2025年4月27日 YAHOO!JAPANニュース ニューズウィーク日本版「鉄器時代の古代イギリスは女性が土地を支配していた?
DNAの分析により、ローマ時代以前のイギリスでは母系を軸とした強固な家族共同体が存在していたことが明らかに
イングランド南西部にある古代の墓地を調査する研究者ら(2025年1月) COURTESY OF MILES RUSSELLーBOURNEMOUTH UNIVERSITY
新しい遺伝的証拠によれば、ローマ時代以前のイギリスでは女系の家族が社会構造の中心だったようだ。
【動画】女性たちが支配したローマ帝国以前のイギリス
イングランド南西部ドーセット州にある鉄器時代後期の墓地から採取したDNAを分析した結果、この共同体の女性は互いに近縁関係にあり、男性は結婚を通じて共同体に加わった新参者である可能性が高いことが分かった。
科学誌ネイチャーに掲載されたこの研究は、紀元前100~紀元200年の57の墓を調査したもので、被葬者の3分の2は単一の母方の祖先と血縁関係があった。
この発見はいわゆる「妻方居住制」を示唆するものだ。この慣行の下では、女性は生涯を通じて母方の共同体にとどまり、強固な家族の絆を維持した。財産や土地の管理権を持っていた可能性もある。対照的に男性は共同体の新参者である場合が多く、妻の家族に生計を頼っていた。
専門家によれば、このパターンは歴史的に見て珍しい。ほとんどの古代社会では、女性は結婚後、夫の家族に加わるのが一般的だった。
当時のブリテン諸島は、似たような言語、芸術、文化習慣を共有するケルト系の諸部族が支配していた。この研究は、ケルト社会が政治権力を女性が握る完全な母権社会だったということを示すものではないが、論文の共同執筆者である英ボーンマス大学の考古学者マイルズ・ラッセルはこう語る。
「これまで考えられていた以上に女性が土地や財産を支配していたことを示唆する証拠が見つかった。家父長制のローマ世界に比べ、ケルト時代のイギリスはより平等主義的だったように見える」
Reference
Cassidy, L.M., Russell, M., Smith, M. et al. Continental influx and pervasive matrilocality in Iron Age Britain. Nature (2025).
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ウィキペディア
地母神、母なる神は一般的な多産、肥沃、豊穣をもたらす神で、大地の豊かなる体現である。「大地の母」として描かれる。
母権制と女神の歴史
ヴィレンドルフのヴィーナス像
母なる神は多くの社会において深く崇められてきた。ジェームズ・フレイザー(『金枝篇』の著者)や彼に影響された人々(ロバート・グレイヴズや マリヤ・ギンブタス)は論を進め、全ての欧州とエーゲ海沿岸地域の母神信仰は、新石器時代に遡る先インド・ヨーロッパ人(英語版) (Pre-Indo-European) の母系社会を起源とすると論じた。
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La Vita e Bella!
大地母神の時代は再来するのか!
2022-10-21 20:17:57
テーマ:読書記録(イタリア語の本)
母の本棚でみつけて、もらってきた安田喜憲氏の
「大地母神の時代 ヨーロッパからの発想」。
右は、エトルリアのテラコッタ製メドゥーサのレプリカ
私は、ここ何年間か自分が住んでいる中部イタリアの大地のことをもっと知りたいと思い、古代文明エトルリア時代の遺跡を訪れたり、本を読んだりしてきました。
そして、エトルリア文明のことを知れば知るほど、母なる大地の神様を崇拝し、自然と共存していたその文明が好きになりました。
発見された中で一番大きなエトルリアの神殿跡「女王の祭壇」タルクィニア
そして、遥か古代は、世界のどこにおいても大地母神を崇拝し、自然と共存していたのにもかかわらず、ギリシア哲学やキリスト教の出現により男性性と女性性のバランスは崩れ、戦闘的で支配力を拡大する男性性が優位に立ったことにより、世界のどこかで戦争は続き、自然が破壊されていってると思っていたのです。
そんな折にみつけたのがこの本。
恐れ多いですが、安田喜憲氏もこの本が出版された今から30年程前に私と同じようなことを考えられていました。
ヨーロッパ文明はギリシアからとりあげられるのが常識であるが、ヨーロッパの本当の根っこはトルコやシリアなどの中近東地域に求められると。そこでは、大地の豊かな恵みをもたらしてくれる豊穣の女神、大地母神への信仰があったと。しかし、青銅器時代になると大地の豊穣を支配しているのは実は天候なのだということに気づき、大地母神にかわり天候神が優位に立ったと。そして、キリスト教では大地が神聖な性格を喪失し、異教徒神が住み着く森林は宣教師によって積極的に破壊されたと。
安田喜憲氏は、近代文明の価値体系をもって、未来の人類史を切り開き得る展望はもてなくなり、機械と人間の対話ではなく、生物と人間の対話の上に立脚した文明が来るであろうと。大地母神の時代が再来しなければならないと。そこで、縄文時代以来のアニミズム的な要素が残っている日本人がこの地球環境と人類を救済する主役になるべきだと。
日本が世界の経済を引っ張っていた時代に希望を持ってこの本が書かれてから30年。今、安田喜憲氏は何を考えていらっしゃるのでしょうか。大地母神の時代の再来どころか、自然は破壊され続け、人間はさらにスマホやパソコンなどの機械と共存するようになりました。そして、世界の経済を引っ張っていた日本の経済は停滞しています。現在の状況を危惧しているのでしょう、Wikipediaには、現代の若者を批判した問題発言などが載っていました。でも、心配しないでください。私のような教授でも何もない普通の人間が、大地母神の再来を願う時代が来たということは、ようやく満を持しているのかもしれません。と、願っています。
ウェイイで発見されたエトルリアのメドゥーサ(ヴィラ・ジュリア国立博物館)
ちなみに、この本では、たくさんメドゥーサが取り上げられています。古代地中海世界の人々にとっては信仰の対象であり、忌むべき怪物ではなかったと。エトルリア文明でも、このメドゥーサは存在していて、神殿や棺などに彫られています。近いうちに取り上げることができればと思います。
エトルリアの12都市連盟の一つウェイイのミネルヴァに捧げられた
神殿のテラコッタ製のアンテフィクサ(紀元前510年頃)。
製の梁の先端に飾り付けられたアンテフィクサは、デコレーションとしてだけではなく、木材が腐敗しないように水の流れをコントロールしていた。メドゥーサ(左から2番目)など奇怪な表情が選ばれているのは、お寺の仁王さまのように、神殿に悪をよせつけないため。
エトルリアの12都市連盟の一つウェイイについては、下記の記事も参考にしてください。
ローマ、コロンナ広場のヴェーデキント宮殿。イオニア式列柱の意外な起源。|Natsuko Tomi|note
ローマの中心地にあるコロンナ広場。コロンナとはイタリア語で円柱という意味で、広場の中心には大きなマルクス・アウレリウスの記念柱が立っており、広場の北側はイタリアの閣僚評議会議長官邸として使われているキージ宮殿。その西側には、代議院(下院)議事堂として使用されているモンテチトーリオ宮殿があり、イタリア政治の中枢です。 マルクス・アウレリウスの記念柱。右が、キー…
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2021年2月号 Le Monde diplomatique 日本語版「先史時代の女性を闇から救い出す
全世界的に男女平等、女性の社会進出が謳われて久しいが、昨今のニュースを見渡せば到達には程遠い。本記事は「かつて母権制は存在したのか?」「男性優位の社会はいつ生まれたのか?」を議論の中心に「第二の性」の役割について、歴史的・科学的根拠を織り交ぜながらレヴィ=ストロース等19世紀~20世紀欧米知識人による考察を紹介する。[日本語版編集部](仏語版2020年10月号より)
マリレーヌ・パトゥ=マシス(Marylène Patou-Mathis) 有料記事
Le Monde diplomatique先史時代の女性を闇から救い出す↑
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Alice Guittard. — « L’Ombre de la main », 2018
Alice Guittard - Double V Gallery
旧石器時代(約250万年前~1万年前)、女性の地位は男性より低かったという仮説を主張する考古学上の論拠は存在しない。考古学者たちは豊富に残された女性の表象に基づいて、旧石器時代の社会では、女性は信仰の中心に居て高い地位を占めていたと示唆する。少なくとも、一部の女性が高位にあったことは確かなようだが、それは彼女たちが信仰を取り仕切っていたというだけの理由によるものなのだろうか? 研究者のなかには、はるか遠くの時代、社会は母系社会、さらには母権制の社会だったのではないかと主張する人もいる。
母権制社会と母系社会についてしばしば混乱が見受けられる。母権制社会では女性が社会的権威、法的権限を保持する。そして、母系社会とは母方の親子関係に基礎を置く類縁関係のシステムを指す。「母権制」という用語はその語源(ギリシャ語のarkhein「指揮する」「操作する」)が示すように女性による支配を含意している。雌による支配を基盤とした位階組織や類似の系譜は数多くの動物、殊に人間に近いというボノボにおいて認められる。また、中国雲南省の人里離れたところに住むナ族という、チベット族を起源とする種族は未だ1990年代においても母権制であり続けたが、この制度は今日では廃れてしまった。しかしながら、どの大陸でも多くの社会が母系社会であったし、そのうちの幾つかは今でも存続している。古代ギリシャ以来、大半の文明社会で男性が女性より優位な経済的社会的権力を所有していたことを指摘したうえで、人類の起源以来母系社会も存在していた、と多くの人々が主張する。彼らは19世紀に幾人かの知識人が主張した、父権制以前に母権制が存在したという説を否定する。先史時代(紀元前3000 (...)
この記事全体の長さ:6 459文字
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マリレーヌ・パトゥ=マシス(Marylène Patou-Mathis)
フランス国立科学研究センター 部長
*この論文の原典は、以下のタイトルで2020年10月に出版された。 L’homme préhistorique est aussi une femme. Une histoire de l’invisibilité des femmes(Allary,2020)
翻訳:一ノ倉さやか
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