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中国共産党は漢族中国人至上主義で、他民族・少数民族に対して人権・人道・人命を尊重しないどころか認めてはいない。
他民族の中に日本や朝鮮も含まれている、それが中国の歴史である。
中国共産党が生存を認める他民族とは、臣下の礼・朝貢の礼をとり、中国の下僕として生きる事を受け入れた民族だけである。
中国の歴史では、朝貢を拒否し対等関係を求める民族は皆殺しにして地上から消し去ってきた。
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日本人媚中派は、中国共産党の人道に対する犯罪を知りながら目をそらし、ウイグル族、チベット族、モンゴル族を救う事なく見殺しにしている。
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2025年1月2日 YAHOO!JAPANニュース JBpress「習近平がひた隠す「ウイグル不妊強制」疑惑!スクープのヒントは「意外な訪問者」が北京事務所に持ってきた
西日本新聞記者がスクープした中国政府の闇(前編)
坂本 信博
新疆ウイグル自治区・ウルムチを訪問する習近平氏、撮影は2022年7月14日(写真:新華社/共同通信イメージズ)
世界第2位の経済大国であり、日本にとって最大の貿易相手国である隣人・中国について知ることは、これからの日本の活路を考える上で欠かせない。三国志好きの新聞記者が、ゆかりの史跡・名勝、緊張走る国境地帯や新疆ウイグル自治区などを歩く。渾身のルポルタージュから見えてきた現代中国の深部とは——
※本稿は『三国志を歩く 中国を知る』(坂本信博著、西日本新聞社)より一部抜粋・再編集したものです。
三国時代から中国の安定にとって重要な地域
中国西北部に広がる新疆ウイグル自治区は、中原の人から「西域」と呼ばれていた地方に当たる。ただ、陳寿の三国志に西域伝(西戎伝)はない。
陳寿が仕えた晋の高祖である司馬懿の政敵だった曹爽の父曹真が、諸葛亮と結んだ西域諸国をけん制して大きな功績を挙げた事実を隠すため、あえて西域伝を書かなかったとされる。裏を返せば、西域は当時から中国の安定にとって重要な存在だったという証しでもある。
現代の新疆も古代から、漢族の中国と時に血で血を洗う政治的交流が続いてきた地域だ。唐王朝を滅亡寸前まで追い込んだ755~763年の大規模な反乱「安史の乱」の際には、唐王朝はウイグル族に援助を求めて態勢を回復し、乱を鎮圧している。
現代中国の6分の1ほどを占める面積に、ウイグル族を中心に約2600万人が暮らす新疆には原油や天然ガス、レアメタル(希少金属)といった豊富な地下資源や広大な農作地がある。
14億人もの人口を抱える中国政府にとって新疆は、国境地帯であることに加え、エネルギー安全保障や食料安全保障の面でも要衝の地なのだ。事実、主権や領土などの問題で絶対に譲れない「核心的利益」の一つに新疆を挙げている。
自治区の西に位置する中央アジアを通じて「宗教過激主義」が流入することも強く警戒してきた。
ウイグル族は新疆の人口2587万人(2022年)の約45%を占めるトルコ系民族で、大多数がイスラム教徒。自治区に当たる地域は、18世紀に清王朝が征服し19世紀に新疆省が設置された。
中華民国時代の1933年と1944年に「東トルキスタン・イスラム共和国」などとして独立を宣言したが、1949年に中国人民解放軍が進駐し1955年に新疆ウイグル自治区が成立した。
突然訪ねてきた見知らぬ男の正体
1990年代以降、独立運動が活発化し「東トルキスタン・イスラム運動(ETIM)」などによるテロが頻発。2009年には区都ウルムチで大規模暴動が発生し、中国政府は過激主義によるテロとして監視を強めた。
2014年に習近平国家主席(中国共産党総書記)が視察に訪れた時にも自爆テロが発生。テロ対策や職業訓練を名目として、多数のウイグル族の「再教育施設」への収容が始まり、国連人種差別撤廃委員会は2018年、最大100万人以上のウイグル族などが「思想改造」のための施設に収容されたと報告した。
突然訪ねてきた見知らぬ男の正体
2020年秋、北京。
特派員として中国に赴任して1カ月余りが過ぎ、私は官庁街にある西日本新聞社中国総局の小さなオフィスを根城にして取材活動を始めていた。日本で多少は勉強してきたとはいえ、まだ中国語は十分に聞き取れない。中国人スタッフの手を借りて、2日に1本のペースで「コロナ禍の中国」などをテーマにした記事を書き、日本に送っていた。
私にはどうしても取材したいテーマがあった。新疆ウイグル自治区のことだ。「人権弾圧が行われている」と欧米のメディアが指摘しているが、なんとしてもその実態を自分の目で確かめたい。タイミングを見計らって現地に入ろうと考えていたが、新型コロナ対策の移動制限などで、果たせずにいた。
そんなある日、オフィスに突然、男が現れた。見たことがない顔だ。そもそも日本の新聞社のオフィスをわざわざ向こうから訪ねてくる人物など、着任してからは初めてだった。
一体、何者なんだ——。
50代半ばくらいに見える背の高い男だ。
「ちょっといいですか」というようなことを言いながら、さも当然であるかのような様子でオフィスに入ってきた。当時はまだ早口の中国語が十分に理解できず、慌ててスタッフに問い合わせる。
広辞苑のような分厚い冊子にあったのは…
どうやら、このあたりのオフィスをめぐっている行商人のようだった。取り扱っている商品は図鑑や書籍。中国共産党や中国政府の要人一覧表をはじめ、外国メディアが好みそうなものが少なくない。男が手に持っていた、広辞苑のような分厚い冊子が目にとまった。
タイトルは「中国統計年鑑2020」。中国の国家統計局が毎年発行しているもののようだ。
男から買った「中国統計年鑑2020」
驚いた。中国といえば、「よらしむべし、知らしむべからず(為政者は人民を従わせるだけで、その理由を説明する必要はない)」の情報統制国家というイメージがあったからだ。こんな精緻な統計を公表していたのか。
「統計年鑑」は厚さ約5cm、935頁にわたり、人口動態、国民経済、雇用、物価、財政、貿易、農業、工業、環境、教育、医療、社会保障など分野ごとに膨大な数値が2mmほどの小さな文字でびっしりと記されていた。
値段は588元(約1万1760円)と、ちょっと高かったが、迷わず買うことにした。男は代金を受け取ると、笑顔を浮かべて去っていった。
ページをめくる。そうか、この国はそもそも世界最古の官僚国家だ。古代から統計記録を大事にしてきた面もある。これだけの統計をまとめられる背景には、基となるデータが各省や地域ごとに存在しているに違いない。それならば、新疆ウイグル自治区のことも…と思い至った。
「新冷戦」とも呼ばれる米中対立を背景に、アメリカ政府は新疆ウイグル自治区で「ジェノサイド(民族大量虐殺)」が行われていると指弾。2020年6月には、ドイツ人研究者が新疆で少数民族ウイグル族などへの強制的な不妊手術が行われているとする報告書を公表し、欧米メディアも相次いで人権弾圧について報道していた。
これに対して中国政府は「人権弾圧は、中国を封じ込めるための西側のデマ」と猛反発し、報道に対しても「いわゆる報道の自由という名目で偽ニュースをでっち上げ、中国を中傷し攻撃することには断固反対だ」(華春瑩・外務省報道局長=当時)という主張を繰り返してきた。
私は中国に赴任する前、日本で暮らすウイグル出身の人々に会って、新疆にいる親族たちの状況を聞いていた。その内容は思っていた以上に厳しく、深刻だった。当局が否定できない証拠を突き付けるにはどうしたらいいか。
データが示す不妊手術、人工妊娠中絶、子宮内避妊具(IUD)装着…
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1月2日 YAHOO!JAPANニュース JBpress「ウイグル族10万人に不妊手術!習近平「少数民族抑圧」疑惑の決定的証拠は政府統計に隠れていた
なぜ西日本新聞記者は世界的スクープをすっぱ抜けたのか(後編)
坂本 信博
スクープとなった2021年2月4日付の西日本新聞朝刊一面の記事
世界第2位の経済大国であり、日本にとって最大の貿易相手国である隣人・中国について知ることは、これからの日本の活路を考える上で欠かせない。三国志好きの新聞記者が、ゆかりの史跡・名勝、緊張走る国境地帯や新疆ウイグル自治区などを歩く。渾身のルポルタージュから見えてきた現代中国の深部とは——
※本稿は『三国志を歩く 中国を知る』(坂本信博著、西日本新聞社)より一部抜粋・再編集したものです。
>>前編「『ウイグル不妊強制か』のスクープ誕生秘話!記者に取材の糸口を与えてくれた意外な人物とは【前編】」から読む
不妊手術は18倍以上に急増していた
入力したデータを解析して、驚いた。不妊処置の件数が、明らかに不自然な増加を続けていたからだ。
2014~2018年に、新疆の不妊手術件数が18.8倍に増え、計10万人もの住民が手術を受けていた。中絶件数は延べ43万件を超え、IUDを装着した女性は2017年時点で312万人に上る。この時期に、中国当局によるウイグル族らへの抑圧政策が強まったという指摘と符合する。そしてその結果、新疆の出生率が明らかに急減していることが浮かび上がってきた。
中国・新疆ウイグル自治区の不妊処置件数(※中国衛生健康統計年鑑などより)
【新疆ウイグル自治区での不妊手術】
2014年 3214件
2016年 6823件
2017年 20367件
2018年 60440件
【新疆ウイグル自治区でのIUD装着手術件数】
2016年 246778件
2018年 328475件
入力したデータが間違っているのではないか…。何度も確認した。間違っていない。さらに、新疆以外の他の省や自治区と比較しても、中国全体の傾向と逆行していることが分かった。
少子高齢化が進む中国では、1979年から続いた産児制限「一人っ子政策」が2015年で終了。都市部で2人、農村部は3人までの出産が認められるようになり、中国全体では2016年以降、不妊手術やIUD装着手術が急減していた。しかし、新疆では逆に不妊手術が中国国内でも突出して増えていたのだ。
入手・分析した統計年鑑に、漢族やウイグル族など民族別の統計データは公開されていなかった。ただ、新疆の統計年鑑には地域別統計が収録されていた。2018年時点で不妊手術を受けた人の99%、IUD装着者の63%が、ウイグル族が住民の8~9割を占めるホータン、カシュガル、アクスの3地域に集中していた。
不妊処置急増の一方で、新疆の出生率(人口千人当たりの出生数)は激減していた。21世紀に入って15~16前後で推移しており、2017年に15.88だったのが、2018年には10.69に急減し、中国の全国平均(10.94)を初めて下回った。
新疆ウイグル自治区と中国全土の出生率の推移(※人口1000人当たりの出生数)
さらに2021年には6.16(同年の全国平均は7.52)に下落。記録が公表されている1978年以降で最低となり、4年間で3分の1近くに減ってしまったのだ。出生率の激減は、明らかに不妊処置の急増に伴うものだろう。
習近平指導部がウイグル族への抑圧政策を強めたのは2014年とされている。米紙ニューヨーク・タイムズが2019年に報じた中国政府の内部文書によると、2014年に自治区で暴動が起きた後、習近平氏が「テロや分離主義に対抗する」として基本方針を策定し、締め付けに拍車が掛かった。
中国政府は過激思想を取り除く名目で自治区に「職業技能教育訓練センター」を設置。前述の通り、国連人種差別撤廃委員会の報告書は100万人以上のウイグル族が強制収容されたと推計している。
新疆トップの自治区共産党委員会書記にチベット自治区で分離・独立運動を封じ込めた陳全国氏(1955〜)が就任した2016年以降、統制がさらに強まったと言われている。不妊処置の増加と時期が重なる。
新疆での不妊手術は「貧困対策」とされていたが…
中国では、人口増加に伴う資源不足に対応するため「一人っ子政策」が続いた期間も、特例として、少数民族は都市部で2人、農村部で3人までの出産が認められていた。
ただ、新疆では不妊手術など「長期的な出生抑制処置」を受けた少数民族の夫婦に「計画出生父母光栄証」(子を2人もうけた後に処置)や「一人っ子父母光栄証」(子を1人もうけた後に処置)を授与。年金を支給したり、子どもの大学受験の際に加点したりする政策が推進された。
こうした施策は、多産なウイグル族の「貧困対策」が理由と説明されている。しかし、新疆ウイグル自治区共産党委員会のシンクタンク、新疆社会科学院の李暁霞民族研究所長が執筆した論文を読んだ私は、そこに「貧困対策」とはかけ離れた指摘があることに気付いた。
「新疆の人口問題と人口政策分析」と題する論文は「自治区の人口増加で最も懸念される問題は、少数民族の人口が急増し、漢族の人口が伸び悩んで格差が広がっていること」と分析。少数民族と漢族の人口差が広がることで「単一民族の領土所有意識が強まり、国家や中華民族としてのアイデンティティーが弱まっている」「少数民族の人口増加率を抑制し、人口構造を調整することは新疆の長期的安定を実現するための重要な道筋」と強調していたのだ。
人口増は「政治的リスク」、「計画外の出産をなくすべき」と提言
さらに「ウイグル族の多い新疆南部で家族計画政策(産児制限)が十分に実行されておらず、計画外出産が比較的深刻になっている」「過激な宗教思想などの影響で避妊に消極的な人もいる」と主張。ウイグル族と漢族の人口差が広がれば「過激な宗教思想が浸食して世俗的な体制を否定し、暴力的なテロ活動を行ったり、漢族を拒絶したり憎んだりしやすくなる」「より大きな政治的リスクが生じる可能性がある」とした上で「少数民族の人口抑制政策を確実に実行し、計画外の出産をなくすべきだ」と提言していた。
この論文が書かれたのは2017年、陳全国氏が新疆トップに就いた翌年だった。
米政府は2020年7月、新疆での人権抑圧を巡って陳全国氏へのビザ発給を制限し、資産を凍結する制裁を発表。2021年1月には、中国政府によるウイグル族らへの弾圧を、国際法上の犯罪となるジェノサイドと認定した。
欧州は国連機関を含む調査団の受け入れを求めており、翌年2月4日に開幕する北京冬季五輪のボイコットを求める声も出ていた。民族集団虐殺の防止を目的とした国連のジェノサイド条約は「集団内の出生防止を目的とした措置を課すこと」も集団虐殺に当たると明記している。
米国などが「新疆で不妊手術が強制されている」と指摘する中、中国政府系シンクタンク、中国社会科学院傘下の研究機関は2020年9月、「新疆の女性たちは自ら望んで不妊手術を受けている」と主張する文書を発表。2018年の出生率は「法に基づき『計画超え出産』を管理」した結果、大幅に下落したと強調した。
ただ、実際には共産党組織が住民への「宣伝」や「管理」を強化し、広い範囲で住民にまとめて手術を実施したとの指摘がある。
中国政府の「不都合な事実」を1面で報道
私は統計資料から浮かび上がった事実を記事にまとめた。そして北京冬季五輪開幕までちょうど1年の2021年2月4日、西日本新聞の朝刊1面などで報じた。その後も帰国まで取材を重ね、さまざまな続報を出した。
【関連記事】
「ウイグル族ら10万人不妊手術 中国強制?5年で18倍」(西日本新聞電子版、2021年2月4日)
ウイグル族が人口の9割超を占めるカシュガル、ホータン両地区の当局がまとめた統計資料で、カシュガル地区では2017年から2019年にかけて人口増加率(人口千人当たり。移住を除く)が約100分の1に激減したこと。ホータン地区では、少数民族の人口増加率が年々下がる一方で、現地では少数派の漢族は上昇し、2017年には漢族の人口増加率が少数民族を上回る「逆転現象」が起きたこと。2019年時点で、両地区では人口増加率がゼロに近づいたことなどを特報した。
なぜ、中国政府にとって「不都合な事実」とも言えるこれらのデータが公開されていたのだろうか。明確な理由は分からない。ただ、「中国は国益より党益の国」(北京の外交筋)と言われる。党中央に対して地方政府や担当部署が自分たちの成果を誇るために、これらの数値を公式統計に記録していたものと想像はできる。
その証拠に、ここ数年でウイグル問題が国際社会で取り沙汰されるようになったせいか、2018年ごろから、不妊手術や中絶などについての項目そのものが年鑑に記載されなくなってきた。私自身も当局の統計データを使った調査報道をすればするほど、関連する統計が翌年から公開されなくなる体験をし、ジレンマを感じながらも、追及を続けた。
不妊措置件数の急増と出生率急減について、新疆の自治区政府に直接質問できる機会があった。自治区政府幹部は出生率半減については「どこのデータか分からない」とした上で「家族計画政策が成果を挙げており、人々は自らの意思でIUD装着や不妊手術を受けている」と説明した。私は、IUD装着者に占める既婚女性の割合や、不妊手術件数の民族・年齢別データの開示を求めたが、回答はないままだった。
『三国志を歩く 中国を知る』(坂本信博著、西日本新聞社)
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