- 作者:松本 利秋
- 発売日: 2015/05/16
- メディア: 新書
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・ ・ {東山道・美濃国・百姓の次男・栗山正博}・
2016年12月15日 週刊新潮「国際問題 鳥の目 虫の目 魚の目 宮家邦彦
インドは頼もしい対中同盟国となるのか
地政学的に見ると中国やロシアは『陸』であり、日本は『島』、朝鮮は『半島』である。これらに対し、インドは陸でも半島でもない不思議な『亜大陸』。
地図を見てほしい。インドの地形は実に複雑だ。ここではパキスタンとバングラデシュを含む拡大インドで考えてみよう。
北には険しいヒマラヤ山脈があり、南はインド洋。西方には砂漠があり、その西にインダス水系、さらに西は、ヒマラヤからヒンドゥクシを経てインド洋にいたる山系を越えてアフガニスタンへ。一方、東はガンジス水系の低地バングラデシュ、その東は密林の茂る山々が民族の移動を事実上阻止してきた。平地は意外に少なく、インダスとガンジスを結ぶ北部のみだ。
要するに、インドは山も川も海もある独立した『自己完結』地域。太古の昔は独立していた大陸が海を北上し、ユーラシアに衝突してできた土地だ。歴史上、インドが対外的に拡大することはなかった。インドの外敵も意外に少ない。北はヒマラヤがそびえ立ち、東は密林で守られていた。
脅威は伝統的に西のインダス方面から訪れる。
11世紀以来600年にわたり、北インドはイスラム系王朝に支配された。18世紀には新たな脅威が海からやって来た。大英帝国だ。インドは広大で多種多様の文化を擁するがゆえ、国内は常に分裂気味だった。独立までの900年間、長き外国支配に甘んじたが、最大の理由は脆弱な国内政治情勢だった。
こうした状況は現代でも同様である。独立後も内部分裂のエネルギーは変わらない。まずイスラム教のパキスタンが分かれ、さらにバングラデシュが分離独立した。その間、インド指導者の最大の関心事は国家統一の維持だった。『自己完結』のインドに外国の地政学的パートナーは不要。インドが非同盟運動の雄になったのは偶然ではない。
されば、インドを対中国牽制のため利用するアイディアもあまり機能しないだろう。中国にとっては緩衝地帯としてチベットを有する限り、インドは戦略的脅威ではない。インドとしても現状を変える利益はない。もとよりヒマラヤ山系を越えて互いの領域へと侵入することは不可能だ。
インドにとっての対中懸念は北の『山』ではなく、南の『海』にある。中国の『一帯一路』や『真珠の首飾り』政策はインド洋での中国海軍の活動拡大を意味する。大陸国家としてのインドは中国を脅威と考えないが、海洋国家としては内心穏やかでない。インドのこの二面性は日本の国益と相容れない部分かもしれない。
対中牽制のために日本はインドを必要とするが、インドは日本と地政学的利益を共有しない。これが日印間の戦略的限界だろう。マイナーリーグの仲間同士とはいえ、共通利益は意外に少ない。日本にはさらなる地政学的知恵が必要である」
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多種多様性の為に表面的に統一されても内面的には分裂状態で国防意識が低く植民地支配を受けやすい。
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民族の多様性が、国家を引き裂き、国民に悲惨をもたらした。
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少数派は、人権と自由を求めて多数派に対して分離独立の戦いを始め、虐げられた者の権利を手に入れる為に多くの犠牲者を出す。
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少数派が多数派に対する独立戦争は、正義の戦争であり、正しい戦争であった。
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インドは、イギリスの植民地になる前はムガル帝国であった。
ムガル帝国は滅亡して、親英派の利敵者と反英派の愛国者による殺し合いで細々に分解された。
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多数派のインド人と少数派のパキスタン人は、お互いの正義・大義の為に殺し合っていた。
少数派と多数派は殺し合っていた。
人は人を殺し合う。
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パキスタンは、インドから分離独立した。
バングラデシュは、パキスタンから分離独立した。
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インドとパキスタンは、戦争を続け、お互いに核兵器を開発して配備した。
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多種多様性は、有効に働けば爆発的発展をもたらすが、無効に働けば破滅的崩壊をもたらす。
多種多様性の猛毒を解毒するには、共同体のマジョリティーへ同化させる事であり、マイノリティーのまま異化として差別的に隔離すると猛毒は分裂の原因となる。
マイノリティーが共同体に留まり、協調性なく同化を拒絶し排他的に異化に固執した時、マジョリティーへの不満は敵意に変わり抵抗から攻撃へと暴走する。
マイノリティーの暴走を鎮められないマジョリティーは、マイノリティーの権利を認め要求を受け入れ、後退的譲歩をして一部を明け渡して独立を承認するしかない。
マイノリティーのマジョリティーからの分離独立である。
大量の移民は、共同体をマジョリティーとマイノリティーに分離させる危険性がある。
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移民による人為的人工国家アメリカは民族国家ではない為に排他的な民族主義はなく、共同体を破壊し分離独立に暴走する危険なマイノリティーは存在しない。
アメリカのマジョリティーとマイノリティーの理想的人工国家像は、伝統的民族国家に通用せず、アメリカ式理想的人工国家を受け入れた民族国家は分裂し崩壊して内戦が止まず虐殺が繰り返される。
ゆえに、アメリカの自由と民主主義を導入して大改造を行い新しい国に生まれ変わり、成功し、発展し、全ての国民が平等に豊になり幸せになった国はない。
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インドのマジョリティーとマイノリティー問題解決方法(インド・パキスタン・バングラデシュ分離独立)を、大量の移民を受け入れようとする日本にあてはめれば、外来種・移民と在来種・日本民族の対立を避ける為には、沖縄か北海道もしくはそれ以外の県をマイノリティーの占有居住地として提供し切り離す以外にはない。
古い話。日本は平安時代初期。朝鮮半島から逃げ込んだマイノリティーの反乱に苦しみ、数多くの犠牲を出して外来種・渡来人の反乱を鎮めた経験を持っている。
渡来人による駿河・伊豆の反乱。
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宗教対立は、人類が宗教を信じる限りなくなりはしない。
同様に、マジョリティーとマイノリティーの対立もなくなりはしない。
現実は現実としてそこにあり、実現できない理想は有害で必要はない。
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- 作者:森本 達雄
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- 作者:神田 さやこ
- 発売日: 2017/01/05
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