🛲9」─1─国家の安定・安全・安心と発展は、少数派が多数派を権力で支配してもたらされる。スリランカ(セイロン)。~No.78No.79 * ⑦ 

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   ・   ・  {東山道美濃国・百姓の次男・栗山正博} ・
 2019年5月16日号 週刊新潮「変見自在  高山正之
 スリランカの闇
 英国人は2,000人で4億のインド人を支配した。
ただその2,000人はそこらの英国人とは違う。奸智(かんち)と冷酷さが試されるインド高等文官(ICS)試験をパスしたつわもの達だ。
 英国人はインド人を彼らの文化で分断する分割統治を採った。ヒンズーとイスラムを喧嘩させたのもその一つで、最後は国を分つ争いにまで発展した。
 その間、彼らは第三の宗教シーク教徒を重用した。イスラムやヒンズーが暴れるとシーク教徒のライフル部隊が出て始末した。
 それでもヒンズーは大所帯だった。で、また奸智を働かせて彼らの身分制度カーストを煽った。ヒンズーは団結を失った。
 かつてニューデリーの大通りを車で走ったことがある。赤信号で停まると運転手がお互いに顔を見合わせ、青信号になるとカーストの高い順に出ていった。インド人はそこまで仕込まれた。
 カーストには人種も絡む。主流のアーリア系に対し南のドラヴィダ系タミール人は最下層のスードラと規定されている。
 英国はまたウルドゥー語など地方語をわざと奨励し、インド人が共通語の言葉を持たないように図った。
 日本はインドネシア人に共通語を与え、差別を排する教育をした。その真逆が分割統治になる。
 英領だったスリランカもやはり分割統治された。
 ここはアーリア系とドラヴィダ人が混血したシンハラ人の国と言われ、彼らは独自に仏教を信仰した。
 そういう単一民族単一宗教の国は結構、分割統治するのが難しい。
 で、英国はセイロン茶のプランティーションを作るとわざわざインドから大量のタミール人、つまりドラヴィダ人を入れた。
 シンハラ人にも半分同じ血が流れる。
 それが問題だった。例えばハイチ。アフリカの黒人奴隷を入れた旧仏領植民地はみな同じに見えるが白人との混血児もかなり混じる。
 小さな差は大きな憎しみを生む。ハイチの歴史はこの二派の血で血を洗う抗争で織りなされている。
 英国はこの近親憎悪をスリランカ支配に使った。
 シンハラとタミールは憎み合い、そのまま先の戦争のあと独立した。
 初代首相はバンダラナイケと言った。同国代表はサンフランシスコ講和会議の折に『日本の掲げた理想に、独立を望むアジアの人々が共感したことを忘れない』と語り、日本への賠償請求も放棄した人だ。
 そんな立派を言っても国内政治は酷かった。
 彼はシンハラ語公用語にし、仏教をほぼ国教とし、タミール人が公職に就くのまで禁じた。
 これに国民の2割を占めるタミール人が怒り、半世紀に及ぶ内戦が始まった。
 この間、シンハラ政権はイスラム教徒を国の実務につけた。英国がインドでシーク教徒を使ったのと同じ発想だ。
 この国にはキリスト教徒も若干いて多くは元ヒンズー教徒のタミール人だ。彼らはヒンズーを信じ、それでスードラというカーストに縛られてきた。それならいっそ改宗して自由を得たいと望んだ人たちだ。
 インドに約2,800万人いるキリスト教徒もほとんどが下位カーストか不可触賤民からの改宗者だ。
 そんなキリスト教徒がスリランカには140万人いるが、イスラム教徒は海外からの流入も含めて今や約200万人にも達し彼らを凌ぐ勢力となった。
 対タミール人内戦を制したシンハラ政権は今、この勝手に増殖したイスラムを目の敵にしている。
 そんな折も折インド情報機関からイスラム過激派のテロ情報が届いた。情報は詳細で、主犯が誰でどのキリスト教会が標的かも伝えていた。
 しかし当局は動かなかった。テロは情報通り決行され250人が死んだ。
 結果、イスラム系住民は世間の激しい非難と暴力に晒され、身の危険お感じて国外に逃げ出している。
 政権はマイナーなキリスト教徒の死を悼んで見せるが、その顔は笑っているように見える。
 宗教とはかくも酷い」
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 2019年5月6日 産経新聞スリランカで住民衝突 キリスト、イスラムの宗教対立に懸念
 住民衝突が起きたスリランカ。先月21日のテロでは257人が死亡し、同国警察は5日、東部カッタンクディでテロ実行犯らの拠点を発見した(ロイター)
 スリランカ西部ネゴンボで5日、住民による衝突があり、地元メディアなどによると、当局は6日朝までの夜間外出禁止令を出し、ソーシャルメディアの利用を制限した。AP通信は衝突で複数の負傷者が出たと伝えた。
 ネゴンボでは、イスラム過激派によるとみられる先月21日の連続爆破テロで教会が標的となり100人以上が犠牲となった。スリランカ仏教徒が多数派だが、ネゴンボにはキリスト教徒が多い。当局はキリスト教徒とイスラム教徒の対立に発展しかねないと警戒している。
 テロでは最大都市コロンボの高級ホテルやネゴンボの教会など主に6カ所が標的となり、日本人1人を含む計257人が死亡。過激派組織「イスラム国」(IS)が犯行声明を出し、当局はイスラム教徒による自爆テロとして捜査している。(共同)」
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 5月12日 産経新聞「インドに支配地域主張 「イスラム国」
 11日のロイター通信によると、過激派組織「イスラム国」(IS)は10日、系列のニュースサイトを通じ、インドの一部に支配地域を設定したと主張した。具体的な地域は不明。ISはインド北部カシミール地方で軍兵士を攻撃したとも主張した。
 カシミール地方では1947年の英領インドからの分離独立以来、インドとパキスタンが領有権を争い、同地方の分離・独立を求めるイスラム過激派がテロ活動を展開している。インド警察当局は10日、同地方で武装勢力1人を殺害したと発表している。
 ISは2015年にパキスタンアフガニスタンにまたがる地域で「ホラサン州」設立を主張したことがあるが、ロイターによるとインドでは初めて。(共同)」
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5月13日15:56 msnニュース REUTERS「スリランカ、SNSを一時禁止 イスラム教徒への攻撃で
 © Reuters/Dinuka Liyanawatte スリランカ、SNSを一時禁止 イスラム教徒への攻撃で [コロンボ 13日 ロイター] - スリランカ政府は13日、フェイスブックやワッツアップなどのSNS(交流サイト)やメッセージングアプリを一時的に禁止することを明らかにした。モスク(イスラム教礼拝所)やイスラム教徒のビジネスが攻撃される事件が12日に起きたことを受けた。
 関係筋がロイターに明らかにしたところによると、キリスト教徒が多い西岸の町で12日、フェイスブック上の争いがきっかけとなり、数十人がモスクやイスラム教徒が経営する店舗に石を投げたり、男性が暴行を受けるなどの事件が起きた。
 当局者は、フェイスブックに脅しと受け取られるコメントを投稿した男を拘束したと明らかにした。
 警察の関係筋がロイターに明らかにしたところによると、当局はこのほかにも12日から13日にかけて、イスラム教徒が経営するビジネスを攻撃した疑いで複数の容疑者を逮捕した。
 スリランカでは4月21日、キリスト教の教会や高級ホテルを標的とした連続爆発で約250人が死亡。過激派組織「イスラム国」(IS)が犯行声明を出しており、当局は国内のイスラム教組織が犯行に及んだとしている。
 スリランカ政府はこれまでにも、誤った情報やうわさが広がるのを防ぐため、一時的にソーシャルメディアを禁止する措置をとった。
 政府当局者は13日、ロイターに対し「平和を維持するためソーシャルメディアを再び一時的に禁止した」と語った。
 また、スリランカの通信大手ダイアログはツイッターで、バイバーやIMO、スナップチャット、インスタグラム、ユーチューブも追って通知があるまで遮断するよう指示を受けたと明らかにした。」
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 単一民族単一宗教単一言語単一文化の日本民族日本人の将来。
 人口激減で民族の減少を食い止める為に、外国人移民(主に中国人移民)推進に舵を切った民族国家日本が迎える未来の姿。
 目先の事しか考えられず、世界の常識がない、人類の歴史が理解できない、単細胞的日本人。
 日本人の理解度、知識度はその程度である。
 その点において、明治以降・敗戦前までの古い日本人の方が現代の新しい日本人よりもまだはるかに物分かりがよかった。
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 人はしょせん、賛成派が10%、反対派が20%で、70%が無関心層である。
 人間集団を動かすのは、10%の賛成派の内の狂信的な5%である。
 国家を支配するのは、全人口の5%である。
 民主主義で可決される政策は、個性が強い5%の主張である。
 それが、民主主義の正体である。
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 国家を一つにまとめ統一させない、社会の画一化・単一化を避け、共生の同質を避け反発の異質を維持させる為に、少数派と多数派を対立させ分裂を誘う事である。
 少数派が足りなければ、国外から同族を移住・移民させて少数派を増員するが、けっして多数派にはしない。
 移民政策の真の目的は、多数派を支配する少数派の補強である。
 少数派と多数派との細胞分裂を際限なく繰り返させる、それが人種・民族の多様性の正体である。
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