💥10」─1・A─大英帝国の没落でイギリスは貧乏になった。英国病とサッチャー。~No.27 

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 サッチャー政権(1979~90年)
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 2021年4月8日号 週刊新潮井の中の蛙 里見清一
 貧乏国家の行く末
 その前に死んでしまう
 インフラが整備され、若者は便利で快適な都会生活を享受する。人々がそこから離れて海外勤務に赴くことを嫌う一方で海外旅行は大ブーム、国内旅行では温泉が人気だ。イベントに大勢が詰めかけ、何日も前から順番取りに並ぶ。古典を顧みられず新奇で軽薄なものが持て囃され、文字よりマンガが好まれる。これは中西輝政教授の『なぜ国家は衰亡するのか』(1998年 PHP新書)の中に記述されていることだが、現代日本ではなく、20世紀初頭の大英帝国の光景だそうだ。まだ続く。
 人々は健康に異常な執着を示す。スポーツは好まれるが、観戦ばかりの人が多い。新興宗教が隆盛する。『好き勝手』に振る舞うことがよしとされ、政治的ポピュリズムが猖獗(しょうけつ)を極める。女性が社会進出し、女権拡大運動が盛んになる。ドラッグ(麻薬)が流行り、グルメ・ブームが起こる。中西教授は、日本の現状を揶揄するためにこれらを列挙しているのではなく、当時のイギリス事情を思いつくままに述べたらこうなった、のだそうだ。
 その後イギリスに何が起こったか。2つの世界大戦をまたいで、1970年代には絵に画いたような斜陽の国となった。英文学者の木村治美さんのエッセイ『黄昏のロンドンから』(1980年、文春文庫)に、そうした『貧乏になったイギリス』が描写されている。だからたぶん日本も、これから貧乏になる。せめて『世界大戦』が起こらないでほしい。
 現在の日本政府が、やたらと『観光立国』を強調するのも、その運命を悟っているからだろうか。前にも書いたが、観光を主な産業にするとはつまり、ご先祖さまの遺産で食いつなぐのだから、モノや附加価値を生み出さなくなった落ち目の国がやることだろう。つい最近までの好景気は財政緩和で金余りにしただけで、貧乏人が借金を重ねて浪費すると後々もっと困窮する。
 イギリスの再生は、中西教授も指摘するように、サッチャー政権による改革からだが、サッチャリズムにはき毀誉褒貶(きよほうへん)があり、国民に激痛を強いた。しかし当時のイギリス政府が抱えていた負債はGDP比で莫大であり、そのレベルの借金を、戦争や革命なしに帳消しにしたのは、世界史上極めて稀だそうである。現在の日本も『そのレベル』の借金を抱えるから、改革には同レベル以上の『激痛』が不可欠であろう。
 サッチャリズムによって、イギリスの医療は間違いなく(少なくとも一時的には)崩壊した。当時、肺癌の手術を受けるのは1年半待ちで『その前に死んでしまう』、また風邪で開業医に診てもらうのも2週間待ちで、『その前に治ってしまう』なんてジョークまであった。我々もまた、湯水の如く金を使える現在の保健医療制度から、『貧乏国の医療』の悲哀を痛感することになる可能性が高く、覚悟が必要である。
 次の世代での『再生』
 しかし貧乏国に落ちても、医療レベルは保ちたい。それにはまず倹約である。
 ……
 勝海舟は若い頃金がなくて蘭和辞書が買えず、所持していた人の家に毎夜通って筆写したという。自分で持っていたよりも身についたことだろう。我々はこれから貧乏になる。それは嫌なことだが、倹約と不屈の精神があれば次の世代での『再生』ができる。そして『貧乏人の子沢山』、さらに『家貧しうて孝子出(い)づ』という。この先、我々の世代が死に絶えた後、出生率が向上し、節倹に努める多くの孝子たちの出現で日本が復活するのを祈りたい。」
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 人口は、1868年の明治初期に約3,000万人、1945年の敗戦時に約8,000万人、1980年代バブル時代に約1億2,000万人と確実に増えていた。
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 戦後日本、特に1980年代以降の日本は、日本嫌いの戦後民主主義挫折派・敗北派・絶望派の怨念に毒された。
 それが、2000年代のシルバー民主主義の実態である。
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 シルバー民主主義世代は、歴史上存在した事のない儒教的「武士道神話」と利権・特権を守る為に科学的根拠のない「蛸壺型各種安全神話」を作りだしていた。
 新渡戸稲造著『武士道』が持て囃されたのは、1980年代以降である。
 つまり、儒教的武士道神話も蛸壺型各種安全神話も有害無益で甚大な被害を日本にもたらした。
 その象徴的事例が、自社連合政権下の阪神淡路大震災(1995年1月17日)と民主党政権下の東日本大震災(2011年3月11日)そして自民党政権下の武漢肺炎蔓延(2020年)である。
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 日本国は、少子高齢化による人口激減(消費市場の縮小)と国際競争力のある輸出産業の衰退(高度製造業の壊滅)で極貧国になる。
 日本の貧困を招いた張本人は、日本(国・民族)嫌いの愚かなリベラル派戦後民主主義世代である。
 リベラル派戦後民主主義世代は、日本の将来の為の経済復興と経済成長を望まず、自分一人の幸せの為だけにさらなる財政赤字を生み出している。
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 高齢化したリベラル派戦後民主主義世代は言う、「これ以上なにも望まない。結婚など幸せではなく、家族など邪魔で、子や孫は面倒でいらない」、「自分の人生は家族・子・孫の為に有るのではなく自分の為にあり、家族・子・孫の為に犠牲にする事は不幸である」と。
 リベラル派戦後民主主義世代は、日本民族が伝統文化として持っていた「親孝行の子供」像を否定している。
 その逆に、子供に自己犠牲を強いるように親孝行を押しつける毒親も急増している。
 リベラル派戦後民主主義世代によって、日本の家・家庭・家族崩壊が進んでいる。
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 日本の財政赤字は1,100兆円を超えさらに毎年約40兆円ずつ増え、返済不能の借金は子供や孫や世代に押しつけられる。
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 衰退する日本の最大の原因は、少子高齢化による人口激減で、若者が少なく老人が多い社会は少生・多死として死臭が漂う、明日・未来への夢も希望もない、生気も活気も気魄も希薄な消え逝く日本が出現する。
 その象徴する事例が、老朽化した高層マンションの建て替えで、多額の負担金を賛成するのは若者で、老人は反対する。
 若者とは、生産者であり、労働者であり、納税者であり、借金を返済する者である。
 老人とは、生産者でもなく、労働者でもなく、受給者であり、借金を増やす者である。
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 現代の日本人は、昔の日本人とは違って、民族的な歴史力・伝統力・文化力・宗教力がなく、縄文時代まで遡る事ができる民族の先祖を有り難いとは思っていないどころか憎んでいる。
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 現代の日本人は、昔の日本人が当然のように持っていた「貧しさ」や「ひもじさ」が理解できない。
 つまり、現代の日本人には「もの悲しさ」や「もののあわれ」といった民族精神文化の根幹である「悲壮感」や「無常観」はない。
 その証拠が、中国共産党が行っている非人道的なウイグル人・モンゴル人・チベット人少数民族へのジェノサイドや法輪功キリスト教徒・チベット仏教イスラム教への宗教弾圧を内政問題と切り捨て犠牲者を見殺しにしている、事である。
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 戦前、昔の日本人は、アメリカや中国など他国で行われた非人道的虐待・虐殺行為に対して、被害者が日本人であろうと他国人・異民族であろうと許せず両国関係が悪化しよと抗議活動を行い、義憤に激怒した異常心理の日本人(右翼・右派)は犯罪国大使館前で腹を切り死をもて抗議した。
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