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2024年11月28日7:34 YAHOO!JAPANニュース 現代ビジネス「中国は「歴史のゴミ時間」をたどっている…!習近平の「苛政」で海外脱出が続出、日本にやってくる中国人がいま「本当に考えている」こと
中国で広がる「社会報復」
中国東北部黒竜江省の村に一頭の白頭山トラが降りてきて、65歳の住民の左腕を噛んで逃げるという事件が発生した。11月18日のことだった。幸い、被害者は病院で手当てを受けているとのことだ。
【写真】これはヤバすぎる…!中国で「100年に一度の大洪水」のようす
前編『中国で「山から降りてきたトラ」が人間を襲って大騒動に…!黒竜江省で出現したトラから「習近平」を連想してしまう“決定的なワケ”』で紹介したが、日本でもクマに襲撃される事件が多発しているが、幸いにも虎に襲われる心配はない。筆者は「苛政は虎より猛し」という中国の古いことわざを思い出した。
民衆を苦しめている政治は、人を食う虎よりも恐ろしいという含意だ。中国政府の過酷な政治は、社会報復というトラとなって、いま人々の目の前に立ちはだかっている。
若者に広がる「歴史のゴミ時間」という絶望
習近平国家主席。中国の若者に政治への冷めた感情が広がっている Photo/gettyimages
若者の間で「歴史のゴミ時間」というフレーズが流行している。中国の社会発展は不可逆的に悪化し、指導者が何をしても救うことはできないという認識だ。
中国政府は世界に冠たる監視システムを構築したが、雇用難など災いして無差別殺傷事件が多発している。
中国政府が面子を重んじるがために国民から異議申し立ての手段を奪ったことが大本の要因だ。窮地に追い込まれた国民は極端な行動(犯罪)に走ることでしか自らの苦境をアピールできなくなってしまった。
そのせいで国民の体感治安は極端に悪化している。これほどの皮肉はないと言っても過言ではないだろう。
社会報復の標的は子供から学生、高齢者にまで広がっているが、犬などのペットにも被害が及んでいる。広東省広州市の公園で11月8日、多くの飼い犬が嘔吐し、中毒死する事件が発生した。
中国の昨年の犬猫の飼育頭数は約1億9000万を超え、日本の12倍の規模に達している。空前のペットブームの下で起きた今回の事件で中国人の社会に対する不安はさらに高まったことだろう。
専門家はメンタルヘルス環境の改善などを提案しているが、中国政府は「五失人員」を未然に察知する取り組みを強化する構えをみせている。五失とは、投資の失敗や生活への失意に加えて、人間関係の調和喪失、心理面の不調、精神異常が入る。
このことは中国政府が国民一人一人の内面にまで介入してくる危険性があることを意味する。中国人の脳裏に「文革時代が再来する」との不安がよぎっていることだろう。
苛政は、中国人の海外脱出をさらに加速させるのではないか。
日本語不要の「日本滞在」
ゼロコロナ政策により生活の自由が奪われたことが起爆剤となり、中国人の海外脱出ブームが起きている。中国の公式統計はないが、国連によれば、2022年に31万人以上の中国人が祖国を離れたという。人気の移住先は米国だが、このところ日本の人気も急上昇している。暮らしやすさに加え、治安の良さなどがその理由だ。
昨年末時点の在日中国人数は前年比13%増の約82万人だ(出入国在留管理庁調べ)が、今年100万人を突破するのは間違いないだろう。
日本のスーパーに行くことがめったにない中国人が増えており、中国語のみで日本で生活できるようになったとも言われている(11月4日付ニューズウィーク日本版)。
日本におけるコミュニティが急拡大したことで在日中国人による「グレーゾーン」行為が問題視されるようになっている。観光地で蔓延する「白タク」を始め、無資格者による不動産の違法登記、脱税行為などだ(11月16日付RecodChina)。
「在日中国人が日本の医療保険を食い潰している」との批判も高まっている(11月14日付ニューズウィーク日本版)。
「日本疲れ」の中国人たち
これに対し、在日中国人の間でも不満が高まっている。「部屋の防音が悪く、家の中でも小声で話さなければならない」「日本人は自らと同等の礼儀作法を求めるため、すごく疲れる」などの声が聞こえてくる(11月19日付RecodChina)。
在日中国人との軋轢が表面化するのは時間の問題なのかもしれない。日中両国にとって新たな火種とならないことを祈るばかりだ。
さらに連載記事『習近平、もう手遅れだ…中国19億人の“ケチケチ旅行”が映し出したデフレ経済「悪夢の真相」』でも、中国経済の現状について詳しく解説しているので是非、参考にしてほしい。
藤 和彦(経済産業研究所コンサルティングフェロー)
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10月9日 YAHOO!JAPANニュース 現代ビジネス「習近平、もう手遅れだ…中国19億人の“ケチケチ旅行”が映し出したデフレ経済「悪夢の真相」
藤 和彦経済産業研究所コンサルティングフェロー
『君の名は。』の熱狂のウラで濃くなる不況の影
75回目の建国記念日にあたる10月1日から7日まで、中国は国慶節の大型連休だった。
秦の始皇帝陵のある西安市の兵馬俑博物館には観光客が押しよせ、1日の収容人数を大幅に超過してしまったという。閉館までに1万人以上が見学できなかったというほどの活況だった。
秦始皇帝陵博物院を訪れた観光客 Photo/gettyimages
観光客は日本にもおしよせ、富士山の臨める伊豆の大室山では映画『君の名は。』に影響を受けた中国人が大勢やってきた。熊本の阿蘇山や熊本城、北海道にも中国人観光客の姿が多数見られたが、日本は海外旅行の人気でトップだったという。
大型連休の大移動は久しぶりの明るい話題だったが、不況の影も映し出していた。
「期間中の移動者は19億4000万人となり、コロナ禍前の水準を上回った」とされているが、節約志向の高まりで低予算で済む車による旅行が主流だった。
割を食ったのが航空業界だ。国内線の航空運賃が昨年に比べて2割以上下落し、9割引きの路線もあったと言われている。ホテルの宿泊価格も2割下落しており、旅行業界から聞こえてくるのはため息ばかりだ。
時すでに遅し…
習近平国家主席は9月30日、中華人民共和国の建国75周年を記念する演説で「潜在的な危険に留意し、雨の日に備えなければならない」と述べ、さらなる経済対策を実施する可能性を示唆した。
焦眉の急なのは、苦境が続く不動産市場の立て直しだ。
習近平国家主席「雨の日に備えなければならない」と述べた Photo/gettyimages
中国民間調査企業によれば、不動産開発大手100社の9月の新規住宅販売額は、前年比37.7%減の2517億元(約5兆2900億円)だった。8月(26.8%減)から減少ペースが加速している。
中国の主要3都市(北京、上海、深圳)は9月末に住宅購入に関する規制を緩和した(住宅ローンの頭金の最低比率の引き下げなど)。十数年ぶりの大きな政策転換だが、「時すでに遅し」の感が強い。
「右肩上がりの神話」の消失により、不動産業界を巡る環境は一変してしまったからだ。市場低迷の長期化で不動産投資はまったく魅力のないものになってしまい、業界関係者は「規制を緩和した程度で投資需要が再び盛り上がるとは思えない」と悲観的だ。
中央銀行の金融緩和を受けて中国の株式市場は活況を呈しているが、デフレ経済を脱する起爆剤になることはないだろう。金融緩和でダブついた資金が株式市場に流れ込み、一時的に「不景気の株高」現象が起きているに過ぎない。
対策が難しすぎる「消費不況」
中国経済は30年前の日本のように重い課題を突きつけられている。その課題とは消費重視の構造改革を強力に推し進めるというものだ。
中国の国内総生産(GDP)に占める個人消費の比率は40%未満で、世界平均を約20ポイント下回る。一方、投資の比率は約20ポイント高い。この差は一朝一夕では埋められない。日本の場合、GDPに占める個人消費の比率を10ポイント上げるのに17年もかかった(9月30日付ロイター)。
消費主導の経済に転換するためには脆弱な社会保障制度の拡充などが不可欠だ。そのためには、大量の資金が必要になるのは言うまでもない。
米モルガンスタンレーは「7兆元(約147兆円)を農民工などへの社会福祉を拡充するとともに、不動産市場の安定化のために3兆元の資金を投ずるべきだ」と主張する。
つまりは10兆元(約210兆円)規模の資金投入が必要だというわけだ。
だが、中国政府は2008年の4兆元の景気浮揚策を大幅に上回る資金投入に踏み切ることができるのだろうか。厳しい注文だと言わざるを得ない。
その事情を後編『いま中国で広がる「日本人憎悪」と「治安悪化」の原因が判明…!さらに日本人が直面する低迷中国「新たな懸念」』で詳しくお伝えしていこう。
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10月9日 YAHOO!JAPANニュース 現代ビジネス「いま中国で広がる「日本人憎悪」と「治安悪化」の原因が判明…!さらに日本人が直面する低迷中国「新たな懸念」
藤 和彦経済産業研究所コンサルティングフェロー
治安悪化と日本への憎悪のヤバすぎる関係
中国の地方政府の弱体ぶりが鮮明になっている。治安当局の予算が減少しており、それと連動するように日本への否定的な見方も広がっている。在留邦人の警戒感は高まる一方だが、その根源的な理由は中国経済の低迷に求めるしかない。
前編『習近平、もう手遅れだ…中国19億人の“ケチケチ旅行”が映し出したデフレ経済「悪夢の真相」』で紹介したとおり、国慶節の大型連休(10月1日~7日)で中国国内では19億人が移動し、コロナ禍以前以来の活況だった。
国慶節の大型連休では節約旅行が目立った…Photo/gettyimages
ただし、国内線の航空運賃やホテルの宿泊価格は、2割以上下落しており不況の影も色濃く映し出した。
中国経済は30年前の日本が陥ったように、消費不況に見舞われている。
中国の国内総生産(GDP)に占める個人消費の比率は40%未満で、世界平均を約20ポイントも下回る。日本がGDPに占める個人消費の比率を10ポイント上げるのに17年もかかった(9月30日付ロイター)ように、中国と世界の大きな個人消費の差は簡単には埋められない。
日本人への「憎悪」と「治安悪化」の関係
消費主導の経済に転換するためには、脆弱な社会保障制度の拡充などが不可欠だ。米モルガンスタンレーは「7兆元(約147兆円)を農民工などへの社会福祉を拡充するとともに、不動産市場の安定化のために3兆元の資金を投ずるべきだ」と主張しているが、10兆元(約210兆円)もの資金投入は、いまの中国にとって容易ではない。
財政赤字が急拡大すれば、ハードカレンシー(国際市場で他国通貨と自由に交換ができる通貨)である日本円とは異なり、人民元の価値は大きく毀損する可能性がある。
そうなれば、資金流出が加速し、中国経済は深刻なカネ不足になってしまうだろう。
根詰まりをおこした経済は、深刻な治安悪化を引き起こそうとしている。清華大学が9月30日に発表した世論調査によれば、中国人の81%が日本に対して否定的な見解を持っている。この比率は調査対象国の中で第1位だ。
深刻な不況が仇となり、中国で「社会に報復してやる」との負の感情がかつてなく高まっている。このような状況下で、治安対策がおざなりとなれば、「中国で活動する日本人の安全はもはや保障できなくなってしまうのではないか」との不安が頭をよぎる。
実際、治安維持を担う地方政府の弱体ぶりは深刻だ。
地方政府が借金した「驚きの相手」
地方政府の弱体化は、歳入の4割を占める土地使用権売却収入が激減したのが主な要因だ。8月は前年比41.8%減となり、2ヵ月連続で大幅な落ち込みとなっている。
窮地に立たされた地方政府は寺院からも借金しているようだ。「上海市は管内の寺院から100億元(約2100億円)の短期資金を借りた」との情報がネット上で流れている(9月30日付朝鮮日報)。
地方政府は猛烈なリストラを断行しており、治安維持の経費も大幅にカットしている。注目すべきは、「制服を着た暴力団」と呼ばれる「城管(城市管理行政執法局)」の廃止が各地で進んでいることだ。
地方政府の弱体ぶりを表す例は「治安悪化」にとどまらない Photo/gettyimages
彼らの暴力におびえてきた市民にとっては朗報だが、「コワモテ」の不在が引き金となり、治安の悪化がさらに深刻化する可能性は排除できないと思う。
しかし、深刻なのはそれだけではない。地方政府の機能低下は感染症対策の不備にも直結しかねない。
ふたたび警戒される「感染拡大」
中国では昨年末から今年にかけてマイコプラズマ肺炎が大流行した。9月以降、広東省を中心にデング熱の感染者が急増している。
最近の事例は報告されていないが、鳥インフルエンザ(H5N1型など)のヒトへの感染が最も多い国の1つは中国だ。
中国経済の再興はいつの日になるだろうか…Photo/gettyimages
世界に悪名をとどろかせた「ゼロコロナ政策」を担ってきたのは地方政府だった。
大量のPCR検査を連日実施するなど新型コロナの蔓延を未然に防いできた。だが、金庫にカネがなくなってしまった今、鉄壁の感染症対策を期待するのは無理だ。
中国で新たなパンデミックが起きたら、日本を始め国際社会が受ける被害は新型コロナの規模をはるかに上回ってしまうのではないだろうか。
中国の地方政府の弱体化が日本に悪影響を及ぼさないことを祈るばかりだ。
さらに連載記事『中国EVの「弱点」が発覚して販売台数が激減…!国民の不満を映す「中国版お年玉」の寒すぎる事情』でも、中国経済の現状を詳しく解説しているのでぜひ、参考としてほしい。
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