🐊12」─2・C─中国と豪州が火花を散らす 太平洋島しょ国への「警察外交」。〜No.76 

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 2024年10月9日 YAHOO!JAPANニュース 毎日新聞「中国と豪州が火花を散らす 太平洋島しょ国への「警察外交」
 パトロールをするフィジーの警察官=フィジー警察のフェイスブックより
 パンダを贈り、ドリアンを買い占め、水産物の輸入を止める。中国が各国に繰り出す外交カードはさまざまだが、南太平洋の島しょ国地域では「警察外交」を巡ってオーストラリアと火花を散らす。小さな島国でなぜ今、警察が外交の切り札になるのだろうか。
 「新たな時代を作る必要がある」。中国の警察部門などを担う王小洪公安相は9月、福建省で開かれた中国と太平洋島しょ国との警察協力に関するフォーラムでそう呼びかけた。
 新華社通信によると、王氏は、中国と島しょ国の間で「相互利益となる治安部隊の連携や安全保障協力が必要」だとし、島しょ国地域が「熟練した」警察組織を構築するため、支援の用意があると述べた。
 王氏の発言は、8月に豪州が太平洋島しょ国との間で合意した警察支援プログラムに対抗したとみられる。予算4億豪ドル(約400億円)のこのプログラムは、域内に四つの警察訓練センターを設立することや、災害救助などを念頭に複数の国による警察派遣の仕組みを構築することなどが盛り込まれている。
 中国は2022年4月、ソロモン諸島との間で、将来的に中国軍の駐留を可能にするとされる安全保障協定を締結。24年1月にはパプアニューギニアと警察協力で交渉していることが明らかになった。豪メディアは自国の警察外交について「域内で中国の軍事・警察に関する影響力を抑えるための一矢だ」と報じた。
 しかし、警察など治安機関に対する支援は、太平洋島しょ国が喫緊に求めるものでもある。暴動が続いたソロモン諸島などで他国による警察や軍の派遣が実施されてきたが、域内ではここ数年で薬物関連の犯罪が急増しているからだ。
 重要な海上交通路(シーレーン)である島しょ国周辺は、国際的な違法薬物の密輸ルートとなっている。フィジーのメディアによると、薬物関連犯罪の摘発は13年に約200件だったが、20年には1500件以上に増加した。トンガでも薬物犯罪に死刑を適用することが議論されている。
 ハワイ大太平洋諸国研究センターのタシシアス・カブタウラカ准教授は、犯罪の増加により、気候変動対策に重きが置かれてきた島しょ国の安全保障の概念が変わりつつあると指摘。「警察力の強化を必要とする島しょ国のニーズに中国が積極的に応え始めたことで、地政学的な争いが加速している」と説明する。
 その上で、新疆ウイグル自治区や香港などでの人権弾圧を例に「(中国の抑圧的な警察手法は)太平洋島しょ国にそぐわない。装備品の供与などに支援を限定する必要がある」と話した。【バンコク石山絵歩】
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