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2022年6月号 WiLL「ロシアを決して信じるな
平然と嘘をつき、人殺しができる──プーチンの野蛮性・残虐性の正体
中村逸郎
敵を徹底的にやっつける
プーチン大統領──ウクライナへの軍事侵攻する意図はないと言いながら、戦争を始める──そんな嘘を平然とつくことができる傲岸さ。そして、街々を破壊し、人々を残虐に殺す冷酷非道さ。
プーチン氏の野蛮性・残虐性は、どこから来るのか。
一つにはプーチン氏の個人的な幼児体験が大きい。『プーチン、自らを語る』(ナタリア・ゲヴォルクヤン、アンドレイ・コレニコフ、ナタリア・チマコフ著/扶桑社/2000年)では、次のようなエピソードが語られています。
プーチン氏は少年の頃、レニングラード(当時)にある五階建て集合住宅の一部屋に家族3人と暮らしていました。台所、トイレは共同で、風呂は銭湯に通うような貧しいところです。そんなプーチン少年にとって、遊び場といえばアパートの廊下や中庭、街頭で、特に階段踊り場の穴に棲むネズミ相手に友達と一緒に棒でいじめて遊んでいたのです。
ある時、大きなネズミを見つけ、廊下の隅に追い詰めました。ところが逃げ場を失ったネズミは突然くるりと向きを変えると、プーチン少年に飛びかかってきたのです。驚いて慌てて逃げるプーチン少年をネズミは踊り場を飛び越え、階段を駆け下りて追ってくる。プーチン少年の逃げ足は早く、間一髪ドアを閉めて難を逃れることができたのです。
まさに『窮鼠猫を噛む』をプーチン少年は目の当たりにしたわけですが、この実体験をもとにプーチン氏は『敵は、徹底的にやっつけねばならない。少しでも余力が残っていると、敵は力を回復し、将来、状況が逆転させるかもしれない』という哲学をつくり上げます。
力こそすべて
プーチン氏の思想を支えているのが、停戦交渉を行うロシア代表団のトップ、メジンスキー大統領補佐官です。メジンスキー氏は国会議員を経て、41歳の若さで文化省の大臣に就任。
メジンスキー氏の思想は非常に特異なものです。著作の中でロシア人(スラブ人)がいかに残虐な民族であるかを書き連ねています。
・ロシアは諸民族の牢獄である
・ロシア人は怠け者で盗みグセがある
ロシアの抑制と弾圧の歴史、ロシア人の残虐さを肯定する彼の思想は、今のプーチン氏の政治スタイルそのものです。
メジンスキー氏の思想は一言でいえば『力こそすべて』。力さえあれば知性は必要ありません。軍事大国、スポーツ大国の志向も、その表れです。
……
メジンスキー氏は、ロシアは欧米、そしてアジアに属さず、これら両方の思想に対して、ロシアは独自の思想を樹立するべきであると提唱しています。要するにロシア民族主義です。
我々の常識から逸脱するような言動は、ロシア側から発せられるのも、そこに起因しています。合理的判断とはかけ離れていることをわざとすることでロシアの力を誇示する。
……
今回の場合、『特殊な軍事作戦』としてウクライナ東部のロシア系住民がネオナチの民兵に抑圧されているから解放するとして軍事侵攻しました。しかし、侵攻の大義名分と現実的な結果がどれほどかけ離れていようが、大いに結構だと考えています。『ロシアとはこういう国だ。わかったか』ということが誇示できれば成功なのです。
避難民は武器の一つ
プーチン氏の常識外れの言動は、避難民の扱いにも表れています。というのも、プーチン氏の最終目標は、ウクライナ避難民を欧州に送り込むことにある。今回のウクライナ戦争ではポーランドへの約240万人もの避難民をはじめ、多くの人々が欧州各国に逃げています。……
プーチン氏の目論見は何か。欧州(EU)の分断です。
……
プーチン氏の狙いはここにあります。もっといえば、プーチン氏にとって避難民は一つの武器に過ぎない。だから、すさまじい虐殺を行っても、ウクライナを火の海にしても平然としていられる。慄然(りつぜん)とするほどの非人道的発想です。
さらに、プーチン氏の発言を分析すると、嘘をよくついています。これもロシア的性格を表しています。
ロシア人の友人から聞いた話です。
『相手を信じやすく、騙されやすい人は、すぐにロシア人の恰好の的(まと)となり、騙されてしまう。このタイプの人間には、嘘の約束をするのが一番だ。だって嘘だとわかっても、相手は「そんなはずはない。なにかの誤解でしょう」と勝手に信じ込んでくれるからね。だから、ロシア人はどんどん嘘の約束を重ねていけばいいだけのこと。実際には何も実行しなくてすむし、失うものはないので、こんな楽な相手はいない』
このようなロシアの流儀はメディアでは頻繁に行われています。……
日本を銀行のATMのように
ロシアの嘘は国家間の交渉でも公然と行われています。交渉のはじめに嘘をついておく、つまり、嘘から交渉をスタートさせるのです。日本はまさに北方領土問題の交渉の場で、そんなロシアの流儀に翻弄されています。
2016年5月、ロシア南部のソチで開催された安倍晋三首相(当時)とプーチン氏の会談は、北方領土返還に向けて盛り上がりを見せました。両首脳は長年の懸案に『新しいアプローチ』で解決の糸口を見つけることで合意したのです。安倍首相も『この問題を二人で解決していこう。未来志向の日露関係を構築するなかで解決していくことで一致しました』と明るい見通しを示していました。
ところが、領土問題の見通しは不透明なままで、日露経済協力の新しい枠組みが提起された。……
『新しいアプローチ』とは、領土問題を棚上げにして、ロシアが日本からの経済協力だけを引き出そうという魂胆に過ぎないのではないか。プーチン政権が狙っていたのは経済協力であり、そもそも領土交渉なんて、ハナからテーブルにのせる気はなかった──。
……領土交渉というニンジンを眼の前にぶら下げておいて、経済協力を引き出す。プーチン政権は日本を銀行のATMのように思っていたのかもしれません。
そのごも2016年12月、山口県長門市をプーチン氏が訪問、安倍首相との会談が実現。……今度は北方領土への日本からの経済協力を求めるものだったのです。
……ロシアは自国の主権を脅(おびや)かす制度設計など論外というのが本音なのでしょう。またしても日本はロシアに騙されたのです。
さらにプーチン氏は2018年9月、日露間の平和条約締結をぶち上げました。しかも年末までにと期限まで設定したのですが、結局、約束した2018年末までに平和条約が締結されることもなければ、それに向けての進展もまったく見られませんでした。
むしろ、2019年に入ると、領土問題へのロシア側の姿勢が明らかに変化します。プーチン氏の側近たちが北方領土を支配する正当性を躍起になって主張し始めた。ラブロフ外相は年頭会見で『日本が第二次世界大戦の結果を受け入れる』ように強く求めました。『北方領土』という名称を使いことにも、不快感を露わにしています。
さらに同年8月には、ラブロフ氏は平和条約について交渉する条件として『日本が第二次世界大戦の結果を認める』ことを挙げました。プーチン氏は平和条約交渉にあたって『いかなる条件もつけない』と公言した一方で、日本政府としては厄介なラブロフ氏を相手に交渉することを余儀なくされたのです。
加えて、ラブロフ氏の発言の直前、メドヴェージェフ首相は択捉島を訪問し、『クリル諸島(北方領土)はロシアの領土に決まっている』と記者団を前に薄笑いを浮かべています。
ロシア政府の高官たちが北方領土に対して、強硬な発言を繰り返すのはなぜか。要するに領土問題を解決するために、日本が乗り越えなければならないハードルをロシアはどんどん高くしているのです。ロシアのメディアは『それでも日本はどんどん妥協してくる』と報じています。
安倍首相はプーチン氏と27回も会談をしたことを誇っていましたが、最終的には甘く見られたのではないでしょうか。実際に経済協力をすればするほど、北方4島返還が遠くにかすんでいった印象を受けます。なんのための経済協力なのか。……
プーチン氏からすると、そうやってエサをちらつかせることで、相手をどんどん角に追いやった。……
……安部氏はそんな態度を取ってしまった。プーチン氏からすると尻尾を振ってする寄るポチのように見えたのではないでしょうか。そんな態度を見せると、プーチン氏にますます舐(な)められるだけ。日本はプーチン氏の性格を把握し、嘘を見破り、角に追いやられる前に毅然とした態度で立ち向かうことが求められる──。〝ロシアを決して信じるな〟です。
騎馬民族の特性も
残虐、かつ平然と嘘をつく──。プーチン氏の性格的特異性もありますが、ロシアという国家の特殊性もかかわっています。
4世紀、ローマ帝国は西ローマ帝国と東ローマ帝国に分裂しました。東ローマ帝国ではローマカトリックとは異なる東方正教会が主流になります。ローマカトリックの場合、教皇と皇帝の権力は分裂した二重政権体制であり、政治と宗教の相克から『自由・平等』の概念が生まれました。
一方、東ローマ帝国(のちにビザンチン帝国)の場合、王権または皇帝権のほうが強く、教会の内部組織にまで干渉し、教会機構を支配しました(教皇皇帝主義)。そのため、専制主義的な性格が色濃い支配体制が土壌として根付きます。
ところが、1453年、オスマン・トルコ帝国によってビザンチン帝国は滅亡します。
さらに、13世紀~15世紀にかけて、モンゴル人(モンゴル=タタール)の支配を受け、いわゆる『キプチャク・ハン国(ジョチ・ウルス)』が誕生します。250年にわたる支配を通じて、騎馬民族の野蛮で残虐な文化・風俗が『ルーシ』(現在のロシア・ウクライナ・ベラルーシ)に流入しました。異民族の支配を受ける中で、相手を騙すことで生き抜く術(すべ)を身につけるようになったのです。
ところが、同じルーシでも、ウクライナはさほど騎馬民族文化の影響を受けなかったようです。深刻だったのはロシアのほう。ウクライナ人からすると、ロシアは騎馬民族の野蛮な文化に穢されたと見えている。その点がロシアとウクライナの決定的な違いです。
1932~33年、ウクライナで大飢饉(ホロドモール)が発生しました。当時、ソ連はスターリン体制でしたが、ウクライナで農業の集団化政策を断行、豊かな農産物を収奪し、700万~1,000万人に及ぶウクライナ人が餓死させられた。この歴史的事実をもっても、ウクライナ人はロシア人から虐待を受けたとして、今でも恨みの念を抱いています。
ロシアは専制主義的体制の上に騎馬民族的な野蛮な文化を併せ持っている。このようなロシアの伝統にプーチン氏の性格が合致し、今回のウクライナ戦争が勃発したと考えていいのではないでしょうか。
苦悩するロシア
日本人はロシア文学の愛好者が多い。ロシア文学にもロシア人の特性がよく表れています。ゴーゴリの作品、たとえば『鼻』(ある官吏の鼻が突然なくなる物語)を読むとわかりますが、現実と非現実の境界が曖昧で、突拍子もない話にどんどん展開していく。そのようなファンタジー性は、プーチン氏のウクライナに対する認識に似通ったものを感じます。現実認識に立たず、自分たちの都合のいいように解釈し、常識はずれの行動を起こす。
もう一つ、ロシア人は歴史的体験から正義とは何か、人間の良心とは何か、そんなことを絶えず原点に立ち戻って考えている。苦悩するロシアがそこにはいます。
ドストエフスキー文学はまさにその典型で、人間の心の奧にある猜疑心や好奇心、欲望を抉(えぐ)り出す。だからこそ多くの人々がロシア文学に惹かれるわけですが、苦悩するロシアは今でもかわりません。
実際にウクライナ戦争に対して、ロシア国民はどう思っているのか。情報統制のため、実態を何も知らされていないのではないか。そのように見るむきもあるがそれはまったく違います。
モスクワにいるロシアの友人はメールを通じて『今、モスクワに住んでいる人々の間でプーチン政権を支えようというのは犯罪になる。本当に自分たちが平和を望むのであれば、ウクライナ人になろうということが、モスクワの市民の間でささやかれている』と伝えてきました。
プーチン政権を批判すれば禁錮刑を受けるかもしれない。でも、本心として戦争なんかやめてほしいと思っている。この分断した苦悩こそ、ロシア人がこれまで受けてきた試練の実態なのです。
ところが、BCC(英国放送協会)の世論調査では、ロシア国民(29歳未満)の40%がウクライナの軍事侵攻に反対しているとのこと、反戦機運が高まったきっかけは、大統領報道官が『ロシア人兵士がかなり亡くなっている』と発言したことにあります。
ロシア兵士の『母の会』があり、兵士が親に戦場の模様を伝えているので、そこからロシア国内に伝わってきているのです。そのような情報の拡散もあり、政府はロシア軍の苦境を認めざるを得ない状況になっている。ロシアの国内の政変の可能性もあり得ます。
しかもプーチン氏は重病を抱えているという情報もあります。……
……
ロシアの歴史を振り返ると、大物政治家が統治した後、必ず動乱の時代を迎えています。プーチン王朝が滅亡すれば、その歴史を繰り返す可能性は高いのではないでしょうか。」
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いいロシア人が2割、悪いロシア人が3割、悪くもよくもない普通のロシア人が5割。
いいロシア人の中も行動的な者はウクライナ侵略戦争への反対、批判、非難を込めて、プーチン政権下のロシアを見捨てて国外に出国した。
沈黙して声を上げない者や行動しない者は、黙認する賛同者である。
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平気でウソを吐くロシア人・中国人・朝鮮人にとって、何度も騙され酷い目に会いながらも懲りず受けた被害から学ぼうとせずまた同じような手口で騙される日本人は好い鴨であった。
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ロシアは、ソ連時代から合法・非合法で相手国から強奪した領地は平和的な話し合いで返還した例はなく、ましてや金銭で売り渡した事もなく、友好関係や信頼関係を深めて信用の証として返還した事もない。
ロシアが奪った領土を返すのは、戦争に敗れて取り返される時だけである。
その例えからすれば、日本が北方領土4島を取り返す絶好の機会はソ連崩壊後の混乱期であった。
歴史を知る軍部が強かった戦前の日本では、躊躇なく派兵して北方領土を奪還した。
歴史を知らない護憲派勢力が強い戦後の日本では、自衛隊を治安維持目的で北方領土に上陸させて取り返す事ができなかった。
護憲派の実体とは、民族的な歴史力・文化力・伝統力・宗教力がなく、世界的な地政学・地経学、平和学・戦争学の知識がなく、政治、経済、外交、緊急時・非常時・有事、その他など多方面での戦略戦術における思考・立案・決断・実行の能力がない日本人の事である。
護憲派を歴史上の人物で例えるなら、後漢の平帝を毒殺して帝位を簒奪して天帝理想国家「新」王朝を建国した儒教原理主義者の王莽に似ている。
清教徒革命を起こして、イギリス国王チャールズ一世を処刑して世襲王制を打倒し軍国独裁共和制を樹立したクロムウェルにはなりえない。
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ロシア人は中国人や朝鮮人と似ていて相性が良いが、日本人とは別人のように相性が悪い。
現代日本人がお人好しに信じている「同じ人間だから腹蔵なく話し合えば必ず解り合える」は、現実社会ではあり得ない話で、ハッキリ言ってウソである。
ロシア人、中国人、朝鮮人にとって、昔の日本人とは違って現代の日本人は操りやすい好い鴨である。
ロシア人と中国人は仲が悪いは嘘であり、中国共産党政府とロシアの間に楔を打ち込んで引き離す事ができるもウソである。
地政学が証明するとうり、ロシアと中国の関係は、表面的には異種に見えながら本質は同質で、歴史的に両者は反目し対立したとえ戦争をしていたも唇と歯のような運命共同体として切り離せない深い関係にあり、分離不可能な一衣帯水である。
つまりは、日本の親露派・知露派は現実も事実もそして真実さえも見えない無能といってもいい日本人である。
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帝政ロシア時代の露西亜人は、多少なりとも信用できた。
ソ連・共産主義時代のロシア人は、全く信用できなかった。
現代の新生ロシア時代のロシア人は、信用できるのは3割で、信用できないの7割で、ロシアの政府・政治家、軍人、官僚そして企業家、メディア関係者と文化人・知識人の9割は信じられない。
ソ連の共産主義体制は、ロシア文学、クラシック音楽、ロシア演劇など世界に誇れる偉大な民族文化を破壊したが、ロシア映画はイデオロギー・プロパガンダを広め国民を洗脳する装置として利用した。
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ロシアの日本侵略という脅威は江戸時代後期から存在し、日本は天皇・日本国・民族を軍事力で守る為に明治維新を強行し近代的軍国主義国家へと暴走した。
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現代の日本人は、民族的な歴史力・文化力・伝統力・宗教力そして世界史的な地政学や戦争学の知識がない為に眼の前にある日本の脅威が理解できず、愚かにも、馬鹿にも、侵略してくる危険性のある敵であるロシア人や朝鮮人・中国人の謀略・陰謀を無条件で信用してしまう。
その傾向は、政府与党の保守派や財界に強い。
現代の日本人は、戦前の日本人とは違うし、ましてや江戸時代後期の攘夷運動を起こした人々とも全然違う。
攘夷運動は、下級武士や庶民(百姓や町人)や下層民(部落民、下人、非人、穢多)の間で広がり盛り上がった。
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