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・ ・ {東山道・美濃国・百姓の次男・栗山正博} ・
ニューウェル強制収容所の日本人収容者は、ジュネーブ条約に基ずく戦時捕虜扱いを要求した。
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日系アメリカ人は、アメリカ市民権が停止された怨みを忘れ、日本人である事を捨てアメリカ人になりきる為にアメリカ軍に入隊し、アメリカ兵として戦った。
その頃、日本国籍を持ち日本人と同等の権利を与えられていた朝鮮人達は?
日系アメリカ人は、戦う時は戦った。
朝鮮人は、民族の尊厳と自分の名誉を守る為に、日本国内で戦ったのか?
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宗教的白人至上主義のアメリカ軍では、戦死の危険性が高い上陸作戦や最前線で先陣を切って攻撃したのは黒人兵士や二世部隊で、白人兵士はその後から進んだ。
人種別の激しいアメリカでは、人間として権利と自由を得て幸福を追求できるのは白人だけで、黒人や日系アメリカ人は下等人間として権利はなかった。
サイパン攻防戦での某日本兵の証言「サイパンの戦いは24日間続いた。14日目に初めて白人兵を見た」
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6月8日(〜7月7日) ダイズ委員会は、日本人問題の公聴会を開き、日系アメリカ人にたいする有る事ない事の中傷発言が繰り返された。
発言内容が公表されるや、白人から差別されていた黒人やメキシコ人らが、愛国心的反日暴動を各地で行った。
同委員会は、過激な反日報告書を公表すると黒人やメキシコ人らが便乗して暴動を起こすのではないかと警戒して、言葉を選んで穏健的な内容に替えた。
ペンシルバニア州選出下院議員ハーマン・インベルハーター「委員会報告は人種差別意識にまみれたもので、その内容は事実に基づいていない」
6月14日 バーネット事件。学校は、戦時下で「エホバの証人」に属する子供達が、宗教上の理由から国旗に敬礼と国家への忠誠を誓う事を拒否したとの理由で退学させた。
連邦最高裁は、合衆国憲法で保障されている信仰の自由及び信条の権利から、生徒を退学させた行為は明白な憲法違反との判決を下した。
「愛国的儀式が強制的慣例ではなく自発的で自然なものにならなければ、愛国心は育たない、と信ずる事は、我が国の制度の自由な精神に訴えるという事を不当に評価する事である。我々は、時折の風変わりな行為や異常な態度を犠牲にした異例な人々の御蔭で、知的な個人主義と豊かな文化的多様性を持つ事が出来る。……
意見を異にする自由はどうでもよい事には限らない。そうであれば、名ばかりの自由に過ぎなくなる。自由の実質の基準は、現在の秩序の核心にふれる問題について意見を異にする権利である。我が国の憲法という星座に恒星の高低を問わず公務員が、政治、ナショナリズム、宗教、その他の思想的問題について、何が正統であるかを決めたり、市民に言葉や行動によって自己の信念を告白する事を制限する事あできない、という事である」
6月20日 カリフォルニア州サクラメントで反日市民集会が開かれ、一年以内に州にいる全ての日本人を州外に退去させる事を求める決議を行った。
「ジャップを追い出せ!彼らは信用できない。信用できない人間を隣りに置いておくわけにはいかない。善良な人間はアメリカ人になり得る。しかしジャップはそうはいかない。彼らに背中を見せたら襲ってくる、汚い人種だ。戦争が終わったら、奴らを日の出る帝国に送り返してやらなくてはならない」
9月 連合軍はイタリアのサレルモに上陸し、日系人部隊である陸軍第442部隊も参加した。
これ以降、日系人部隊は死傷者が多いと思われる最激戦地に出動を命じられ、多くの戦死者を出し続けた。
ロサンゼルス郡ガーディナー市は、第一世界大戦で活躍して市民権を獲得した日系アメリカ人17名を名誉市民名簿から削除した。
在郷軍人会も、かっての戦友である日系アメリカ人元兵士への顕彰を全て中止した。
オレゴン州ポートランドの在郷軍人会は、名誉の戦死をした日系アメリカ人墓地の維持管理を拒否した。
9月11日 パシフィック・シチズン紙「ほとんどの同胞が『日本人移民』という階層から『プロレタリアート』に移行した」
日本人移民は、強制隔離収容所に分断されて閉じ込められた為に、氏族社会や出身地の県人会という閉鎖社会としてのつながりや絆を失った。
アメリカ国籍を持つ日系アメリカ人は、親の世代が引き摺ってきた因襲漂う非近代的日本をかなぐり捨て、アメリカに帰化し、アメリカ人に完全同化する決意を固めた。
アメリカ人として生き、アメリカ国民として行動する事を決意して、自らすすんで「民族性の自殺」を行った。
9月14日 ルーズベルト「我が国への忠誠が疑われる分子の隔離が出来れば、戦時移住計画局は日本人収容者を順次退所させていく。アメリカ全土に日本人を分散し、そこで職を得、家族を持ってもらう。隔離地域の外にいる日本人移民も、この厳しい状況の中で我が国への忠誠の心をハッキリと示してくれた。隔離され強制収容されてはいても、我が国への忠誠心を持つ日本人移民は、軍事的な必要性が去り次第、元の居住地に戻れる様にすべきである」
9月15日(〜10月15日) 非忠誠日本人の移送が始まり、貨物列車が通過する路線では、沿線の住民は彼らに罵声を浴びせ、子供達は石を投げた。
ニューウェル収容所は、他の収容所よりも管理が強化され、有刺鉄線やサーチライトや銃口も全ての面で増強された。
日本人収容者への監視も厳しくなり、戦時捕虜や犯罪者の様に自由が制限された。
カレイ・マックウィリアムス「日本人収容者の誰もが、ニューウェル収容所に送られる者はいずれ日本に強制送還されると思っていた。もしかしたらこれが最後の別れになるかもしれなかった。引き裂かれる親と子、離れ離れになる兄弟姉妹、人間が他の人間に行う非人道的な所為。その見本のような出来事がそこにあった」(P.259。260)
10月6日 ロサンゼル・タイムズ紙「(カリーヨ発言)ワシントンでは日系アメリカ人は保護されるべきだ、などという議論が持ち上がっているが、とんでもない事だ。そんな事を言う連中は、日本人がどんな生物か知りはしない。奴らはシロアリみたいなものだと言う事が分かっていない。奴らをカリフォルニアに戻したら、神聖なカリフォルニアの地が汚す。その穢れで、我々でさえ住めなくなってしまう。要するに日系アメリカ人などというものは存在してはいけないのだ」
10月14日 ロサンゼルス・デイリーニュース紙「日本との戦いはゆっくりと時間を掛けるべきである。日本はゆっくりと潰せば良いのである。我が国はこの戦いが終われば、極めて強大な軍事力を必要とする事はハッキリとしている。世論は軍事力拡張に反対するだろう。その観点からすれば、太平洋方面での戦争は長引いている方が良い。東洋の10億の民が如何に我が国にとって危険な存在であるか訴え続ける必要がある」
極一部の常識ある有識者は、極端な反日感情を煽る事に警戒を続けていたが、国民世論は興奮して自制心をなくしていた。
10月15日 ニューウェル収容所暴動事件。死者1名。負傷者29名。
日本人収容者は、ジュネーブ条約に基ずく戦時捕虜扱いを主張した。
戦時移住計画局は、戦時捕虜ではなく安全の為の隔離収容である以上、戦時国際法は適応されないと拒否した。
10月19日 カリフォルニア州議会上院。ジョン・カルダー牧師「日本人をカリフォルニアのキリスト教社会から締め出す事はキリスト教徒の責務である。西海岸の白人は日本人の侵入に混乱している、苦しんでいる。この外の世界からの侵入者から同胞を守る事こそが、我々の使命なのだ。全ての日本人を我が国から追い払う事に躊躇してはならない。キリスト教徒としては当然にそれを求めなければならない」
保守的キリスト教会は、絶対神に嫌われた非白人の日本人を、絶対神に愛されたエデンの園であるアメリカ大陸から追放する事を訴えていた。
つまり、絶対神が創造した神の国・天国は白人だけの所有物であり、非白人は入る事が出来ないと差別した。
一歩、譲歩しても排他的閉鎖的に変わりなく、絶対神の隣人愛信仰を受け入れない非白人を完全に締め出した。
ロサンゼルス・タイムズ紙「日本人がカリフォルニアに戻ってくれば、軍人達が奴らを撃ち殺す可能性があると地方検事語る」
10月29日 ロサンゼルス・イグザミナー紙は、忠誠を誓わない日本人だけを集めて隔離しているニューウェル収容所でのストライキを報じた。
「1万4,000人のジャップがストライキ。軍出動し、奴らを鉄条網の中に押し込めた」
11月1日(〜4日) ニューウェル収容所で暴動が発生し、アメリカ軍が暴徒鎮圧の為に投入された。
日本人収容者は、負傷者を出さない為に抵抗をはしなかった。
アメリカ軍は、翌44年1月14日迄に所内の秩序を回復し、暴動の首謀者数人を逮捕した。
カリフォルニア州知事ウォーレンをはじめとして多くの州職員は、ワシントンに対して、日本人移民の危険性を訴え続けた。
「こうした状況の改善には、厳しい態度で臨む必要がある」
11月10日 ロサンゼルス・タイムズ紙「奴らはジキルとハイドだ」
11月11日 ロサンゼルス・タイム紙「収容所の日本人を悪戯が過ぎる子供の様に扱ってはならない。彼らは、道徳的に退廃している。我々は、アメリカ人同胞を奴らから守る義務がある。リトルトーキョーに舞い戻って編み物教室を開いたり、兄弟愛クラブなどを作ろうとする日本人を大事にしよう、などと言う事よりもずっと重要な事なのだ」
11月17日 ロサンゼルス・ヘラルド・エクスプレス紙「海軍中佐であるC・M・ワッセルは『後生だからジャップは鉄条網の中に閉じ込めておいてくれ』とロサンゼルス・ロータリークラブで訴えた」
新聞各社は、日本人が如何に血も涙もない残虐な民族であるかを、中国大陸やアジア諸地域から帰国した人々から聞いた証言を報じ、日本人への憎悪を?き立てた。
12月 前カリフォルニア州知事カールバート・L・オルソンに任命されていた州農業委員会の3名の委員は、戦時移民計画局の方針に添うかたちで、忠誠心を誓う日系アメリカ人を州内に戻すべきであるとの意見書を州議会に提出した。
ウォーレン州知事は、日系アメリカ人に好意的な意見書を握りつぶし、彼らを「日本人大好き人間」と非難した。
反日派市民団体は、合衆国憲法の精神から忠誠心を誓う日系アメリカ人に好意を見せる者に、公の場で活動できない様に非難中傷を加えた。
12月3日 ロサンゼルス・イグザミナー紙など反日的報道機関は、アメリカに敵意を持つ日本人が偽って忠誠心を誓い強制隔離収容所から退所して自由の身になっていると警鐘を鳴らした。
良心的な日本人は忠誠を誓わない者で、忠誠を誓った日本人は犯罪者であると。
12月5日 アイオワ州ハンブルグで、強制隔離収容所を出た日系アメリカ人を移住させる事に反対する市民大集会が行われ、周辺州の反日派アメリカ人も多数参加した。
12月6日 ロサンゼルス・タイムズ紙「『世論は日本人移民に対して新しい政策を強く要望』
質問1、戦時移民計画局は日本人問題を処理する能力があると思いますか?
イエス 639。 ノー 1万773。
質問2、戦争終了後までのしばらくの間、日本人の管理は陸軍に委ねるべきだと思いますか?
イエス 1万1,203。 ノー 371。
質問3、恥も外聞も無く我が国に忠誠心を示したという日本人を収容所から出所させ、中西部諸州で働かせるという方針を支持しますか?
イエス 1,139。 ノー 9,750。
質問4、我が国に居住する日本人を、日本に捕らえられている同胞と交換する事が仮に可能であったら交換計画を支持しますか?
イエス 1万1,249。 ノー 256。
質問5、戦争終了後憲法を改正し、全ての日本人を送還し二度と我が国への移住を認めない事に賛成ですか?
イエス 1万598。 ノー 732。
質問6、仮に上記の様に憲法が改正された場合、我が国にで生まれている(市民権を持つ)日本人には適用しない事に賛成ですか?
イエス 1,883。 ノー 9,018。
質問7、カリフォルニア州を含む全ての太平洋岸の州から日本人を永久に排除すべきだと思いますか?
イエス 9,855。 ノー 999。」
12月7日 ロサンゼルス・タイムズ紙「日本人は豚と一緒に寝る人種と、ハービー氏語る」
12月8日 カリフォルニア州選出下院議員ジョン・コステロは、「数百人規模で日本人収容者がカリフォルニアに戻っている」と発表した。
デロス・エモンズ将軍らは、煩わしい日本人収容者の管理を請け負いたくない為に、報道されている情報は事実に反していると発言した。
当時。ロサンゼルスに居住している日本人は、白人と結婚している日本人女性とその子供を併せて数十人にすぎなかった。
日本人排斥運動家らは、隣近所の迷惑を顧みず、そうした家庭に押しかけて嫌がらせを行っていた。
12月9日 ダイズ委員会で、大人・子供、男・女、白人との結婚に関係なく全ての日系アメリカ人から市民権を剥奪する件を、ワシントン議会に提案する事が話し合われた。
在郷軍人会のウォーレン・アザートンは、全ての日本人を軍国日本に送還する事を求めた。
ペンシルバニア州選出下院議員ハーマン・P・エバーハーター「日本人移民に対する根拠のない恐れや敵意が煽られている。その事で我が国の団結が乱されている。戦時移民計画局は実に真面目に、かつ精力的に業務をこなしている。そうした努力が台無しになっている。我々の敵は太平洋の向こうにある日本であるのに、あたかも収容所に押し込められている日本人が我々の敵であるかの様にな錯覚を生んでいる。メディアの馬鹿げたプロパガンダの結果である」
12月10日 ロサンゼルス・タイムズ紙「日本人がカリフォルニアに戻れば、必ず暴動になる」
12月12日 ワシントン・ポスト紙は、アメリカ人で日本語を理解する日本専門家は600人前後で、中国専門家に比べて圧倒的に少ないと報道した。
事実。各大学の東洋学部に於いて、理解しやすい中国の歴史・文化・思想に比べて、日本の歴史・文化・思想は理解できないとして敬遠されていた。
日本文化に興味を持ち日本語を覚えようとする白人は、気が触れた変人として白い目で見られていた。
日本は、明治期以来、日本を理解して貰う為にあらゆる努力を繰り返してきたが、全てが徒労に終わり成果を得る事が出来なかった。
白人の多くは、日本は中国領の一部で有り、日本文化は中国文化の真似でしかないと確信していた。
アメリカ人の多くは、狭く息苦しい日本よりも広大でのびのびとした中国に憧れていた。
親中国傾向は、何時の時代でも変わる事がなかった。
12月13日 ロサンゼルス・タイムズ紙「日本側は捕虜交換交渉を中断。ニューウェル収容所事件調査結果は軽視される」
反日派市民団体は、暴動の事実を無視した軍国日本への非難の声を上げた。
だが。家族が日本軍の捕虜になっていると思われるアメリカ人達は、日本との捕虜交換交渉を優先すべきであるとして、反日報道の自粛を求めた。
12月14日 アリゾナ州フェニックスで大規模な反日大集会が開催され、ラジオ放送局は中継し、新聞各社は大々的に報道した。
反日各団体は、全米各地で反日プロパガンダ活動を展開し、反日を民意の総意として全米に拡大しようとしていた。
より過激な反日扇動家は、アメリカ国内で起きた事件の多くを反日の材料に利用して、収容所の外に出ている全ての日系アメリカ人を再び強制収容所に追い返し、厳重に監視する事を訴えていた。そして、日系人部隊の即時解散を求めた。
だが。この時点での国民の関心は、太平洋ではなくヨーロッパであり、日本人よりもドイツ人であり、昭和天皇よりもヒトラーであった。
兵士を出していた家庭は、太平洋戦線よりもヨーロッパ戦線の方が苛酷で、多くの犠牲者を出す恐れがあると信じていたからである。
つまり、海軍よりも陸軍のほうが兵士の数が断然と多かったからである。
ルーズベルトは、翌年に控えた大統領選挙の勝利の為に反日市民運動を利用する事を決めて、反日派市民団体の訴えに理解を示し支持を与えた。
12月15日 日本の開戦内閣は、水面下でアメリカと捕虜交換交渉を行っていたが、ニューウェル収容所暴動事件報道で中止を決めた。
USディスパッチ紙は、戦時移民計画局副長官R・B・コゼンスの発言を掲載した。
「捕虜交換交渉が頓挫した事は遺憾の極みである。カリフォルニアにおける反日本人キャンペーンがその原因である事は間違いない。メディアだけでなく多くのグループ、そして有力な個人が人種偏見を煽りに煽った。その当然の帰納である」
陸軍省も、日本人収容所をアメリカ軍の管理下に置くと、日本も制裁処置として民間管理を止めて捕虜収容所を凶悪な日本軍に委ねる恐れがあるとして、常軌を逸した根拠のない捏造報道を自粛する様に要請した。
市場経済のアメリカは、情報統制で大本営発表しか報道できない軍国日本と違って、責任なく、発行部数を増やす事を至上の命題として自由に好き放題の報道を行っていた。
12月16日 アメリカの報道機関は、日本に残っていた日系二世は、アメリカ国籍の放棄を強要され日本軍に徴兵されたと報じた。アメリカ国籍の放棄を拒否した者は、敵国人として逮捕され収容所に閉じ込められたと。
12月21日 コール・ブリテン紙は、戦時移民計画局は日本人が強制収容所内で武器を製作している事実から目を逸らしていると非難し、マイヤー長官は武器の所持を許していると批判した。
カリフォルニア州選出議員は、ワシントンで調査委員会を作って、調査報告の有無の調査を始めた。
ウォーレン州知事は、日本人隔離収容所の深刻な問題を訴え続けた。
カリフォルニア州議会は、調査委員会を設置してニューウェル収容所などの調査を開始した。
新聞各社は、「日本人を退所させるべきではない」「収容所を陸軍の管轄下に置け」「日本人は全員日本に送り返す」などと、反日報道を全米で行った。
12月24日 東條英樹内閣は、ラジオ・トーキョーで、「アメリカが強制隔離収容所に押し込めている日本人移民の待遇を改善しなければ、日本国内にいるアメリカ人残留者の扱いを再考する」との警告を放送した。
カリフォルニア州知事ウォーレンは、カリフォルニア州議会に対して、幾つかの反日本人法案を上程しようとしたが中止した。
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カレイ・マックウィリアムス「1943年末の時点で日本人移民は下記のように分布していた。
陸軍兵士として戦っている者 8,000から1万人
収容所に入れられている者 およそ8万7,000人
(このうちニューウェル収容所に入れられた者は1万5,000人)
太平洋沿岸から自発的によそに移住していた者 8,000人
もともと西部方面防衛軍管理地域に住んでいなかった者 2万人
他州への移住計画で出所した者 2万人
……
収容所にいる者の数字には、農業の季節労働者に携わって出所している者数千人も含まれている。
……
真珠湾攻撃の直後、危険な敵性外国人として5,234人が大統領令によって逮捕されている。しばらくして、およそ40%は問題ないとして解放されている。」
……
ニューウェル収容所についていえば、ここに収容されている人々のなかから再審査を要求する者が増えていくだろう」(『日米戦争の人種的側面 アメリカの反省 1944』P.366〜368)
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アメリカ軍は、日本の民間密集地帯を如何に焼き払うかを研究する為に、ハワイから日本家屋の職人を大勢集めて、砂漠地帯に木造家屋を作った。
女子供に関係なく全ての日本人を焼き殺す為の無差別縦断爆撃の研究を行い、そして、新型焼夷弾M69を開発した。
『ライフ』「アメリカ人はドイツ人を憎む事を学ばなければならないが、ジャップに対しては憎しみが自然と沸いてくる、これはかってインディアン達と戦った時と同様に自然なものだ」
アメリカの敵は、日本人そのものであり、滅ぼすべきは敵は日本人であった。
アメリカ軍は、女子供も老人も戦闘員と決め付け容赦なく殺害した。
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アメリカ陸軍は、国家に忠誠を誓う日系人を集めて秘密情報機関。MIS)を設立し、太平洋戦線に投入し、日本軍の情報収集や謀略宣伝や降伏勧告を行わせた。
日系アメリカ人は、祖先が日本人である事を誇りに思っても、今の国籍がアメリカにある以上はアメリカ国民としての責任と義務を果たす為に日本軍と戦った。
ウィロビー「MISの日系兵士のおかげで戦争を2年早く終結できた」
秘密情報機関の日系兵士は、「人間秘密兵器」と呼ばれ、その活躍によって、有刺鉄線のフェンスで囲まれ銃を持ったアメリカ人兵士の監視下で強制収容所に閉じ込めれていた日系アメリカ人の待遇が改善されていった。
アメリカ国籍を取得した日本人移民は、アメリカに帰化した新参者として、母国アメリカの為に祖国日本と戦った。
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1944年5月 ジョゼフ・グルー元駐日大使は、『滞日十年』を敢行した。
少数派である、国務省内の日本派は、国民の間に日本理解を広め戦争の早期終結へと導こうとしていた。
多数派である国務省内の中国派であるオーウェン・ラティモア、アンドルー・ロス、ピッソンらは、完膚なきまでに軍国日本を破壊し、民主主義の為に天皇制度を廃絶するべきだと主張していた。
ロス「日本において左翼が正しく、右翼は間違っている」
ラティモア「日本の皇族は全員終身中国へ追放すべし」
ピッソン「グルーは、日本の戦後の希望を『穏健な』指導者に託しているらしい。だが、彼等が健全な民主化の基礎などになり得るはずはない。……彼等は、日本の民衆よりも軍国主義者によほど近い連中なのだ。……そのような内閣が日本で機能するはずはない。遅かれ早かれ軍国主義者がカム・バックし、彼等と顔馴染みの『穏健派』と称する同僚達とは手に手をつないで日本を支配するであろう。日本人民の真の代表によって組織され、指導された、グラス・ルーツの運動のみが真の民主的な政府を樹立するのである」
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