🐀4」─4─香港民主派に厳しい判決「日本にもう一度行きたい」 周氏願いかなわず。~No.29 

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   ・   ・   {東山道美濃国・百姓の次男・栗山正博}・    
 2020年12月2日16:44 産経新聞「香港の裁判所 民主活動家の周庭氏らに実刑判決
 11月23日、香港の裁判所に到着する周庭氏(AP=共同)
 【台北矢板明夫】香港の西九竜裁判所は2日、昨年6月のデモをめぐってデモ扇動罪などに問われた民主活動家、周庭(アグネス・チョウ)氏(23)に禁錮10月、黄之鋒(ジョシュア・ウォン)氏(24)に禁錮13月半、林朗彦(アイバン・ラム)氏(26)に禁錮7月の量刑をそれぞれ言い渡した。いずれも執行猶予はつかず、3人は再び収監された。
 香港紙、蘋果(ひんか)日報(電子版)などによれば、法廷で量刑を聞いた周氏は号泣した。3日に24歳の誕生日を迎える周氏の弁護士は上訴に伴う保釈を裁判所に申請したが、その場で退けられたという。一方、黄氏は傍聴席の支持者らに対し「頑張って耐えていく」と話しかけ、林氏は「後悔はしていない」と大きな声で叫んだという。
 周氏と黄氏は6月の香港国家安全維持法(国安法)の成立に伴い解散した民主派の政治団体「香港衆志」(デモシスト)の中心メンバーで、林氏は同団体の元主席。
 3人が罪を問われたのは、昨年6月21日、犯罪容疑者の中国本土引き渡しを可能にする「逃亡犯条例」改正案に反対するため、デモを呼びかけるなどして、警察本部を包囲したことだった。デモには最大約9千人が参加し、近くで交通渋滞が起きたが、けが人や逮捕者は出なかったという。
 王詩麗裁判官は「デモは当局から許可を得ていなかった」と指摘し、「警察の権威に挑戦した」などとして3人を断罪した。3人は昨年夏に逮捕され、起訴後に保釈されたが、11月23日の公判で罪を認め、有罪の判断が下された後、収監されていた。
 判決を受け、香港衆志の元メンバーで台湾に逃れている男性は「平和的なデモの参加者がこのように刑務所に送られる時代になった。国際社会はもっと声を上げて中国に圧力をかけてほしい」と話した。」
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 12月3日 05:00 産経新聞「【主張】香港で周氏ら実刑 日本政府は釈放を求めよ
 香港の裁判所が、昨年6月に違法な集会を扇動したとして有罪の判断を下していた民主活動家の周庭、黄之鋒、林朗彦の3氏に対して実刑判決を言い渡した。
 この裁判は香港の自由と民主を損なう弾圧だ。判決は不当で認められるものではない。香港当局は3氏を釈放し、自由を保障すべきである。
 世界が、3氏を含む香港の民主を求める人々の身を案じていることを強調しておきたい。周氏は今年8月、香港国家安全維持法違反容疑でも逮捕されている。
 香港での弾圧は習近平政権の方針に基づく。香港の民主の芽を摘もうと国家安全法を施行し、北京の出先機関である「香港連絡弁公室」や「国家安全維持公署」は強権政治を広げようと動いている。国際公約である「一国二制度」や「港人治港(香港市民による香港統治)」は有名無実化しており、強い懸念を覚える。
 3氏は、「逃亡犯条例」に反対し、警察本部を包囲するデモを扇動したとして昨年8~9月に逮捕され、起訴後に保釈された。だが今年11月23日に保釈が取り消され、収監されていた。香港での弾圧強化を反映している。
 中国政府は、中国や香港は法治に基づく国であり社会であると強弁し、香港をめぐる国際社会の批判に反発している。だが、民主主義国では当たり前の自由や民主を求める人々を弾圧しているのだから、説得力はない。
 中国政府が取り組むべきは圧政を敷くことではなく、自国や香港の民主化である。
 米議会の超党派諮問機関「米中経済安全保障調査委員会」は1日、年次報告を公表した。
 報告は国家安全法施行などについて「中国の指導部が既存の約束事を破って、自国の評価が下がることなどを気にせずに政治的目的を追求する決意を固めていることを実証した」と指摘した。さらに政治的迫害を恐れて香港からの脱出を求める市民らに米国ビザ(査証)を発給するため各種制限を撤廃するよう米政府に求めた。事態はここまで切迫している。
 日本政府は3氏との連帯を表明し、中国、香港両政府に対して釈放を強く求めるべきだ。人権に関わる問題であり、「懸念の表明」や「事態を注視する」を繰り返すだけでは足りない。その先頭にたつべきは、菅義偉首相である。
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 12月2日20:39 産経新聞「香港民主派に厳しい判決「日本にもう一度行きたい」 周氏願いかなわず
ー=共同)
 11月23日、香港の裁判所に到着する(左から)周庭氏、林朗彦氏、黄之鋒氏(ロイター=共同)
 香港の著名な民主活動家、黄之鋒氏と周庭氏に2日、禁錮刑が言い渡された。執行猶予が付かない実刑判決は、両氏と国際社会の結びつきを断ちたい中国・香港政府の思惑通りとなった。今後、香港国家安全維持法(国安法)違反でも起訴されれば、収監が長期化する可能性が高く、香港の民主化運動にとって大きな打撃となる。
 黄氏と周氏が当初否認していた起訴内容を最終的に認めたのは、情状酌量を訴えるための苦渋の決断だった。黄氏は11月23日の公判前、「政府への抗争継続と法廷闘争の両立は難しい」などと支持者に明かしており、抗争の早期再開のため刑の減軽を狙ったようだ。
 それでも、実刑判決を免れることはできなかった。
 昨年6月に本格化した反政府デモではこれまでに1万人以上が逮捕され、違法集結や暴動罪などで2千人以上が起訴されている。
 連日のように一連の公判が行われる中、中国系香港紙が最近、情状を酌量した“温情判決”を厳しく批判し、その裁判官を個人攻撃するキャンペーンを展開している。裁判官さえも中国側の圧力にさらされているのが香港の現状だ。
 黄氏らの事件を担当した王詩麗裁判官も、反政府デモ関連の事件の公判で、比較的厳しい判決を出す女性判事として知られる。
 黄氏らの弁護側が11月23日の公判で、量刑に関し、一定期間の奉仕活動を命じる社会服務令が妥当と主張すると、王氏は「考慮に値しない」と一蹴した。周氏はこの時の心境を「すごく悔しく、やりきれない思いになった」と、面会に来た知人を通じて明かしている。
 周氏は、8月に国安法違反の疑いでも逮捕されており、起訴されれば収監が長期化するとの見方が強い。黄氏も今後、同法違反で逮捕・起訴されかねない。
 中国・香港当局は、米欧に対する黄氏の、日本に対する周氏の情報発信力と影響力を警戒している。2人の収監の長期化は、当局にとって好都合といえる。
 日本語が堪能で日本文化を愛する周氏は、国安法違反の疑いで逮捕される前、本紙の取材にこう語った。
 「人生でもう一度、日本に行きたい。それが今の私の夢です」
 新型コロナウイルスの影響ではなく、政治的理由によって、そんなささやかな夢さえも実現が難しくなっているのが、今の香港だ。(藤本欣也)」
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