💥12」─1─イギリス原子力発電所と中国マネー。イギリスの電気エネルギーを支配する中国資本、2016年。~No.41No.42No.43 @ 

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   ・   ・   {東山道美濃国・百姓の次男・栗山正博}・      
 2016年1月27 産経ニュース「中国、「原発強国」宣言 「30年までに」と白書 「一帯一路」の一環で増設や輸出推進
 中国政府は27日、原発に関する政府方針をまとめた「原子力緊急対策白書」を発表した。救援部隊の創設など事故対処能力を高めた上で原発を増設し、2030年までに「原発強国」をつくると強調。中国が掲げる現代版シルクロード経済圏構想「一帯一路」の一環として原発輸出を進めるため、国際社会と協力するとした。
 中国は東京電力福島第1原発事故の後、一時原発建設に慎重な姿勢を示していたが、経済成長の減速などを背景に、国を挙げて原発建設を推進する姿勢を明確にした。
 1月時点で30基の原子炉が稼働、24基を建設していることも明らかにした。白書は原発強国建設の前段階として、20年までに現在約2830万キロワットの発電容量を5800万キロワットに増やす目標を重ねて示した。建設中の発電容量を合わせても目標には約300万キロワット足りないため、20年までに新設するとみられる。(共同)」
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 7月29日 産経ニュース「英、20年ぶり原発新設へ、中国が出資
反応
 【ロンドン=岡部伸】BBC放送などによると、フランス電力公社(EDF)は28日の取締役会で、英南西部サマセット州ヒンクリーポイントで予定されている新規原子力発電所建設計画を承認した。英国に原発が新設されるのは20年ぶり。英政府は今秋に最終決定する方針だが、約180億ポンド(約2兆5千億円)の建設費の3分の1を中国企業が出資する予定で、仏中の外国企業にエネルギー事業を委ねる危険性もあり、メイ首相は、「さらに計画を慎重に検討してほしい」と注文をつけた。
 計画では、既存原発の隣接地に原子炉2基を建設。完成すれば国内の電力需要の7%を賄い、2万5千人を雇用する。英国と中国は昨年10月、中国広核集団などが60億ポンドを出資することで合意した。
 取締役会では、リスクの高さを理由に取締役の一人が辞任。残る17人による投票が行われ、賛成票10票、反対票は7票と割れた。
 EDFは2013年、ヒンクリーポイント原発計画で英政府と合意。しかし、福島事故などの影響で経営不振に陥り、フランス政府が資本増強を支援することで今年4月合意。同計画に反対していたトマス・ピケマル最高財務責任者(CFO)も辞任に追い込まれている。」
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 9月15日 産経ニュース「英、中国出資の原発計画を承認 今後は政府関与強化、安保懸念に配慮
 【ロンドン=岡部伸】英国政府は15日、中国企業が一部出資するため再検討していた原発計画を承認した。一方で、今後の原発計画では、英政府が特別に株式を保有するなど国家関与を強め、中国企業の参加が安全保障上の脅威とならないようにする措置を導入。英国は欧州連合(EU)離脱決定で景気低迷が懸念される中、潤沢な投資マネーを期待して中国との関係は維持する苦渋の選択だ。
 承認されたのは、英南西部サマセット州ヒンクリーポイントでフランス電力(EDF)が主導する原発建設計画。2025年に発電開始予定で、英国では約20年ぶりの原発新設となる。EDFは7月末に計画を承認したが、約180億ポンド(約2兆5000億円)の建設費の3分の1を中国企業が出資することに、メイ首相が安保上の懸念を示し、政府としての承認は延期していた。
 クラーク民間企業相は、今後は原発など重要なインフラ施設への外国資本の関与を規制する新たな法的な枠組みを設けて安保上の懸念に配慮すると述べた。英メディアによると、新規原発では株式の売却に政府の同意が必要となり、政府も特別に株式を保有する。
 キャメロン前政権は、東部エセックス州ブラッドウェルと東部サフォーク州サイズウェルで、中国製原子炉を導入することで合意した。だが、中国の投資拡大に懸念を抱くメイ政権の姿勢が「計画に影響を与えるだろう」(ガーディアン紙)との観測も出ている。」
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 9月30日15:28 産経ニュース「中国出資原発建設に署名、英仏閣僚ら式典出席
 英南西部ヒンクリーポイントでフランス電力(EDF)が主導して進める原発建設計画の署名式典が29日、ロンドンで開かれ、英仏政府の代表や出資する中国企業の代表らが出席し合意文書に署名した。英メディアが報じた。
 計画は中国企業の出資による安全保障上の懸念や経済性に疑問の声が出たこともあり、7月に就任したメイ英首相が承認を延期したが、英中経済関係悪化の懸念も浮上し、英政府は今月15日に承認した。英国で原発の新設は約20年ぶり。2025年に発電開始予定。
 英メディアによると、式典は非公開で行われ、クラーク英エネルギー相やフランスのエロー外相、建設費の総額180億ポンド(約2兆4千億円)のうち約60億ポンドを出資する中国広核集団(CGN)の代表らが出席した。計画はキャメロン前政権が13年に発表した。(共同)
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 9月30日17:48 産経ニュース「中国出資の英原発、ひそかに調印式 ヒンクリーポイント、英仏閣僚らが参加
 原発建設計画で調印するクラーク英エネルギー相(中央)、EDF代表(左)、CGN代表(右)ら=29日、ロンドン(ロイター)
 【ロンドン=岡部伸】英南西部ヒンクリーポイントでフランス電力(EDF)が主導で、中国企業が出資する原発建設の調印式が29日、ロンドンで行われ、英仏政府、中国企業の代表が合意文書に署名した。
 ロイター通信によると、非公開で行われた調印式にはクラーク英エネルギー相やフランスのエロー外相、約180億ポンド(約2兆4000億円)の建設費の3分の1を出資する中国国有原発大手「中国広核集団」(CGN)の代表が出席した。
 「中国広核集団」が出資することから安全保障上の懸念が高まり、7月に就任したメイ首相が承認を延期したが、中国との経済関係を維持する「現実的判断」を下して15日に外資を規制する条件付きで最終承認した。2025年に発電開始予定で、英国での原発の新設は約20年ぶりとなる。
 計画はキャメロン前政権が13年に発表。フランス原子力大手アレバの次世代型原発欧州加圧水型原子炉(EPR)2基を建設、英国の電力需要の7%を供給する。前政権は、東部ブラッドウウェルとサイズウェルでも中国製の原子炉導入で合意しており、安全保障上の懸念が指摘される。
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 10月5日 産経ニュース「【湯浅博の世界読解】中国・フランスに原発を依存すると「生殺与奪の権」を握られかねない 官僚頼み止め政治が英断を
 廃炉の方向となった高速増殖炉もんじゅ
 英国のメイ政権によるヒンクリーポイントの原子力発電所をめぐる右往左往は、近い将来の日本の姿であろう。英国が独自に原発を建設する能力を喪失し、中国やフランスに依存しなければならなくなったからだ。
 日本もまた、高速増殖炉原型炉「もんじゅ」をはじめ、原子力政策の現状をみるにつけ、やがて中国の原子力技術に頼らなければならなくなる日がやってくる可能性がある。
 就任直後のメイ首相が、ヒンクリーポイント原発建設に一時、待ったをかけたのは、中国の関与があったからだと英誌エコノミストはいう。
 メイ首相はキャメロン前首相の政策と決別し、7月に承認を見送る方針を表明した。原発はフランス電力(EDF)が建設するが、中国が投資額の3分の1を出資する。これだけ巨大な基幹プロジェクトになると、いつ安全保障にかかわってくるか分からない。
 フランスが途中で撤退すれば、中国がすべてを請け負う結果になりうるからだ。英中が蜜月関係にある間はともかく、全体主義国はいつ政府介入があるか分からない。
 中国の国有企業が建設する原子力発電所なら、サイバー攻撃の標的になるよう細工することは容易だ。実際に英国情報機関は、枢要なプロジェクトに中国が関与することに警告を発していたとの報道があった。
 欧州連合(EU)を離脱する英国は、交易条件を変えないためにフランスの協力が必要になるし、巨大な市場をもつ中国との関係が悪化することは避けたい。そこでメイ政権は、EDFが英国政府の同意なく原発完成前に撤退することがないように合意を取り付けた。中国肩代わりの可能性を遮断するためである。
 しかし、エコノミスト誌は国有企業の中国広核集団がヒンクリーポイント原発を足掛かりに、拡大の思惑があることを指摘する。同集団は英国が計画するブラッドウェル原発やサイズウェル原発にも「原子力発電能力を提供できる」と視野に入れる。
 日本も「もんじゅ」を廃炉にすれば、自動的にフランスや中国に依存する道へ踏み込むことになる。「もんじゅ」をお荷物扱いする経済産業省は、頓挫しているはずのフランスのアストリッド計画に依存しようとしている。東京大学大学院の岡本孝司教授によれば、「もんじゅ」が核燃料サイクルの発電を目的とする高速増殖炉であるのに対し、アストリッドは放射性廃棄物処分のための設備である。しかも、地震の多い日本の独自技術を結集した「もんじゅ」の代替にはならない。
 国産エネルギーをもたない日本は将来、中国やロシアに生命線を握られかねない。そうした悪夢は、英国よりも前に、ウクライナで起きている。
 ウクライナチェルノブイリ原発事故を経験しながらも、半分の電力を原子力で賄い、残りをロシアの天然ガスに依存する。ロシアはクリミア半島を奪ったうえ、なおウクライナ東部に兵力を温存している。エネルギー自給ができず、安全保障上の首根っこをロシアに握られているのである。
 日本が中国にエネルギー開発技術と供給を仰ぐようなことになれば、尖閣諸島を含む日本の生殺与奪の権は抑えられてしまう。省益が優先の官には頼れず、政治の英断を待つしかない。(東京特派員)」
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