🐉79』80』─1─南アジアと一帯一路構想・AIIB。パキスタン。ネパール~No.239No.240No.241No.242No.243No.244 ・     

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   ・   ・   【東山道美濃国・百姓の次男・栗山正博】・ 
 金儲けをしたい日本人は、中国共産党が進める海外侵出政策である一帯一路構想に参加する事を希望している。
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 2017年12月17日号 サンデー毎日「世界透視術 金子秀敏
 78 ネパールの親中派連合
 ネパール総選挙が始まった。ヒマラヤ山脈の国ネパールのニュースを、珍しく日本の新聞が大きく報道している。2015年に起きたネパール地震以来のことだ。12月中旬に結果が判明するが、なぜ今、ネパールの総選挙に国際的な関心が郄まっているのだろうか。
 ネパールの北は中国のチベット、南はインド。すぐ東に位置するブータン周辺では今年夏、中国軍とインド軍が衝突寸前の緊張状態になった。ヒマラヤ山脈で北から南下する巨竜のパワーと南から対抗する巨象の力がぶつかり、政治的激震が起きているのだ。
 ネパールもブータンも長い間、2大国の間でたくみにバランスをとる綱渡りの中立外交を続けてきたが、拡大する中国の影響力が急速に浸透してこのバランスが崩れだした。今回のネパール総選挙は、ヒマラヤ一帯で中国の力がどれほどになったかを測る物差しとなる。
 ネパールでは08年に王制が廃止されて以後、小政党が離合集散を繰り返してきた。現在は第1党の社会民主主義政党『ネパール会議派』と親中派ネパール共産党統一毛沢東主義派マオイスト)』とが連立を組んでいる。
 ところが今回の選挙では、親中派陣営に大きな変動が起きた。マオイストが会議派と袂(たもと)を分かれ、野党第1党で親中派の『ネパール統一共産党』と将来の統合を視野に選挙協力体制を組んだからだ。マオイストはかつて国軍とゲリラ戦を戦った武装勢力人民解放軍』を持ち、地方に根を張っている。統一共産党は都市部で人気が高く、両党合わせると議席の3分の2をしめる勢いだ。今後、中国がネパール国内に強力な足場を築くことは確実だ。
 親中派勢力がまとまったのは、中国が親中派を通じてインフラ施設や道路建設を支援するようになったからだ。特に6月、マオイストを窓口に決まったブディガンダキ水力発電所計画は総事業費25億ドル(約2,790億円)規模に上る大型プロジェクト。
 ブディガンダキ川はインドの大河インダス川の一大支流で、ここに中国が大型ダムを造ることは、インドにとってはインダス川の水源にかかわる脅威となる。11月になってネパール会議派の副首相が、入札が不透明だったと中国に計画破棄を突然、通告した。会議派が選挙で優勢な親中派連合に反発したというだけでなく、背後にインドの強い圧力があったことは明らかだ。選挙後、親中派の政権が誕生して計画が元に戻れば、ネパール新政権とインドの関係が悪化することは避けられない。
 中国ときわめて関係のいいパキスタン政府も11月、インダス川流域のダム建設計画について140億ドル(約1兆5,680億円)に上る中国の資金援助を辞退したというニュースが流れている。完成したダムの所有権を中国が要求していたことが分かったからだという。中国の援助、タダほど高いものはないかもしれない」
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 12月11日 01:00 産経ニュース「麻生太郎氏、AIIB「サラ金発言」の意味 借金国に中国主導で取り立て属国化や領土分割の懸念残る 高橋洋一
 参院予算委員会で、質問に答える麻生太郎副総理兼財務相=11月29日(斎藤良雄撮影)
 麻生太郎副総理兼財務相が11月29日の参院予算委員会で、中国が主導するアジアインフラ投資銀行(AIIB)の運営や融資審査について「金を借りた方も、ちゃんと計画を立てて返済しないと、サラ金に取り囲まれちゃうみたいな話になった場合、元も子もない」と発言した。「金を貸した経験のない人が急に貸すという話だ。お手並み拝見だと思って見ている」とも述べている。(夕刊フジ
 筆者は郵政民営化の際に、民営化法案の作成や政策シミュレーションを行う民営化サイドにいたので、当時総務相だった麻生氏から目の敵にされたが、周囲の人間に対して極めて優しい政治家であるとの評判を聞いている。政治家の話は、官僚と違って味のある答弁が多いが、麻生氏はいつも面白い話をしてくれる。ときたま、それが政治的には失言にもなるのだが、よくいえば人間味でもある。
 麻生氏の表現は具体的にはどのようなことを指すのか、本コラムで推測してみたい。
 AIIBは、途上国などに融資する国際金融機関である。途上国が融資を受けた資金によってインフラ整備を行うが、融資なので返済が必要になる。国際金融機関とはいえ、その融資機能は国内の金融機関やノンバンクと同じである。一般論として融資の返済可能性などについて審査をするわけだ。
 ただ、AIIBは国際金融機関としての経験が乏しい。それを「金を貸した経験のない人が急に貸す」と言っているのだろう。
 金の貸し手は、借り手の生活に大きく関わることもある。金融業者の取り立てが社会問題化したことからもわかる。取り立てでは、担保設定された不動産を差し押さえすることもある。
 AIIBは国際金融機関であるが、借り手が返済しなければ当然取り立てを行う。それはやはり中国主導となるだろう。
 「取り囲まれちゃう」というのは、債務返済がない場合、借り手の途上国が中国の取り立てによって政治的に困窮する状況を示唆しているのだろう。
 取り立ての一環として、借り手が不動産を差し出すのは、融資の世界ではよくあることだが、国際金融の世界でAIIBが同じようなことをした場合、借り手の途上国にとっては、中国への属国化や領土分割を意味することになってしまう。
 従来の西側の国際金融機関であれば、途上国の発展を考えて債務の減免を行うなど、過酷な取り立てはしてこなかった。しかし、中国主導の国際金融ではこうした国際基準があるのかどうか分からない。麻生氏は、そうしたAIIBに対する懸念を表現したかったのだろう。
 筆者としては、この麻生発言にさらに追加したい。最近AIIBが最上位の格付けを取得したと報道されているが、本コラムで指摘したように肝心なのは中国の資金調達レートだ。AIIBの調達レートは格付けに関わらず、中国を上回るだろう。ということは、西側の国際金融機関より高金利になる可能性が高い。この点も、高利貸のイメージである。(元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)」
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 12月11日20:59 産経ニュース「ネパール、親中政権誕生へ 総選挙、「左派同盟」が小選挙区過半数獲得  
 ネパールで行われた新憲法下で初となる下院選挙(総選挙)は、第2党の統一共産党(UML)と第3党のネパール共産党毛沢東主義派(毛派)による「左派同盟」が小選挙区過半数議席を獲得した。親インドの第1党・ネパール会議派(NCP)は劣勢で、中国に近い左派政権が誕生する可能性が高まっている。
 選挙は11月26日と12月7日の2回に分けて投票が行われ、開票作業が進んでいる。選挙管理委員会によると、11日朝現在のまとめで、小選挙区(165議席)のうち、UMLと毛派は計101議席を獲得。NCPは21議席にとどまっている。比例代表(110議席)でも左派同盟が優勢なもようで、地元紙カトマンズポストは「NCPは壊滅的大敗に直面する」と指摘している。
 選挙戦は10月に入って、一気に展開した。合流も視野にUMLと毛派が選挙協力で合意。両党は中国に近いスタンスを取っており、NCPと激しい選挙戦を繰り広げた。
 NCPは親インド住民「マデシ」への支持拡大を狙う戦略を採用。11月13日に政府は、中国企業と契約していた中部ブディガンダキ川での水力発電所プロジェクトを取り消すなどして、インドに近い層を取り込む作戦に出ていた。
 すでに現地では左派同盟勝利なら、水力発電所取り消しについて「見直すことも視野に入る」(UMLのイシュクル・ポカレル書記長)との発言も出ている。同じくヒンズー教徒が多数を占めるインドと関係が深いネパールだが、選挙後に一気に「親中国」にかじを切る展開も予想される。(ニューデリー 森浩)」
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 2018年2月20日 産経ニュース「【国際情勢分析】「一帯一路」中国人労働者の警備に軍隊1万5千人 パキスタンの配慮に「異常だ」の声も
 5日、パキスタン南部カラチで、中国人男性らが殺害された後、病院前で携帯電話で話をする男性(ロイター)
 パキスタン南部カラチで、中国企業関係者が何者かに殺害された事件が波紋を広げている。パキスタンには、現代版シルクロード経済圏構想「一帯一路」参加に伴って中国人労働者の流入が続く一方で、“標的”となる事件が相次ぐためだ。パキスタンは1万5千人態勢で労働者の警備に当たり、計600億ドル(約6兆3千億円)という巨額投資を是が非でも守りたい考えだが、過度な中国依存を冷ややかに見る意見も聞こえる。
ニューデリー 森浩)
 明確な「中国人標的のテロ」
 事件が発生したのは5日午後のことだ。中国人2人が乗る車が何者かに襲われ、運輸会社「中遠海運集装箱運輸」(上海)から派遣されていた男性(46)が頭部を撃たれて死亡、もう1人も足を負傷した。
 ロイター通信や地元報道などによると、仕事上でのトラブルなのか、私怨なのか犯行理由は分かっていない。ただ、現場の状況から尾行された可能性が高く、「彼らは狙われた」という見方を強めている。無差別的な犯行ではなく、明確に2人をターゲットにした襲撃だったということだ。
 中国との関係悪化を避けたいパキスタンは早期の犯人検挙を目指しているが、犯人は見つかっていない。
 中国外務省の耿爽報道官は6日の記者会見で早速、「テロリストの中国国民に対する攻撃を厳しく非難する」とする声明を発表。パキスタン外務省も「われわれは中国人の安全を重視している」とのコメントを出し、国内に滞在する労働者を守るために尽力していくことを宣言した。
 捜査が膠着する中、パキスタン政府側からは“陰謀”を指摘する声が浮上している。アッサン・イクバール内務相は、英BBC放送とのインタビューで、インドの諜報機関が「中国とパキスタンの協力を妨害している」とした上で、「カラチでの中国国民の殺害は、スパイ活動と関連している。インドは(事件に)関与している可能性がある」と発言した。真偽は不明だが、謀略を強調することで、中国側の批判をかわす狙いもあるもようだ。
 さらに「悪質な計画は成功しない。パキスタンと中国の関係はさらに強固なものとなる」とも述べ、中国との密接な間柄を誇示した。
 相次ぐ事件…遠隔操作爆弾での攻撃も
 パキスタンは1947年の独立以来、インドという“永遠のライバル”の存在もあって、中国と関係が深い。その密接さは「海よりも深く、ヒマラヤより高い」とも形容される。
 近年では「一帯一路」内のプロジェクト「中国パキスタン経済回廊」に基づきインフラ整備などで巨額の資金投下が見込まれている。中国人労働者の流入も急増しており、現在は常時1万人以上が居住しているとも言われる。
 経済的な依存が強まる中で、相次ぐのが中国人を狙った事件だ。
 2016年5月には、カラチで遠隔操作の爆弾により、中国人技術者1人が軽傷を負った。現場には地元シンド州の「革命党」を名乗る組織からの犯行声明文が残されており、「外国人がシンド州の天然資源を握っている」と書かれていた。中国人を標的にしたテロ事件とみられている。
 17年5月には、南西部バルチスタン州クエッタで、中国人語学教師2人が警官を装った武装グループに拉致され、その後殺害された。2人は、キリスト教の布教活動をしていたとの情報もあるが詳細は分かっていない。17年12月には首都イスラマバードで、中国人家族の住居が武装集団に襲われ、1人が負傷している。
 CPECを守る「専門部隊」配備
 事態を憂慮するパキスタン政府は、中国人労働者を守るために、2015年後半から1万〜1万5千人規模の軍隊をインフラ整備の現場などに配備している。記者(森)が昨年12月下旬に中国資本による港湾整備が進む南西部グワダルを訪れた際も、銃を構えた兵士が常時、周辺の警戒に当たっていた。
 イクバール氏も「CPECを守るために専門の部隊を配備している」と言及している。今回のカラチでの殺人事件を受けて警戒態勢は強化される見通しだ。
 ただ、パキスタンでは、連邦直轄部族地域(FATA)やカイバル・パトゥンクワ州といった北西部を中心に不安定な治安状況が続く。パキスタンタリバン運動(TTP)など武装勢力の掃討作戦も継続的に行われており、安全が保障できるかといえば微妙だ。
 米ブルームバーグ通信(電子版)は「カラチの殺人事件は中国のプロジェクトに警告を発する」との記事で、専門家の発言を引用する形で「治安部隊がすべての中国国民に安全な環境を維持することは難しいだろう」と指摘している。治安問題の抜本的な解決が必要だという主張だ。
 パキスタンの対中関係研究者は産経新聞の取材に、「国土全体で厳戒警備を敷かなくては持たないプロジェクトは異常だ。それだけの負担をしてまで、チャイナマネーでわれわれが何を得られるのか、冷静に考える必要がある」と指摘している。
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 5月7日 産経ニュース「【国際情勢分析】中国「一帯一路」が生む借金地獄 米機関が指摘する「高リスク」8カ国とは
 一帯一路関連事業である「中国パキスタン経済回廊」に基づいて開発が進むパキスタン南西部グワダル港。昨年12月の時点では、厳重な警備体制が敷かれており、商業船が行き交う様子は見られなかった(森浩撮影)
 援助を受けていたはずが、巨額の借金を抱えた上でインフラも奪われる−。中国が推し進める現代版シルクロード経済圏構想「一帯一路」が生み出す巨額債務への警戒感がここに来て急速に広がっている。米シンクタンクは、債務返済が困難となる恐れがある8つの国を指摘した。債務と金利が重くのしかかる、一帯一路の負の側面が浮かぶ。
ニューデリー 森浩)
 「代償なし」ではない
 「参加各国は、(中国によるインフラへの投資などを)フリーランチと考えるべきではない」
 国際通貨基金IMF)のラガルド専務理事は12日の講演で、一帯一路についてこう指摘した。「フリーランチ」とは「代償なし」「無料」などを意味する。IMFトップが一帯一路にともなうリスクを公に警告した格好だ。
 巨額の債務による“代償”を背負う形となった代表例が、スリランカだ。
 スリランカ南部ハンバントタ港は2010年、親中派ラジャパクサ政権下で建設が始まり、建設費約13億ドル(約1421億円)の多くを中国からの融資でまかなった。
 だが、スリランカに重荷となったのが、中国側が設定した最高で年6・3%という金利だ。そもそも財政に余裕があるとは言えず、当初から返済に窮するようになる。最終的に昨年12月、港の株式の80%を中国国営企業に貸与し、リース料として11億2千万ドル(約1224億円)を受け取ることで合意した。
 リースという形を取ってはいるが、貸与期間は99年間で事実上の売却といえる。スリランカ側からすれば、いつのまにか港が中国の手に渡った格好だ。
 こうした手法は「債務のわな」と批判される。3月にはティラーソン米国務長官(当時)も、一帯一路の参加国が、完成したインフラを中国側に譲渡する事態に対し、「主権の一部を放棄しないで済むよう(事業契約を)注意深く検討すべきだ」と呼び掛けた。
対外債務がGDPの8割…返済能力に疑義
 そんな中、米シンクタンク「世界開発センター」は今年3月、一帯一路参加各国の債務についての調査結果を公表した。返済能力や債務の中国への依存度などについて、IMFのデータなどから検証している。
 債務にリスクがある国とされたのが、ジブチキルギスラオスモルディブ、モンゴル、モンテネグロタジキスタンパキスタンの8カ国だ。
 報告によると、東アフリカのジブチは対外債務が2年間でGDPの50%から85%に増加した。大半の債権を抱えるのは中国だ。東南アジアのラオスでは、最大67億ドル(7327億円)に達する鉄道プロジェクトが国のGDPのほぼ半分を占め、債務返済が難しくなる可能性を指摘した。
 中央アジアタジキスタンでは、IMF世界銀行が債務について「リスクが高い」と評価しているが、今後もさらなるインフラ投資が行われるという。
 調査で「最大のリスクを負っている」と指摘されたのが、パキスタンだ。一帯一路関連プロジェクトである中国・パキスタン経済回廊(CPEC)に基づいて、インフラ整備が進行中で、中国から約620億ドル(6兆7800億円)の融資が見込まれている。調査は「高い金利が、パキスタンのリスクとなる」と警告した。
 「中国は東インド会社にはならない」
 加盟国側で危機感は共有されてはいないようだ。
 パキスタン国内では表だってCPECへの異論は聞こえてこない。「中国がインフラ整備をして、働き口を作ってくれると歓迎する雰囲気がある」(現地ジャーナリスト)。
 むしろ、首脳からは中国からの投資を歓迎する発言が出ている。
 「CPECは債務のわなではない。中国が求めるのはパートナーシップだ」
 南部カラチで23日に開催されたCPEC関連フォーラムで、アッサン・イクバール計画相はこう述べ、中国への信頼感を示した。外部の懸念を意識した発言であることは明白だ。
 さらにイクバール氏は、17〜18世紀にかけてアジアでの貿易を独占し、植民地経営にも関与した東インド会社を引き合いに出し、「中国は東インド会社にはならない。パキスタンにとって何も恐れることはない」とも発言した。
 もちろん、インフラ整備などによって、生産性が向上し、経済発展につながれば、債務返済も順調に進む可能性はある。外交筋は「仮定をいくつか経ないと、良い結果にたどり着けないのが一帯一路だ」とした上で、「インフラが整うのは素晴らしいが、その背後に潜んでいるものを見極める必要がある」と話している。」


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