🛲18」─1─ASEAN、同盟組むなら「中国選ぶ」が5割超で米国と日本を上回る。~No.112No.113 

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 歴史的事実として、アジアはヨーロッパのようにNATOのような集団安全保障機構で一丸としてまとまる事はなく、むしろ中国を中心に大中華共栄圏でまとまる事の方が可能性は高い。
 その意味で、戦前日本の大東亜共栄圏構想は実現不可能であった。
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 2024年10月22日 YAHOO!JAPANニュース 産経新聞ASEAN、同盟組むなら「中国選ぶ」が5割超 初めて「米国」上回る 識者ら調査
 9日、ラオスビエンチャンで始まったASEAN首脳会議で写真に納まる各国首脳ら(AP)
 東南アジア諸国連合ASEAN)の10加盟国の識者らを対象にした年次調査で、対立する米国と中国のいずれかと同盟を結ぶことをASEANが迫られた場合、中国を選ぶべきだとの回答が2020年の質問設定以来初めて、米国を上回った。
 【写真】中国が設置したロープを切断するフィリピン沿岸警備隊の隊員
 調査はシンガポールシンクタンク「ISEASユソフ・イシャク研究所」が今年1~2月、研究者や市民団体代表、政府関係者ら約2千人を対象に実施した。
 調査の結果、中国との同盟を選んだ回答は過半数の50・5%を占めた。米国は49・5%だった。23年の前回調査では、米国が61・1%、中国が38・9%だった。
 今回の調査ではマレーシア、インドネシアラオスブルネイの各国で中国の支持が顕著に増加し、7割を超えた。各国とも巨大経済圏構想「一帯一路」などで中国による貿易、投資が拡大している。
 一方、中国と南シナ海で領有権争いを抱えるフィリピンは8割超が米国を支持し、ベトナムシンガポールなども過半数が米国を選択。各国で判断が割れた。
 また、中国の経済的影響力の拡大には全体の6割超が「懸念する」と答え、警戒感も浮かび上がった。
 米中対立のリスク回避のために信頼できる戦略的パートナーとしては、欧州連合EU)が37・2%でトップ、次いで日本(27・7%)が選ばれ、インドやオーストラリア、英国、韓国を上回った。
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 親日派知日派国家と言っても、日本の主張を支持するとは限らず、逆に反対する事もある。
 日本のリベラル左派は、日本の国際的地位を低下させる為に反日国家を増やすべく精力的に活動している。それが日本に対する戦争賠償訴訟、戦争犯罪訴追である。
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 ASEANにおける日本の地位は低下し、中国を脅威とは見ていない。
 中国共産党は、アジア、太平洋島嶼、インド洋島嶼、アフリカなどで親中派を確実に増やしている。
 日本の中国脅威論は、アメリカや西欧諸国の一部にしか支持されない。
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 ロシアの侵略に抵抗しているウクライナを支持する国は少数派で、ウクライナがロシアに降伏するべきと言う国は多数派である。
 同様に、アメリカ・西洋の自由と民主主義に賛同する国は少数派である。
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🐉46」─1─中国共産党は国内外の異民族を同化しようとするワケ。~No.176No.177No.178 

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 2024年10月26日 YAHOO!JAPANニュース ダイヤモンド・オンライン「中国人が異民族を「同化」させようとするワケ、日本人とは本質的に異なる“頭の中”
 気が付けば近所や職場に中国人がいることが珍しくない日本社会。中国人の考え方を知る上で、知らなければならないキーワードが「同化」である。モンゴルに生まれて中国で学び、日本に帰化した著者が述べる、「日中文化の本質的な違い」とは? ※本稿は、楊海英著『中国を見破る』(PHP新書)を一部抜粋・編集したものです。
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● 町中華から“ガチ中華”へ
 数年前から“ガチ中華”が増えたという話を聞くようになった。いわゆる「町中華」が日本人の舌に合わせた中華料理であるのに対して、“ガチ中華”は中国人が好む本場の料理を食べられる店のことをいうそうだ。
 ブームの火付け役となったのは東京・池袋にある中華店だといわれる。池袋といえば豊島区の大繁華街で、日本を代表するターミナル駅がある。その豊島区に居住する外国人の国籍は中国人がおよそ半数にも上っているという。
 東京全体を見ても、2024年1月時点の都内在住外国人約65万人のうち約40%が中国人(都総務局人口統計部データ)であり、26万人近い中国人が都内に住んでいることになる。これだけ多くの中国人がいれば、昔ながらの町中華ではなく、中華圏の人々が好む味の中華料理店が東京で増えるのは当然かもしれない。
 いうまでもなく、日本には、古くから多くの中国人が移住してきた。華僑と呼ばれた従来の移住者は、横浜、神戸、長崎といった各都市でチャイナタウンを形成している。つまり中国のローカルルールはチャイナタウンのなかに限定して、地元の日本人とは良好な関係を築くことで共存共栄を望んできたように思う(日本が好きになって、私のように、日本に帰化する人も多数いたにちがいない!)。
● 背後に見え隠れする国家の存在
 そのように日本のルールを尊重しながら地元社会との間では衝突を避け、静かに暮らしてきた人たちがいる一方で、そうでない中国系の人たちもいる。
 たとえば、2022年10月にサンシャイン60のフランス料理店で起きた大乱闘事件は記憶に新しいところだろう。サンシャイン60といえば池袋のシンボルタワーであり、家族連れや中高生も訪れる有名スポット。そのような場所で起きたことは衝撃的だった。
 また地方の私立高校では、経営難から脱するために、中国人留学生を積極的に受け入れていたら、いつのまにか留学生ばかりの学校になったという例もある。
 日本でもようやく経済安全保障推進法が成立したが、中国人留学生を介して、先端技術が流出、漏洩するリスクに対する責任を日本企業が負う時代になっている。
 さらには、マネーロンダリング、スパイ、日本国内の攪乱といった非合法な行為を目的に入国した中国人が、一般市民が暮らす社会に潜伏していることも否定できない。
 そうかと思えば、共産党支配に嫌気がさし、純粋に日本で暮らすことに希望をもち、祖国と決別し、移住してくる中国人もいる。
 そうしたことは何も「中国人」だけに限ったことではないだろう。しかしこと「中国人」に関しては、それぞれの背後に「中国」という国家の存在が見え隠れすることに注意を払う必要がある。日本人にとっては、長年の歴史から身近な存在であるだけに、その本質が見えにくくなっていることに気づかなければならない。
● 「心が異なる」相手は同化させる
 紀元前の非常に古い文献である『左伝』(春秋左氏伝)に「わが族に非ざる者は、その心もまた異なる」という有名な言葉が記されている。
 要するに、中華以外の人間は心がわれわれと違うので、自分たちとは違う人間だと言っているのだが、これを「異心論」という。その「わが族に非ざる者」に対し、中国がたどり着いたのは「同化させるべき」だという考え方だった(私はこれを「同化論」と呼ぶことにした!)。
 欧米でいう「カルチャー」に、「文化」という訳語をつけたのは近世の日本人で、中国語の「文化」は意味がまるで違う。それは、相手を「文明化」させることであり、別の言い方をすれば、「中華化」することだ。つまり中国人(漢族、漢人)と同化させることである。この「中華化」は、「華化」「華夏化」と言い換えることもできる。
 「華夏」とは、まさしく「中華」そのものを指し、あるいは「中華民族」そのものを意味する言葉だ。異民族を華夏にすることこそ、中国人にとって「文化」だといえる。漢字圏に生きる日本人だからこそ、見えにくい例のひとつである。
● 中国語の祖型
 ところが話をややこしくするようだが、最初に「われわれは華夏だ」と称したのは漢人ではない。五胡十六国時代の五胡、つまり万里の長城を越えて南下してきた北方異民族の匈奴(きょうど)と鮮卑(せんぴ)が、自らを「華夏」と呼んだのである。
 これは1990年代にNHKの後藤多聞氏が、台湾の中央研究院で電子化された漢籍をつぶさに検索したところ、最も古い「華夏」の文字が五胡十六国時代の文献で見つかったことからわかったものだ。
 五胡十六国、つまりテュルク系言語やモンゴル系言語を話す匈奴系・鮮卑系の人々が大挙して万里の長城以南の地に入り、互いに融合して共存をめざすなかで、ある種のスローガンとして自分たちを「華夏」であると唱えた。
 彼らは長城以南の地に暮らしていた中国人(プロト・チャイニーズ)たちともコミュニケーションをとるため、一種のピジン語(異なる言語の話者間で通じる混合言語)を話すようになった。おそらくは漢語の語彙をベースに文法表現をアルタイ語化した言葉で、それが後に現代の中国語の祖型になっていったと考えられる。つまり中国語とは、諸民族融合の必要性により生まれたピジン語だといえるのだ。
 ちなみに、北方から遊牧民がやってきたことで、それまで長城の南に暮らしていたプロト・チャイニーズはどう対応したかというと、一部は異民族の支配からどんどん南へ逃れ、いわゆる「客家(ハッカ)」となった(どこへ行っても客人扱いされるがゆえに、そう呼ばれるのだ!)。
● 歴史を書き換えたのは漢人である
 ところで今、私が説明してきた意味での「華夏族」は、自らを漢人と名乗ったか。もちろんそうではなく、もともとが遊牧民であることに誇りをもっていた。祖先が匈奴であることを示す石碑が数多く長城沿いに残っているのは、その証左であろう。
 つまり、「北方異民族は野蛮人であり、万里の長城の南に入ってきた人々を当時の漢人たちが漢化すなわち文明化した。それゆえに異民族たちは北方からきた民族であることを隠していた」というような現代中国がいう歴史は、後世に書き換えられたものだといえる。
 歴史を書き換えたのは、いうまでもなく漢人だろう。「中国文化は優れているため、野蛮な遊牧民を同化したのだ」という論理とその実行プロセス。それこそ、中国人にとっての「文化」なのである。
 同時に「北方異民族たちは漢化したからこそ華夏と呼ばれるようになった」という見解もあるようだが、これも適切ではない。繰り返すようだが、実際は北からきた異民族らが、長城の南に暮らしはするものの、いわゆる漢人になるつもりはなかったため、新たに華夏と自称したのである。
● 「負け惜しみ」の思想としての朱子学
 こうした「中国文化が優れているため、異民族は漢化した」という歴史認識が打ち出されたのは主に近代以降で、その祖型は宋代にまでさかのぼる。南宋儒学者である朱熹が形にしたといわれる、日本人が近世からとくに受け入れてきた朱子学の「負け惜しみ」論がその原型となる。
 宋は国力が弱く、モンゴル系の契丹(キタイ帝国)や満洲系の金と軍事的に対抗できなかった。契丹や金と戦って五胡十六国の再来を招くことを恐れたがゆえに、金によって南に追われて南宋を建国したとき、「自分たちは野蛮人と異なり戦いには興味がないが、代わりに文化がある、それゆえに強い」という一種の自己満足、言い換えれば負け惜しみの思想として朱子学が誕生した。
 それが近世に入り、とりわけ満洲人の清朝が崩壊していく過程を見て「満洲人も漢化=漢文化に同化した」という考え方が生まれ、歴史を書き換えるという不合理な仕業が合理的なものへと転換していったといえる。すべては漢人漢人の文化が優れているという物語を捏造するためである。
 楊 海英
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🐊4」─8─親中国家オーストラリアが中国に反旗を翻しても蔭で繋がっていた。〜No.49 

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 中国共産党は、オーストラリアの深部まで根を張り、親中派媚中派と繋がっている。
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 2024年10月3日 YAHOO!JAPANニュース Wedge(ウェッジ)「【中国の南シナ海領土拡大へ】オーストラリアが軍事能力を持った沿岸警備隊を持つべき理由
 豪州の2024年ブルーセキュリティ・プロジェクト・フェローのニール・ベネットが、豪州はグレーゾーンでの対応のために沿岸警備隊を設立すべきだと2024年8月30日付のASPI(豪州戦略政策研究所)のサイトで述べている。
 豪州は、南シナ海における中国の領土拡大に向けたグレーゾーン作戦に対抗するため、沿岸警備隊を設立すべきである。中国は、沿岸警備隊や民間船舶、漁船を利用してその存在感を示しており、豪州や地域のパートナー国も同様の対応をする必要がある。
 軍事能力を持った沿岸警備隊は、効果的に中国の侵略に「比例対応」を行えるし、海軍対海軍よりも緊張を高めるリスクが少ない。豪州が沿岸警備隊を持てば、中国の作戦に対抗するために米沿岸警備隊との協力関係をさらに強化できる。
 豪州に沿岸警備隊が必要かどうかは、これまでも議論されてきた。専門家達は、豪州海軍(RAN)には自国の沿岸を守り、同盟国を支援し、国外での国益を守るためには資源が不足していることを指摘している。設立される沿岸警備隊が、地元の警察活動や国境警備の任務を担うことで、海軍の任務を軽減し、海軍は戦闘準備に集中できるようになる。 島国である豪州は、物資や安全保障部隊の移動のために海上交通路(SLOC)に依存しており、中国の領土主張はこれらの重要な通路を制限する可能性がある。豪州は、自由で開かれたインド太平洋へのコミットメントを表明している。
 中国は沿岸警備船や表向きは民間の漁船を使い、南シナ海でグレーゾーン作戦を着実に進めている。グレーゾーンでの戦いに勝つためには、米豪もまたグレーゾーン作戦を使い、民間船や沿岸警備船を派遣する必要がある。
 警察活動の協力は、中国の作戦への比例対応のモデルとなるかもしれない。「ハリエット・レーン」の配備は、米国が中国の沿岸警備隊に対抗するための力を発揮する範囲を提供するものだった。
 豪州が、エスカレーションを避けながら中国の侵略に対抗したいのであれば、独自の沿岸警備隊を発展させる必要がある。前方展開された沿岸警備隊は、南シナ海で中国と対抗し、米国と協力して活動できる。さらにマレーシア、インドネシアベトナム、フィリピンの警察との協力も可能だ。専門の警察力を持つことは、比例的な対応を可能にし、緊張が偶発的に戦争に発展することを防ぐことができる。
 豪州に沿岸警備隊が設立されれば、南シナ海で中国に対抗する上で均衡の取れた役割を果たすことができるようになる。海軍による直接的なアプローチは緊張を高めるリスクがある。警察力は、このリスクを軽減し、比例的な対応を可能にするだろう。
 軍事能力を持った専門の沿岸警備隊の設立によって、豪州は効果的な対応をするために必要な部隊の編制を整えることが可能となるだろう。それは、豪州がグレーゾーン水域で勝利するために必要なものである。
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 複雑すぎる豪州の海洋警備機関
 この記事は、豪州は南シナ海における中国の領土拡大に向けたグレーゾーン作戦に対抗するため、沿岸警備隊を設立すべきだと主張する。その理由として、(1)南シナ海における中国のグレーゾーン作戦に対抗できる、軍事能力を持った専門の沿岸警備隊は中国の侵略に対して「比例対応」を行える、(2)海軍対海軍による直接的なアプローチよりも緊張を高めるリスクが少ない、(3)豪州海軍は戦闘準備に専念できる、(4)米国等の沿岸警備隊との協力も容易になることを挙げる。
 豪州沿岸警備隊を設立すべきとの考えは、合理的な主張だろう。南シナ海のグレーゾーン対処(比例対応)の議論は理屈に合うし、それは豪州が主たる責任を持とうとしている太平洋島嶼国との関係でも重要になって来るだろう。
 独立した沿岸警備隊の設立論は、従来から豪州にあり、新たな議論ではない。しかし、それに対し、関係機関の活動の調整や運用の改善で対処すべきとの議論があった。恐らく関係機関の種々の権限の調整・統合や予算の問題、連邦と州の権限の問題があり、まとまらなかったのであろう。そのまま現在に至っている。
 豪州には、米国日本のような沿岸警備隊海上保安庁のような独立した機関はない。海洋警備などの業務は、種々の連邦政府機関や州政府の機関に分散されている。
 しかし、現行体制は余りに複雑である。種々の連邦政府機関等を束ねるのは海洋国境司令部(豪州軍と豪州国境部隊が共同運営)で、同司令部は豪州連邦警察、豪州漁業管理機関、豪州海洋安全機関等と協働することとなっている。
 さらに高まる沿岸警備隊の重要性
 沿岸警備隊の役割は、軍にはない、柔軟な手段として一層重要になっている。中国の海警局艦艇に対応する対象的な手段として重要であるばかりか、主要国の沿岸警備隊(日本では海上保安庁)の間の国際協力の相手としても重要になっている。例えば、今年5月海上保安庁は専門家4人をマーシャル諸島に派遣し、海上自衛隊と連携して同国海上保安機関職員に対する能力向上支援を実施した。
 岡崎研究所
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 10月18日 YAHOO!JAPANニュース ワニブックス刊「親中国家・オーストラリアがついに反旗を翻す! かと思いきや、途切れなかった「蜜月関係」
 中川 コージ管理学博士(経営学博士)
 インド政府立IIMインド管理大学ラクナウノイダ公共政策センターフェロープロフィール
 中国のオーストラリア財政界への浸透が浮き彫りになって以来、長らく親密な関係を築き上げていた豪中関係に亀裂が生じている。しかし豪・アルバニージ首相の対応は反中とは思えぬものだった。
 中国系住民の多いオーストラリア。近年オーストラリア財政界での中国資本の浸透は深刻な問題となり、政府は親中から反中路線へと舵を切ったかに思われた。しかし2023年以降の現アルバニージ首相の対中姿勢を見るに、両国の関係は未だ親密さを保っているようだ。中国研究者でありインドの国立大学研究フェローの中川コージ氏は『日本が勝つための経済安全保障——エコノミック・インテリジェンス』(ワニブックス刊)にて「中豪関係」について詳しく解説している。本書より一部を抜粋して紹介する。
 親中から反中へ、さらに展開するオーストラリア
 オーストラリアはもともと非常に親中的な国でしたが、近年、政策を転換し、中国への警戒を強めたことで豪中関係は悪化していました。そのきっかけはまさに経済安全保障の問題が中心でした。
 在豪華人も多く、政財界に中国系住民たちが浸透しているオーストラリアでは、2005年頃から自由貿易協定交渉が進められ、中国からの幅広い投資を受け入れるとともに、資源国であるオーストラリアも多くの石炭などを中国に輸出してきました。そのため、オーストラリアの貿易における対中依存度は年々高まる傾向にありました。
 さらにはオーストラリアの基幹インフラである電力会社やエネルギー分野における中国からの投資比率や、中国系企業による買収が増加。
 特に電力会社に関しては、豪ビクトリア州の5つの電力供給会社をおさえ、南豪の送電会社の一部を中国国営企業の「国家電網公司」が運営するに至りました。それ以外の電力会社を所有するのも、香港企業「長江基建」と、中国資本に電力をほぼ握られる格好になりました。
 在豪華人が財政界に深く浸透
 また2015年にはダーウィン港の99年の租借権が中国企業・嵐橋集団(ランドブリッジ社)に売却されるなど、目に見えた「浸透」が警戒されるようになりました。
 さらには豪国会議員に対する大規模な汚職事件が発覚。これにより、在豪華人がオーストラリアの政財界に深く浸透していることが改めて注目されました。
 こうしたことがきっかけとなり、オーストラリア社会に、いかに中国当局の意図に基づく「親中的な政策の推進」や「親中的世論の形成」が行われてきたか、チャールズ・スタート大学教授のクライブ・ハミルトン教授が『サイレントインベーション』(邦訳『目に見えぬ侵略』、飛鳥新社)により明らかにすると大きな話題となり、オーストラリアの対中姿勢は一変することになりました。
 オーストラリアの歴代政権は対中融和的であることが多く、特にボブ・ホーク政権、ケビン・ラッド政権、マルコム・ターンブル政権はその傾向が強く、中国の浸透も勢いを増していましたが、ターンブル政権は途中で対中姿勢を転換しました。
 「対中貿易で利益を上げることよりも、国家の安全保障を最優先すべき」との方針を掲げ、2016年に外国投資審査委員会を強化し、中枢インフラセンターを新設。基幹インフラに相当する電力、水道、港湾関係などの施設に対する外資規制を強化しました。
 2018年にスコット・モリソン政権になってからは対中強硬姿勢を強め、安全保障面においてもQuadの枠組みに積極的に参加、さらには米英との安全保障枠組みである「AUKUS」を創設するなど、経済・安全保障両面での中国対策を強化しています。2022年には政権交代があり、オーストラリア労働党のアンソニー・アルバニージ首相が就任しました。労働党は先に挙げた歴代「親中政権」時の与党ですが、アルバニージ首相は就任早々、来日して「Quad」会合に参加したほか、記者会見でも「中国との関係は困難なものだ」「変わったのは中国の方であり、我々は自らの信じる価値観を守るべきだ」と発言。オーストラリアの対中姿勢は、当面厳しいままとなることが想定されていました。
 両国首相が笑顔で握手。一転して近づく豪中関係
 ところが、2023年9月ASEAN首脳会談時に、アルバニージ首相が中国の李(り)強(きょう)首相との非公式会談で年内に訪中する意向を伝えたことが報じられました。実際にそれは実現し、同年11月の中国輸入博では両首相が笑顔で握手する様子が伝えられます。豪首相の訪中は7年ぶりのことでした。
 中国側は、過去数年にわたる米国から貿易関係希薄化に向けて二国間経済関係の再構築をされることに反発しており、そんな中で、中国の対外経済開放をアピールする場と位置づけられる中国輸入博の開幕式に、米国と距離が近くファイブアイズ(米英加豪NZ五カ国による越境インテリジェンス共有枠組)の一角を担う豪州の首相がにこやかにやってきたことを喧伝できたことは、対米牽制の意味でも嬉しかったことでしょう。
 中国側がエコノミック・ステイトクラフトを発動し豪州産ワイン輸入規制をかけた際には、SNSで豪州産ワインを買ってオーストラリアを応援しようというキャンペーンまで賑わったものですが、あれを応援した私たちは何だったのか、と思うほどです。安全保障では中豪関係は引き続き厳しいものですが、経済面では一気に雪解けに転じ、アルバニージ首相は訪中の際に習近平国家主席との首脳会談も実現させています。
 続く記事【中国の「一帯一路」構想はもはやオワコンか…その「驚きの実態」が見えてきた】では、アメリカを凌駕するための中国の構想について、その実態を解説しています。
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🦎12」─1─中国共産党は一帯一路に関連し「デジタルシルクロード構想」を提唱している。~No.44No.45No.46 

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 2024年10月18日 YAHOO!JAPANニュース ワニブックス刊「中国の「一帯一路」構想はもはやオワコンか…その「驚きの実態」が見えてきた
 「デジタルシルクロード構想」も提唱
 中川 コージ管理学博士(経営学博士)
 インド政府立IIMインド管理大学ラクナウノイダ公共政策センターフェロープロフィール
 巨大な経済圏構想として華々しく提唱された中国の「一帯一路」は、当初の予定とは異なりつつも、現在も続々と参加国が増え続けている。「『一帯一路』は失敗した」と言うのは時期尚早だ。
 現代版シルクロードとも呼ばれ、巨大経済圏構想として2013年に提唱された「一帯一路」構想は、10年経った今も中南米をはじめとする新しい国々の参画が続いている。発足当初の相手である中東欧諸国の離脱や規模縮小はありながらも、それは失敗と言い切るのは臆断だーー中国研究者でありインドの国立大学研究フェローの中川コージ氏は『日本が勝つための経済安全保障——エコノミック・インテリジェンス』(ワニブックス刊)にてそのように語っている。その真意とは一体? 本書より、一部を抜粋して紹介する。
 アメリカの凌駕するためのツール「一帯一路」構想
 中国の「一帯一路」構想は、習近平国家主席が2013年に提唱した「巨大経済圏構想」、「経済対外拡張構想」です。もちろん中国が公言することはありませんが、経済権益をベースにした覇権主義的な構想であり、2049年までにアメリカを凌駕(りょうが)する超大国化を目指す中国の具体的な手段で、経済的権益の拡大と表裏一体でもある軍事的な影響力の拡張をも見据えた構想です。
 北京から欧州までを結ぶ地上の「シルクロード経済ベルト(一帯)」と、上海からインド洋を通って欧州に至る「21世紀海上シルクロード(一路)」という帯状の経済圏を想定し、ガスや石油のパイプライン、鉄道、道路、経済回廊、港湾、発電所、電力網などのインフラ建設を融合させた概念です。
 沿線上にある、実に65カ国がこの「一帯一路」構想に参画し、中国はこの地域のインフラに影響力を持つことで、産業・経済面の存在感を増そうというのはもちろん、軍事安全保障上も、あるいは外交目的でもこのフレームをうまく使っていこうという思惑があります。
 地理的概念を大幅に拡張させる中国
 そもそも「シルクロード」とは、紀元前から15世紀まであったとされるユーラシア大陸の交易路であり、それにちなんで名付けられたものが中国の「(現代版)シルクロード」です。しかし2024年現在、その名称は何だったのかと疑問をもちたくなるほどに、中国は太平洋を超えて中南米諸国と一帯一路への参画協定・覚書を交わすなど、地理的概念が大幅に拡張してきています。
 近年、北極海ルートも中国の対露バーゲニングパワー増大で抑えられるようになってきましたし、中南米という「(もはやシルクロードという地理概念を超越した)飛び地」でも20カ国以上が支持・参画の表明をしています。
 これを受けて、日本が中核的に関与するCPTPPや、米国が主導するブルー・ドット・ネットワーク、IPEF、先日のインドが提唱したIMEC(インド・中東・欧州経済回廊)等々のフレームは、一帯一路のカウンターとして登場してきた側面もあります。
 つまり、「一帯一路」構想そのものが、北京中央にとっての重層的な覇権影響力拡大の手段であり、軍事経済の統合拡張的発想になっているわけです。
 そうした巨大な仕掛けの「一帯一路」が、一次元下のレベルの概念である経済安全保障を内包するのは自然であって、「一帯一路」の拡張はエコノミック・ステイトクラフト発動のための源泉資本になりうる可能性がある、ということになります。
 すでに2017年の時点で、スリランカは中国にインフラ整備名目の多額の投資を受けたものの、返済不能に陥ってしまい、その代わりにハンバントタ港の99年という長期リースを飲まされる、という事例がありました。借りているのは中国企業ですが、ここを中国海軍の拠点とするのではという指摘もあります。
 また、インフラなど目に見えるものだけではなく、一帯一路を「デジタル人民元」実装ゾーン(つまり、中央銀行発行デジタル通貨の地域標準化)とする構想や、一帯一路地域を行き来する大量の物流データを経済や安全保障に生かすのではないかとも見られています。
 「デジタルシルクロード構想」
 すでに中国は一帯一路に関連し「デジタルシルクロード構想」も提唱しており、この地域での中国のデジタル製品・サービスの輸出を促進し、同時に5Gをはじめとする次世代デジタル技術における国際標準化の主導権を確保することを目指しています。
ただし一部ではすでに当初の戦略的プロジェクトが中止となった箇所もあり、また融資の規模が当初に比べて縮小するなど、すべてが中国の思うようにうまく進んでいるわけではありません。
 また、2022年2月末から始まったロシアによるウクライナ侵攻が、この一帯一路構想に及ぼす影響にも目を向ける必要があるでしょう。ロシア・ウクライナともにこの一帯一路構想の沿線国となり、両国とも中国と東欧・欧州を結ぶライン上に鉄道や道路などのポイントを持っていました。
 また構想にはポーランドをはじめとする中東欧の国々も入っていましたが、ロシアがウクライナ侵攻に及び、中国が「中立からロシア寄り」のポジションを取ると、ウクライナはもちろん、中東欧諸国の対中姿勢も見直すように変わらざるを得なくなります。
 とは言え、宇露戦争の前からすでに中国が2020年に「内循環を主流にした双循環」宣言を出してから、外向き投資が軒並み低減していて、中東欧諸国が期待していたよりもはるかに投資が少なく、気持ちが中国からすっかり離れていたというリアルな背景は理解しておく必要があるでしょう。
 「どうせ中国は失敗するだろう」では足元を掬われる
 このように、参加国が多いこと、カバーしている面積が大きいことから変数も増えてしまうのが巨大構想の難しさなのですが、実際のところ、一帯一路構想の「現状」はどのようなものなのでしょうか。
 2023年には「一帯一路」サミットが開催されましたが、日本国内のメディアでは、「反中論」を繰り返しがちな論客系の人ではなく、対中スタンスがニュートラルなコメンテーターと呼ばれる方々でさえ、「G7唯一の参画国であるイタリアでさえ抜けることが既定路線になっている一帯一路は、すでに失敗した外交フレームである」と解説していました。
 しかしこうした見方は、「どうせ中国は失敗するだろう」という思い込みに基づくもので、正しい対中認識とは言えません。もちろん、「一帯一路は終わった外交フレームではない」という指摘は、直ちに「一帯一路は成功する」という主張と一致するものではありません。万事うまくいくとも言えないが、オワコンでもないのです。
 本書p164より
 一帯一路は終わっていないと言えるワケ
 なぜ「一帯一路は終わっていない」のか。その理由の第一は、実際に一帯一路を支持する国家が少なくない(多い)ことです。確かにイタリアは離脱を表明しましたが、それに続いて次から次へと「抜ける」状況には至っていません。むしろ中南米など新しく参画した国もあります。
 もちろん、一帯一路に関する「一度結んだ協定・覚書を単に破棄していない・実際的な投資は未実施である」ということと「積極的に一帯一路に参画していたりプロジェクトを履行中」というスタンスには大きな隔たりがありますが、支持・参画国数からいえば、一帯一路は失敗している、とは言えない数になっており、2023年のフォーラムにも世界各地130カ国以上の参加が公式に発表されています。
 つまり、一帯一路は、コンテンツとしての力は弱まっているかもしれないけれども、構造体(ストラクチャー)としては維持されている、ということです。
 続く記事【台湾に「経済的圧力」をかけた中国の大誤算…! じつはまったくの「逆効果」だったかもしれない…】では台中の経済関係の実態について解説しています。
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🐒7」ー3・Cー世界各地の中国秘密警察。凶暴化する中国人。~No.21 

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 2024年10月17日 MicrosoftStartニュース アサ芸biz「「世界各地に秘密警察が」中国当局が在日中国人に仕掛ける言論封殺の実態
 © アサ芸biz
 中国による台湾への威嚇が止まらない。中国軍が10月14日、台湾をほぼ取り囲む海域と空域で、空母も展開させる大規模軍事演習を行った。台湾国防部によればこの日の軍事演習には陸海空軍とロケット軍などが参加。台湾本島の東部沖には中国海軍空母「遼寧」を配備。さらに過去最大規模となる、軍用機や戦闘機125機を飛ばすなど、中国軍による嫌がらせと言っていい演習は日本時間の午後7時まで続いたとされる。
 今回の中国による軍事演習は台湾の頼清徳総統が10日の演説で「中華人民共和国は台湾を代表する権利はない。国家の主権を堅持し、侵犯や併合を許さない」と述べたことに対する反発とみられているが、中国外務省の毛寧報道官は14日の記者会見で「『台湾独立』と台湾海峡の平和は相いれないものだ。『台湾独立勢力』の挑発は必ず反撃に遭う」として、「1つの中国」の原則を受け入れない台湾の頼政権を改めて強くけん制した。
 近年、台湾への嫌がらせがとみにエスカレートしている中国だが、実は「中国当局による嫌がらせ」は台湾だけにとどまらず、日本で暮らす中国人にも及んでいることが10日、国際人権団体「ヒューマン・ライツ・ウォッチ」(HRW)の調査報告書により明らかになった。全国紙社会部記者の話。
 「HRWでは今年6月から8月にかけ、過去に中国政府のゼロコロナ政策を批判したり、少数民族への人権侵害を訴える活動などに参加したことがある在日中国人25人に対し聞き取りを実施したのですが、うち16人が中国当局から、なんらかの脅迫や嫌がらせを受けたことが判明したというんです。中には、中国で暮らす親族と電話で通話中、いきなり現地警察官を名乗る男が電話に出て『家族がどうなっても知らないぞ』と脅されたり、あるいは、かつて中国当局が掲げた『ゼロコロナ』政策への抗議活動を行ったことがある人は、在日中国大使館から当時在籍していた日本語学校を通して、活動中止を迫られたこともあったようです」
 中国当局による執拗な嫌がらせの実態に対しHRWは、「日本政府は実態をきちんと把握し、国境を越えた人権弾圧を許容しないと明確にすべき」と訴えている。
 とはいえ、なぜ、中国当局は国境を超えた日本で暮らす中国人にまで執拗に圧力をかけてくるのか。その理由を、前出の社会部記者はこう分析する。
 「世界各地に中国の秘密警察が散らばっていることはよく知られる話ですが、近年、特に取り締まりが厳しくなっきているのが日本なのだとか。その理由には、以前、民主派活動家の拠点だった香港が、2020年の国家安全維持法成立により、壊滅状態になったことが挙げられます。結果、当局により徹底糾弾されることになった彼らが、拠点を日本に移し始めた。加えて、再三嫌がらせを受け続ける台湾も、緊張関係をこれ以上エスカレートさせてはいけない、とのムードから中国に対する言論活動は慎重になりつつあるのが正直なところです。そんなことから、香港を拠点にしてきた活動家や台湾の知識人などが、日本で研究会や講演会などを頻繁に開催するようになった。そこで中国当局の目が日本にいる中国人たちに向けられてきたというわけなんです」
 当局の意に沿わなければ、自国民といえど、どんな手を使ってでも、威嚇し、脅迫し、言論封殺まで仕掛ける。そんな恐ろしい中国当局の目が今、日本在住の中国人に向けられている。
 (灯倫太郎)
 関連するビデオ: 「現在の情勢に鑑みて警戒を」在日中国大使館 日本訪問の自国民に注意喚起 (テレ朝news)
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 10月21日 MicrosoftStartニュース Record China「中国人が海外で子どもを傷つける事件が連続、ゆがんだ愛国主義に警戒を―香港メディア
 中国国内で日本人の子どもが襲われ死者まで出た事件は記憶に新しい。しかし、スイスとオーストラリアでも中国人の男が現地の子を襲う事件が発生している。写真はスイスの警察車両。
 © Record China
 6月に江蘇省蘇州市内で、さらに9月に広東省深セン市内で発生した日本人の子どもが襲われていずれも死者が出た事件は、多くの人々に生々しい記憶を残した。一方で中国国外では、中国人の男が現地の子を襲う複数の事件が発生している。香港メディアの亜洲週刊はこのほど、犯人は極端なナショナリズムの持ち主だとして、警戒を呼び掛ける記事を発表した。以下は同記事の主要部分に若干の情報を追加するなどで再構成したものだ。
 スイスのチューリッヒでは現地時間10月1日午後、男が刃物で路上を行く幼稚園児の集団に襲い掛かった。幼稚園児は幼稚園から学童施設まで、学童施設の職員に付き添われて移動中だった。この事件で幼稚園児3人が負傷し、1人は重傷だった。学童施設の職員と周囲にいた人が男を取り押さえ、男は警察に逮捕された。男は23歳の中国人留学生だった。
 男はかつて中国国内の西南大学で学び、チューリッヒ大学に移籍した。この男はソーシャルメディアで祖国に対する熱狂的な「愛国感情」を何度も表明していた。男の投稿には、理非を問わないショナリズムと外国人に対する憎悪があふれていた。
 男のゆがんだ考えの背景には、かつてある女性に愛を告白したが受け入れられなかったことがあると見られる。男の「愛国感情」は個人的な欲望と挫折によってゆがめられ、暴走した感情を転嫁するための道具になっていった。結局、この極端な感情がスイスの街頭で爆発し、惨劇を招いくこといなった。
 それよりしばらく前の8月末には、オーストラリアで33歳の中国人の男が生後9カ月の赤ちゃんに熱いコーヒーを浴びせて全身60%に重度のやけどを負わせた。男はオーストラリアで合法的な居留資格を得ることができなかったので恨みを抱き、罪のない赤ちゃんに怒りをぶつけた。
 報道によると、男は留学ビザを取得して長期にわたってオーストラリアでアルバイトをしていたが、生活は順調ではなかった。男は長年の不満と前途への絶望で理性と人間性を失い、理不尽かつ凶悪な社会への報復行為に走った。
 この二つの事件の犯人には、ナショナリズムイデオロギーと深く絡み合う極端な感情を持つに至ったという共通点がある。スイスでの事件で犯人は個人の感情的な挫折を国家の栄誉と結びつけてしまい、その熱狂的な感情に突き動かされて罪のない人に対する憎しみを持つようになった。オーストラリアで起きた事件でも、犯人の心の中には外部との深い溝が存在した。
 中国では近年、過激なナショナリズム感情がネットでも現実でもますます激しくなっている。他国の文化にやみくもに排斥する「戦馬作戦」のような行為も「ネット上の叫び」にとどまらず、現実の行動になる場合がある。自分の生活の中の不満を外部への憎しみ置き換えて、過激で暴力的な方法に訴える人が増えている。過激なナショナリズムはネット空間から現実世界に飛び出し、さらには国境すらも超えた。
 スイスとオーストラリアでの二つの悪質な事件は、社会のすべての人に対する警告だ。極端なナショナリズムによる行動が中国国家のイメージを損なうだけでなく、世界の華人の生活環境を脅かしている。過激なナショナリズムの背後にあるのはまっとうな「愛国」ではなく、歪んだ価値観や病んだ心理だ。真の愛国行為とは、例えば理性的かつ文明的な方式を通じて自国の力と自国の善意を世界に示すことであり、罪のない人を攻撃したり、心の不満をぶつけるために暴力による報復をすることではない。
 米国などでは新型コロナ感染症をきっかけに、反中感情が強まった。中国人による悪質な事件がさらに追加されれば、国際社会における中国人に対する疑問と敵視をさらに強めることになる。このことは、海外在住華人の安全と利益を損ねるだけでなく、将来の国際関係により多くの「不信の地雷」を埋めることになる。
 極端なナショナリズムの「毒の炎」はすでに、国境を越えて広がっている。われわれは警戒せねばならない。このような感情がさらに拡大することを許してはならない。この問題に真剣に向き合い、その拡散を抑制するための措置を講じる時が来ている。社会が理性と寛容を取り戻すことが求められている。(翻訳・編集/如月隼人)
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🐼34」─1─中国共産党は世界制覇の為に共産主義者孔子を作り出している。〜No.131No.132 

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 中国共産党は、儒教マルス主義と融合させて現代風の新儒教を作り世界に広めようとしている。
 が、孔子儒教に特別な思いを抱くのは日本だけで、日本以外には存在しない。
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 日本人が尊敬する孔子は、中国には存在しない。
 『論語』は『論語』でも、日本で愛読する『論語』、現代の中国の『論語』とは全然違う。
 媚中派日本人は、新儒教を日本に広めている。
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 2024年10月20日 MicrosoftStartニュース 東洋経済オンライン「「聖人・孔子」をプロパガンダに利用する中国の茶番 マルクス孔子の対談動画が物笑いの種に
 安田 峰俊
 閉鎖が相次ぐ孔子学院。日本でも2005年に京都の立命館大学内に設置されたのを皮切りに、早稲田大学など12校の学内に存在する(2024年4月時点)(写真:アフロ)
 © 東洋経済オンライン
 近年の中国は、孔子学院や孔子平和賞など、孔子の名を冠する国際広報活動を盛んに展開している。この方針について、現代中国に精通する紀実作家の安田峰俊氏は、孔子は中国の知的・文化的優位性をアピールするうえで最も適した人物だと指摘。孔子の利用に躍 起になる習近平政権の思惑に迫る。
 ※本稿は、安田峰俊氏著『中国ぎらいのための中国史』より一部を抜粋・編集したものです。
 閉鎖が相次ぐ孔子学院
 中国政府肝煎りの教育機関孔子学院」の名前は、中国にあまり興味がない人でもご存じだろう。これは2004年以降、中国教育部(文部科学省に相当)傘下の国家漢辦のもとで世界各国につくられた中国語や中国文化の教育機関で、多くは現地の大学と提携する形式が取られた。
 中国の動画サイトで公開されている、「マルクス孔子に会ったとき」の画面
 だが、単なるパブリック・ディプロマシー(公報文化外交)にとどまらない安全保障上の懸念がある施設だとして、近年は日本を含む西側各国で盛んにやり玉に挙げられている。
 もっとも、当初の孔子学院は格安で質の高い中国語を学べる施設として、各国で好評だった。新華社によれば、2018年12月の時点では世界の154の国や地域に孔子学院が548校、簡易版の施設である孔子課堂が1193校も展開し、学生数は187万人に達したという。
 日本でも2005年に京都の立命館大学内に設置されたのを皮切りに、早稲田大学など12校の学内に存在する(2024年4月時点)。実のところ、私が過去に日本国内の3校で中国語のオンライン講義を受けてみた限りでは政治的な雰囲気は感じなかったのだが、近年の講師陣の身元を調べると、中国政府と非常に近しい人たちが多いことは事実である。
 そのため、2020年夏ごろからは西側各国で孔子学院への警戒論が強まり、校舎の閉鎖が相次いだほか、日本国内でも厳しい目が向けられるようになった。
 対して、中国政府は孔子学院の運営母体を便宜上の民間公益団体に切り替えたり、施設の名前を変えたりして運営を続けようとしているという。
 孔子平和賞、失敗する
 孔子の名を冠した、政治色のある中国発の国際プロジェクトはほかにもある。たとえば、2010年12月に中国国内で創設された「孔子平和賞」だ(翌年から主催が香港の団体に引き継がれた)。
 孔子平和賞が生まれた契機は、中国民主化運動の精神的リーダーだった劉暁波が、その2カ月前にノーベル平和賞を受賞したことである。当時、中国国内では保守派を中心に平和賞の選出基準が恣意的(反中国的)だとして反発が起き、これに対抗する形で「中国とアジアの平和観と人権観を示す」人物を表彰する新たな国際賞が創設された。
 歴代の受賞者は、台湾の中国国民党名誉主席の連戦、ロシアのプーチン大統領キューバカストロ議長……と、中国の体制と親和的な海外の要人たちが多くを占めていた。しかし、ほとんどの選出者が受賞を固辞したため、中国側が当該国の留学生などを代理に立てて強引に授賞式を開くという不面目な事態も常態化していた(2013年に受賞した中国人僧侶の釈一誠のみ、本人が授賞式に出席)。
 ちなみに2015年には、日中友好人士として知られる村山富市元首相が最終選考まで残ったが、村山側が健康状態を理由として辞退したため、賞はジンバブエの独裁者であったムガベ大統領に贈られている。
 この孔子平和賞はあまりにも「茶番」感が強いためか、2017年を最後に廃止された。ただ、世界で最も権威があるノーベル平和賞に対抗するために、中国が「孔子」を持ち出したことは興味深い。孔子学院も孔子平和賞も、最終的には成功していないとはいえ、近年の中国はパブリック・ディプロマシー孔子を盛んに活用しているのである。
 孔子は世界史上でもソクラテスと並び称される有名な思想家だ。その言行録である『論語』も、人類全体の古典として各国語に訳され、広く読まれている。
 現代の中国が他国からの尊敬を勝ちとりつつ、自国の知的・文化的優位性をアピールするうえで、アイコンとして最も適した人物なのは確かである。
 2023年10月には、中国の人気テレビ局である湖南衛視で、「マルクス孔子に会ったとき」という大型教養番組が放送されている。その内容は、マルクス(なぜか流暢な中国語を話す)が時空を超えて孔子の学堂を訪ね、ともに理想の世界について語り合うという珍妙なものだ。
 マルクス孔子と対談する?
 番組中ではマルクス役の俳優が孔子役の俳優に「あなたと私の見解は多くの部分で似たところがある」と語りかけるシーンもあり、在外中国人の反体制派の間ではそのナンセンスぶりが物笑いの種になった。
 中国の動画サイトで公開されている、 「マルクス孔子に会ったとき」 の画面。シュールである
 © 東洋経済オンライン
 だが、番組は党機関紙『人民日報』のウェブサイトで大々的に宣伝され、同年夏にマルクス主義と中国の伝統文化との接続を唱える「第2の結合」の講話をおこなった習近平の姿が映像の冒頭に挿入されるなど、党の意向が強く反映されている。
 全体を通じて、孔子の立場をマルクスよりもやや優越させているような印象も受ける。中国共産党は、いまなお「共産党」を名乗って鎌とハンマーの党旗を掲げているため、マルクスの権威は決して無視できない。だが、実質的に資本主義を導入している中国社会には、かつてマルクスが批判したブルジョワジーによる生産手段の独占とプロレタリアートの搾取が、他国以上に深刻な形で存在している。
 党としては、マルクスをひとまず神棚に乗せ、実際の政治運営においては儒教に代表される中国の伝統文化に基づく統治をおこなう考えなのだろう。漢代から約2000年にわたって存在した儒教的な専制体制は、広大な中国を統治するうえで最も有効性が保証された政治形態なのである。
 念のために付言しておけば、実際に『論語』を読むと、孔子は自分が政治家としてスカウトされることを望んだり弟子と冗談交じりの掛け合いをしたりと、人間臭く面白い個性を持つ人物だったことが伝わってくる。
 日本の江戸時代の国学者だった本居宣長は、かつて「聖人と人はいへとも聖人のたくひならめや孔子はよき人」(世間で聖人と呼ばれてはいるが、孔子は聖人らしからぬ好ましい人だ)という和歌を詠んだ。春秋時代の教育者だった孔丘という生身の人間と、後世の国家統治イデオロギーの象徴になった聖人・孔子は、似て非なる存在なのだ。
 ただし、近年の中国共産党が復活させたがっている孔子は、後者のほうである。西側とは異なる体制のもとで党が人民を支配する道具として、「聖人・孔子」はいまなお必要とされている。
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2023-05-09
⏱19:ー1ーChatGPTの歴史データは左派系メディアがインプットした自虐史の情報であった。~No.56No.57No.58 
   ・   ・    ・   
最高学府、超難関大学の中国化。 
2023-05-12
⏱20:ー1ーステルス侵略。中国共産党日本教育界浸透工作。孔子学院。~No.59 
2023-05-18
⏱20:ー2ー国内13大学が「中国政府の宣伝工作拠点」に?“孔子学院”の危険な実態。~No.60 
2024-02-05
⏱20:ー3・Aー日本のエリート学生が「まるで中国政府のスポークスパーソン」~No.61 
2024-02-26
⏱20:ー3・Bー中国共産党学習院内にチャイナスクールを創設しようといている。~No.61 
2024-05-18
⏱20:ー3・Cー日本の高校や大学で中国人留学生や中国移民の子弟が増え日本人学生は減っている。~No.61 
2024-05-28
⏱20:ー3・Dー中国共産党に脅かされる日本の教育界。日本国内に増える中国人留学生。~No.61 
2024-07-13
⏱20:ー3・Eー日本のエリート学生は『中国共産党の論理』に染まっていま。~No.61 
2024-10-02
⏱20:ー3・Fー東大に中国人留学生が急増!10年で3倍、全体の12%超。~No.61 
   ・   ・   ・   
2023-08-17
⏱24:ー1ー中国人に買われる北海道のリゾートに沖縄の離島。『荀子』の「兵不血刃」~No.68 
   ・   ・   ・   
2023-09-21
⏱29:ー1ー日本の街中で「抗日愛国歌」を熱唱する中国人留学生の男性。~No.78No.79 
   ・   ・   ・   
中国共産党に利する日本人。
2024-08-03
⏱53:ー1ー政府の対中国防強化策に反対する媚中派反米派日本人。~No.127No.128 
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愛国教育。仇日教育。
2024-10-04
⏱62:ー1ー中国共産党が認める最新歴史教科書では日本は「敵」。~No.148 
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👠3:─1─世界は激変して反中・反ロシア、親米・親日の国の数は予想以上に少ない。~No.3 

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 世界は金で動き、外交は武力で動いている。
 国際法に基づいた平和的話し合いは見せ掛けで無力である。
 それを証明したのが、ロシアのウクライナ侵略戦争イスラエルへの虐殺テロ事件から始まった中東紛争である。
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 日本が世界で信頼され、日本人が世界で愛されている、それはウソである。
 平和憲法である日本国憲法が理想的な憲法である、はウソである。
 いざとなったら、世界は、国連は、諸外国は日本を助けてくれる、はウソである。
 天は、神は、自分を助ける者を助け、自分を見捨てる者は見捨てる。
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 世界史の事実として、理想は現実に敗北し、自由と民主主義は権威と絶対主義によって駆逐される。
 民主主義の古代ギリシャ古代ローマは、短期間で滅んだ。
 その歴史的事実は、日本以外の全ての国家と国民が知っている。
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 2024年10月19日 YAHOO!JAPANニュース 現代ビジネス世界を見れば「反中」の国はそんなに多くない…日本が目を背けてきた「事実」
 中央アジアや中東・アフリカを中心とした協力体制を整えつつある中国。今まで強権を持っていた欧州各国は2022年に勃発したロシアのウクライナ侵攻によってゆっくりと力を落としている。そんな米欧露を横目に中国は覇権の確立を目指す。中国研究者でありインドの国立大学研究フェローの中川コージ氏は『日本が勝つための経済安全保障――エコノミック・インテリジェンス』(ワニブックス刊)にて、覇権の確立を目指す中国について解説している。本書より一部を抜粋して紹介する。
 【写真】世界を見れば「反中」の国はそんなに多くない…日本が目を背けてきた「事実」
 日本が思っているほど「親米」「反中」の国は多くない
 アメリカ、中国は「超大国」ですが、日本はあくまでも「大国(地域大国・非超大国)」です。これは卑下しているわけでは全くありません。規模とポジションについての誇りある適正な自己認識です。また、「アメリカと常に足並みをそろえてさえいれば苦労しない」とか「アメリカのやることをスケールダウンして、何分の一、何十分の一レベルで真似をして追従していれば間違うことはない」などと思い込むのも危険です。
 たとえば2022年2月末から発生したロシアによるウクライナ侵攻(宇露戦争)においては、欧米が日本に対して「一緒に足並みをそろえてロシアに圧力をかけてくれ、ウクライナを支援してくれ」と要請してきます。これに応えていれば何となく「やっている感」は出ますが、本来、日本がやるべきことはそれに加えて他にもあるはずです。
 たとえば中国は、宇露戦争(中国側はウクライナ危機と称しています)の影で、欧露米の全世界的プレゼンス低下を鋭く見極め、中央アジア、南米や中東との結束を強化し、経済協力を表明するなど結びつきを強化していました。
 ASEAN諸国のうち重要な国を狙った友好の一手を打ちつつ日米と連携するフィリピンとの対立を深めることでASEAN内の離間工作を進め、冷え切っていた中豪関係も温め直しました。日本も2022年5月に入ってから岸田首相がASEAN3カ国を歴訪するなど「対中牽制」とみられる動きを見せましたが、まだまだ中国の全地球規模での巧みな一手には及ばない範囲にとどまっています。
 日本が思っているほどには、世界各国の「親米」「反中」度合いは高くはありません。むしろ「親中」でなくとも「反米」だったり、先に述べたように国連で何らかの採決を取る際には中国と足並みをそろえたりという関係性を、中国はアフリカを中心に構築しつつあります。
 自由主義陣営が中国に負ける
 2019年10月、人権問題を扱う国連総会第三委員会で欧米が中国によるウイグル人弾圧非難声明を出した際に、賛成したのは23カ国で、アジアでは日本だけが賛成したのが現状です。一方、中国を支持した国はロシアやパキスタンなど54カ国。数だけで言えば、国連での数の戦いで自由主義陣営はすでに中国に負けている状況です。
 続く2021年6月の国連人権理事会で発表された新疆、香港、チベットの人権状況を懸念する共同声明では、欧米諸国や日本など44カ国が署名したのに対し、ベラルーシ代表が同日に発表した中国擁護の声明に署名した国はアフリカ、中東などを中心に69カ国に達しました。中国を支持する国々の方がずっと多く、自由主義陣営が劣勢、中国側の主張が優勢になる形勢で、国連が分断されつつあるのです。
 欧露との協調に腐心してきた
 これまでの中国は、2049年をめどにアメリカを軍事、産業経済、科学技術、文化、エンタメ、マネーなどで凌駕することを目標にしてきました。そして、その世界覇権を米国から奪取するために、中国は欧州主要国やロシアとの協調を図ることに長年腐心してきました。
 大国の戦略的競争関係の構造上、中国がアメリカと頂上対峙するためには欧露が重要なパートナーになります。中国は、中国 vs. 米欧の構造になることを避けなければならず、中国 vs. 米国、として露欧が中国側につけばやりやすいと考えていたわけです。
 しかし中国にとって難儀で、御(ぎょ)しがたいのは特権階級的な欧州各国(特に英・仏・独・伊)で、これらの国々に対しては、経済支援合作や原発宇宙技術開発合作を行い、かなり急進的な脱炭素政策にも迎合する、といったあらゆる手を使って、揉み手で下から目線で接近し、カネもヒトも投資してきました。すべてはアメリカを凌駕するためです。
 中国にとっては「棚ぼたチャンス」
 そうした背景のもとで2022年、宇露戦争が発生しました。
 ロシアの侵攻前後では、欧米諸国が対露経済制裁を決める中で、中国はロシア・ウクライナへの二方美人で、主に経済的利得(ウクライナとの自由貿易も継続しつつ、露の天然資源を中国が購入したり迂回貿易をしたり)を確保すると見られていました。
 しかし侵攻が長期化したことにより、ロシアは国際社会での信用を著しく毀損しただけでなく、直接的な経済ダメージも十分に受けつつあります。
 そして将来的にロシアが国家解体的リセットにならない限り、欧州主要各国は自然エネルギー確保のコストが増加することに加えて、宇露問題が片付いた後でさえ軍事安全保障のコストを上げざるを得ないでしょう。よって欧州と露は長期的な「地盤沈下」を起こすことがほぼ確定してしまいました。
 中国にとっては、元来より「2035年長期目標」などと表現されるように、これからの数十年間は欧露との協調期間を経て、G2構造(米中の両超大国が国際ルールを主導)を経由して、長期的にはG1構造(中国覇権の確立)に着地するという目論見がありました。いわば、欧露と社交ダンスを踊りながらG2を確立し、その後、G1へ至るというシナリオです。
 ところが今般の偶発的な欧露の「地盤沈下」により、中国はこれまでのように欧州貴族国家のご機嫌取りをする必要性が低減します。もちろん、これまで通り対米戦略の一環として対欧州先進諸国協調は重要ですが、従来よりも対欧の戦略的重要度が低減し、コスト投下を緩くすることが可能になったので他の戦略的対象にエネルギーを割くことができるようになる、ということです。
 言い換えれば、中国はロシア・ウクライナ問題の対処によって、欧露とのダンスでなりふり構わず尻尾を振って踊って、体力を消耗する必要がなくなりそうな状態になってきたということになります。長年米国に打診しながら足蹴(あしげ)にされ続けた悲願のG2構図に、実質的に自力シフトすることが可能になりそうな「棚ぼた」チャンスが発生したわけです。
 続く記事【親中国家・オーストラリアがついに反旗を翻す! かと思いきや、途切れなかった「蜜月関係」】では親密さを深める中豪関係について、解説しています。
 中川 コージ(管理学博士(経営学博士)・インド政府立IIMインド管理大学ラクナウノイダ公共政策センターフェロー)
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