🔯7」─3・A─イエス・キリストが白人として描かれた理由とは?〜No.25  

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 イエス・キリストを白人にしたのは、白人優位の人種差別主義である。
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 2022年11月6日 MicrosoftNews 現代ビジネス「イエス・キリストが白人として描かれた理由は、現代でも対立の根底に 民族と文明で読み解く「ユダヤ人」・下
宇山 卓栄
 世界の民族史・文明史の中でも、とりわけユダヤ人の歴史に関心を持つ人は多いのではないだろうか。そもそも「ユダヤ人」とは何者なのか。古来から現代まで続くアジア諸民族の闘争をトータルに捉えた宇山卓栄氏の話題書『民族と文明で読み解く大アジア史』(講談社+α新書)の著者・宇山卓栄氏が、同様のアプローチで迫る「ユダヤ人とは何か」を、2回にわたってご紹介しよう。今回はその2回目だ(第1回はこちら)。
 キリストの容貌は、実際はアラブ人に近かった
 イエス・キリストパレスティナベツレヘムで生まれたユダヤ人です。しかし、イエスは絵画などで白人のヨーロッパ人男性として描かれてきたために、イエスが白人であるかのようなイメージが定着しています。また、聖母マリアもほとんどの絵画で白人女性として描かれています。
 前回の記事で述べましたように、ディアスポラ(離散)以前、ユダヤ人は白人との混血をまだ進めていませんでした。ローマ帝国がシリア・パレスティナ地方を版図に組み入れますが、白人の入植者は決して多くはありませんでした。もしイエスの本当の容貌を復元できるとするならば、我々はそれを見て、瞬時に「アラブ人だ」と思うでしょう。イエスの髪の毛の色は金髪や赤茶ではなく黒で、眼の色も青ではなく黒であった可能性が高いでしょう。レオナルド・ダ・ヴィンチの「最後の晩餐」では、イエスの髪の毛は赤茶で描かれています。
  現代ビジネス レオナルド・ダ・ヴィンチ「最後の晩餐」(部分)Photo by iStock
 ユダヤ人はそもそもアラブ人と同じセム語派に分類されます。ユダヤ人の言語であるヘブライ語セム語族の一つです。インド・ヨーロッパ語派とは明らかに異なる民族です。それにもかかわらずイエスを白人のように描写するのは、イエスを同族としたいヨーロッパ人の思惑があったのだと批判されています。特に反人種差別団体は、イエスが白人として描かれている壁画や絵画は白人至上主義の擁護に使われているとして、公共の場から撤去すべきだと極端な主張をしています。
 神であるイエスは白人であるべきとする暗黙の了解がヨーロッパ白人の中にあったのは間違いないでしょう。イエスが中東人のような容貌では、白人にとって都合が悪かったのは言うまでもありません。
 『旧約聖書』によると、ユダヤ人とアラブ人は共通の祖を持ちます。アブラハムは奴隷の妾にイシュマエルを生ませます。このイシュマエルの子孫がアラブ民族となったとされます。後にアブラハムの正妻が生んだイサクの子孫がユダヤ民族となったとされます。
 ユダヤ人はアブラハムの正妻の嫡出子の系統であることを誇り、アラブ人を奴隷の妾の子であると見下しました。ユダヤ人とアラブ人はほぼ同族であるにも関わらず、歴史上一貫して、対立しており、それは今日にまで引き継がれています。
 「ユダヤ人」の定義とは
 では、ユダヤ人とは、いったいどのように定義される民族なのでしょうか。現在、イスラエルの法律では「ユダヤ人はユダヤ人の母親から生まれた人、またはユダヤ教に改宗を認められた人」(「イスラエル帰還法」より)と規定されています。
 © 現代ビジネス 宇山卓栄氏の著書『民族と文明で読み解く大アジア史』(画像をクリックするとアマゾンのサイトに移行します)
 ユダヤ人は古来、ユダヤ法で、ユダヤ人の母を持つ者をユダヤ人とするという思想を受け継いでおり、それがイスラエルの国法にも反映されています。父親がユダヤ人でも、母親が非ユダヤ人の場合、子供はユダヤ人ではないとみなされることもあります。子供の父親が誰かは分からなくても、母親から生まれた子は確実に母親の子であるため、母親がユダヤ人ならば、ユダヤ人の血は受け継がれていると考えられています。
 しかし、これらは厳格な定義であって、実際には、ユダヤ社会で、母親が非ユダヤ人で父親がユダヤ人という場合でも、その子はユダヤ人とみなされます。
 アシュケナジムセファルディム
 ディアスポラの中で、ユダヤ人は大きく三つのグループに分かれます。ドイツやフランス、そして東欧に移住したユダヤ人は「アシュケナジム」と呼ばれます。「アシュケナジAshkenazi」とはヘブライ語で「ドイツ」を意味します。
 イベリア半島スペインに渡ったユダヤ人は「セファルディム」と呼ばれます。「セファルディSephardi」はヘブライ語で「イベリア」の意があるとされます。さらに、セファルディムユダヤ人はポルトガル、イタリアなどの南欧諸国、トルコ、モロッコアルジェリアなどの北アフリカにも拡がります。フランスにはアシュケナジムユダヤ人とセファルディムユダヤ人が半々くらい居住しているとされます。
 ディアスポラ後もパレスティナをはじめ中東地域に留まったユダヤ人は「ミズラヒム」と呼ばれます。ヘブライ語で「ミズラ」は「東」の意味です。 
 セファルディムは当初、イベリア半島で居住し、後ウマイヤ朝などのイスラム教勢力の支配下で、イスラム教徒から「啓典の民」として寛大な措置が取られていましたが、1492年、キリスト教勢力がイベリア半島からイスラム勢力を駆逐し、レコンキスタが完了すると、キリスト教徒はユダヤ人を迫害しはじめました。ユダヤ教徒追放令なども発布されます。
 セファルディムの多くが北アフリカや中東に移住し、また、オランダ、イギリスにも移住します。オランダやイギリスのユダヤ人はおおよそ、セファルディム系のユダヤ人です。
 経済力で異国に力を持つ
 イギリスで、19世紀に活躍したイギリス首相ベンジャミン・ディズレーリもセファルディムユダヤ人です。1875年、ディズレーリがスエズ運河会社の株式を買収する際に、同じユダヤ人のロスチャイルド財閥の資金提供を受けます。この時、ロスチャイルドは「閣下、融資の担保はどうさせていただきましょうか」と問うたのに対し、ディズレーリは「大英帝国が担保である」と応じました。
 © 現代ビジネス ベンジャミン・ディズレーリ(1804-1881) Photo by iStock
 ディズレーリの姓は、彼の祖父が「デ・イズレーリD'Israeli」と改称する前、「イスラエリIsraeli」でした。これは「イスラエル」のことです。「イスラエル」はかつて、ヘブライ王国から分離したユダヤ人の古代国家で、今日のパレスティナの国号にも使われています。ヘブライ語で「イスラ・エルYsra-el」は「神(エル)が支配(イスラ)する」という意味です。
 「デ・イズレーリ」の「デ」は「de」であり、スペイン語やイタリア語の「de」は英語の「of」にあたる前置詞です。つまり、「イスラエル出身の」という意味になります。この「デ・イズレーリD'Israeli」が更に「ディズレーリDisraeli」に改称されます。いずれにしても、ユダヤ人であることを誇示した姓です。
 ディズレーリはイタリア系セファルディムの家柄で、祖父が18世紀、イタリアからイギリスに移住し、株式仲買人として成功します。しかし、ディズレーリは自分の家がスペイン系セファルディムであると主張していました。当時、セファルディムはイタリア系よりもスペイン系が高貴で裕福であるとする一般認識があり、ディズレーリがスペイン系にこだわったのは、こうした背景があるとされています。ちなみにディズレーリ家がスペイン系セファルディムであったという根拠はありません。
 16世紀、スペインの台頭とともに、スペイン系セファルディムで富豪になった者が多くいました。しかし、フェリペ2世カトリック政策を強化すると、スペイン系セファルディムはオランダに亡命しました。そして、17世紀、彼らはオランダの台頭とともに、更に富を蓄えます。オランダの哲学者スピノザの一家などは、こうしたセファルディムユダヤ人の典型でした。
 金融業などで成功した商才豊かなユダヤ人はヨーロッパ各地で尊敬されて、畏れられると同時に、迫害や差別を受けました。ユダヤ人は自らの国を持たない少数民族です。兵力数で強者に抗っても、勝てる見込みはありません。そこで、ユダヤ人は異国に根を広げ、カネを稼ぎ、経済力によって、力を持とうと考えたのです。特に、イギリスのように18世紀以降、議会制民主主義の進んだ国家に進出し、資金を提供することによって権力を掴んでいきます。こうしたユダヤ人の徹底した姿勢が反発を生み、差別や迫害の一因となります。
 © 現代ビジネス」
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☭64」─1─ロシアが北方領土を手放さない理由は核ミサイル原子力潜水艦である。~No.239No.240No.241 

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 2022年11月3日 YAHOO!JAPANニュース 幻冬舎ゴールドオンライン「本当に怖いのは核ミサイルより原子力潜水艦…発射後に移動、位置が特定されず、隠れてこっそり近づくことも可能
 世界地図をのぞくと日本はロシア・中国・北朝鮮に囲まれており、現在の世界情勢を照らし合わせると、地政学上大きく危険をはらんでいる国の一つといえます。2022年2月に始まったロシアのウクライナ侵攻による戦場の痛ましい現状の報道を目にして、罪のない人々が苦しむ姿に心痛めるとともに、自国の安全への不安を募らせれている人も多いのではないでしょうか。本連載では「2027年、日本がウクライナになる(他国に侵攻される)」と予測する、元自衛官で「戦場を知る政治家」である佐藤まさひさ氏の著書から一部一抜粋して、日本防衛の落とし穴についての知識を分かりやすく解説します。
 ロシアが北方領土を手放すわけにいかない理由
 なぜ、ロシアは北方領土が欲しいのでしょう? (中略)ロシアのカムチャツカ半島と北海道の間には、小さな島々が連なっています。北側にある島々が千島列島、南側にあるのが北方四島です。この島々をすべて自分のものにすれば、オホーツク海に蓋をすることができます。封鎖の状態をつくりたいのです。なぜか?
 それはアメリカを意識してのことです。「オホーツクの蓋」は2つの意味をもっています。一つは、アメリカの進出を防ぐため。もう一つは、太平洋に出ていくためです。
 択捉島国後島を日本に渡せば、同盟国のアメリカが必ずやってきます。米軍の空母が北方四島の近くに陣取り、島の間を抜けて原子力潜水艦が入ってくる。ロシアにとって、それは国家存続の危機。絶対に避けたいことなのです。
 現代の戦争は、戦略原子力潜水艦が大きなカギを握ります。例えば、地上から核ミサイルを発射した場合、高熱が出るため、発射地はすぐに特定できます。そうなれば即座に報復のミサイルが飛んでくる。ところが原子力潜水艦から発射すれば、発射後移動するのでどこにいるか特定できません。そんな潜水艦が国の近海にいたら、不気味でしかたがないのです。
 しかもカムチャツカ半島のペトロパブロフスク=カムチャツキー港には、ロシアの潜水艦の基地もあり、最新鋭の原潜も控えています。オホーツク海を「戦略原潜の聖域化」とするためには米海軍を近づける訳にはいかないのです。
 ロシアは、択捉島国後島に軍事基地を構え「地対艦ミサイル」と「地対空ミサイル」を配備しています。海・空からの攻撃に備え、艦隊を撃つ用意をしている。そんな要所でもある北方四島を、あの強欲なプーチンが簡単に明け渡すはずがないのです。
 冬でも凍てつくことのない北方四島の海
 ロシアがオホーツク海に蓋をしたい理由。その2つ目は、大きな海に自由に出たいからです。もちろん目的は、軍事です。上の地図は、地球を真上から見たものです。あなたがロシアの指導者なら、アメリカをどう攻撃するでしょう?
 「北極海越しにミサイルを撃ち込む」のが簡単そうですね。しかし、アメリカはそれを予測し防衛体制を固めています。途中で撃ち落とされる確率も高まります。そのため、北からだけではなくアメリカの西からも攻撃できる体制が必要です。それにはどうするか?
 艦隊を率いてアメリカの近くに配備する。あるいは、潜水艦で隠れて近づく。長期間の潜航ができ、核兵器も積んだ原子力潜水艦を使って近づき威嚇いかくするのも有効でしょう。ワシントンDCや海軍基地のあるサンディエゴを狙えば、アメリカもたまらないはずです。いずれにしても、オホーツク海から太平洋に出ていくには「玄関口」が必要です。その玄関口に当たるのが北方四島なのです。
 「オホーツク海の蓋」はとても長く、自由に出入りができそうなのですが、実は、千島列島の海は、冬には凍ってしまいます。つまり、自由に出入りできるのは北方四島の海だけなのです。こんな大事な島を、ロシアが返すはずがありません。
 ロシアから北方四島返還のチャンスを逃した90年代
 しかし一度だけ、返還されるチャンスがありました。ボリス・エリツィン大統領の時代(1991~1999年)です。ロシアは当時ひどい経済不況だったため、日本からの経済支援と引き換えに「北方四島の返還」を考えたのです。
 その時に畳み込むような交渉をすればよかったのですが、ロシアの顔色を窺っているうちに日本経済は低迷。逆にロシアは天然資源で潤い、国力を回復させました。日本は好機を逸したのです。
 北海道にはなぜ米軍の基地が置かれなかったのか?
 米ソ冷戦――。第二次世界大戦後、世界はアメリカ合衆国を中心にした「資本主義・自由主義」の西側諸国と、ソ連を中心にした「共産主義社会主義」の東側諸国の対立関係が生まれました。
 「冷戦」は「直接は対決しない戦争」という意味で、それぞれが攻撃力をもつからこそ、互いに牽制けんせいし合う状態が続きました。こうしたなかで、日本の各地に米軍の基地が置かれました。
 一つ不思議なのは、北海道に米軍基地がないことです。ロシアを牽制するには、北海道に米軍基地は不可欠と思えます。なぜ、それをしなかったのか?
 ひと言で言うと、ソ連との間合いを取るためです。例えば、北海道に米軍基地を置き、ソ連軍と「顔と顔を突き合わせた状態」になったとしましょう。万が一、どちらかの手違いで「攻撃された」とみなされた場合、これに応じなければなりません。
 つまり「小さな勘違い」が発火点になり、第三次世界大戦に発展しかねない訳です。危険を回避するには、間合いが必要なのです。
 今回、ウクライナの件で、アメリカのバイデン大統領は「軍事介入はしない」と明言しました。言うまでもなく、軍事介入すればロシアと直接対決になってしまうからです。それは他国をも巻き込んだ「第三次世界大戦」の開始を意味します。世界中の誰もがそれを望みません。
 しかしその一方で、世界中の多くの地域で、今回のような侵攻が起こったり、小さな紛争が絶え間なく起きたりしているのです。世界は、微妙なバランスの上に成り立っています。それぞれの国には、それぞれの事情があり、思惑がある。どこかがそれを剝むき出しにして暴走すれば、バランスは一気に崩れる。そんな危うい世界に、私たちは生きているのです。
 佐藤まさひさ
 参議院自民党国会対策委員長代行
 自民党国防議員連盟 事務局長
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🐉36」─3─中国漁船が急旋回して米沿岸警備隊の船に突進。~No.148 

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 2022年11月2日 MicrosoftNews Record China「中国漁船が急旋回して米沿岸警備隊の船に突進=「筆舌に尽くしがたい行為」も―台湾メディア
 © Record China
 台湾メディアの中央社は1日、今年8月にナンシー・ペロシ米下院議長が訪台したことに中国が反発してミサイルで威嚇するに至ったが、その時、太平洋のもう一方の片隅では中国漁船と米沿岸警備隊がにらみ合う事件が起きていたと報じた。
 記事はAP通信の報道を引用し、「エクアドルガラパゴス諸島にほど近い公海上イカを捕獲していた数百隻の中国漁船に対し、米沿岸警備隊が違法性がないか検査するために近づいた」とした上で、「これは合法的な行為だったが、数隻の中国漁船は思わぬ行動を取った。3隻が急発進し、1隻は急旋回して沿岸警備隊の船に突進してきた」と説明した。
 そして、「このような対抗行為は国際海洋法条約に違反するもので、非常に危険なものだ」と批判。「米国はこのほど中国漁船への懸念が日増しに高まる南米各国と協力、沿岸警備隊が太平洋東部で違法漁業を取り締まるのは初めてだった。米国側はこの件が不穏な先例になったとみている」と伝えた。
 記事によると、同海域では中国国旗を掲げた漁船が数カ月にわたって漁を行っており、その数は2009年以降、8倍に増えている。また、これらの漁船によるイカの漁獲量は7万トンから42万2000トンに増えた。一部の専門家は、例え繁殖力の強い種類であってもこのペースでは漁獲量を保てなくなるかもしれないと懸念しているという。
 記事はこのほか、AP通信などの調査で中国漁船には違法操業や海洋法条約違反、船員への虐待など「筆舌に尽くしがたい行為」が行われていることが明らかになったと指摘。「中国漁船は中国近海の資源を取り尽くし、今では米国大陸周辺の開けた海域で漁を行うようになっている」と伝えた。(翻訳・編集/北田)」
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🔯56」─3─イングランドとウェールズで発掘された人骨は最古のヒトDNAと判明。~No.204 

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 2022年10月29日 MicrosoftNews ギズモード・ジャパン「最終氷期ブリテン諸島にはふたつの異なる集団が存在していた。英国最古のヒトDNAから判明
 © ギズモード・ジャパン 提供 DNAが抽出された、ケンドリックの洞窟で見つかった人骨
 Image: EurekAlert!
 英国で最も古いヒトDNAがイングランドウェールズで発掘された人骨から見つかり、そのDNAによって最終氷期末期にやってきたと思われるブリテンに居住していたふたつの異なる集団の存在が明らかになりました。
 大陸から移動して来た人たちの子孫
 このふたつの集団が存在していた時期は、1,000年ほどしか離れていません。古代DNAを専門とするフランシス・クリック研究所の遺伝学者Mateja Hajdinjak氏は、変わりゆく動的集団という旧石器時代のヨーロッパで起こりつつあった状況に重なると、ユニバーシティ・カレッジ・ロンドンのリリースの中でコメントしています。研究成果は「Nature Ecology & Evolution」誌に掲載されました。
 DNAが抽出された人骨はそれぞれ、イングランドのサマセット州にあるゴフの洞窟とウェールズにあるケンドリックの洞窟から出土しており、研究チームがDNAを調べたところ、前者は約1万5000年前、後者は約1万3500年前のものと判明しています。
 彼らが生きていたころのブリテン諸島は、ドッガーランドという今では水没してしまった陸橋を介してヨーロッパ大陸とつながっていました。気候の温暖化とともに氷河が解け、海面は上昇し、諸島は切り離されてしまったのです。
 ふたりが生きていたのは、地質年代でいうと後期更新世にあたる時代。ネアンデルタール人やケナガマンモスが有名で、約1万2000年前に直近の氷河期(最終氷期)の終結と共に幕を閉じた区分です。
 DNAシーケンシングを行ない、前もって分析された西ユーラシアと北アフリカからのDNAと比較したところ、それぞれの来歴が明らかになりました。ゴフの洞窟の個体は元々1万6000年ほど前に北西ヨーロッパに移住した人たちの子孫で、ケンドリックの洞窟の個体はブリテンに約1万4000年前にやって来た近東に起源を持つ西部狩猟採集民の子孫だったのです。
 当時の食糧事情も解析
 研究者たちはふたりのDNAシーケンシング以外に、各遺跡で見つかった人骨と歯の同位体分析も行ないました。ケンドリックの洞窟付近に暮らしていた人たちは海産と淡水産食物を食べていた可能性が高い一方、ゴフの洞窟の人たちはオーロックスやアカシカといった陸上哺乳類を食べて生き延びていたのです。
 ゴフの洞窟は、チェダーマンの人骨が発見された場所でもあります。チェダーマンは約1万年前に20歳台半ばで亡くなった乳糖不耐症の人物で、1903年に発見されています。
 「チェダーマンを含む今までの研究から、西部狩猟採集民たちが1万500年頃にはブリテンにいたと分かっていましたが、そもそもの渡来はいつで、存在していた唯一の集団だったのかは不明でした」と、研究の共著者でロンドン自然史博物館の古生物学者Selina Brace氏は前述のリリースの中で述べています。
 ふたつの洞窟の集団は、文化的慣習も異なっていました。ケンドリックの洞窟にあった装飾された動物の骨(食べられた形跡はない)は、洞窟が主に墓として使われていたことを示唆。その一方で、ゴフの洞窟で見つかった噛まれた骨や髑髏杯は、居住者には儀式的な食人習慣があったことを示しています。
 人類がブリテンに戻ってきた時期やこういった集団の相互関係など解読すべきことはまだたくさんありますが、最古のヒトDNAのおかげで新たな知見を得ることができたのでした。
 Source: EurekAlert!, Nature Ecology & Evolution, Natural History Museum(1, 2)
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🛳40」─1─台湾有事によって専制主義の時代が戻り民主主義勢力は撤退戦となる。~No.243 

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 2022年10月30日 YAHOO!JAPANニュース クーリエ・ジャポン歴史学者ピーター・フランコパン「専制主義の時代が戻り、今の民主主義勢力は撤退戦のさなかにある」
 2022年10月の中国共産党大会で国家主席に再選された習近平は、台湾侵攻の可能性を否定しない。世界を戦争に巻き込みかねない今の中国をどう捉えるべきか──、『シルクロード全史』などの著書で知られ、中国の歴史にも詳しい、英オックスフォード大学の歴史学教授のピーター・フランコパンに仏誌が聞いた。
 【画像で見る】長期政権を築いた習近平
 20世紀初頭のような現在の世界情勢
 歴史学者のピーター・フランコパンは、2018年の著書『新しいシルクロード』(未邦訳)で中国の「一帯一路」構想を分析した。そこで描かれたのは、ユーラシア大陸に広がる太古のネットワークを復興しようという習近平の世界的野望だった。当時の中国はまだ平和的で建設的だったが、今では「鉄の壁」の向こう側にいる内向きな国になっている。中国はロシアと強固なパートナーシップを築いた。
 世界では専制主義国家と民主主義国家という異なる国家モデルの対立が始まっており、歴史が一巡したようだ。今見られるのは、「大陸国家同盟(ロシア、中国、イラン、トルコ)」と「海洋国家同盟(アメリカ、イギリス、日本、台湾)」の対立という、20世紀初頭のような動きだ。
 歴史の理解が重要な今、世界史を専門とするフランコパンに第20回中国共産党大会について話を聞いた。
 長期化する習近平体制は「安定」
──3期目の習近平政権が始まり、この体制が2030年代まで続く可能性も出てきました。このような長期の政権運営は、中国にとって良いことなのでしょうか。
 重要なのは、それが中国共産党にとって良いのかどうかということです。党にとっては、習近平による権力保持は安定を維持できるという意味で好都合でした。後継者争いという権力闘争を繰り広げずにすんだわけですからね。
 習近平を権力に飢えた支配者と嘲笑するよりも、なぜ継続性や安定性が今それほど大事なのかを考えるほうが有益でしょう。アメリカやロシアの状況を考えると、世界経済や国際情勢が安定しているとは決して言えません。不安定要素はそれ以外にもあります。
──2022年2月、習近平プーチンは、共同声明で中ロ間の「限界のない友情」を表明しました。まるで世界が第一次世界大戦の「中央同盟国」の時代に戻ったように感じます。
 専制主義国家の時代が戻ってきたのです。これは単なる印象論ではなく、その傾向は数字でも示されています。この10年近く、専制主義国家で暮らす人口が、絶対数でも、相対的な割合でも年々増えています。民主主義はまだ失われていないものの、撤退戦を強いられている状況です。
 高所得国の状況も、まるで中世のようです。一握りの財界の有力者やエリートに巨額の富と政治権力が集まり、そういう一個人が宇宙開発事業まで進めています。デジタル技術を使った国民の監視というのも、かつての封建君主による支配とそっくりです。
 中国が台湾に軍事侵攻する可能性はある
──習近平プーチンに倣って、台湾侵攻に踏み切る可能性はありますか。
 その可能性は否定できません。習近平は、第20回共産党大会初日の10月16日の演説で「武力行使も選択肢の一つだ」と明言しています。とはいえ、二人は同盟を結んでいるわけではありません。両者は相互に依存しているわけでも、利害関係が厳密に合致しているわけでもないのです。この二人の指導者の連携は、西側に対抗して別の世界観を打ち出すという象徴的なもので、打算的な結婚のようです。特に中国側はそのような意識でいます。
 これから何が起こるかを予測するのは難しいです。しかし、私は、ロシアによるウクライナ侵攻によって、中国が台湾に武力行使するリスクは減ったのではないかと見ています。なぜなら、今回ロシア側には、兵員の訓練、軍事物資の供給、指揮系統の整備など、多数の不足点があったと露呈しているからです。
 戦略家は詳細にこの惨状を分析し、中国は貴重な教訓を数多く得ているでしょう。それらが台湾などの構想に活かされていくのは間違いありません。
──中国は平和的な国だと言われてきましたが、そうではないのでしょうか。
 歴代王朝のなかでも強大だった宋や唐時代の領土は、今の中国よりも狭いです。中国の領土拡大があったのはここ数百年のことで、1644年から1911年までの清朝時代に始まりました。そのとき植民地化されたのは、主に今の中国の西側の地域です。ただ、中国文明はヨーロッパとは異なり、遠くに海外植民地を建設したり、その一環で奴隷制度や強制労働を導入したりしませんでした。
 その事実を、中国はアフリカ政策などで上手に利用しています。アフリカの国々を訪れた中国の政治家や外交官がよく語るのは、ヨーロッパ人が人々を大西洋の向こうに連れ去ってプランテーションで働かせ、「主人」がいかに富を得たということです。一方、中国はそのようなことは少なくとも国境の外側では一切しなかったと伝えるのです。
 台湾支配の方法はいくつもある
──台湾への侵攻は、第二次世界大戦の水陸両用作戦に匹敵する大胆な作戦に思えます。中国史上でそのような軍事作戦が遂行されたことはあるのですか。
 清朝は17世紀に台湾を征服しています。『戦争論』を著したカール・フォン・クラウゼヴィッツが言うように、「戦争とは、ほかの手段を使って継続する政治」です。すべての戦争はリスクや危険を伴い、何が起きるかを事前に予測することはできません。それはロシアのウクライナ侵攻でも明らかです。
 軍事行動というのは兵站の準備だけでも複雑です。さらに島を攻めるとなれば、その困難さは非常に大きくなります。台湾は攻略難度が高い標的です。まずはその地理的条件ゆえに、海峡を越えて上陸用舟艇を送り、兵士に崖を攻めさせなければいけません。これは非常にリスクが高く、さらに台湾の軍隊は、そのような攻撃に対抗する準備を何十年も重ねています。加えて米軍の強大なプレゼンスもあります。
 つまり、台湾を軍事的に攻め落とすのは大胆な作戦です。それよりもっと安く、もっと効果的に習近平や中国政府が言う「統一」を進められる手段もあります。でも、それには時間がかかるのです。したがって、私たちがいま分析すべきは、期限を策定する権限を持つのは誰か、期限はいつかという点です。それに関する中国共産党の方針は非常に明確です。
──中国共産党は1949年も1958年も台湾侵攻に失敗しています。なぜいまならできると考えているのでしょうか。
 中国の影響によって世界が変わったからです。数十年前の中国は内戦と第二次世界大戦で疲弊した農業国で、侵攻成功の見込みはゼロでした。でも、今の中国共産党は、巨額の貿易黒字で貯めたリソースを軍事予算に大きく割いています。中国人民解放軍の海軍の船舶数はいまや米軍を上回ります。潜水艦や空母の数にしても同様です。極超音速ミサイルなどの新しい装備や技術に加え、中国はデータやデジタル資源、戦略資源にも重点的に投資をしています。一世紀前とは異なり、いまの中国は手ごわい相手になっているのです。
──中国共産党は、台湾は2000年前から中国の一部だったと主張しています。中国は台湾に対する「歴史的権利」を持っているのでしょうか。
 歴史的権利というこの問題は地雷原のように多くの危険をはらんでいます。フランスは東南アジアの国々に対して歴史的権利を持つのでしょうか。あるいは、スウェーデンピョートル大帝の前までロシアのかなりの部分を支配していましたが、ロシアに対する歴史的権利を持つのでしょうか。
 いまの国際法では、異なる運命をたどった土地、領土、モノは取り返せません。ただ、台湾がこの数十年、法的には宙ぶらりんの状態にあったのは事実です。独立はしていないけれども、アメリカをはじめとした国々が支えるという、自然でない形で存在してきたのです。この状態が未来まで続く可能性もあります。考えるべきは「権利」ではなく、台湾の住民が何を望み、何を必要としているかです。台湾の人々に聞いてみるべきです。
 プーチンは、同様にドネツク、ルハンシク、クリミアで住民たちの意見を聞くこともできました。しかし、プーチン武力行使を選びました。その結果、西側諸国が一つに団結し、ロシアは弱体化したのです。ウクライナ侵攻から学べることは多々ありますが、この教訓こそ、いま中国政府がいちばん考えるべき点ではないかと、私は思っています。
 Jérémy André」
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🔯21」─1─人類初の戦争とは?約1万5,000 年前の旧石器人、スーダンのヌビア砂漠。~No.65No.66No.67 

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 早稲田の学問人類初の戦争とは?
 早稲田の学問
 プロローグ:歴史の変化を読む③ 前編 個人間の争いから集団間の争いへ
 文学学術院 教授 高橋 龍三郎(たかはし・りゅうざぶろう)
 1953年、長野県生まれ。1986年早稲田大学大学院文学研究科博士課程単位取得退学。近畿大学助教授などを経て、現職。現在、先史考古学研究所所長も務める。専門は先史考古学。主な著書に『縄文文化研究の最前線』(早稲田大学オンデマンド出版シリーズ)、『村落と社会の考古学』(朝倉書店)などがある。
 人間はいつから戦争を始めたのか
 世界各地で繰り返される凄惨(せいさん)な戦争を憎む人は多いと思いますが、戦争の根源や歴史的変遷を知る人は案外少ないのではないでしょうか。
 戦争は、人類学的な定義に従うと「武力(武器)を伴った集団間の戦い」ということになります。歴史学や考古学で扱う戦争はもう少し限定的です。敵対する大規模な集団が、互いの戦力を徹底的に破壊しようとする行為を戦争と捉え、その政治経済的原因として時代背景や歴史的要因の解明を目指します。
 現在のところ歴史上で最も古い戦争の跡とされているのが、スーダンのヌビア砂漠にある「ジャバル= サハバ117 遺跡」です。ここから見つかった約1 万5,000 年前の旧石器人骨は武器で殺傷されたもので、しかもその数はおびただしいものでした。穀物の生産も家畜の飼育もまだ始まっていない旧石器時代に戦争の可能性が示されたことは、余剰生産物がもたらす富の偏在と分配を戦争の原因と考える従来の戦争史観に対する大きな反証でした。
 日本では、戦争の起源をめぐって縄文時代弥生時代かで学者の間で意見が割れておりますが、弥生時代に戦争をしていたことはほぼ間違いないといえます。その最たる証拠が殺傷人骨と高地性集落跡の存在です。弥生人は小高い山の上にムラを築くことで、敵の来襲を防いだのではないでしょうか。また、縄文時代に比べて殺傷能力の高い大型の石鏃(せきぞく、石製のやじり)や金属製武器が多く出土していることも、弥生時代の戦争を証拠立てるものです。
 そもそも、武器が武器として最初から存在したとは考えにくく、縄文時代に使われた狩猟のための弓矢や槍(やり)が戦闘に転用されたとみる方が自然でしょう。実際、縄文時代の「高根木戸遺跡」(千葉県・船橋市)からは腕に突き刺さった石鏃(せきぞく)が致命傷になったと考えられる人骨が出土するなど、戦闘の証拠となる事例が複数知られています。戦闘の連続性・継続性があるか疑問が残りますが、狩猟採集社会でも戦争があったことは疑いないと思います。しかし、それは政治経済的な角逐が原因だったのでしょうか。
 戦争はなぜ起こり、大きくなっていくのか
 現代社会に近づくにつれ、戦争における対立の構図は複雑化していきます。それは戦争の要因が増えて複雑化することを意味しています。では、その原因を根源にまでさかのぼると何が見えてくるのでしょうか。
 私は、パプアニューギニアにおいて民族考古学的調査を行っています。パプアニューギニアでは、部族ごとに行われる実にさまざまな儀礼を調べました。その代表的なものが「成人儀礼」です。セピック川中流域に住むイアトムル族の場合、少年の体に一生残るワニのうろこを模した瘢痕(はんこん)を施します。彼らがワニに対して共通の祖先観念を持ち、強い同胞意識の連帯で結ばれる部族であることも原因となって、彼らは強い団結力を持ちます。もし個人間の争いが起これば、やがて部族間の戦争に発展していきます。例えば「息子が見下された」「女房に色目を使った」といったごくたわいないもめごとも、最終的に相手を壊滅させる部族間の戦争にまで発展しかねないのです。調停機構が社会に備わっていないことが要因です。現に、パプアニューギニアの民族史をひもとくと、第二次大戦前まで弓矢と槍(やり)を使った攻撃で4~5 人の死者が出るのは日常的なことで、それに対するリベンジも日常のことでした。
 実は、こうした歯止めのない、集団による血讐(けっしゅう)は人間以外の動物には見られないことなのです。それでは、戦争は人間の本能に根差すものなのでしょうか。私の考察はその逆で、社会組織や宗教生活の存在なしに戦争は起こらないし、戦争は決して恒常的制度ではなく、戦争の要因が日常的に存在しているに過ぎないと考えています。
>>> 後編へ続く(5月20日掲載予定)
(『新鐘』No.82掲載記事より)
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 プロローグ:歴史の変化を読む③ 後編 個人間の争いから集団間の争いへ
 文学学術院 教授 高橋 龍三郎(たかはし・りゅうざぶろう)
 1953年、長野県生まれ。1986年早稲田大学大学院文学研究科博士課程単位取得退学。近畿大学助教授などを経て、現職。現在、先史考古学研究所所長も務める。専門は先史考古学。主な著書に『縄文文化研究の最前線』(早稲田大学オンデマンド出版シリーズ)、『村落と社会の考古学』(朝倉書店)などがある。
 >>プロローグ:歴史の変化を読む③前編はこちら
 戦争はなぜ起こり、大きくなっていくのか
 未開社会には武器を伴わない戦争があります。それは、「スピリットウォー(呪詛(じゅそ)」と呼ばれる戦争です。彼らは身内の不幸や災厄は敵の呪詛によるものだと真剣に考えており、相手の髪の毛やたばこの吸い殻を呪詛する相手に見立てて、「作物が不作に終わるように」「壊滅するように」といった非常に生々しいことを祈ります。呪詛が日常的に行われ、それが原因で戦争に発展することもあります。その中から、戦後処理の取引関係を築くことで台頭するビッグマンが現れ、近隣の部族のビッグマンと交渉して部族の利益を誘導するのです。部族社会は平等な社会だったと長らく考えられてきましたが、そんなことはありません。強い霊性を背景にビッグマンというリーダーが登場する過程にある社会で、たくみに戦争を利用して政治経済的な役割を果たすようになります。
 人の心から起こる戦争、未然に防ぐには
 未開社会では「霊」や「カミ」はしばしば集団の組織化の根拠となります。しかし、国家段階になると「神」の観念が代わって登場します。英国の人類学者A.M.ホカートの著した『王権』に次のような一節があります。‘’神なくして国家なし、国家なくして神はなし” クラン(氏族)に分かれて群雄割拠していた状態から国家形成の過渡期になると絶対的な求心力や支配力に成り得る、神というシンボルを人々、特にエリート層は求めたのではないでしょうか。覇権には「強い神」が必要なのです。例えば、古事記日本書紀において天照大神は秩序と良俗の守護神、弟のスサノオの命は乱暴者という構図で描かれていますが、一説によると天照大神の前身はたたり神、怨霊だったといわれています。8世紀に編纂(へんさん)された『記紀』にみる、日本を生んだ天照大神の美しく善良な文脈は、国家形成が進む中で政治的に作り上げられ変質していった可能性も十分に考えられます。神そのものが変質するわけです。
 私たちは戦争について、政治経済的利害が原因で敵味方に分かれるものと考えがちです。しかし、未開社会の戦争を知れば、それが戦争を生んだわけではないことは明らかです。戦争が親族意識や宗教意識の違いから生まれ、人々の氏族的エトスによって主導されてきたものだとすれば、仲間の枠組一つで社会は好戦的、平和的のどちらにも変わるはずです。
 最後に一つ、極北のイヌイット社会におけるユニークな風習を紹介しましょう。村でもめごとが起こると、人々はニス歌と呼ばれる辱しめの歌を歌います。ニス歌とは、当事者の仲間が騒動のてんまつを面白おかしく揶揄(やゆ)する歌を発表し、聴衆の笑いと拍手で事態を収束するというもの。一見するとけんかをたきつけるような行動に思えますが、現にこれが良い緩衝剤になって争いの拡大を防いでいるのです。未開社会の知恵なのでしょう。民族考古学的調査を通じて、世界的・歴史的横断をしながらこうした例を見ていく中に、平和な世界をつくるヒントを見つけられるかもしれません。文明には文明の知恵があるはずです。
 (『新鐘』No.82掲載記事より)
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🛳39」─1─中国共産党規約に「台湾独立反対」~No.242 

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 関連ブログを6つ立ち上げる。プロフィールに情報。
   ・   ・   {東山道美濃国・百姓の次男・栗山正博}・  
 2022年10日26日22:38 MicrosoftNews 共同通信社中国共産党規約に「台湾独立反対」
 【北京共同】中国共産党が26日公開した改正後の党規約全文には「『台湾独立』に断固として反対し抑え込む」との文言が盛り込まれた。
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 10月27日19:09 MicrosoftNews テレ朝news「中国国防省 日本に対し「台湾問題に手を出すな」
 日本政府が年末までに改定する「国家安全保障戦略」に台湾情勢が言及される見通しであることに対し、中国国防省は「台湾問題に手を出すな」と反発しました。
 中国国防省は27日の会見で、日本が改定を予定する「国家安全保障戦略」ついて、台湾問題への言及を巡り「中国の軍事的脅威を煽り立てるもので、下心があり無責任だ」と批判しました。
 そのうえで、台湾問題は「中国の内政だ」と強調し、「日本は台湾問題に手を出すな」と釘を刺しました。
 また、アメリカに対しては年末までに台湾への追加の武器売却発表するとの報道を巡り、「平和統一への障害であり台湾海峡の緊張と衝突のリスクを高めている」と非難しました。」
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 殺された安倍晋三元総理が訴えた「台湾有事は日本有事」は、現実的事実として、現代でも歴史においても正しい。
 歴史的事実として、台湾は親日・知日で、中国共産党反日・敵日である。
 中国共産党は、昭和天皇や皇族を惨殺しようとした日本人のマルクス主義者・共産主義者無政府主義者つまり過激派テロリストを支援してた。
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